寒 林 2    68句

寒林に日も吊されてゐたりしよ   木下夕爾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒林の静まりかへる波の音 穐好樹菟男 馬醉木 201702
寒林を抜けて寒林鳶一羽 黒滝志麻子 末黒野 201702
寒林やうなだれがちな頭を高く 成田美代 201704
寒林の天まで寂し背で歌ふ 伊藤希眸 京鹿子 201704
寒林の吐く闇の濃し杣の道 松本三千夫 末黒野 201704
寒林を透けくる空の深さかな 加藤静江 末黒野 201704
月白し夕映えまとふ寒林に 佐藤和子 万象 201704
寒林に落暉の余儘貨車過ぐる 能勢俊子 馬醉木 201704
星一つ二つ寒林まだ覚めず 片山喜久子 雨月 201704
寒林や弱りては思惟裏返る 湯川 ホトトギス 201705
寒林の黙に歩みて力得し 大木さつき ホトトギス 201706
寒林の疎の枝密の雨雫 伴明子 ホトトギス 201707
寒林に見つめらる愚鈍なる午後 西村白杼 京鹿子 201801
少女来て寒林竪琴のごと鳴れり 斉藤玲子 馬醉木 201803
寒林の明るさを行く犬連れて 松本三千夫 末黒野 201803
寒林の先にや赤き一軒家 田尻勝子 六花 201803
寒林の従容として斧を受く 山本喜朗 雨月 201803
寒林やすぐ折れさうな枝ばかり 松原智津子 万象 201803
寒林へ羽衣かけに行つたきり 村上葉子 201804
人立たすより寒林のなほ寂し 湯川雅 ホトトギス 201804
寒林や竹割る音の響みたり 岩月優美子 201804
寒林を抜けてその先にある明日 日置游魚 201902
寒林へ礫どこかでこつと音 森なほ子 あを 201902
寒林に闇あり闇の匂ひくる 荒川心星 201903
寒林や沼を覗けば己ゐて 松本三千夫 末黒野 201903
病む窓の寒林にきく母の声 藤井杏愛 京鹿子 201903
寒林にゐて寒林の声を聞く 増成栗人 201904
寒林を睫毛の長い少年と 火箱ひろ 201904
寒林や夜ごと天狼捧げゐし 塩貝朱千 京鹿子 201904
猟銃を提げたる漢寒林へ 千葉惠美子 末黒野 201904
熱の子に母の膝あり寒林檎 小山繁子 春燈 201904
警策の音寒林を正しけり 原友子 201904
寒林の奥の奥まで見える場所 粟津さくら 201904
寒林や日の斑踏みゆく靴の音 及川照子 末黒野 201905
寒林の間に遠音の波濤かな 東正則 末黒野 201905
寒林や蹤きし背に突放さるる 湯川雅 ホトトギス 201906
寒林に肥前の空の降りてくる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
寒林を来て人声の懐しき 森脇貞子 雨月 202002
寒林の気のひしひしと身に纏ふ 岩月優美子 202003
寒林やバルビゾン派に親しみて 熊岡俊子 雨月 202003
寒林に径あり人の影ゆらぐ 手島伸子 雨月 202003
寒林の日矢に鳥語の尖りけり 森岡正作 202003
寒林へざくと一歩を踏み入れし 谷口摩耶 202003
寒林の入日や透くる印旛沼 大坂正 末黒野 202004
寒林やいのちまつすぐ呼吸する 西川麻規 馬醉木 202004
寒林の眠りのなかに見る萌し 矢野美沙子 202004
寒林にひつかかりをり朝の月 岡本尚子 風土 202004
寒林の行き交ふ木霊翳ひとつ 本郷公子 京鹿子 202005
茅葺の屋根寒林に織り込まれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
寒林の光満つるや胸の窓 阪倉孝子 202103
寒林に来て寒林の声を聴く 増成栗人 202103
寒林の影伸びやかに相寄らず 藤原明美 202103
寒林の深く息づく夕げしき 林いづみ 風土 202104
寒林の幹を透して陽が昇る 鈴木和江 202105
寒林の果の一灯遠からず 須藤常央 ホトトギス 202106
寒林や竹の浮き根の青々と 山田六甲 六花 202202
寒林の中を堕ちゆく滑り台 岡田史女 末黒野 202203
寒林の寡黙に耐へて川を出る 松本鷹根 京鹿子 202203
寒林を透けくる空の深さかな 阪介孝子 202204
寒林の隙間だらけに神信ず 松本鷹根 京鹿子 202204
寒林の揺さぶる空の青さかな 今橋眞理子 ホトトギス 202206
寒林のしづけさに鳥鳴きにけり 兒玉充代 202208
風に声あり寒林が天を突く 待場陶火 202210
寒林の雨滴に余生見透せる 松本鷹根 京鹿子 202301
寒林に杭打つひびき空の黙 安田優歌 京鹿子 202304
風を編む寒林雲を遊ばせて 本郷公子 京鹿子 202304
寒林に杭打つひびき空の黙 安田優歌 京鹿子 202304
風を編む寒林雲を遊ばせて 本郷公子 京鹿子 202304
寒林→ 1

 

2024年1月12日 作成

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