枯 野 8     101句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
がらんどうの青空ありて枯野原 高倉和子 201806
空っぽの電車枯野に音残す 重原爽美 201811
空よりも明るくありし大枯野 重原爽美 201811
枯野行く草一本の手にあそぶ 重原爽美 201811
風もまた枯野を急ぐ一過客 坂下成紘 201901
俯瞰して東京といふ大枯野 田辺博充 201901
昃るや海のやうなる大枯野 黒滝志麻子 末黒野 201902
枯野人なま臭きもの担ぎ来る 南うみを 風土 201902
振り返り見れば明るき枯野かな 犬塚李里子 201902
枯野ゆく列車のどこか楽しげな 辻美奈子 201902
枯野道日矢ひとすぢに心置き 安斎久英 末黒野 201902
剥製の熊の目ひかる枯野宿 宮内とし子 201903
風の音と光無尽の枯野かな 五十嵐富士子 末黒野 201903
落日や枯野の果ての日本海 鍋島武彦 末黒野 201903
夕日影一両列車枯野ゆく 三輪温子 雨月 201903
ひとり来て風の声聞く枯野かな 大文字孝一 春燈 201903
真直ぐなる道なき枯野犬連れて 松本三千夫 末黒野 201903
うす墨に遠富士暮るる枯野かな 高木邦雄 末黒野 201903
烏五羽十羽二十羽大枯野 青谷小枝 やぶれ傘 201903
断捨離の枯野ふかふかしてゐたり 中田禎子 201903
白い音せる枯野のごとく愛せるか 水野恒彦 201903
紫の靴紐きつく枯野原 篠崎志津子 やぶれ傘 201904
風の扉を押して枯野へ深入りす 亀井福恵 京鹿子 201904
薄墨の絵に託したき枯野かな 臼居澄子 末黒野 201904
枯野に散る帽子の子等の円舞曲 横路尚子 末黒野 201904
信仰を持たずさまよふ大枯野 藤田美耶子 201904
真つ直ぐの果はどこまで枯野径 村上國枝 春燈 201904
踏み入れば不意にざわめく枯野原 押田裕見子 201904
サンピラー現象の立つ枯野かな 杉崎妙子 201905
枯野ゆく逃げ足早き己が影 石黒興平 末黒野 201905
一台の自転車枯野の発火点 山中志津子 京鹿子 201905
佇めば日差しやさしき大枯野 山岸明子 201910
リフト無きゲレンデ寂し大枯野 七郎衛門吉保 あを 202001
真つ青な空を展げて大枯野 山田暢子 風土 202001
枯野道ゆく上弦の月の白 原達郎 202001
今生の明るさを行く枯野行く 斉藤玲子 馬醉木 202002
守護神に守られて行く大枯野 藤田美耶子 202002
道ならぬ恋や枯野の奥の果て 木村秋草子 京鹿子 202002
人声のかたまりて来る大枯野 吉田順子 202002
わたくしの無我となりたる大枯野 柴田靖子 202003
薄セピア微睡(まどろ)みかけた枯野かな 出利葉孝 202003
へうへうと赤シャツのゆく枯野かな 善野行 六花 202003
枯野原此所原発の妻の郷 田中臥石 末黒野 202003
ひとときの落暉を浴びる枯野かな 美昌二郎 202003
仁王立ちして吹かれたき大枯野 森岡正作 202003
痛くない程度に抓り枯野道 池田澄子 船団 202003
枯野ゆくいつか魂だけとなり 柴田佐知子 202003
指させば枯野の星の増えてくる 神野未友紀 202003
その先に海ある枯野道を行く 青谷小枝 やぶれ傘 202003
身を紡ぐ言の葉あまた枯野行く 阪倉孝子 202003
銀輪や枯野と空を線引きす 岡田桃子 202003
星明り亡き子を胸に行く枯野 倉科紫光 馬醉木 202004
夕茜恋しとゆけり枯野道 善野行 六花 202004
揺れながら暮色となりぬ枯野原 今村千年 末黒野 202005
只中の光る一川大枯野 岡野里子 末黒野 202005
単線の大きく曲る枯野かな 高倉和子 202005
黄昏るる枯野の果てや富士黒く 加藤静汀 末黒野 202005
枯野ゆく月の列車となりにけり 高倉和子 202006
枯野原静寂(しじま)育くむ花芽かな 中川のぼる 202006
枯野碑のほとり色鳥来てをりぬ 塙誠一郎 201911
枯野行く一番星を追ひかけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
火の酒の小瓶を置いてきし枯野 稗田寿明 202101
山頭火のごと托鉢のゆく枯野 増成栗人 202101
遥かなる枯野の駅に皆笑顔 阪倉孝子 202102
吠えもせず犬すれ違ふ枯野かな 中田みなみ 202102
枯野よりこゑ湧きあがる日照雨かな 鈴木直充 春燈 202103
やり場なき思ひを捨てる大枯野 高橋将夫 202103
石に坐し石のこゑ聞く枯野かな 岡野里子 末黒野 202103
黄昏るる枯野の果や富士黒く 加藤静江 末黒野 202103
大枯野貫く流れ夕日影 高木邦雄 末黒野 202103
枯野とは風の息づくところなり 増成栗人 202103
枯野辺のはやき流れの水路かな 善野行 六花 202103
枯野から遠く高層ビルを見る 湯本正友 やぶれ傘 202103
枯野行く人の姿を後ろより 石原健二 やぶれ傘 202103
荒川の枯野に朝日差しきたる 枝みや子 やぶれ傘 202103
起伏ある枯野をひとりツーリング 秋川泉 あを 202103
枯野原駆け来し銀のヘルメット 井尻妙子 京鹿子 202104
底抜けの明るさいれよ大枯野 雨宮桂子 風土 202104
五風十雨遮るもののなき枯野 増成栗人 202104
再生の力溜めゐる枯野かな 石黒興平 末黒野 202104
旅鳥発ち枯野に青き雨の昼 武田未有 202104
イヤフォンにカノン充血の目に枯野 服部早苗 202107
と見かう見俳百景の大枯野 植村蘇星 京鹿子 202111
枯野行く見えざるものに戦きて 森岡正作 202201
土器を投じ枯野の暮色かな 平松うさぎ 202201
故郷へ帰らむ枯野の遠汽笛 塩貝朱千 京鹿子 202201
空っぽのひきだし父の枯野かな 井上菜摘子 京鹿子 202201
先行く人の遠くとほしや枯野道 浜福惠 風土 202202
かはたれののつぺらぼうの枯野人 岩木茂 風土 202203
凭るればささめく大樹枯野道 岡野里子 末黒野 202203
雨雲の居座ってゐる枯野かな 黒滝志麻子 末黒野 202203
周平の終幕風の枯野原 嘉味田朝 末黒野 202203
大島の影の幽かや枯野原 布施由岐子 末黒野 202203
義仲忌の風が枯野の声となる 増成栗人 202203
枯野駆く芭蕉の夢を追ってみる 三木亨 202204
枯野ゆく日を総身に浴びてゆく 佐藤あさ子 202204
夕照の燃えむばかりの枯野かな 森清堯 薫風 202205
多喜二忌の枯野静かに騒ぎをり 菅原末野 風土 202205
大枯野一番星を追ひかけて 和田華凛 ホトトギス 202206
紙飛行機またも枯野に出てしまふ 井上菜摘子 京鹿子 202211
後ろ手にほどけぬ仔細枯野原 井尻妙子 京鹿子 202212
枯野→ 1

 

2022年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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