冬 旱      41句

電柱の影が田に伸び冬旱    広瀬直人

寒 旱

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風入れの紙魚の曼茶羅冬旱
神蔵器
風土
199902
揚舟に楔打たるる冬旱
石本秋翠
馬醉木
199904
水銀の玉拾ひをる冬旱
延広禎一
199904
冬旱一気に睡り夜明け待つ
金子兜太
海程
199905
冬旱したたかに牛肥えて鳴く
皆川盤水
春耕
200002
杣人の鉈音絶えぬ冬旱
鈴木冽
春耕
200104
朱の褪せし地蔵の頭巾冬旱
高野清風
雲の峰
200202
アイロンの蒸気の音の冬旱
大東由美子
火星
200202
箍ゆるむ桶洗ひをり冬旱
小浦遊月
酸漿
200203
引退を告げる朝刊冬旱
陶山泰子
ぐろっけ
200305
冬旱石屋に石の粉飛べり
大串章
百鳥
200402
埋め戻す土余りたる冬旱
能村研三
200403
遠景の踏切の鳴る冬旱
長沼三津夫
200403
冬旱かつて翼のありにけり
小川えいいち
遠嶺
200503
冬旱山は乾きの音ばかり
藤岡紫水
京鹿子
200702
軍鶏の目の金色あゆむ冬旱
ほんだゆき
馬醉木
200802
静電気指先に鳴る冬旱
弓場赤松
ぐろっけ
200803
冬ひでり椿の杖のかぼそくて
鳥居秀雄
200803
音たててフアスナー引き上ぐ冬旱
柿沼盟子
風土
200804
罅の入る蘇民将来冬旱
鈴木庸子
風土
200904
跳箱の布の手ざはり冬旱
小嶋洋子
泡の音色
200912
引用に引用かさね冬旱
能村研三
201012
大腸にポリープ東京冬旱
荒木甫
201105
冬旱土舞ひあがる土竜塚 茂木弘子 万象 201204
そらみみに地震ある気配冬旱 酒井秀郎 返り花 201211
打たれずに出る釘を抜く冬旱 能村研三 201301
切り岸の鳥の目動く冬旱 和田慈子 末黒野 201304
冬旱家のどこかが啼きはじむ 平居澪子 六花 201305
句も評もどちらもをかし冬旱 布川直幸 201502
みささぎに鴉の声や冬旱 藤田素子 火星 201502
天覆ふ阿蘇の噴煙冬旱 阪本哲弘 201503
冬旱風の音積むローム層 峰崎成規 201703
書き込みの多き譜面や冬旱 半谷洋子 201903
冬旱穂先短き庭箒 秋山文子 末黒野 202003
冬旱つづきて昨日今日と過ぎ 山口地翠 春燈 202103
庭木戸のささくれ目立つ冬旱 山口郁子 末黒野 202103
散策の靴音乾ぶ冬旱 秋山文子 末黒野 202104
冬旱突つ張り棒の落ちてきて 小島良子 202104
重機来て古屋をむしる冬旱 藤井美晴 やぶれ傘 202201
廃船に猫の棲みつき冬旱 中野陽路 薫風 202205
冬旱海鵜飛び来る朝の川 岩井京子 202206

 

2023年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2023年1月13日