寒 旱     29句

ものを噛む顔すさまじく寒旱    加藤楸邨

冬 旱

作品
作者
掲載誌
掲載年月
肌ごしにが骨に触る寒旱
林翔
199904
塩じめの佐久鯉干さる寒旱
小松志づ子
199904
寒旱羽根の軽さの土を鋤く
中田ゑみこ
馬醉木
199912
寒旱駱駝の瘤の谷の翳
塩見恵介
虹の種
200005
唇を舐めてものいふ寒旱
廣島泰三
200105
傷なめて傷あまかりし寒旱
能村登四郎
200108
水撒きてアスファルト切る寒旱
小林早苗
200304
鍬拒む思ひのほかの寒旱
植村よし子
雨月
200308
寒旱使者の財布の鈴鳴りぬ
渡邉友七
あを
200403
手の傷の堅くなりゆく寒旱
篠田純子
あを
200403
寒旱木魚は固き音を吐く
橘澄男
山景
200408
寒旱ビルのてつぺん人働く
前田永子
200502
寒旱洗ひざらしの丹波布
佐久間多佳子
京鹿子
200504
鳥葬の鳥に神の座寒旱
辻美奈子
200903
寒旱烏鷺が仲良く魚狙ふ
難波篤直
200904
柿の木のある坂道や寒旱
瀬島洒望
やぶれ傘
200905
道に鳴るキャリーバッグや寒旱
塩山博久
風土
201003
踏み石の坐りのゆるび寒旱
小川玉泉
末黒野
201104
貝殻の透きとほりけり寒旱
鎌倉喜久恵
あを
201103
激痛を訴ふ妹寒旱
丹生をだまき
京鹿子
201105
川底の悲鳴聞こゆる寒旱 塩千恵子 201203
寒旱風土記の丘に日の匂ひ 永峰久比古 馬醉木 201204
床板のみしみし軋む寒旱 園田惠子 末黒野 201303
尺八の尖る高音寒旱 小川流子 201804
切り出せし石の角張る寒旱 小島良子 202003
風を待つ丘の風車や寒旱 向井芳子 春燈 202103
寒旱逃げもかくれもせぬ齢 栗原完爾 春燈 202204
鉄瓶の湯の沸く音や寒旱 平田紀美子 風土 202204

 

2023年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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