枯 野 2          100句

面白きところもあらむ枯野道     亀田虎童子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
魂の追いついてくる枯野かな 星野早苗 船団 200106
元日の枯野に回る観覧車 武馬久仁裕 船団 200106
福耳の少年達と行く枯野 星野早苗 船団 200107
火を焚くや枯野の沖を誰か過ぐ 能村登四郎 200108
日に一度ひらく仏間や遠枯野 木曽岳風子 六花 200109
人容れてまなぶた熱き遠枯野 北川孝子 京鹿子 200112
青き星仰ぎて歩みゆく枯野 川端和子 星月夜 200112
たれかに背押さるる思ひ枯野原 坂本京子 200201
長子の背見えかくれ去ぬ枯野かな 谷榮子 雨月 200201
枯野行くあひだ携帯電話OFF 吉川郁美 200202
橋いくつ渡りても枯野は尽きず 斎藤道子 馬醉木 200202
枯野行く電車一輌童話めく 斎藤道子 馬醉木 200202
ひと言に心ともしてゆく枯野 清水節子 馬醉木 200202
大枯野突き放されし貨車滑る 柴田朱美 京鹿子 200202
雲の鼓動を受けとめてゐる大枯野 柴田朱美 京鹿子 200202
耽美派の夕日煮つまる大枯野 柴田朱美 京鹿子 200202
風が風を追いたててゆく大枯野 柴田朱美 京鹿子 200202
落日や枯野の記憶に母がをり 柴田朱美 京鹿子 200202
一も二もなくて枯野の風の中 鈴鹿百合子 京鹿子 200202
小学校時報とび出す枯野かな 山田弘子 円虹 200202
伝説の巨石が一つ枯野原 川合広保 雲の峰 200202
すつぽんの血をしぼりきる枯野かな 神蔵器 風土 200202
枯野来て双眼鏡の視野拡ぐ 中村洋子 風土 200202
しし座より枯野の沖へメッセージ 和氣康之 200202
枯野中剥ぎし兎の皮を干す 高橋とも子 百鳥 200202
潮騒の元冠の浜枯野星 石鍋みさ代 春耕 200202
灯をともす心の枯野敗けられぬ 田中藤穂 あを 200202
還らざる水が音して枯野貫く 渡邉友七 あを 200202
大枯野声失ひし鴉をり 後藤志づ あを 200202
わが後を蹤きくる亡者枯野道 小澤克己 遠嶺 200202
板の間を枯野のやうに座して酌む 小澤克己 遠嶺 200202
一川を枯野に放ち星の宿 関口幹雄 遠嶺 200202
道曲り左右の枯野重なりぬ 高木昭夫 200202
いろいろな色で広がり大枯野 高木昭夫 200202
枯野より戻れば温き足の裏 高木昭夫 200202
大枯野一人では何にもできぬ 高木昭夫 200202
また別の水音と会ふ枯野道 藤岡紫水 京鹿子 200202
枯野行く一輌電車のひとりごと 渡辺俊子 京鹿子 200202
背後より覚えなき声大枯野 伊藤稔代 200203
さはさはと風に日当る枯野かな 松崎佐 円虹 200203
トランペット枯野の空に向けにけり 杉浦典子 火星 200203
水飲みて枯野へかへりゆきし犬 杉浦典子 火星 200203
人ひとり火種のごとく枯野原 坂本京子 200203
鈴つけし鎌探したる枯野かな 田中洋子 200203
義理ありて枯野のありて巡業す 遠藤美由樹 銀化 200203
暁光の雲のずしりと大枯野 小澤克己 遠嶺 200203
ゆるやかに鷺の降りたつ枯野川 清水晃子 遠嶺 200203
遠嶺へ夢急ぎたる枯野かな 若生まりあ 遠嶺 200203
枯野より復員の父現れし日よ 阿部敬子 百鳥 200203
枯野へと引き入るる手を差し伸べし 望月周 百鳥 200203
鎚音を高く枯野のログハウス 望月周 百鳥 200203
青空と競ひて枯野ひろがれる 望月周 百鳥 200203
