枯 野 7     100句

枯野はも縁の下までつゞきをり    久保田万太郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
石舞台枯野のいろを畏みぬ 雨村敏子 201601
青空に絮次々と枯野原 大森道生 春燈 201601
一人ゆく一本道や枯野中 沼田巴字 京鹿子 201602
枯野中人間本来無一物 沼田巴字 京鹿子 201602
人影を入れてやはらぐ枯野かな 熊川暁子 201602
枯野中望郷すてがたき今を 柴田靖子 201602
ふりむかず前へまえへと大枯野 柴田靖子 201602
ひとすぢの川流れゆく枯野かな 卓田謙一 万象 201602
飴ひとつ供へ枯野の辻地蔵 佐藤淑子 雨月 201602
ショッピングモールの外は枯野原 大木清美子 201602
大枯野うごくところを見てをりぬ 佐藤喜孝 あを 201602
これ以上枯れぬ枯野となつてをり 林昭太郎 201603
先のさき見ゆるも怖し枯野行く 荒井千瑳子 201603
真後ろはもう象なき枯野かな 井上菜摘子 京鹿子 201603
枯野にて夢の欠片を拾ひける 柳川晋 201603
生きものの死のあたたかき枯野かな 宇都宮敦子 201603
六尺の影を曳き摺る大枯野 小林共代 風土 201603
銀嶺を高く信濃の枯野かな 池田友之 夏雲 201603
薄ら日を枯野の芯に仰ぎけり 田部明子 馬醉木 201604
渺々と風は枯野を迷ひゆく 飯田ひでを 201604
枯野原分け入る人の背の広し 森清堯 末黒野 201604
銃弾を追うて枯野へ犬走る 西川みほ 末黒野 201604
夕茜枯野の中の観覧車 山田正子 201604
雲重し日矢の差し来る枯野かな 原田達夫 201604
一陣の雀枯野を急旋回 鎌田光恵 201604
国分寺跡とは石と枯野なる 大久保白村同 ホトトギス 201605
探査機がとどきしといふ枯野星 安原葉 ホトトギス 201605
気がつけば野良犬をらぬ枯野かな 飛高隆夫 万象 201605
枯野にて生命の証確かめる 田中信行 201605
大枯野出て行く舟の櫂軋む 井上和子 201606
枯野ゆく夕日が風の彩を染め 吉永すみれ 風土 201610
日当れば枯野に動きをりしものc 稲畑汀子 ホトトギス 201612
省略か余白か一面枯野原 内山照久 201701
きりもみの喧嘩鴉や大枯野 本間羊山 風土 201701
二歩三歩遅れ始める枯野坂 丸井巴水 京鹿子 201701
生きしもの救ひすくはれ枯野道 柴田靖子 201701
小走りに己が影追ふ枯野道 鍋島武彦 末黒野 201702
とこしへに道を求めて枯野行く 佐藤まさ子 春燈 201702
正面に沈む夕日や大枯野 坂入妙香 春燈 201702
枯野道一茶の歩幅思ひ行く 安立公彦 春燈 201702
ガラス片踏みて歪める枯野かな 石田阿畏子 馬醉木 201702
夕日いま火の海となる枯野かな 穐好樹菟男 馬醉木 201702
ふり返りみれば明るき枯野かな 犬塚李里子 201702
栄光の日日に連なる枯野かな 柳川晋 201702
ゆつくりも急ぐも独り大枯野 近藤喜子 201702
茫茫と歩していく世の枯野かな 石橋みどり 201702
背後から獣の臭ひ枯野行く 福島茂 201702
枯野行く影法師さへ頼りとす 河崎國代 春燈 201702
枯野ゆく風のやさしく背を押さる 伊吹之博 京鹿子 201703
菜園のをちこちに枯野菊かな 秋山信行 やぶれ傘 201703
枯野来て大琵琶北へ広ごれり 樺山翠 雨月 201703
小さき寄付すませ枯野の道かへる 黒滝志麻子 末黒野 201703
峠越ゆ枯野は北緯四十度 駒形祐右子 万象 201703
遠くまで川隠れなき大枯野 玉田瑞穂 万象 201703
続々と枯野へ向かふヘルメット 篠藤千佳子 201703
一頭の黒鹿毛が統(す)ぶ枯野原 有松洋子 201703
海坂や枯野の端に来り見ゆ 定梶じょう あを 201703
田に戻る当てなき枯野地震の郷 佐藤澄世 馬醉木 201703
ひとつ建つ蝦夷の墓標や大枯野 榎美幸 万象 201704
枯野原夢売る男遂に去る 水野恒彦 201704
媼にはおうなの夢や枯野行く 及川照子 末黒野 201704
夕照の燃えむばかりの枯野かな 森清堯 末黒野 201704
墜道を抜け満目の枯野かな 安斎久英 末黒野 201704
一望の枯野無尽の詩を蔵す 楠原幹子 201704
白鷺に枯野の光集まれり 飛高隆夫 万象 201704
安曇野の遠き一灯夕枯野 熊岡俊子 雨月 201704
枯野原大きな声の人が来る 浜崎素粒子 ホトトギス 201705
絢爛とおろおろおろと行く枯野 甲斐いちびん 船団 201707
一望の枯野無尽の静を蔵す 楠原幹子 201801
枯野より押し出されし岬神 柴田佐知子 201801
窯守の眼鎮むる遠枯野 能村研三 201801
見渡せば枯野目つむれば鬨の声 千田百里 201802
蒼穹や枯野の肉を板で売る 山田健太 風土 201802
単線路枯野が原を突つ切れり 田中佐知子 風土 201802
去るものは追はず枯野の色となる 鷺山珀眉 京鹿子 201802
無人駅枯野の夕日届かせて 北元多加 馬醉木 201802
枯野ゆくもう身に何も要らぬかな 柴崎英子 201802
枯野行く我が身に枯の及ぶまで 林昭太郎 201802
寄り添ひぬはせをの杖にある枯野 甲州千草 201802
石狩川に逆波激し大枯野 紅露恵子 万象 201803
縹渺と人か芒か枯野原 田島綾子 末黒野 201803
ふるさとの山河を胸に枯野踏む 田中臥石 末黒野 201803
枯野へと小さき土橋わたりけり 浅田光代 風土 201803
枯野道呼び合ふやうに星光り 森清信子 末黒野 201803
大枯野見えぬ余生へ歩を進め 田村すゝむ 風土 201803
怪しきは公家の早足枯野道 奥田筆子 京鹿子 201803
行き行きて母がはは呼ぶ枯野中 斉藤玲子 馬醉木 201803
鉄塔のふんばつてゐる大枯野 佐々木よし子 201803
0番線ホームの先の枯野かな 稗田寿明 201803
仕掛檻覗き枯野を引き返す 井上和子 201803
落暉いま枯野づたひの貨車長し 吉田きみえ 末黒野 201804
夕日の色胸に留めて枯野道 松本三千夫 末黒野 201804
大枯野ひかりを踏みて子らの来る 竹内タカミ 201804
一筋の川に窪める枯野かな 安江筍子 雨月 201804
束の間の入り日はなやぐ大枯野 阪上多恵子 雨月 201804
向かうから福の神来る枯野かな 高橋将夫 201804
息熱く馬の立ちゐる枯野かな 深川淑枝 201804
日のにほふ枯山で見る枯野かな 熊川暁子 201805
電子辞書の枯野にボール置いておく 井上菜摘子 京鹿子 201805
枯野→ 8

 

2020年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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