カンナ 2     130句


作品
作者
掲載誌
掲載年月
カンナ燃ゆ旅装束の大師像 成田なな女 春燈 201311
カンナ咲く母にもありし熱き夢 五十嵐章子 201311
ときめきは捨てずに生きむカンナ燃ゆ 大橋伊佐子 末黒野 201311
目を強くのぞかれてより花カンナ あさなが捷 201311
朱のカンナふいに湧き出づ好奇心 松本恒子 ぐろっけ 201311
カンナの炎皿の大辛カレーかな 北川孝子 京鹿子 201311
カンナ赤逢へば別れのあるばかり 池田かよ ぐろっけ 201311
カンナ燃ゆ美空ひばりの復刻盤 小泉欣也 ろんど 201312
朝の眼に祭りが来るよ花カンナ 一門彰子 船団 201401
城跡の石垣高しカンナ咲く 石脇みはる 201401
花カンナ鉄錠錆びし神輿庫 佐藤喜仙 かさね 201401
身をかたく歯医者の椅子に花カンナ 國保八江 やぶれ傘 201402
未解決事件のその後カンナ咲く 寺田良治 船団 201403
カンナ燃ゆ萎える日のなき如くにも 稲畑汀子 ホトトギス 201408
銹匂ふ鉄路の脇のカンナかな 西郷慶子 201409
落つる日やカンナを殊に燃やしけり 西郷慶子 201409
路地裏や雨の匂ひの花カンナ 石川かおり 201410
取つ組み合ひありし広場にカンナ咲く 西郷慶子 201410
花カンナ下校うながすアナウンス 田代貞枝 201410
カンナ燃ゆ地震に崩れしままの墓 鴨下昭 201410
瓦礫中居場所を確とカンナ燃ゆ 石井雲雀 末黒野 201411
年ごとに図太くなりぬ花カンナ 樋口みのぶ 201411
校庭の少女の像やカンナ燃ゆ 成田なな女 春燈 201412
花カンナ犬のすつかり洗はるる 蘭定かず子 火星 201412
喪の家の牛乳受けやカンナ咲く 波戸辺のばら 201412
カンナ切る九月一日九十歳 岡崎禎子 201412
軒に沿ふチンチン電車花カンナ 田岡千章 201501
潮枯のカンナ己を顧みる 田中臥石 末黒野 201501
一芝居打ちて去るべし散りカンナ 瀬川公馨 201501
白壁の隔離病棟カンナの朱 波多野孝枝 末黒野 201502
カンナ咲く大股でゆくお母さん 中村あいこ 船団 201505
語部の横顔映しカンナ燃ゆ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
潮風に冷まされてゆくカンナの緋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
花カンナ鉄扉閉ざせし造船場 植田桂子 馬醉木 201510
吊革を傾け停車花カンナ あさなが捷 201510
カンナ咲き跡継ぎのなき鉄工所 黒坂紫陽子 馬醉木 201511
岐れ道カンナに惹かれ右を採る 松本三千夫 末黒野 201511
廃れゆく国体道路花カンナ 笹村政子 六花 201511
反骨は若き日のままカンナ燃ゆ 高野春子 京鹿子 201512
古希にして時折りまぶしカンナの緋 高橋将夫 201512
もう二日癇癪こらえカンナ咲く のざきまみこ 201512
一尋の川面彩り緋のカンナ 東小薗美千代 末黒野 201601
青空と燃ゆるカンナの水鏡 東小薗美千代 末黒野 201601
古びたる火の見櫓やカンナ燃ゆ 今野明子 末黒野 201601
カンナ咲くぞろぞろみんな家族です つじあきこ 船団 201602
カンナ燃ゆ風の素通り出来ぬ緋に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
固まりて炎となりぬ花カンナ 樋口みのぶ 201609
背丈ほど続くカンナや一頻り 黒澤佳子 あを 201609
行合の涼しき雲やカンナ果つ 田中臥石 末黒野 201610
この星に傷口あまたカンナ炎ゆ 有松洋子 201611
ファンファーレ響くがごとくカンナ炎ゆ 山口ひろよ 201611
畑土の乾ききったるカンナの緋 岡淑子 雨月 201612
カンナ咲く浜に一日のテント張る 高橋まき子 風土 201612
花カンナ冷めて退勤てふ人出 湯川雅 ホトトギス 201612
バス停の不揃ひの椅子カンナ燃ゆ 稲垣佳子 末黒野 201612
花カンナ養鶏場の昼下がり 辻水音 201612
遠目にもカンナ連なる大農園 黒澤佳子 あを 201612
遠き日の恋のやうなり花カンナ 犬塚李里子 201701
さざなみや攫はれてゆくカンナの黄 井上菜摘子 京鹿子 201701
きいたぞきいたぞカンナの枯るる音 瀬川公馨 201711
燃え尽きてカンナ黒ずむ野の真昼 三木亨 201711
カンナ燃ゆ一語のこして夫逝けり 笹村政子 六花 201711
カンナにはカンナの時間立ちつくす 火箱ひろ 201712
カンナカンナもつと遊べよ羽ばたけと 辻水音 201712
なんとなく意地張り通すカンナの緋 寺田すず江 201811
赤カンナ平家の旗のかくもかな 安部和子 雨月 201811
耳は遠いあの日のかけらカンナ真つ赤 直江裕子 京鹿子 201811
