枯 葉 3    115句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
パタンパタン枯葉の果ての高英男 長沼佐智 船団 201612
村さかひ枯葉の溜まる出征碑 芦田しずく 京鹿子 201701
手ぶらほど重いものなし枯葉道 熊川暁子 201702
湯立坂散り敷く枯葉掻き集め 杉本薬王子 風土 201702
己が踏む音いとほしむ枯葉径 堀田順子 馬醉木 201702
青空へ枯葉の挿頭金の四手 岡田桃子 201702
舞ふ枯葉森の鴉がまた騒ぐ 遠山のり子 201702
雨上がり音の消えたる枯葉道 武藤節子 やぶれ傘 201702
庭の中みつけし枯葉栞にと 水谷直子 京鹿子 201703
落ちさうな枯葉一枚ガラス窓 野中圭子 京鹿子 201703
枯葉踏む音競ふなり兄おとと 原田達夫 201703
坂の町枯葉走るを楽と聞き 山田夏子 雨月 201703
吹き溜りの枯葉を風の運び行く 西村しげ子 雨月 201703
枯葉浴び瞑ればセーヌ河畔か 是松三雄 末黒野 201703
夜夜積る枯葉かさこそ浄土かな 伊藤希眸 京鹿子 201703
突風に押され枯葉に追ひこされ 平井改子 風土 201704
かさかさと枯葉の音を袋詰 斉藤マキ子 末黒野 201704
鳥と見しが枯葉いち枚意を決す 佐藤哲 万象 201705
サツと風枯葉舞ひ散る窓の中 水谷直子 京鹿子 201705
枯葉散るウスムラサキの空は澄み 水谷直子 京鹿子 201705
カレー続き又今日もカレー枯葉色 大日向幸江 あを 201712
吹き溜まる枯葉の山の匂ひよし 松村光典 やぶれ傘 201712
小説の終りに近き枯葉道 大日向幸江 あを 201801
ここよりは暗峠枯葉散る 樺山翠 雨月 201801
ざくざくと踏み音揃ふ枯葉山 永澤千恵子 201801
夕風の残してゆける枯葉の香 府川昭子 春燈 201801
枯葉一枚しがみつきたる気魂 岩月優美子 201802
失ひし色恋ふやうに鳴る枯葉 近藤喜子 201802
何想ふ上枝(ほつえ)に残る枯葉かな 水谷直子 京鹿子 201802
地の枯葉地の色の虫紛れこみ 小林愛子 万象 201802
枯葉踏み越路吹雪の墓どころ 笹倉さえみ 雨月 201802
枯葉落つイブ・モンタンの歌のごと 長谷川はまゆう 末黒野 201802
枯葉舞ふ松村武雄忌が来るよ 千田百里 201802
無花果の枯葉四五枚吹かれをり 藤井美晴 やぶれ傘 201803
飛び跳ねて枯葉まみれや兄弟 橋場美篶 末黒野 201803
枯葉散る幹の傷みを陽に当てて 伊藤希眸 京鹿子 201803
風止んで枯葉まみれの猫戻る 小田嶋野笛 末黒野 201803
拾ひ来し枯葉一枚捨てがたし 安部和子 雨月 201803
寝転んで枯葉だまりの香りかな 渡邉孝彦 やぶれ傘 201803
枯葉舞ふ隣の犬がまた吠ゆる 遠山のり子 201804
乾く音枯葉の足に絡みくる 遠山のり子 201804
足元に枯葉転がる駅舎かな 外山生子 末黒野 201804
カレー統き又今日もカレー枯葉色 大日向幸江 あを 201804
砂浴ぶるやうに雀の枯葉浴ぶ 布施由岐子 末黒野 201805
数式をファッションに替え枯葉舞う 仁上博恵 201811
シャンソンも無縁の世代枯葉散る 大口堂遊 春燈 201812
枯葉敷く階鳩とのぼりゆく 佐藤恭子 あを 201812
葬る地の枯葉の遊(すさ)びゑんま堂 鈴鹿呂仁 京鹿子 201901
平和の鐘堂へ枯葉の吹き寄する 安部和子 雨月 201902
枯葉にも枯葉の命ありにけり 高橋将夫 201902
神苑の届かぬところ朴枯葉 大石よし子 雨月 201902
枯葉ふむ音に哀惜つのりけり 多方清子 雨月 201903
枯葉ひろふ猶生きたしと音をたて 伊藤希眸 京鹿子 201903
犬と行く足裏に優し枯葉道 山浦紀子 春燈 201903
泣く準備出来て枯葉の舞台かな 井尻妙子 京鹿子 201903
枯葉散るあたかも申し合はせてや 吉川隆 春燈 201903
枯葉降りまた一つ降り稿を擱く 荒川心星 201904
放つ矢に枯葉ひとひら落ちにけり 廣畑育子 六花 201904
足早に信号渡る枯葉道 高橋均 やぶれ傘 201904
長き尾に枯葉絡ませ馬車行けり 廣畑育子 六花 201906
歩くたびレッサーパンダの尾に枯葉 佐藤恭子 あを 201909
