寒 林 1    269句

寒林に日も吊されてゐたりしよ   木下夕爾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒林の雲につかへて傾ける
塙告冬
ホトトギス
199806
寒林を抜けてやうやく切手貼る
井上菜摘子
京鹿子
199901
寒林や根つこのごとく鹿まどろむ
田中佐知子
風土
199903
いぶし鍋とも寒林に日当るは 
栃内和江
199903
寒林の雨滴に余生見透かせり
松本鷹根
京鹿子
199906
海を見るとき寒林を見てをりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200001
寒林の入口らしき鳥の羽根
山尾玉藻
火星
200001
寒林に日の当る峰乗つてをり
稲畑汀子
ホトトギス
200001
岬山の寒林に日矢差しにけり
加藤あけみ
円虹
200002
小鳥よく見え寒林に鼓動あり
田中藤穂
水瓶座
200002
寒林の囚人たるをうべなへり
岡本眸
200002
寒林の遠いところの暮れてをり
坊城俊樹
円虹
200003
まじりつ気なく寒林にはりつく日
豊田都峰
京鹿子
200003
寒林の根方に集む日のひかり
吉村幸子
雨月
200003
僧院の玻璃寒林を映しをり
山本耀子
火星
200004
寒林や日の斑をまとふ墓一基
塩田博久
風土
200004
寒林の影さだまるや十日月
定藤素子
雨月
200004
朝日今寒林の中昇りくる
大塚洋子
酸漿
200004
寒林のいづくの音や仰ぎけり
二宮恵子
200005
寒林や湯気の糞して木曳馬
和田照海
京鹿子
200101
寒林の意の侭となる人と犬
鈴鹿仁
京鹿子
200102
鳥らいま寒林といふ籠ぐらし
かとうゆき
銀化
200102
寒林に入口ありて出口なし
保田英太郎
風土
200103
寒林の枝葉末節にてわれは
行方克巳
知音
200103
寒林ににぎはふ楽屋とふがあり
華明日香
銀化
200103
寒林にカーブミラーが待ちくれし
丸山佳子
京鹿子
200103
寒林へかついで来たる杭の束
夏秋明子
火星
200105
 M氏もO氏も

寒林にF氏いるらし逢いにいく

入江一月
船団
200105
寒林の影来てをりぬ父祖の墓
小泉晴露
酸漿
200105
寒林に夜明けの星座捕まった
河原珠美
海程
200107
寒林や十歩ゆきては立ち止まり
平子公一
馬醉木
200201
寒林や一語は重し二語軽し
鈴鹿仁
京鹿子
200202
寒林を抜けてバージンロードヘと
朱間繭生
銀化
200202
寒林や木霊は白く眠り居り
佐藤節子
銀化
200202
寒林や空さへいらぬもののうち
豊田都峰
京鹿子
200202
寒林のさてもカンカン踊りかな
栗栖恵通子
200203
寒林に瀬音ありけり蚕神
延広禎一
200203
寒林の深沈として年迎ふ
伊丹さち子
馬醉木
200203
寒林を抜けて明るき道探す
芳賀雅子
遠嶺
200203
人声のする寒林の星明り
豊岡清子
遠嶺
200203
寒林や呪縛の蔓のあからさま
公山礼子
200203
寒林に透きて明治の異人館
伊藤洋子
200203
寒林を鳥の塒としてゐたり
雨村敏子
200204
寒林の暗み明るみ大師道
奥田節子
火星
200204
ぴしぴしっと鳴る寒林の木霊かな
岡淑子
雨月
200204
寒林の影動き雲動くかな
中島知惠子
雨月
200204
みぞおちへ底なしの寂び暾の寒林
伊藤希眸
京鹿子
200204
寒林の奥にふれあひ広場かな
川口利夫
ホトトギス
200205
寒林の踏み入るほどにセピア色
辻田明
200205
寒林出づる吾子よ上衣の黄色もて
藤井勢津子
200209
懐に寒林抱き山暮るる
稲畑廣太郎
ホトトギス
200211
寒林となりて波音近づきぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200211
寒林を抜け青き海広き空
稲畑汀子
ホトトギス
200301
寒林に溜めて山の日なりしかな
稲畑汀子
