枯 木 1    352句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
星飛べる空へ翼となる枯木 山田弘子 春節 199503
思ひ出の要に母や枯木に日 土田栄 199901
女教師の声つつぬけに枯木山 鈴木とおる 風土 199903
青空へ枯木折る音たまりゆく 鳥居真理子 船団 199903
枯木星光年の刻かくれなし 山田夏子 雨月 199903
胸襟をひらいてをりぬ大枯木 大橋敦子 雨月 199903
大枯木村の動静知りつくし 西山胡鬼 京鹿子 199903
枯木影踏みゆく雲に乗るごとし 岡本眸 199904
大枯木腓を痛くなしゐたり 小林喜一郎 199904
枯木影渦なして日の闌くるなり 岡本眸 199904
しゃしゃんぼもちゃんちんもどきも大枯木 大橋敦子 雨月 199904
父恋へばたかたか指に枯木星 古津みどり 京鹿子 199905
枯木星四肢短かくて振りかへる 丸山海道 京鹿子 199907
仏界の天は枯木を逆立てぬ 丸山海道 海道全句集 199910
来ては去る枯木は鳥の拠り所 稲畑汀子 ホトトギス 199912
なにもかも隠れてゐる気枯木道 豊田都峰 京鹿子 200001
嘴太の隠れおほせぬ枯木山 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
枯木彫たちまち人を刺しゐたり 豊田都峰 京鹿子 200001
よい智恵のさづかりさうな枯木寺 丸山佳子 京鹿子 200001
枯木より黒点離れ鷹となる 小野島淳 200002
初の一語枯木へかけて今日始まる 岡本眸 200002
枯木山夢のかけらを取り落す 田中藤穂 水瓶座 200002
鴉啼く奥の明るき枯木山 唐沢静男 春耕 200002
芽を持ちて枯木といふ名返上す 中原道夫 銀化 200002
象のごと岩聾えたつ枯木山 大塚洋子 酸漿 200002
倚らむとて枯木叩けば紙の音 岡本眸 200002
香ばしき言葉で久し枯木みち 丸山佳子 京鹿子 200002
枯木星月と動いて行きにけり 宮津昭彦 200003
太陽は高きを急ぎ枯木山 片山由美子 200003
枯木山鱶の影さしにけり 小形さとる 200004
縁すべて断切りしかに枯木たつ 山本潤子 いろり 200004
川舟の錨見えゐる枯木宿 西畑敦子 火星 200004
夕映や破れし巣のある大枯木 山崎赤秋 春耕 200004
大枯木火を吐く鳥の渡りかな 小林喜一郎 200004
處刑後の枯木ばかりが夕空に 松林尚志 200005
枯木よりわが影濃かり墓の前 盛良孝 200101
小鳥鳴く枯木に夕日移り来る 兼子栄子 酸漿 200102
枯木山すぐ近くより人の声 小泉晴露 酸漿 200102
能楽堂の入口枯木匂ひけり 城孝子 火星 200103
抱擁を枯木の影の移りをり 仲村青彦 200103
わがための炊煙あげて枯木宿 岡本眸 200103
マラソンの一団と遇ふ枯木みち 竹内喜代子 雨月 200103
名を捨ててみんな枯木となつてをり 海輪久子 円虹 200103
ささめくや遠き灯影と枯木星 狭間馨 遠嶺 200103
枯木星言葉の要らぬ人とゐる 戸村よねこ 遠嶺 200104
奥山は枯木のにぎはひ音符満ち 木戸渥子 京鹿子 200106
雪壁に枯木影みな立ち上がり 村松紅花 ホトトギス 200107
記念樹の枯木の姿改る 稲畑汀子 ホトトギス 200111
見上げれば枯木の先にある未来 稲畑廣太郎 ホトトギス 200111
電飾の形に枯木従へる 稲畑汀子 ホトトギス 200112
葉を落しきれざるままに枯木かな 稲畑汀子 ホトトギス 200112
鴉と目合はせずに行く枯木道 斎藤道子 馬醉木 200201
ゆくゆくは枯木にぎはふことをせる 村上瑪論 銀化 200201
夜汽車去る枯木に星を貼りつけて 栢森定男 あを 200202
まこと鳥つぶてや雨の枯木山 岡本眸 200202
洛中に獣医のふえる枯木風 丸山佳子 京鹿子 200202
日の満ちてくる白樺の枯木かな 出原博明 円虹 200202
