寒 波 2      33句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
地震あけし塀の艀へと寒波入る 布川直幸 201212
長崎の坂また坂や寒波来 荒井千佐代 201212
猫も子も砂の匂へる寒波かな 辻美奈子 201301
酢こんぶの匂ふ子の息寒波来る 山尾玉藻 火星 201302
寒波来る信濃は風の硬きかな 水原春郎 馬醉木 201302
寒波来るベッドメイクを丹念に 塩路隆子 201302
寒波来てたった四人の俳句会 足利ロ子 ぐろっけ 201302
流木の芯まで乾き寒波来る 福島茂 201302
予報士をタレントにする寒波かな 小池清司 かさね 201302
自販機に売切れランプ寒波来る 林昭太郎 201302
寒波くる本気に等圧線刻み 豊田都峰 京鹿子 201303
滴らす封蝋の藍寒波来ぬ 丹羽啓子 馬醉木 201303
寒波急みな背をちぢめ小走りに 村田とくみ ぐろっけ 201304
寒波くる欠航の札揺れてをり 太田チエ子 末黒野 201304
ギプス切る雪の寒波となりにけり 宮川みね子 風土 201304
春寒波ひかりの奥に光あり 菅谷たけし 201305
見上げたる露座の大仏寒波来る 吉岡孝子 末黒野 201306
鯨麩は本日売り切れ寒波来る 中井保江 船団 201306
抽斗を押さば寒波の来てゐたる 山田六甲 六花 201402
早過ぎる寒波や猫の慌てぶり 中村是空 ろんど 201402
引き揚げてローリエ匂ふ大寒波 吉成美代子 あを 201402
踏切の赤の点滅寒波来る コ田千鶴子 馬醉木 201402
俎に鮪の目玉寒波来る 涼野海音 火星 201403
寒波晴れ山に銃声こだまして 田所節子 201403
足曲ぐる磔刑像や寒波くる 荒井千瑳子 201403
バス停の白き灯や寒波来る 柿沼盟子 風土 201403
吾が辞書に老残は無し寒波来る 塩路五郎 201403
鯨の群れ戻らぬ海や寒波来る 佐藤喜仙 かさね 201404
寒波来て終日居間に閉ぢこもる 渡辺安酔 201404
寒波来る都庁に千のガラス窓 上谷昌憲 201404
寒波来星座不動の位置示す 村田岳洋 ろんど 201405
クリミヤの寒波沙羅の芽固きまま 鴨下昭 201407
そぞろ寒波音高き風岬 中野久雄 末黒野 201501
寒波くる捻子をきりきり漬物器 田所節子 201502
身の節をきします韋駄天寒波かな 鈴木庸子 風土 201503
重ね置く皿の白さや寒波くる はしもと風里 201503
塊の肉買ふ寒波来つつあり 楠原幹子 201503
きびしすぎ最強寒波到来す 鷲見たえ子 201504
一刀彫の鷹の陰影寒波来る 渡部良子 馬醉木 201504
おちこちに牡蠣殻の山寒波来る 北上政枝 201505
遠山に雪なし寒波もう来るか 山田六甲 六花 201602
鶏小屋の裸電球寒波来る 黒滝志麻子 末黒野 201604
錆色に寒波及びし紅椿 岡田桃子 201604
寒波急寛容忍耐酒五勺 荒木甫 201605
寒波来と話すも遺影笑み返し 森幸 雨月 201605
寒波来るずんずんと来る妊婦来る 鶴濱節子 船団 201612
コーランのこだま寒波の来たりけり 中田みなみ 201701
父ははの老いゆく不安寒波くる 水谷文謝子 雨月 201702
寒波来る迎へ撃つごと太極拳 内山照久 201702
寒波来る北の藻塩で締める味 甲州千草 201703
寒波来るゾーリンゲンの刃のやうに 内山花葉 201703
牛すぢの根菜カレー夜の寒波 渕上千津 201704
天井絵の緋色うすれて寒波急 荒井千佐代 201704
沼の色固し寒波の昨日今日 内海良太 万象 201704
煌めきて寒波の研ぎし星座とも 密門令子 雨月 201704
日本列島覆ひ尽せる寒波かな 密門令子 雨月 201704
寒波来てぐるぐる巻きの蛇口かな 住田千代子 六花 201705
ゆう笛のをはり吹き切り寒波急 定梶じょう あを 201705
百畳の達磨絵を吊る寒波晴 大久保志遼 201802
寒波来て森鴎外のデスマスク コ田千鶴子 馬醉木 201802
寒波来る水平線を切り口に 村田あを衣 京鹿子 201803
寒波来る残月羽のやうに消ゆ 片山煕子 京鹿子 201803
高野豆腐軽くしぼれば寒波くる 池田光子 風土 201803
スコップの肩の突つ張り寒波来る 諸岡和子 201803
寒波かな群れたる鳩の石と化し 永田万年青 六花 201804
大寒波愛する人の多すぎて 田尻勝子 六花 201804
大寒波と聴くだに又も衿合はし 水田壽子 雨月 201804
人のみが月蝕仰ぐ寒波かな 上谷昌憲 201804
立春寒波やたら元気な鼓笛隊 上谷昌憲 201804
天穹の青を極めて寒波急 黒岩武三郎 201804
寒波くるわが現し身を楯とせむ 亀井福恵 京鹿子 201804
百峰に百柱の神寒波来る 柴田佐知子 201803
貨車来れば鉄の匂ひや寒波来る 石黒興平 末黒野 201805
法堂の裏に消火器寒波来る 岡田史女 末黒野 201805
大寒波石臼のごと据りこみ 饗庭悪子 末黒野 201805
能面の鈍き光や寒波くる 高倉和子 201806
静脈の浮き出る拳寒波来る 田岡千章 201806
水槽の中の居心地寒波くる 高倉和子 201806
鳥の眼のかつと見開き寒波来る 岩岡中正 ホトトギス 201807
寒波来る三日の糧を貯へて 押田裕見子 201808
寒波くるらし雑巾の堅しぼり 望月晴美 201901
ソ・ラの音欠ける鍵盤寒波来る 近藤かな 201903
水平線藍濃く流れ寒波来ぬ 浜福恵 風土 201904
立春寒波明日あることを知り尽し 伊藤希眸 京鹿子 201904
寒波来や胸はだけたる空也像 懸林喜代次 春燈 201904
寒波来るつねと変はらぬ夫の日課 萩原久代 やぶれ傘 201904
人混みの中の独りや寒波来る 高倉和子 201907
寒波来る背筋を伸ばす虚栄心 日置游魚 201907
ライターの火付きのわろし寒波急 宮原悦子 雨月 202003
甲冑にひと形の闇寒波来る 柴田佐知子 202003
寒波来る枯山水の渦深し 宮内とし子 202004
防寒なき亜熱帯地に寒波来る 呂秀文 春燈 202004
人の世の段差に寒波けつまづき 三木亨 202004
寒波→1      

 

2021年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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