ホトトギス
200301
寒林の明るさ山の日を集め
稲畑汀子
ホトトギス
200301
はればれと寒林長き影引けり
須佐薫子
帆船
200301
寒林をS字に迂廻したくなる
加藤峰子
200302
寒林に透く町の灯の淡きかな
峰幸子
200302
寒林を抜けて素顔を置いて来る
長井順子
200302
耳の位置確と寒林抜けにけり
長井順子
200302
寒林や影も光も月が統べ
小島紅雅
雲の峰
200302
寒林を出できし汽車の真顔かな
小澤克己
遠嶺
200303
寒林やドーベルマンの眼の赤く
鈴木綾子
百鳥
200303
寒林や気弱な猫のうづくまり
江坂衣代
百鳥
200303
寒林を抜けて火となる犬の舌
百瀬虚吹
風土
200303
寒林の風おさまりぬ箒星
飯塚ゑ子
火星
200303
寒林や音の抜けたる後しづか
守屋井蛙
酸漿
200303
寒林を行く残照の汀まで
若生まりあ
遠嶺
200304
寒林を一気に抜けてしまひけり
上野孝行
百鳥
200304
寒林へ落暉の自縄自縛かな
田谷はる恵
200304
寒林やキャッチボールの硬き音
江坂衣代
百鳥
200305
寒林の上うすうすと朝の月
加美明美
200305
寒林を越えてゆきたる鳥の群
雨村敏子
200305
寒林に樹液流るる音かとも
山田をがたま
京鹿子
200305
寒林を一気に駈けて旗となる
城石美津子
京鹿子
200305
寒林を抜け来し老の背に力
鈴掛穂
200307
寒林に月のしづくのごときもの
吉原一暁
200402
寒林の深々として朝月夜
中川悦子
酸漿
200403
寒林を出るにムンクの顔になり
伊藤白潮
200403
寒林のどの樹撃ちしや石礫
泉田秋硯
200404
寒林に曝す二人の本音かな
井内佳代子
遠嶺
200404
思はざる光のオブジェ寒林に
鈴掛穂
200404
寒林と二三歩ごとの影問答
豊田都峰
京鹿子
200404
寒林の近道知るももう行かず
村越化石
200404
寒林を出て白砂のまぶしかり
永井由利子
百鳥
200404
寒林を抜ける坂道窯どころ
中島瑞枝
百鳥
200404
寒林の影消え茶粥吹きこぼれ
鹿志村正子
対岸
200404
寒林の奥に家あり畑あり
赤尾杉昌子
対岸
200404
寒林の下枝渡りして鳴かず
松本鷹根
京鹿子
200405
寒林の夜の香を作る水の精
蒔元一草
河鹿
200405
寒林に日の匂ひせるひとところ
館容子
200405
寒林をもどりて来たる父の息
山尾玉藻
火星
200501
寒林やマティスの赤を着て歩む
田中藤穂
あを
200502
寒林の無色透明風吹ける
今瀬剛一
対岸
200503
寒林や蛇口上向きにて乾く
今瀬剛一
対岸
200503
どこまでも日の走り行く寒林
信崎和葉
六花
200503
寒林に己の影を重ね行く
江崎成則
栴檀
200503
寒林に入り渦をなす想ひかな
横松しげる
遠嶺
200503
寒林にきんきんと声はじかるる
大橋敦子
雨月
200504
寒林に昆虫館の灯の入りし
浜口高子
火星
200504
寒林にリュックの入りてそれつきり
西畑敦子
火星
200504
寒林に入るべく心たて直す
木内憲子
200504
寒林に入るや今なほ父の声
田中矢水
遠嶺
200505
身を清めるため寒林に入りにけり
中嶋陽子
風土
200505
寒林のヒト一匹を群鴉
浦野里山
200505
寒林や捨てきれぬ古書殖えもして
中島英子
八千草
200508
寒林の日ざしに想ひ綻びぬ
瀧春一
菜園
200509
寒林に石打の羽拾ひけり
宮澤さくら
今生
200510
寒林を真つ正面にくしけづる
鈴木満喜子
対岸
200602
寒林の日当たりて空軽くなる
奥村邦子
200603
寒林や明恵の夢をふと追ひぬ
岩月優美子
200603
寒林の明るさ海に移りけり
雨村敏子
200604
寒林の色となりたる樵かな
中田禎子
200604
寒林を透かして大き朝日かな
林佳枝
酸漿
200604
寒林を突つ切つて来し子を抱く
古賀直子
百鳥
200604
寒林を抜け来て鉄のオブジェかな
小林とみゑ
百鳥
