枯 木 2     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
昔人のやうに踏みゆく枯木山 山尾玉藻 火星 201412
少年のくち紅ければ枯木折る 堀内一郎 堀内一郎集 201412
雲走り照りかげりして枯木山 石垣幸子 雨月 201502
何ひとつ疑ひのなき日の枯木 豊田都峰 京鹿子 201502
枯木星むかし男の黙は金 千田敬 201502
ふたたびの母見舞ふ日の枯木道 笹村政子 六花 201503
枯木立テニスコートヘ風の抜け 笹村政子 六花 201503
省くこと枯木の如し古日記 福田周草 風土 201503
ひとすぢをよしとはずれの枯木立 豊田都峰 京鹿子 201503
枯木山あさぎの空を網版に 高橋道子 201503
温ぬくを届けに行くよ枯木星 笹村恵美子 201503
赤い傘行く清清と枯木立 はしもと風里 201503
その中に芽生えを抱ふ枯木立 江島照美 201503
夢はこぶやうなる毛虫枯木道 中島讃良 ろんど 201503
枯木立紺の夜空に目覚めをり 岡崎春菜 万象 201503
村すでに深き眠りや枯木星 松本三千夫 末黒野 201503
この枯木高倉健にどこか似て 梅村すみを 201503
雨上り力を得たる枯木立 平井紀夫 201503
枯木山に父の温みを貰ひけり 久染康子 201504
枯木宿裏へまはれば信濃川 安原葉 ホトトギス 201504
オリオンを引つかけてゐる枯木かな 後藤比奈夫 ホトトギス 201504
枯木立捨て身になりて天を指す 池田光子 201504
古利根や風に枯木の鳴るばかり 綱川恵子 万象 201504
何もすることなきいまは枯木見て 中杉隆世 ホトトギス 201505
夕映の枯木さやかに水鏡 赤岡茂子 春燈 201505
枝分れしつつ大枯木となりぬ 中杉隆世 ホトトギス 201506
枯木みなこちらを向いてゐたりけり 中杉隆世 ホトトギス 201506
園児等の揃ひの帽子枯木立 神田惣介 京鹿子 201506
ユトリロの白に引き立つ枯木立 岩月優美子 グピドの瞳 201506
枯木星リムジンバスに一人乗る 中居由美 船団 201508
この枯木目印として山に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
風音を肴としたる枯木宿 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
この一樹枯木となりてより自由 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
大枯木樹型淋しくなりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201512
日の当る方が正面枯木宿 藤岡紫水 京鹿子 201602
茫々とまた寂々と枯木山 吉田順子 201602
寂び寂びとメタセコイアの枯木かな 大橋晄 雨月 201602
枯木中美事な美人現はれる 高橋龍 201602
こゑをさへ躊躇ふ今朝の枯木道 奥村直女 馬醉木 201603
枯木立群れて移りて山鴉 仁平則子 201603
枯木山ときに羽ばたく音のあり 高橋あさの 201603
一村を統ぶる社の大枯木 山本漾子 雨月 201603
前景に富士の一幅枯木宿 山ア靖子 201603
ひとりでに戛戛とゆく枯木立 石田きよし 201603
土砂崩れ残し枯木の山となる 太田良一 末黒野 201603
喪の家へ選ぶ近道枯木星 太田良一 末黒野 201603
土になる美納子とゆふに枯木道 秋山蔦 春燈 201604
きつぱりと枯木ありけり空晴れて 青谷小枝 やぶれ傘 201604
窓の外枯木の森に入日かな 水谷直子 京鹿子 201604
眠れぬ夜森に貼り付く枯木星 松本三千夫 末黒野 201604
トロッコと閉ざす坑口枯木山 森高武 風土 201604
梢まで主張のありし大枯木 鈴木庸子 風土 201604
漱石も虚子も常連枯木宿 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
枯木統べ虚子句碑凛と立つ江津湖 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
目覚めゆく園眠りゆく枯木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
枯木星点滴二拍子で落つる 荒井ハルエ 春燈 201612
夕焼けて枯木は一歩前に出る 小枝恵美子 船団 201612
空よりも蒼きモスクや枯木立 中田みなみ 201701
散り尽くし枯木悟りの境に入る 大橋晄 雨月 201702
繋がれし舟が舟打つ枯木星 藤森すみれ 201702
ひそやかに枯木の秘める熱きもの 近藤喜子 201702
枯木立抜けてゴールヘ動きだす 鈴鹿呂仁 京鹿子 201702
団地の灯数へるほどや枯木星 松本三千夫 末黒野 201702
沈みゆく日輪太し枯木立 藤岡紫水 京鹿子 201703
共存の一切無心枯木立 植村蘇星 京鹿子 201703
トルソーのごとく伐られて大枯木 清部祥子 201703
落日へ消えゆく鳥や枯木立 久貝芳次 末黒野 201703
道標に日差しありけり枯木立 大島英昭 やぶれ傘 201703
青々と寄生木からみゐる枯木 丑久保勲 やぶれ傘 201703
白雲のゆうるり過ぎる枯木立 数長藤代 201703
剥製の熊の迎へる枯木宿 笠井敦子 201703
磨かれてダビデのやうな枯木かな 相良牧人 201704
禅僧の風呂たく枯木横抱きに 西住三惠子 201703
窓からの枯木の眺め空遠し 水谷直子 京鹿子 201704
電飾をまとふ闇夜の枯木立 元橋孝之 京鹿子 201704
枯木立どこより何の風の音 丹羽武正 京鹿子 201704
川のごと地を流れゆく枯木影 太田佳代子 春燈 201704
初茜ひそと脈打つ枯木かな 大草由美子 春燈 201704
峠より淡き昼月枯木立 森清信子 末黒野 201704
のしかかる雲支へをり枯木立 安斎久英 末黒野 201704
大空をささへて痩せし枯木かな 芝田幸惠 末黒野 201704
たふとかり御神木とふ大枯木 城戸ひろみ 雨月 201704
枯木立まだまだ寝むり深そうな 石森理和 あを 201704
海峡をゆるりと巨船枯木星 安斎久英 末黒野 201705
枯木山白亜不時着焼却場 奥田筆子 京鹿子 201706
枯木のみ林立している窓の外 水谷直子 京鹿子 201707
地に描く影が支へてゐる枯木 伴明子 ホトトギス 201707
臨終はかくの如きか枯木立 沼田巴字 京鹿子 201711
枯木立坂多き街俯瞰して 稲畑汀子 ホトトギス 201712
印かんの欠け字の翳や枯木立 鈴鹿呂仁 京鹿子 201712
きりんはぬくき枯木と思ひ雀かな 奥田筆子 京鹿子 201801
春を待つ枯木に艶の見え隠れ 大日向幸江 あを 201801

 追悼・荻野千枝さん

千代に咲け上枝下枝の枯木星

鈴鹿呂仁 京鹿子 201802
窓からは枯木のレース風そよぐ 水谷直子 京鹿子 201802
枯木道に繋ぐ手のあり明かりさす 柴田靖子 201802
柿のヘタ数多残してゐて枯木 きくちきみえ やぶれ傘 201803
猟犬の声を遠くに枯木山 谷村祐治 雨月 201803
隠しごと一切無しと大枯木 西村しげ子 雨月 201803
枯木立透けて落暉の濃かりけり 岡田ちた子 雨月 201803
帆の失せしマストのやうな枯木立 片山煕子 京鹿子 201803
枯木 →3

 

2023年11月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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