平成の影や光や緋のカンナ 笹村恵美子 201812
緋のカンナ余熱を帯びてゐたりけり 稗田寿明 201812
湖昏れて黒き画布なりカンナ燃ゆ 安田優歌 京鹿子 201901
カンナ燃ゆ郷を出てより道遠し 小笠原妙子 201904
カンナ咲くまるまる穴の埴輪かな 庄司久美子 201909
カッコかまわず子育てした日花カンナ 松井季湖 201910
元気出せ出せと家路にカンナ燃ゆ 安藤しおん 201910
踏切のまだ鳴り止まず花カンナ 若見洋子 馬醉木 201911
真つ白な海浜病院花カンナ 山田正子 201911
椰子の実の着きし岬の花カンナ 岩月優美子 201911
遠山の夕日眩しやカンナの緋 内田梢 末黒野 201911
廃校舎の錆びし黒板カンナ燃ゆ 安田優歌 京鹿子 201911
赤カンナ風をはさんで黄のカンナ 笹村ルル 201912
枯れてなほ血脈のこすカンナかな 瀬川公馨 202001
廃校の錆びし鉄棒緋のカンナ 佐藤千恵 京鹿子 202001
古民家に二胡のライブや花カンナ 門伝史会 風土 202001
カンナ赤し嘘吐きとほすにも力 角野良生 202005
岬まで道真つ直ぐやカンナ燃ゆ 鈴木静恵 春燈 202009
その家のカンナはまつ赤雨あがる 大島英昭 やぶれ傘 202010
人去りし後の虚無感カンナ燃ゆ 岩月優美子 202011
もつともつと熱が欲しいと赤カンナ 村上葉子 202011
校庭の深閑としてカンナ燃ゆ 小坂尚子 202011
ボサノバの流るる広場緋のカンナ 高埜良子 春燈 202011
薄墨の海峡カンナ群をなす 浜田久美子 六花 202011
殉教の島に雲湧く花カンナ 佐藤千恵 京鹿子 202011
本島へ船の出てゆくカンナかな 内藤静 風土 202011
日照雨してものみな眩し花カンナ 門伝史会 風土 202011
花カンナ急ごしらへの隔離棟 岡本尚子 風土 202011
カンナ燃ゆ語り継がれし「黒い雨」 岡本尚子 風土 202011
戦ひ待つ竹籠の軍鶏カンナ燃ゆ 奥田茶々 風土 202011
生きてゐる今が大切カンナ燃ゆ 小嶋紘一 末黒野 202011
スポーツジムの窓のぞき込む緋のカンナ 江口九星 202011
カンナ燃え好きなことだけする日かな 森なほ子 あを 202011
黄のカンナ海へ真直ぐ安房の里 小林共代 風土 202012
カンナ咲きうさぎ当番登校す 藤井啓子 ホトトギス 202012
潮枯のカンナ炎えをり屋敷路 田中臥石 末黒野 202012
やはらかき鉛筆の芯カンナ描く 小池桃代 末黒野 202012
鉄路添ひカンナの炎流れゆく 中野千代子 末黒野 202012
カンナ咲く塗装新たな理髪店 瀬島洒望 やぶれ傘 202101
カンナ燃ゆふるさとつひに捨てられず 岩岡中正 ホトトギス 202102
凪深き塩釜跡やカンナ燃ゆ 柴田近江 202105
カンナの緋庭に生気を戻しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
恋多き君の饒舌カンナ燃ゆ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
カンナ燃ゆ水平線を引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
カンナの緋バージンロード染め上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
須磨琴の裏は丹塗りや花カンナ 塩貝朱千 京鹿子 202110
石くれに耳傾けるカンナまっ赤 直江裕子 京鹿子 202110
百寿の空あをあをと透きカンナ燃ゆ 大谷満智子 春燈 202110
オルガンのあふるる校舎花カンナ 笹村政子 六花 202110
神輿蔵の錆びし鉄錠カンナ燃ゆ 里村梨邨 202111
太陽の雫のやうに咲くカンナ 小倉征子 202111
カンナ咲く六年生の花壇かな 廣瀬正雄 やぶれ傘 202111
カンナ咲く踏切はカンカンと鳴り 天野美登里 やぶれ傘 202111
海光の届く校舎やカンナ燃ゆ 岩永はるみ 春燈 202111
コロナ禍も何するものぞ緋のカンナ 仁上博恵 202112
天を指す赤カンナ朱を増して 江口九星 202112
寡黙なる園丁の昼黄のカンナ 森清堯 末黒野 202112
家族葬決め安寧や緋のカンナ 田中臥石 末黒野 202112
熱川の駅前広場カンナ咲く 泉一九 やぶれ傘 202112
戦ひ待つ竹籠の軍鶏カンナ燃ゆ 奥田茶々 風土 202201
浮島を突く初鴨水カンナ 岡野塁子 末黒野 202201
はたくたび埃出す馬花カンナ 河原敬子 202205
芸術の学校なれやカンナ燃ゆ 沼田巴字 京鹿子 202207
カンナ→1

 

2022年8月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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