いただきを焦がす夕日や枯木山 斎藤道子 馬醉木 200202
たそがれの冷えつのりくる枯木星 落合伊津夫 馬醉木 200203
ひとところ明るき天へ枯木伸ぶ 関田実香 200203
谷間より風の鉄拳枯木山 小澤克己 遠嶺 200203
ペン措けば夜空ありけり枯木窓 木内憲子 200203
独り来て枯木の群れに容れられず 大串章 百鳥 200203
昼点きし庭園灯や枯木中 升本行洋 春耕 200203
枯木山ああんああんと泣く子かな 辻美奈子 200203
夕日得て枯木一幹透きにけり 鹿野佳子 200203
嬰を抱く寒巌枯木さながらに 干代田葛彦 馬醉木 200204
シャンゼリゼ枯木光れど道寒し 竹田博通 ぐろっけ 200204
卒塔婆の仏陀を拝す枯木中 高橋正彦 200204
らふそくのやうな影おく枯木道 林友次郎 遠嶺 200205
晝は枯木夜はクリスマスツリーかな 宮原みさを 花月亭 200208
鳥の白き抜け毛吹き寄る枯木かな 大橋敦子 雨月 200301
羅針儀の針定まりし枯木星 森田蝌蚪 200302
枯葉踏み枯木月夜を帰りけり 吉田島汗 火星 200302
風倒のままの枯木を栗鼠はしる 金丸鐵蕉 200302
鷺一羽襖絵になる枯木池 丸山佳子 京鹿子 200302
天仰ぎ仁王立ちする大枯木 細原由起子 築港 200303
宵の明星一つ鮮明枯木山 泉田泉一 200303
一葉だにとどめぬ今朝の枯木かな 唐澤まさし 酸漿 200303
鉄塔の全裸をさらす枯木山 川瀬迪子 200303
大落暉いま燃え移る枯木山 井口初江 酸漿 200304
山翡翠の白きが翔る枯木谿 小林碧郎 馬醉木 200304
無人駅枯木に吊す案内板 小川寿照 ぐろっけ 200305
枯木星きらきらと詩の湧き止まず 廣瀬米 200305
震度弱枯木の計る土脈かな 木山杏理 京鹿子 200305
閉門され仁王は終生枯木風 丸山佳子 京鹿子 200401
枯木星心にささる棘いくつ 小山徳夫 小春の山河 200401
檀の実枯木に花が咲きました 森理和 あを 200401
稽古着の少年の来る枯木坂 大畠政子 雨月 200402
踏み入れば人の匂ひや枯木山 鎌倉喜久恵 あを 200402
酔ふまじと思ひまた酔ふ枯木星 淵脇護 河鹿 200402
人肌の枯木に凭れば人語かな 神蔵器 風土 200402
夕茜枯木毅然と立ち盡す 長崎桂子 あを 200402
枯木一本身内離れが出来ました 芝尚子 あを 200402
誘はれて来し電飾の枯木道 芝尚子 あを 200402
焼売の赤箱かかへ枯木道 竹内弘子 あを 200402
枯木道鬼押出へ続くなり 阿部ひろし 酸漿 200402
生きざまをまざと曝して大枯木 水谷芳子 雨月 200403
それぞれに違ふ音する枯木かな 鈴木多枝子 あを 200403
ことごとく枯木となりて鮮しき 戸栗末廣 火星 200403
みほとりをまたひとり欠く遠枯木 渡邉友七 あを 200403
光年のひかり鏤め枯木星 三村武子 酸漿 200403
枯木の鵙ただただふくれゐるばかり 石原勢津子 雨月 200403
分け入つてわれも獣枯木山 藤井智恵子 百鳥 200403
廃校に校門のあり枯木あり 中島知恵子 雨月 200403
いたどりの枯木となつて風に立つ 山村修 酸漿 200403
この世ならざる明るさの枯木山 遠藤若狭男 200403
大枯木じつと聴き入る地祇の声 大谷茂 遠嶺 200403
大枯木よか羽毛降りなにもゐず 藤原照子 余韻 200403
大枯木足早に風素通りす 松田欽吾 雨月 200403
夫婦鷲湖を見張れり枯木の股 大塚初江 200404
枯木星乱視となりし眼に潤む 辰巳比呂史 200405
散歩圏枯木枯蓮ホームレス 橘澄男 山景 200408
岩の上の枯木一本松蝉鳴く 湊海火 200408
登り来て耳の冷えゆく枯木山 橘澄男 山景 200408
枯木山十七文字に詠みつくし 丸山佳子 京鹿子 200411
関八州半分見える枯木山 内藤ゑつ ゑつ 200411
枯木には枯木としての姿あり 稲畑汀子 ホトトギス 200412