急患の夫に添ひゆく枯野かな 二瓶洋子 六花 200203
夫発ち枯野に残る我が身かな 西村咲子 六花 200203
枯野より絵本をひらくやうに海 戸村よねこ 遠嶺 200204
影富士を指して枯野に妻と佇つ 上田繁 遠嶺 200204
星現れて風待ち貌の枯野舟 関口幹雄 遠嶺 200204
鶴となる紙ふところに枯野かな 土屋酔月 火星 200204
大枯野抜けて大金持ちの家 半澤佐緒里 百鳥 200204
冷蔵庫傾ぎて立てる枯野かな 望月周 百鳥 200204
基督とすれちがひたる枯野かな 関根洋子 風土 200204
大枯野白紐張つて何の区切り 櫻井多恵 200204
分け入れり枯野に残る獣道 山口和子 ぐろっけ 200204
ハンググライダー降りつぎ花となる枯野 飯塚やす子 200205
胞子てふ枯野浮かせに明日がある 松本鷹根 京鹿子 200205
背景は不要枯野に深く入る 松本鷹根 京鹿子 200205
伏水の向きかへる音大枯野 直江裕子 京鹿子 200205
産土は水の湊んでゐる枯野 直江裕子 京鹿子 200205
城跡と知る術もなき枯野かな 鵜飼紫生 雨月 200205
原点のやうな枯野に来て佇てり 岩岡中正 ホトトギス 200206
冬枯野大きいポケツトある安心 西村みもざ 京鹿子 200206
枯野来て手打ちそば屋の長屋門 本山卓日子 京鹿子 200207
枯野来て白湯ひと口に癒さるる 吉川智子 200210
大枯野鷹が攫ひに来るを待つ 森理和 あを 200212
枯野行き橋わたりまた枯野行く 富安風生 200212
枯野より小さくなりて戻りけり 中村洋子 風土 200301
枯野へと分け入るわれの旋毛かな 田村はじめ 銀化 200301
夫なしの枯野の広さおそれけり 田中藤穂 あを 200301
挑みゐる一書に挿む枯野星 川口襄 遠嶺 200302
枯野から枯野へ橋のあたらしく 南うみを 風土 200302
枯野原自転車を立てかけたまま 木下野生 200302
枯野ゆくごと病棟ほとほとと長し 戸田和子 200302
口笛は「荒野の七人」枯野ゆく 左官治郎 200302
石舞台枯野の真中定まれり 宮内とし子 200302
枯野来て虚飾のすべて捨ててをり 塩川雄三 築港 200302
大枯野ゆつくり横切る牛の群 阿部一彦 築港 200302
ぽつねんと枯野のはてに朱雀門 藤田八重子 築港 200302
枯野きて風に急かされ急ぎをり 木下栄子 築港 200302
外は枯野シャンソン歌手と混声す 西村しげ子 雨月 200302
枯野のさき海の平らに光りけり 谷上佳那 百鳥 200302
一川のひかり貫く大枯野 岡淑子 雨月 200303
みな細き影連れゆけり枯野人 小澤克己 遠嶺 200303
枯野人北斗を目指し発ちにけり 渡辺智佳 遠嶺 200303
一頭の白馬の駆くる枯野かな 藤井初江 百鳥 200303
わが窓に枯野の端の来てをりぬ 橋本佐智 円虹 200303
一冊の中村苑子とゆく枯野 川井政子 風土 200303
寶船枯野を漕いでゐるところ 佐藤喜孝 あを 200303
椰子生ふる国へ着陸枯野発ち 辰巳比呂史 200304
遠嶺への道見えてをり大枯野 赤羽正行 遠嶺 200304
昼月やひとりの旅の枯野みち 関戸国子 酸漿 200304
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2020年12月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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