寒の水 2    86句

萱屋根の切口寒の水明り  長谷部朝子  暖流

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神の力ひそむとみゆる寒の水 柴田靖子 201503
胸中のすべて飲むごと寒の水 和田政子 201503
一滴の墨すり上ぐる寒の水 箕輪カオル 201504
蔵元の深井より汲む寒の水 宮内とし子 201504
寒の水手足細りて恙なし ふじの茜 201504
黒猫の舌こまやかに寒の水 生田作 風土 201504
酒蔵の井戸に溢るる寒の水 岩下芳子 201504
ふふみたる一瞬が好き寒の水 近藤喜子 201504
寒の水かぶり情熱呼び覚ます 高橋将夫 201504
夜更しやしゆんしゆん滾る寒の水 村上倫子 201504
呑み干して五臓の震へ寒の水 山田愛子 201504
存へむための一錠寒の水 田原陽子 201504
呑み干して五臓の震へ寒の水 山田愛子 201504
クスリ呑む楽しさ寒の水あまく 大坪貞子 万象 201504
寒の水容赦なく浴ぶ撫で仏 浦川哲子 201504
手に浸むる余寒の水に銭洗ふ 西川みほ 末黒野 201506
寒の水優柔不断の掌を浸す 古川夏子 201506
何時死ぬかはわからず寒の水を飲む 中江月鈴子 201602
力抜くための力や寒の水 平野みち代 201602
海蝕の崖に一縷の寒の水 松井志津子 201603
寒の水ゆるりと生きるため咀嚼 菊池和子 京鹿子 201604
身の内を貫く流れ寒の水 雲所誠子 風土 201604
一願を籠めて地蔵に寒の水 片岡良子 雨月 201604
一病にやうやく馴れて寒の水 水谷靖 雨月 201604
起き抜けの目覚しに飲む寒の水 森脇貞子 雨月 201604
寒の水のんで教へを新たにす 山崎靖子 201604
吹きこぼれ寸前に注す寒の水 田村園子 201605
荒行の気合一声寒の水 大川暉美 末黒野 201605
米を研ぐ指先硬き寒の水 大川暉美 末黒野 201605
大寒の水や一指を寄せつけず 前田美恵子 201605
腑に沁むる薬とふふむ寒の水 杉山瑞恵 雨月 201605
透明といふ色のある寒の水 橋本くに彦 ホトトギス 201606
大江山いくののみちの寒の水 山田六甲 六花 201702
今日を生く段取り多し寒の水 相良牧人 201704
寒の水飲むに背筋を立て直す 柴田佐知子 201703
寒の水のむや黒き血うすまりぬ 近藤喜子 201704
心底の惑ひを覚ます寒の水 岩月優美子 201704
端渓の硯のうみや寒の水 加瀬伸子 末黒野 201704
寒の水なまけごころを目覚めさす 山田春生 万象 201704
寒の水飲み干し決意新たにす 渕田則子 末黒野 201705
蝶死して紋の浮き立つ寒の水 井上和子 201706
寒の水汲んで考へ新たにす 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
寒の水飲むにふさはし江戸切子 大日向幸江 あを 201802
一斗の餅米浸す寒の水 辻響子 201803
寒の水飲んで弱気の虫封ず 柴崎英子 201803
寒の水野性いささか取り戻す 能村研三 201803
大寒の水よくかんで飲みくだす 山本みち子 201803
寒の水呑みて己を恃みけり 大室恵美子 春燈 201804
青銅の獅子の口より寒の水 中田禎子 201804
刺すやうな光を掬ふ寒の水 近藤喜子 201804
寒の水妻の言ひつけよく守り 佐藤喜孝 あを 201804
まづ一杯五臓六腑に寒の水 渡辺美智子 末黒野 201805
寒の水ゆたかに伊豆の一の宮 堺昌子 末黒野 201805
酒よりも美味し蛇の目の寒の水 丸井巴水 京鹿子 201805
寒の水指紋薄るる十の指 亀卦川菊枝 末黒野 201805
遠洋航海大寒の水脈を引き 田代民子 201806
寒の水計量カップで干しにけり 田尻勝子 六花 201806
寒の水一花浮べて整ひぬ 和田華凛 ホトトギス 201806
娑婆の業断つに呑み干す寒の水 押田裕見子 201808
元号のいくつを生きて寒の水 東英幸 船団 201809
寒の水ごくんと呑めば火の匂ひ 安田優歌 京鹿子 201901
寒の水含み命の鼓動聞く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
寒の水音にも艶のありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
ペリカンの嘴濡らす寒の水 火箱ひろ 201903
狂はずに生き透き通る寒の水 田村すゝむ 風土 201903
医者嫌ひ薬嫌ひや寒の水 秋岡美津子 201904
そそぎたる硯に青き寒の水 藤生不二男 六花 201904
酔ひ醒めの甘露のごとき寒の水 高木邦雄 末黒野 201904
一杓を竜の口より寒の水 森清堯 末黒野 201904
観音の左手の水瓶寒の水 瀬川公馨 201904
亡き父の湯呑で寒の水をのむ 柴田佐知子 201904
閼伽桶へ寒の水汲む薄日かな 半谷洋子 201904
たっぷりの寒の水もて薬飲む 尾崎みつ子 雨月 201905
死ぬための命を支ふ寒の水 熊川暁子 201905
寒の水飲みて鏡の中の顔 高倉和子 201906
寒の水昨日の記憶なかりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
寒の水一杯に湧く旅心 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
寒の水君の唇奪ふほど 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
味覚てふ至福を賜ふ寒の水 小坂尚子 202003
寒の水言の葉一つ載せてをり 根岸善行 風土 202004
龍神とつながる寒の水すくふ 近藤喜子 202004
寒の水かぶつて熱くなる心 高橋将夫 202004
大寒の水の滴る男かな 高橋将夫 202004
なりわいや余寒の水に研ぐ包丁 松井季湖 202006
帰らざるものへ供ふる寒の水 山本則男 202006
帰らざるものへ供ふる寒の水 山本則男 202007
寒の水 →1

 

2021年1月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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