2018年1月16日 nbsp;

枯 菊 1      201句

枯菊に帚塵取休みをり    阿部みどり女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
枯菊の名残の香とて焚かれけり 稲畑汀子 ホトトギス 199812  
枯菊となりて重さを失へり 稲畑汀子 ホトトギス 199812  
枯菊の薫るや焚くに先んじて 千代田葛彦 馬醉木 199901  
枯菊を焚いて師系の末尾たり 小山徳夫 遠嶺 199903  
枯菊の寺のうしろで暖まる 城孝子
枯菊の畑にはこび鬼瓦 木下野生 199903  
枯菊にまだ緑なる葉の残る 小林螢二 春耕 199903  
枯菊に並ぶ塵取り竹箒 中路間時子 火星 199904  
枯菊の焚けば残りし香のありし 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
枯菊の一様ならず残る色 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
枯菊を焚き春秋の庭を閉づ 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
枯菊に昨日の色の尚失せて 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
枯菊を焚くや不安の無き如く 関戸国子 酸漿 200002  
枯菊や日の残りゐる作務畑 辻のぶ子 俳句通信 200002  
枯菊を焚きて用なき一と日過ぐ 皆川盤水 春耕 200002  
枯菊を焚くや光陰矢の如し 田中藤穂 水瓶座 200002  
枯菊と枯蔦燃ゆる音ちがふ 田中藤穂 水瓶座 200002  
枯菊の香り抱へてあつめけり 関正夫 酸漿 200002  
枯菊の香りを焚きて日暮れけり 関正夫 酸漿 200002  
枯菊に明るさ残る鞍馬山 岡田有紀子 遠嶺 200003  
枯菊のはげしき音に燃え立てり 市場基巳 200003  
枯菊の匂ひ確かに焚かれゆく 岡田有紀子 遠嶺 200003  
枯菊の焚く香まとひて小買物 藤武由美子 春耕 200003  
枯菊を焚きて清香を頂けり 山戸深雪 遠嶺 200004  
枯菊を焚きしめくくる胸の内 小島とよ子 新樹光 200007  
枯菊の余命壺中へ活けにけり 小島とよ子 新樹光 200007  
枯菊を焚いて炎のまだ若き 稲辺美津 夏椿 200007  
枯菊や何かと家に亡き子のもの 阿部寒林 200010  
枯菊の煙に投ず名刺かな 夏秋明子 ヒッポ千番地 200010  
枯菊の枯の極みは毀ちけり 真保喜代子 200101  
籠り居や枯菊焚けば日の終り かとうゆき 銀化 200102  
枯菊にまだ湿り気のありにけり 荻原芳堂 春耕 200102  
枯菊に焚き添ふる文ありにけり 立石萌木 雨月 200103  
枯菊も罪とがも火に投じけり 岩岡中正 ホトトギス 200106  
枯菊を焚いて世紀を逝かしむる 岩岡中正 ホトトギス 200107  
枯菊やほむらのかたさ空を突く 堀川夏子 銀化 200201  
枯菊焚くけむりのなかの花の数 鷹羽狩行 200201  
枯菊焚く人遠き日の母に似て 関章子 百鳥 200202  
枯菊焚く師への名残りのうすけむり 柴田雪路 200202  
枯菊を焚くや火色をしらじらと 宇利丞示 雲の峰 200202  
枯菊をほどきし紐の香りけり 大塚禎子 春耕 200202  
枯菊にお礼ごえをしましょうか 中野辰子 いろり 200202  
枯菊を刈りて束ねて暮れにけり 東芳子 酸漿 200202  
枯菊を焚くとふ遊び世に遠き 大橋敦子 雨月 200202  
枯菊にいちるの悔を残しけり 鎌田俊雄 いろり 200202  