200604
寒林に空仰ぎゐる喉仏
山県照江
百鳥
200604
浮雲へ寒林を翔つ鳥の群
酒井美津
遠嶺
200605
寒林を見上げて抜けて細く生く
松本鷹根
京鹿子
200605
寒林に両手を拡げ立ちにけり
浅田光喜
対岸
200605
落葉松の寒林あかく芽ぐみそむ
瀧春一
常念
200606
寒林を抜け正面に光る富士
与川やよい
遠嶺
200606
寒林や谺の精はいま不在
山元志津香
八千草
200606
寒林を滝の地鳴りの揺らしけり
金居欽一
万象
200608
寒林やひとり歩めば耳聡く
清水裕子
200702
透けきりて寒林といふつきあたり
豊田都峰
京鹿子
200703
寒林や火を吐くやうに鳥の声
浜田はるみ
遠嶺
200703
寒林の木洩れ日あはし山路かな
渡辺安酔
200703
寒林の日影加へてあたたかし
鴨下昭
200703
寒林をひびかせ宮の朝太鼓
桑島啓司
200704
寒林を抜け少年の匂ひ出す
水野恒彦
200704
立ち泳ぐやうに寒林ぬけにけり
服部早苗
200704
のぼる日を背に寒林の動かざる
佐々木幸
200704
寒林の構図の一歩づつ傾ぐ
湯川雅
ホトトギス
200705
立昏みせり寒林を来し如く
井上信子
200705
寒林に光を集め玉しづく
大北昌子
200705
寒林の彼方槌音ひびきけり
今井松子
遠嶺
200705
白銀を統べ寒林でありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200801
寒林に三日の月の座りをり
笠井敦子
200803
寒林に来て新しきこと思ふ
本多俊子
200804
寒林や故郷の遠き日へ帰らむ
安達風越
雨月
200804
寒林の柞の木々のたたずまひ
青木民子
酸漿
200804
寒林のなかなか落暉離さざる
館容子
200805
蜂蜜ピザ分け寒林のレストラン
青山正生
200805
大声で我名呼ばるる寒林に
國保八江
やぶれ傘
200805
天上の師の声聞いてゐる寒林
金原亭馬生
炎環
200812
寒林をいくつ抜けても曲り角
松田都青
京鹿子
200901
寒林に影差し込める松の幹
山田六甲
六花
200901
寒林に囲まれてする深呼吸
中島玉五郎
200902
寒林に日の温もりの四十雀
永峰久比古
馬醉木
200902
鐘つけば寒林ひしと応じけり
白石正躬
やぶれ傘
200902
清書してゐる寒林の静けさに
近藤喜子
200903
裏戸より寒林見ゆるだけの日々
中西咲央
炎環
200903
寒林のゆき止まるまで来て戻る
山田暢子
風土
200903
寒林の奥処は朱の神のみ座
豊田都峰
京鹿子
200903
寒林のたしかな影は磴めきて
豊田都峰
京鹿子
200903
寒林を来てがん病棟の百の窓
林陽子
万象
200903
寒林の根のごつごつと山親爺
小澤克己
遠嶺
200904
降りいでて寒林の黙解かれけり
渡邊千枝子
馬醉木
200904
寒林の奥の明るさ礼拝堂
伊東恵美子
馬醉木
200904
寒林の奥へ集まる夕日かな
吉沢陽子
200904
寒林の中昼月を追つてゆく
原田達夫
200904
石塔につづく寒林初比叡
山本ミツ子
六花
200904
寒林や無が満たしくれたる心
湯川雅
ホトトギス
200905
竹林の奥の寒林機械音
数長藤代
200905
寒林に打つ不似合の石の杭
数長藤代
200905
寒林を透く灘よりの日の光
五領田幸子
馬醉木
200912
寒林の奥処は朱の神のみ座
豊田都峰
土の唄
201002
寒林をだまし絵のごと人過ぎる
相良牧人
201002
寒林やおのれひとりの道を得て
小澤克己
遠嶺
201003
寒林を抜け外海の大落暉
多戸昌子
遠嶺
201003
寒林を抜けて逢ひたき人に会ふ
風間史子
201003
寒林を透き武蔵野の大落暉
上原重一
201003
寒林に入れば己れの息ばかり
鎌倉喜久恵
あを
201003
寒林へ真白き雲の走りけり
能勢栄子
201004
寒林に来てつぶやきともならぬ声
山田美恵子
火星
201004
昼の月寒林の影触れ合はず