枯葉掃くだけに庭師の来てくれし 稲畑汀子 ホトトギス 201911
庭を埋め尽くさん枯葉一大樹 稲畑汀子 ホトトギス 201911
考への二転三転枯葉踏み 稲畑汀子 ホトトギス 201911
落ち尽くす枯葉を待つといふことも 稲畑汀子 ホトトギス 201911
一面の枯葉を掃くは勿体なく 稲畑汀子 ホトトギス 201911
鞠坪や枯葉が空にひとつ舞ひ 升田ヤス子 六花 202001
枯葉舞ふ校庭子等の持久走 野木富貴 雨月 202001
さよならのあとの真顔や枯葉散る 谷口一献 六花 202002
枯葉散るとは解放の境地なり 谷口一献 六花 202002
鳥の巣を枝に残して枯葉散る 濱野新 やぶれ傘 202002
枯葉舞ふ眼裏の痒くてならぬ 谷口一献 六花 202002
ハミングはシャンソン枯葉舞ふ港都 栗山恵子 雨月 202002
雀かと思ふ辛夷の枯葉落ち 藤井美晴 やぶれ傘 202002
やすやすと流れに乗つて枯葉ゆく きくちきみえ やぶれ傘 202002
枯葉鳴る地団駄の子に訳のあり 廣畑育子 六花 202003
枯葉降る蘇我入鹿の首塚に 荒川心星 202003
公園の枯葉清掃実直に 大橋晄 雨月 202003
泣き羅漢笑ひ羅漢に枯葉舞ふ 荒川心星 202003
枯葉散る人生百年の途中 志方章子 六花 202003
ベランダをじやれあふように枯葉舞ひ はしもと風里 202003
身に受けし枯葉の散華風の衣 竹中一花 202003
枯葉踏む隠し事などできぬ世や 伊吹之博 京鹿子 202003
枯葉踏む音軽やかに図書館へ 志方章子 六花 202004
通学の子等踏みしだく枯葉道 菅野日出子 末黒野 202004
老酒の空き壺に降る枯葉かな 瀬島洒望 やぶれ傘 202101
枯葉舞ふ地に幸せのあるごとく 鷹崎由未子 春燈 202102
枯葉たち夜風に起きてムーンウォーク 三木亨 202102
枯葉舞ふ沈黙深き修道院 森なほ子 あを 202102
青空を山毛欅の枯葉が飛んで行く 藤井美晴 やぶれ傘 202103
浜風や異人の墓に散る枯葉 秋山信行 やぶれ傘 202103
境内の枯葉を歩く音軽く 松村光典 やぶれ傘 202103
ひとひらの枯葉の舞ひぬ森の黙 黒滝志麻子 末黒野 202104
マロニエの枯葉のにほふ旅心 塩貝朱千 京鹿子 202111
天辺にマロニエ枯葉なほ存す 稲畑汀子 ホトトギス 202112
入日果て帰路に戸惑ふ枯葉嵩 松本鷹根 京鹿子 202112
治療室九階に「枯葉」口ずさむ 鈴木石花 風土 202201
枯葉踏む昔の音を響かせて 山田暢子 風土 202201
廃車して置場は枯葉の吹き留り 福田肇 202202
背景は青空枯葉躍らせて 山田暢子 風土 202202
枯葉飛ぶ倒れし鳥居倒しあり 山田六甲 六花 202202
フラダンス枯葉を連れて催せり 伊藤昌枝 202202
掃けば散るいたちごつこの枯葉かな 酒井たかお 202202
ハンブルグよりの錨に枯葉舞ふ 小嶋恵美 春燈 202203
ほろほろと風を呼びたる枯葉かな 六崎正善 末黒野 202203
少年の蹴散らす枯葉スニーカー 臼居澄子 末黒野 202203
渓谷に沿ふ遊歩道枯葉踏む 大庭美智代 末黒野 202203
からからと風の尻尾と枯葉競る 久保みどり 京鹿子 202203
からころとからころからと枯葉かな 鈴木容子 202203
小鼓に散るを急げる枯葉かな 太田良一 末黒野 202204
網の目の巴里の地図めく枯葉かな 小田嶋野笛 末黒野 202204
一枚の枯葉梢を統べてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
魂の終の輝き枯葉舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
一枚の枯葉に通ふ地の息吹 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
枯葉照りピアノ幾度もはね返す 伊藤希眸 京鹿子 202211
枯葉→ 1

 

2023年1月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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