枯菊を焚き菊の声聞かまくと 川上恵子 雨月 200203  
枯菊を焚きし残り火宵の星 近藤きくえ 200203  
枯菊と言へど名残の香をとどむ 松田欽吾 雨月 200203  
ほぐしつつ枯菊焚いてをりにけり 谷村幸子 200203  
枯菊といへど影濃き石の上 榊原見牛 200204  
枯菊を括れば遠き日の匂ひ 橋本良子 遠嶺 200204  
枯菊の焚かんと積めば崩れけり 金國久子 遠嶺 200205  
枯菊の束ねの藁を火種とす 三浦ひろみ ぐろっけ 200205  
枯菊の罪あるやうに焚かれけり 小島とよ子 遠嶺 200205  
枯菊も共に焚くべし文ひとつ 後藤志づ あを 200212  
枯菊に焔の色の潜みゐる 大串章 百鳥 200301  
枯菊の焚かれてをりぬていねいに 木下栄子 築港 200302  
枯菊を焚けば原形崩れ行く 栢森定男 あを 200302  
喪の明くと海鳴りに枯菊を焚く 下平しづ子 雨月 200303  
枯菊焚く父母在ます頃をふと 仲尾弥栄子 雲の峰 200303  
枯菊の一途の色を抱き起す 水井千鶴子 風土 200303  
枯菊を焚き在りし日の憶はるる 中島知惠子 雨月 200303  
枯菊を焚きあげてより聖時鐘 関口幹雄 遠嶺 200303  
枯菊の塵となりてもなお薫る 星加克己 ぐろっけ 200303  
枯菊を摘みて立つ香にひたりけり 大内恵 酸漿 200303  
枯菊の香の転がりぬ軽き風 横溝千代 八千草 200306  
枯菊のまだしぶしぶと燃えてをり あさなが捷 200312  
枯菊を神前に焚く吾も焚く 江坂神社 築港 200401 お火焚祭
申し訳ほどの夕映枯菊焚く 岡本眸 200401  
日和得て枯菊の束焚くことに 伊藤白潮 200401  
枯菊に枯菊の香のありにけり 加藤サヨ子 築港 200401  
枯菊刈るそばまで夕日来てをりぬ 村越化石 200402  
枯菊を焚き安んずる夜の雨 大畠政子 雨月 200402  
枯菊を焚く金沢の母迎ふ 浅村正子 帆船 200402  
枯菊をひとつところに多羅尾かな 植木戴子 200403  
枯菊の一途の色をいとほしむ 水井千鶴子 風土 200403  
一旦は枯菊の束捨てむとす 出来由子 200403  
枯菊を焚きて別れてそれつきり 長沼三津夫 200403  
枯菊をくくり閉鎖の町工場 若林杜紀子 百鳥 200404  
枯菊を焚いてひとりの自由席 橘沙希 月の雫 200404  
枯菊を焚きそれらしき煙なり 木下野生 200404  
枯菊に色の残れる日向かな 佐藤悦子 百鳥 200404  
束ねたる香よ枯菊に残る色 稲畑汀子 ホトトギス 200412  
香の失せぬことも枯菊なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200412  
枯菊の束にまだある莟かな 上田惠美子 馬醉木 200502  
枯菊の見開きしまま焚かれをり 山守拓治 対岸 200502  
枯菊を引き抜き雨の匂ひけり 榎本文代 万象 200503  
枯菊の枯れて残れる己の香 伊東恵美子 馬醉木 200503  
枯菊の庭とも畑ともつかず 中島たまな 200504  
枯菊を焚きてやさしき四辺かな 柴田佐知子 200505  
墓域にて枯菊焚きしけむりなり 瀬戸悠 風土 200511  
枯菊の鉢を片寄せ薬草園 水田清子 200512  
括りたるまま枯菊の刈られけり 稲畑汀子 ホトトギス 200512  
枯菊を括りハワイへ旅立てり 大串章 百鳥 200601  
枯菊の祈るかたちに括られて 戸村よねこ 遠き海 200602  
しきたりの枯菊を焚き茶人たり 高橋照子 雨月 200602  
枯菊や岬にひそと移民の碑 大海いつ子 百鳥 200603  