田中礼子
万象
201004
寒林のどこかに風の又三郎
大西よし
ろんど
201004
寒林の静寂を裂きて銃響く
山下佳子
201005
寒林に入りて己を研ぎ澄ます
曷川克
遠嶺
201005
寒林や乾ける風の素気なく
木下和代
末黒野
201005
寒林や切り絵の墨の強き線
松木渓子
201005
寒林を抜けゆく径の細かりし
水野久代
201006
寒林の蔭せめぎ合ふ地にちから
間島あきら
風土
201011
寒林の向かうにきっと青い鳥
中本吉信
201102
陽の射して寒林の影オブジェ風
坂根宏子
201103
寒林もわれも身軽や日を浴びて
宮野照子
馬醉木
201103
寒林を光が通り声とほる
楠原幹子
201103
スイッチバックして寒林の細き影
宮内とし子
201103
寒林の真空地帯に入りにけり
中野京子
201103
寒林の真只中に時計巻く
神蔵器
風土
201103
寒林に入りて一樹となりたき日
直井たつろ
風土
201103
寒林の中の一本はなやげり
中山皓雪
201103
寒林の枝張る空の月明り
掛江淳司
酸漿
201103
寒林の晴れて兎のやうな雲
浜福惠
風土
201104
寒林の一山守り王禅寺
鈴木とおる
風土
201104
寒林を抜けきし声の透きとほる
岡田史女
末黒野
201104
寒林やまず吐くことが深呼吸
木村茂登子
あを
201103
寒林となりて見えをり修道院
坂本知子
酸漿
201104
寒林を来し耳奥に金属音
千田敬
201104
寒林に機体の透けて駐屯地
諸岡和子
201104
寒林の四次元の枝絡みあふ
鈴木良戈
201105
寒林に銃を逃れし鹿眠る
松原智津子
万象
201105
寒林に乳色の月上りけり
浅田奈美
酸漿
201105
寒林の影乱す影ありにけり
湯川雅
ホトトギス
201106
寒林へ近道として入りにけり
安藤久美子
やぶれ傘
201106
寒林を鳥まつすぐに抜けにけり
細野恵久
ぐろっけ
201112
公園の寒林よぎり子を見舞ふ
小菅美代子
ぐろっけ
201112
寒林や大地ふんばるふくらはぎ
鴨下昭
201201
寒林を行く総身を研ぎ澄まし 森岡正作 201202
寒林の中静電気あるやうな 宮内とし子 201202
寒林を通るなすべきことありて 丸山佳子 京鹿子 201202
寒林や遠ざかりゆく鈴の音 天谷翔子 火星 201202
人声のして寒林の奥静か 丹羽啓子 馬醉木 201203
寒林のつんと杉の子らしくあり 伊東和子 201204
寒林に幣を捧げて歩みけり 西村純太 201204
寒林に星の雫の煌めきぬ 寺田すず江 201204
寒林に学童の声何学ぶ 小野寺節子 風土 201204
寒林の枝打ちゐたる影長し 笠置早苗 火星 201204
寒林に朱色散らして落日す 服部早曲 201205
寒林を過ぎて人間臭さぬけ 熊川暁子 201205
寒林や骨格しかと天に立つ 金田けいし ろんど 201205
寒林に立つしろがねの聖観音 内藤恵子 万象選集 201205
寒林の奥へ奥へと耳ふたつ 近藤牧男 六月 201206
寒林は光溜りや神あそぶ 西川織子 馬醉木 201302
寒林の影のかんかん踊りかな 栗栖恵通子 201302
寒林に月傾きぬ阿騎の丘 塩路隆子 201303
寒林に入る人形を抱きなほし 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
寒林や抜け来てこの世の息弾む 和田政子 201303
寒林の奥へ奥へと人力車 西畑敦子 火星 201303
蒼穹や寒林に日矢惜しみなし 清水美子 春燈 201303
寒林や木漏れ日浴びて参拝者 伊吹之博 京鹿子 201303
寒林に月光絶え間なく注ぐ 寺田すず江 201303
寒林のふところに日矢射しこめり 三浦澄江 ぐろっけ 201303
楔打つ音寒林を欹たす 佐藤山人 201304
寒林の奥の奥まで朝日射す 山本無蓋 201304
寒林の忘れられたるやうな刻 相良牧人 201304
寒林や白き烏が目を覚ます 高野春子 京鹿子 201304