いま少し夕染む枯木見てゐたし 大橋敦子 雨月 200501
散り尽し枯木に枯木の安堵あり 大橋敦子 雨月 200501
どこ向くも青空がある枯木山 岡本眸 200501
電飾のトナカイ枯木日和かな 福盛悦子 雨月 200502
やまつみの耳聡くなる枯木山 松たかし 火星 200502
日輪に重力のなし枯木山 藤村真理 200502
山肌に枯木の影は縦横に 森理和 あを 200502
父母の待つや湖辺の枯木宿 林友次郎 遠嶺 200502
風いなすことに徹して枯木かな 大橋麻沙子 雨月 200502
伸びやかにメタセコイヤの枯木道 須賀敏子 あを 200502
人声の枯木透き来る寺門かな 長谷川通子 雲の峰 200502
病む窓に枯木四五本あるばかり 高橋照子 雨月 200502
播州を望む枯木の匂ひけり 吉田島江 火星 200502
枯木より枯木に移る群雀 上原一郎 築港 200502
一鳥の翔ちて枯木の夕日照 加瀬美代子 200503
思ひ出や日まみれの墓日の枯木 仲村青彦 200503
いつまでも柩車の見えて枯木道 高垣和恵 雨月 200503
蹤き来るは足音ばかり枯木星 荒木武太郎 対岸 200503
眠らずに枯木どうしの立話 丸山佳子 京鹿子 200503
蔦紅葉枯木に蔓をくひ込ませ 大坪景章 万象 200503
大枯木かむさる雲を支へをり 渡邉友七 あを 200504
枯れ枝の落ちて弾んで枯木山 今瀬剛一 対岸 200504
枯木鳴る降りきし階をふり仰ぎ 木内憲子 200504
隧道の果てたるところ枯木星 鳴海清美 六花 200505
枯木影這ひ登りゐる枯木かな 村松紅花 ホトトギス 200505
枯木星夜間飛行の置土産 村田菊子 遠嶺 200505
倚れと言ふ枯木倚るなと言ふ枯木 三村純也 ホトトギス 200506
濡れ縁に坐せば日のあり枯木坂 市場基巳 200507
しづかなるうごき枯木のくりかへす 瀧春一 菜園 200509
をとめ凭り化粧ひす枯木新鮮に 瀧春一 菜園 200509
一と村の暮れて枯木の柿ばかり 瀧春一 菜園 200509
閼伽そそぐしづかなる刻を枯木中 瀧春一 菜園 200509
凧遠し家根と枯木と半せり 瀧春一 菜園 200509
枯木の丘といへど篠むら青き丘 瀧春一 菜園 200509
富士忘れ枯木林に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 200512
そよぐものなき安らぎに大枯木 安達風越 雨月 200601
ダリの絵のごとき枯木に見とれけり 古賀勇理央 百鳥 200602
わがたつる音の中ゆく枯木山 藤井みち子 200603
隠栖のその後は知れず枯木星 川崎光一郎 京鹿子 200603
雨雫の賑はうてゐる枯木径 山田美恵子 火星 200603
まづ卵かけご飯なり枯木宿 浜口高子 火星 200603
頭に土に日ざしあまねし枯木山 加藤みき 200603
病める樹の瘤をあまたに枯木山 谷村祐治 雨月 200603
家路果つあたり明るく枯木星 溝内健乃 雨月 200603
鳥集ひしばし枯木の花となる 松村響子 四葩 200603
遠目にも欅と知れる枯木かな 田中峰雪 雨月 200604
虹消えてもとのさびしき枯木山 木船史舟 200604
寄合へ団地の中の枯木道 田中峰雪 雨月 200604
水音をよすがに畑の大枯木 戸栗末廣 火星 200604
大枯木しづかに己が影をひく 松山佐治彦 河鹿 200604
大枯木模写叶はざる枝の凝り 村上和子 ぐろっけ 200604
枯木にもこゑあり径を定めけり 吉野のぶ子 遠嶺 200604
枯木谷芥で埋めダンプ過ぐ 中尾廣美 ぐろっけ 200605
サナトリアム枯木に白き煙草くはへ 瀧春一 瓦礫 200606
雪空に枯木は色を発しけり 瀧春一 瓦礫 200606
枯木とは心の通ひ合ふ日あり 後藤比奈夫 ホトトギス 200606
町空にふえし枯木や菊日和 瀧春一 常念 200606
天窓のミニチユア枯木其の青空 瀧春一 瓦礫 200606
冬霧の奥の枯木のひとり歩き 松下道臣 まんまる 200607