枯菊に残れる色の暮れにけり 八木柊一郎 ぐろっけ 200603  
枯菊の香り聞きつつ焚きにけり 古川さかえ 酸漿 200604  
枯菊を焚いてうしろを振り向かず 青山悠 200605  
原点といふ枯菊の枯れやうに 青野沙人 ホトトギス 200606  
枯菊の炎の景気よかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200701  
枯菊を焚いて佛間をけぶらする 伊藤白潮 200702  
枯菊をくくる枯れ残るも括る 田村園子 200702  
枯菊やここで終りの造成地 森山のりこ あを 200702  
枯菊のなほ枯れなむと暮れにけり 八木下巌 200702  
ほむらなす枯菊しかと香を放ち 小泉万里 200702  
わたましの荷に枯菊の鉢いとし 青垣和子 雨月 200702  
枯菊を束ね後生の紐余し 高橋澄子 200703  
憂き世かな枯菊焚くも憚られ 西千代恵 雨月 200703  
枯菊を焚きし煙に色を見し 長沼紫紅 200712  
枯菊を均等折りに束ね捨つ 岡野ひろ子 200802  
枯菊の香りも束ね芥とす 羽賀恭子 200802  
枯菊や金賞の札付けしまま 中島玉五郎 200802  
枯菊や心を晴らす子等の声 鴨下昭 200803  
枯菊の情に雨の情添ふ 溝内健乃 雨月 200803  
枯菊をくくる大きな男なり 井上信子 200803  
枯菊の残る色あり雲流る 本田ヒデ子 京鹿子 200804  
枯菊をくくる藁縄きしみたる 荒井和昭 200901  
枯菊の炎ひとつになりにけり 吉成美代子 あを 200901  
枯菊を焚いて母の忌修しけり 遠藤和彦 彩雲 200901  
枯菊の鉢片寄せて年惜しむ 橋本貞二 酸漿 200902  
枯菊のほのかな香束ねけり 東芳子 酸漿 200902  
枯菊を焚きし軍手を脱ぎにけり 笹村政子 六花 200903  
枯菊を捨てたるあとの壺の口 水谷芳子 雨月 200903  
枯菊の残る力を括りけり 三角千栄子 炎環 200903  
枯菊に芋の蔓巻く日和かな 薗田智子 遠嶺 200903  
閑庭に焚ける枯菊ほの匂ふ 渡邉友七 あを 200903  
枯菊を焚けるほとりや立話 飯田角子 酸漿 200903  
枯菊の燃え尽きてより火の粉とぶ 岬雪夫 200904  
枯菊を切らんと思ひ日数経し 松尾緑富 ホトトギス 200906  
枯菊の支へ直して切らずあり 松尾緑富 ホトトギス 200906  
倒れんとある枯菊に支へして 松尾緑富 ホトトギス 200906  
枯菊となりてもその香強きこと 稲畑汀子 ホトトギス 200912  
まだ供華に勇りて枯菊とも言へず 稲畑汀子 ホトトギス 200912  
枯菊焚き寧けき日々を手繰寄す 割田容子 春燈 201002  
枯菊を焚くや遥かに青不動 西村純太 201002  
枯菊を束ねし後の指匂ふ 宮崎きみ枝 201002  
残る彩ありて枯菊刈惜む 綿谷美那 雨月 201002  
枯菊焚く一瞬の香のそこはかと 落合由季女 雨月 201003  
枯菊を焚くや日和の定まりて 田所洋子 雨月 201003  
枯菊を焚き空の端をにごしたる 杉浦典子 火星 201003  
枯菊を焚きゐる母が消えてゆく 柴田佐知子 201003  
枯菊を取り払はむに日を経たり 溝内健乃 雨月 201003  
鐘の音に靡き枯菊焚く煙 廣瀬義一 雨月 201003  
枯菊のなほ日を欲りてをりにけり 竹村清繁 末黒野 201003  
枯菊を焚くや炎の香をのせて 木下和代 末黒野 201004  
枯菊を焚かんとすれば翁面 小島とよ子 遠嶺 201004  
枯菊の棒立となり風の中 東芳子 酸漿 201004  
枯菊の影も枯れゆく風のなか 大西逸子 京鹿子 201004  