寒林を行くや独りの音たてて 高橋明 末黒野 201304
寒林に一人の世界貫ける 湯川雅 ホトトギス 201305
明星や寒林いまだ昏れのこり 熊切光子 末黒野 201305
寒林を透かし山容影絵めき 堺昌子 末黒野 201305
まのあたり寒林透きて夕茜 瀬戸峰子 春燈 201403
寒林に研ぎ澄まされし谺かな 岩月優美子 201403
寒林に幻の門ありにけり 瀬川公馨 201403
寒林に澄みきつてくる眼かな 近藤喜子 201403
寒林に透けて那須岳霽れわたり 安田とし子 ぐろっけ 201403
寒林や一鳥の声矢のごとし 藤生不二男 六花 201403
間伐の音寒林に谺せり 松原智津子 万象 201403
寒林の懐深く身中透く 森岡正作 201403
岳樺透く寒林の峠越え 和田慈子 末黒野 201404
翔ぶものが鳴いて寒林極まれり 土屋草子 末黒野 201404
寒林に飛びつきさうな大熊座 柴田久子 風土 201404
寒林の奥に山家や烏啼く 渡邉孝彦 やぶれ傘 201404
寒林は人が恋しくなるところ 高橋将夫 201404
見下ろせる寒林越しの大鳥居 石川かおり 201404
寒林のどの一樹なる香りよき 服部早苗 201405
寒林の奥みづいろの池を抱く 塩貝朱千 京鹿子 201405
寒林の残照浴ぶるわれ一人 原和三 末黒野 201405
寒林の黙を破りぬ冬の百舌 堺昌子 末黒野 201405
寒林の夕日薄れてきしホテル 飯塚ゑ子 火星 201405
寒林やほぐれきつたるわだかまり 原和三 末黒野 201405
寒林や地軸いつ日か反転す 古川夏子 201405
寒林のしじまや入日厳かに 王岩 あを 201412
寒林の明るさ富士の見えしより 稲畑汀子 ホトトギス 201501
深入りす寒林もつと知りたくて 近藤喜子 201502
寒林にゐて透明な息となる 岩下芳子 201502
寒林の先の三角山に雲 渡邉孝彦 やぶれ傘 201503
寒林の取り戻したるしじまかな 石田きよし 201503
閑けさの寒林何も翔たしめず 水野恒彦 201503
寒林の空赫々と暮れにけり 岡崎春菜 万象 201503
沖よりの風に寒林鳴るばかり 安斎久英 末黒野 201503
寒林の空に透けたる昼の月 羽賀恭子 201504
寒林の一木ごとの個性かな 小松誠一 201504
寒林や消えさうな背を追へば雨 湯川雅 ホトトギス 201505
寒林のしじま深むる足音かな 原和三 末黒野 201505
寒林の丸ごと水に映りゐる 戸栗末廣 201505
寒林ヘムンクの叫び聞きにゆく 熊川暁子 201505
寒林に入りてゆつくり路線バス 丑久保勲 やぶれ傘 201505
寒林をさも想ひ出のあるごとく 湯川雅 ホトトギス 201506
寒林を避けて気儘な散歩かな 高橋均 やぶれ傘 201506
寒林に星の雫の煌めきぬ 寺田すず江 明日葉 201505
寒林を抜けて男の貌となる 岩月優美子 グピドの瞳 201506
寒林に日も吊されてゐたりしよ 木下夕爾 春燈 201508
寒林の遠くから来る水の音 東英幸 船団 201508
寒林を行く我が息を割つて行く 林昭太郎 201604
寒林や木霊透かしに暮れ泥む 松本鷹根 京鹿子 201604
マスト競ひ寒林立の船溜り 松本鷹根 京鹿子 201604
寒林に寂の字型を重ねをり 丹羽武正 京鹿子 201604
寒林のささる天空日のすこし 齋藤厚子 201604
昼はピザ寒林を背の店に入る 青山正生 201604
寒林や好きな時間といふ孤独 湯川雅同 ホトトギス 201605
寒林を抜けて白亜の常宿に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
寒林の透明の日矢病窓に 狭川青史 馬醉木 201701
寒林 →2      

 

2021年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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