ふうと吹く口の形を枯木風 前田貴美子 万象 200610
雲はいま光の破片枯木晴 岡本眸 200612
電飾の並木の果てに枯木星 鷹羽狩行 200701
達筆に「山砂あります」枯木村 丸山佳子 京鹿子 200702
日当たれば枯木四五本のそれつきり 豊田都峰 京鹿子 200702
傘放り銀杏枯木を見上げゐし 森高武 風土 200702
山風の頬に鋭し枯木星 長谷川閑乙 馬醉木 200702
ご機嫌の山彦のゐる枯木山 大畑善昭 200702
夕鹿のこゑ透きとほる枯木山 根岸善雄 馬醉木 200702
枯木星話したきこと問ひたきこと 伊藤奈津 200702
家持の眉月を抱く枯木かな 伊藤白潮 200703
柄長来て枯木林の一変す 西山美枝子 酸漿 200704
日の昇る色に耀ふ枯木山 大石喜美子 雨月 200704
山の端に透ける枯木の櫛のごと 羽賀恭子 200704
白日の枯木の中の風の城 小澤克己 遠嶺 200704
海鳴りの夜もすがらなる枯木宿 成川和子 200704
帰心ふと夕餉のにほふ枯木道 成川和子 200704
枯木星身ぬちに長き板廊下 小宮山勇 遠嶺 200704
枯木道雨の向かうに燈の点り 成川和子 200704
大小の寺点在す枯木山 山田をがたま 京鹿子 200705
枯木山断崖見上ぐ露天風呂 山田をがたま 京鹿子 200705
風の中かゞやきあへる枯木かな 瀧春一 200706
枯木見てをりしが日差見てをりぬ 中島たまな 200707
月煌と枯木は枯れ切つたるが良し 岡本眸 200801
耳あてて枯木のなかを確かむる 竹下昌子 200802
抱き起こす父の体躯は枯木めく 峰尾秀之 200802
枯木原捨て児のさまや砂利袋 丸山佳子 京鹿子 200802
またひとりかはらけ投げる枯木山 山田美恵子 火星 200803
常磐木の色濃かりけり枯木山 羽賀則子 200803
チェロ弾きの去にたるあとの枯木星 丸山照子 火星 200803
山の日の晴れて顕ちたる枯木かな おかたかお 200803
枯木とは十万枚の引き算か 相良牧人 200803
曾孫生れ枯木に花を咲かせたり 堀内一郎 あを 200805
龍王の鱗のやうな枯木の幹 竹内弘子 あを 200805
初蛙枯木のごとき老母訪ふ 渡邉友七 あを 200807
郭公を呼ぶ一本の立ち枯木 村越化石 200808
蟇鳴くや枯木の父の深眠り 怱那みさ子 やぶれ傘 200808
枝々に力瘤ある枯木かな 大沼まり子 200812
ひびわれし枯木の肌を日がつつむ 瀧春一 深林 200901
ノレン忌の街に出づれば枯木星 千田百里 200901
道念や日射し全き大枯木 藤岡紫水 京鹿子 200901
小企業に停年なきや皆枯木 瀧春一 深林 200901
人はみな淋しきものよ枯木星 渡邊泰子 春燈 200901
戻りしは英霊ばかり枯木星 辰巳比呂史 200902
天界の笑みか枯木の一つ星 永峰久比古 馬醉木 200902
枯木坂眞つ只中の孤影かな 北川孝子 京鹿子 200903
嵐電の桜枯木の枝に触るる 山本耀子 火星 200903
貝塚の枯木くまなく夕映ゆる 早崎泰江 あを 200903
枯木星神は一人にて足りる 竪山道助 風土 200903
縄文は海原なりし枯木山 早崎泰江 あを 200904
忘れゐしヘッセの詩集枯木星 阿布里唯 炎環 200904
信号の青の続きし枯木道 石井浩美 炎環 200904
枯木径心の刺のまだ抜けず 湯川雅 ホトトギス 200904
一本も無駄なき枯木六義園 渡辺玄子 酸漿 200905
擦られて発火しないか枯木山 北川光子 ぐろっけ 200905
詩人の父詩人の息子枯木星 火箱游歩 船団 200906
ささやけるごとくに枯木相向ひ 八田木枯 晩紅 200908
枯木星神は一人にて足りる 竪山道助 風土 201001
枯木星触るれば温き人の背 コ田千鶴子 馬醉木 201002
葉を払ひ空をさそつてゐる枯木 豊田都峰 京鹿子 201003
枯木星つぎつぎ人に追ひ越され 松本三千夫 末黒野 201003
幾度も襟掴まるる枯木山 阪本哲弘 201003