音立てて枯菊くづるたなごころ 大山春江 万象 201004  
枯菊を折りては焼べる焚火かな ことり 六花 201011  
枯菊を焚きて残り香身に纏ひ 塩路五郎 201101  
枯菊の匂ひの残る鎌を研ぐ 中江月鈴子 201101  
枯菊にとび火しさうな夕日なり 杉浦典子 火星 201102  
父の忌の終へし枯菊くくりけり 小野口正江 末黒野 201102  
枯菊の匂ひかすかや久女の忌 鶴見董子 末黒野 201103  
枯菊を焚く晩年の父の背 小林千草 馬醉木 201103  
枯菊焚く煙を返す大廂 松田明子 201104  
枯菊や諸行無常の理にならひ 落合由季女 雨月 201104  
淡雪や枯菊いまだ残す色 三井公子 酸漿 201104  
大樟の根方に枯菊焚きし跡 松田明子 201104  
枯菊の炎に投ずるまでの色 松田明子 201104  
枯菊の焚けば寄り来る子供の声 郡山真帆 かさね 201202  
鉢植の枯菊となり括られる 田島昭久 かさね 201202  
枯菊を焚くや立ちたる矜持の香 甕秀麿 201203  
枯菊の焚きて煙の薄きかな 小林美登里 かさね 201203  
枯菊の倒れつつなほ香の残り 久保晴子 雨月 201203  
枯菊を焚く人見えて木偶屋敷 田下宮子 201301  
枯菊を焚く隣人の暮しかな 井上信子 201302  
枯菊を苅りて菊の香再度嗅ぐ 松木清川 ぐろっけ 201303  
枯菊を括るや一枝ままならず 松本三千夫 末黒野 201303  
枯菊の倒れんとして香を放つ 大橋晄 雨月 201303  
括らるる枯菊彩を日に返し 橋場美篶 末黒野 201303  
香煙の行方枯菊焚く行方 林いづみ 風土 201303  
枯菊の刈らるることもなきままに 大島英昭 やぶれ傘 201303  
潮の香や枯菊に日の落ちかかり 外山生子 末黒野 201304  
枯菊を一括りして余る縄 吉田政江 201402  
枯菊焚く庭にちひさき祠かな 高野春子 京鹿子 201403  
枯菊を惜しみて焚けばかすかな香 大石喜美子 雨月 201403  
枯菊の刈りたる嵩を畑隅に 石垣幸子 雨月 201403  
束ねたる枯菊虻の来てをりぬ 宮平静子 雨月 201403  
かばかりの枯菊を焚く輪になって 大石よし子 雨月 201403  
枯菊の一輪の赤いとほしく 東秋茄子 京鹿子 201403  
枯菊を焚く残り香の淡きかな 石川かおり 福袋 201404  
枯菊の残りし色も焚き尽くす 広渡敬雄 201404  
枯菊を括るや裾を風抜くる 園部早智子 ろんど 201501  
焼けるもの焼き枯菊を火の終ひ 藤森すみれ 201502  
枯菊を焚く香狭庭を名園に 細川コマヱ 雨月 201502  
枯菊を焚きて始まる一日かな 武生喜玖乃 雨月 201503  
枯菊を括りことしの節目かな 犬塚李里子 201503  
枯菊の残り香ともに束ねけり 寺田すず江 201503  
枯菊の色香絡げて焚きにけり 森和子 万象 201503  
隠れ焚く火に枯菊の香のたてり 亀卦川萄枝 末黒野 201503  
残照を纏ひ枯菊色とどめ 武生喜玖乃 雨月 201503  
枯菊に残る黄の色命あり 鈴木阿久 201503  
枯菊の香りほのかや年暮るる 飛山隆夫 万象 201504  
枯菊を束ねし紐の濡れてをり 天谷翔子 201506  
老い母の軽さや枯菊のかるさ 伊東惠美子 馬醉木 201602  
枯菊といふには惜しき花多に 谷村祐治 雨月 201603  
枯菊の雨の重さを束ねけり 吉田きみえ 末黒野 201604 枯菊 →2

 

2018年1月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。