ひと雫枯木に雨後のクリスタル 伊東和子 201003
園丁の枯木卸しに鳥騒ぐ 小野寺節子 風土 201003
この寂はもしや枯木の吐息中 戸村よねこ 遠嶺 201003
風宥す音となりけり枯木山 藤岡紫水 京鹿子 201003
鹿の鳴く声を遠くに枯木山 谷村祐治 雨月 201003
友の病む心細さよ枯木星 田中藤穂 あを 201003
仰山の巣箱吹かるる枯木山 深澤鱶 火星 201003
速歩して枯木並列目のすみに 柳生千枝子 火星 201003
枯木には枯木の威風大欅 戸田澄子 末黒野 201003
枯木灘鏡の中の石榴の実 竹内悦子 201003
悔悟とは親の死に目の枯木星 小澤克己 遠嶺 201004
蒼きまま夜に入る深空枯木山 乙坂きみ子 末黒野 201004
斜面まで墓地の広がる枯木山 丑久保勲 やぶれ傘 201005
大枯木飛び去る烏来る烏 松井佐枝子 万象 201005
梅散つてしばし枯木に戻りけり 柳田和子 酸漿 201005
明日を待つ運河の二艘枯木星 横松しげる 遠嶺 201005
大枯木飛び去る烏来る烏 松井佐枝子 万象 201005
枯木より枯木へ手触れつつ行けり 中杉隆世 ホトトギス 201005
椿象の緑こぼれし枯木宿動く 浜口高子 火星 201005
杖にせよと枯木拾ひてくれにけり 萩原すみ 春燈 201006
枯木宿水道栓の立つてをり 中杉隆世 ホトトギス 201006
枯木道川の流るる音のあり 藤井美晴 やぶれ傘 201006
存分に大枝のばし大枯木 浅井青陽子 ホトトギス 201007
さざなみに影の伸びゆく枯木かな 片山由美子 201012
身の錆びを落しあぐねる枯木山 丸井巴水 京鹿子 201101
落ちる日のまっしぐらなり枯木中 吉成美代子 あを 201102
電飾に光るほかなし枯木かな 塩千恵子 201102
高原の枯木の中の療養所 米山喜久子 201102
応へなき友を探して枯木中 岡野ひろ子 201102
寒晴や竿先しなる枯木灘 高地勝峰 馬醉木 201102
大枯木米つぶ程があなかしこ 丸山佳子 京鹿子 201102
折り返す走者枯木の向側 年森恭子 ぐろっけ 201103
落とし湯の硫黄のにほひ枯木星 岡田史女 末黒野 201103
穏やかな日々となりたり枯木山 堀田こう 雨月 201103
木洩れ日に枯木の匂ふティルーム 山田暢子 風土 201103
すでに床敷かれてありし枯木宿 城孝子 火星 201103
仁王立ち大本山の枯木かな 相良牧人 201103
星仰ぎビルの谷間の枯木道 園多佳女 雨月 201103
枯木宿旅の役者と終ひ湯に 柴田良二 雨月 201103
案内板横目に枯葉枯木道 吉弘恭子 あを 201104
何もかも許したかたち大枯木 直江裕子 京鹿子 201104
枯木星出揃ひて笛吹き始む 工藤義夫 馬醉木 201104
枯木星小吉納めきし身なり 豊田都峰 京鹿子 201104
鳥の巣を抱へし風の大枯木 浜口高子 火星 201104
煙突も枯木も親しわが住む町 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
百日を無言で通す大枯木 萩原すみ 春燈 201105
乾きたる土の色見ゆ枯木山 瀬島洒望 やぶれ傘 201105
信長を追へば枯木の影法師 豊田都峰 京鹿子 201105
うすら日や稜線うねる枯木山 熊切修 末黒野 201105
人は首枯木は幹に名札下げ 大久保白村 ホトトギス 201106
一寸の今年生まれの枯木かな 布川直幸 201111
憂愁の城その上に枯木星 コ田千鶴子 花の翼 201111
大枯木一本守る武者走り 布川直幸 201111
枯木星触るれば温き人の背 コ田千鶴子 花の翼 201111
涙もろき男の仰ぐ枯木星 布川直幸 201112
無一物否無尽蔵大枯木 岡崎伸 201201
男とはかくあるべしと大枯木 岡崎伸 201201
南無枯木星われ立てくれし弟よ 上原重一 201202
銹びつきしクルスにも似て枯木かな 宮田香 201202
枯木星時代劇派の一人なり 三崎千恵子 ろんど 201202
風に聴く魔王の歌や枯木道 片山博介 春燈 201203
無一物否無尽蔵大枯木 岡崎伸 遠眼鏡 201203
男とはかくあるべしと大枯木 岡崎伸 遠眼鏡 201203
枯木山落暉とどまる術も無く 国包澄子 201203
枯木吹く風音ばかりしたりけり 久永つう 瀬戸の海 201203
文机に枯木透く日のひもすがら 山田春生 万象 201204
閑雲や枯木影さす寒の鯉 佐藤喜仙 かさね 201204
伸びやかに正午の汽笛枯木道 和泉道草 末黒野 201204
枯木星シャガールならば鶏とばす 淺場英彦 万象 201204
揺れてゐるやうにも見えて枯木星 服部早曲 201205
校庭の手足伸びやかなる枯木 佐々木紗知 京鹿子 201205
築垣に枯木の影や神田川 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206
常緑と枯木の間に梅咲けり 柳田晧一 かさね 201207
あをあをと展望図あり枯木山 林昭太郎 あまねく 201210
オブジェめく枯木賑はし灸花 小倉純 末黒野 201211
コカコーラの車入りゆく枯木山 山尾玉藻 火星 201301
白き船の行方見てゐる枯木山 塩貝朱千 京鹿子 201302
ライターのポッと枯木を離れたる 中田みなみ 201302
海原や枯木林を抜けてより 井手浩堂 万象 201303
宇治川の匂ふあたりの枯木山 伊勢きみこ 火星 201303
一切を捨てし枯木の美しきかな 神田恵琳 跫音 201303
陽の透けて柔かなりし枯木山 吉川隆史 201303
枯木山巨大海豚のやうな雲 上原重一 201303
オブジェめく枯木賑はし灸花 小倉純 末黒野 201304
幾何学の枯木模様の影を踏む 新倉ゆき江 末黒野 201304
森漏るる杣の灯ひとつ枯木星 松本三千夫 末黒野 201304
枯木越し湖面に写る逆さ富士 中山良子 末黒野 201304
枯木星ボール蹴つては拾ふ子よ 奥田順子 火星 201304
立ち去りぬ枯木に兜れゐし少女 松田泰子 末黒野 201305
遠々と続く三田の枯木道 秋田直己 ぐろっけ 201305
深ぶかと空の掃かれて枯木星 森清信子 末黒野 201305
御覧じろ枯木にぱっと桜咲く 篠田純子 あを 201305
怺へゐし枯木の葉つぱひいふうみい 布川直幸 201311
マロニエの枯木孤高にありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201312
体臭を消して枯木となりつつある 柴田朱美 京鹿子 201312
枯木にも風格のあり御所の庭 西千代恵 雨月 201401
シースルーエレベーターを枯木越し 根橋宏次 やぶれ傘 201401
風落ちて木のぬくもりの枯木山 生田作 風土 201401
芦野路や芭蕉像売る枯木宿 山田春生 万象 201402
露座仏のお顔やさしや枯木道 福本すみ子 201402
夕づつのまたたき透ける枯木宿 近藤鉦子 201402
遠く近く枯木の梢ペン画にし 水谷直子 京鹿子 201403
瞬かず野末の黙の枯木星 小山繁子 春燈 201403
枯木星岸をひた押す真夜の潮 荒井千佐代 201403
御家老の屋敷の空の枯木星 伊藤マサ子 ぐろっけ 201403
公園の百年を超ゆ枯木かな 高橋照子 雨月 201403
音のなき闇の深さや枯木星 松本三千夫 末黒野 201404
市果てて闇の方丈枯木星 古川夏子 201404
春風を恋うて身をもむ枯木かな 清水美子 春燈 201404
省略の行き届きたる大枯木 内海良太 万象 201404
大いなる枯木となりてわが前に 中杉隆世 ホトトギス 201404
大いなる枯木となりて今はあり 中杉隆世 ホトトギス 201404
栴檀の枯木が物を思ひをり 後藤比奈夫 ホトトギス 201411
枯木→ 2      

 

2021年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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