鉦 叩 2       102句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
右近く左に遠く鉦叩 橋本くに彦 ホトトギス 201502
石仏の欠くる螺髪や鉦叩 一民江 馬醉木 201511
落ちてゆく夢の入り口鉦叩 栗原公子 201511
ふいに闇ふくれてきたり鉦叩 森山暁湖 万象 201512
塔頭の昼の竹林鉦叩 菅野日出子 末黒野 201512
鉦叩き自由と孤独なひまぜに 橋添やよひ 風土 201512
今年はも子規の墓前に鉦叩 落合絹代 風土 201512
鉦叩終着点は子規の墓 中嶋陽子 風土 201512
灯を消してまた鳴くを待つ鉦叩 遠藤逍遙子 風土 201512
その頃と先づ打ち出しぬ鉦叩 江木紀子 雨月 201512
鉦叩経読む母の小さき鉦 遠藤逍遙子 風土 201512
いたづらに夢の続きを鉦叩 箕輪カオル 201601
ゆつくりと日付変はりて鉦叩 来海雅子 201601
砕けゆく力を掴む鉦叩 鴨下昭 201601
しみじみと心の闇に鉦叩 松田泰子 末黒野 201601
身に添はぬ宿のゆかたや鉦叩 菅野日出子 末黒野 201601
地境は低き植ゑ込み鉦叩 青谷小枝 やぶれ傘 201602
鳴き止まぬ外人墓地の鉦叩 山田閏子 ホトトギス 201603
鉦叩鉦打ち合はす夜もすがら 下平しづ子 雨月 201603
命日を告ぐる如くに鉦叩 稲畑汀子 ホトトギス 201609
米寿迎ふ心に打ちて鉦叩 佐藤淑子 雨月 201611
鉦叩今年の鉦の第一打 渡邊千枝子 馬酔木 201611
雨あがり力の込もる鉦叩 鎌田光恵 201611
雨乞ひの鉦となりけり鉦叩 松尾龍之介 201611
やはらかき雨も三日や鉦叩 青谷小枝 やぶれ傘 201611
雨粒の光る草むら鉦叩 瀬島洒望 やぶれ傘 201611
鉦叩月の出を待ち打ちいでぬ 大石喜美子 雨月 201612
鉦叩目瞑れば野の闇さ見ゆ 千手和子 馬醉木 201612
移ろひのとき知らせむと鉦叩 小林清彦 末黒野 201612
どこまでも気を引きたいか鉦叩 はしもと風里 201612
母の忌の近し夜毎の鉦叩 佐藤貞子 雨月 201701
島の宿闇抜けて来る鉦叩 板坂良子 馬醉木 201701
鉦叩揃ひて夜を深めけり 鈴木良戈 201701
鉦叩き鳴き始めたる金曜日 きくちきみえ やぶれ傘 201701
鉦叩はや巡り来し月日あり 稲畑汀子 ホトトギス 201709
鉦叩三十三回忌も過ぎて 稲畑汀子 ホトトギス 201709
鉦叩一打に暮るる石舞台 高橋たか子 馬醉木 201712
夕暮はちちろ寝どきは鉦叩 森山暁湖 万象 201712
鉦叩夫の筆跡残るメモ 平野みち代 201712
ときどきは休むも技か鉦叩 宮内とし子 201712
甦りの井戸の深みや鉦叩 前田美恵子 201712
桂郎と器のこゑの鉦叩 南うみを 風土 201712
鉦叩歳時記開く人に澄む 赤石梨花 風土 201712
師の声のかすかに聞こゆ鉦叩 奥田茶々 風土 201712
話し声止むとすかさず鉦叩 落合絹代 風土 201712
鉦叩き三日三晩の業たたく 高橋榮子 京鹿子 201712
ゐるはずのひとのゐなくて鉦叩 菊池洋子 やぶれ傘 201710
無駄のなき一語一音鉦叩 山本正 京鹿子 201801
鉦叩今年は夫を弔ひて 宮本加津代 万象 201801
鉦叩きこんなに鳴いていたなんて 浜田久美子 六花 201712
鉦叩聞けばすぐ来る七回忌 井上醇女 ホトトギス 201803
長考に出入りいくたび鉦叩 服部早苗 201803
鉦叩忌日めぐりて来しことを 稲畑汀子 ホトトギス 201809
百年の三和土の闇の鉦叩 鈴鹿仁 京鹿子 201810
黒猫の見据ゑし先に鉦叩 秋川泉 あを 201810
宵つ張りの此処にも居りて鉦叩 平田はつみ 馬醉木 201811
鉦叩き百鬼の闇を鎮めたり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201811
鉦叩き呪いの効かぬ夜もある 赤石忍 船団 201812
字余りを響かす一字鉦叩 吉田悌子 京鹿子 201812
鉦叩たたいてだんだん遠くなる おーたえつこ 201812
休止符の入ればかなし鉦叩 宮内とし子 201812
鉦叩盤台に盛るちらし寿司 秋川泉 あを 201812
闇に穴穿つ槌音鉦叩 内山照久 201901
一人居の厨仕事よ鉦叩 小林和子 201901
鉦叩たたいて闇を深くする 山田天 雨月 201911
Don o te n t e r 鉦叩 辻水音 201912
二十五時孤独引き寄す鉦叩 佐藤千恵 京鹿子 201912
鉦叩たたき終へたる夜の黙 笹村政子 六花 201912
鉦叩反故捨てをれば夜の更けて 岡野里子 末黒野 202001
暁をとむらふやうに鉦叩 小原芙美子 風土 202002
いくつ叩けば気がすむの鉦叩 山岡和子 船団 202003
鉦叩素直な闇となりにけり 山本則男 202003
鉦叩明日あることを信じさせ 嶋田一歩 ホトトギス 202003
鉦叩闇の隙間を打ち鳴らす 長尾タイ 末黒野 202004
鉦叩いづこに生きてゐたのやら 丑久保勲 やぶれ傘 202010
外階段闇を深くし鉦叩 仙田孝子 風土 202012
鉦叩真間の手児奈の祠より 上村葉子 風土 202012
鉦叩たしかにふたつゐる夜風 内藤静 風土 202012
身中の間合ひ豊かに鉦叩 林いづみ 風土 202012
鉦叩日々に寄り来てけふ窓辺 柿沼盟子 風土 202012
夢で逢ふ声なき夫や鉦叩 橋添やよひ 風土 202012
切株の影の静けさ鉦叩 山森みちよ 風土 202012
暁闇やひたすら打てる鉦叩 小倉征子 202012
気がかりの電話ひた待ち鉦叩 森清堯 末黒野 202012
遅々として稿の進まず鉦叩 岡野里子 末黒野 202012
鉦叩鎮守はいまも昭和なり 亀井福恵 京鹿子 202101
鉦叩小さき闇を守るかに 今橋眞理子 ホトトギス 202101
鉦叩箪笥に今も鯨尺 菅野日出子 末黒野 202102
破天龍庭に潜むか鉦叩 山田六甲 六花 202109
スーパーの倉庫に明かり鉦叩 小山よる やぶれ傘 202111
父祖の墓考に仕へる鉦叩 高野昌代 202111
一通の友の葉書や鉦叩 佐藤まさ子 春燈 202112
十二まで数へしビート鉦叩 塙誠一郎 202112
静けさを弥増してゆく鉦叩 小池一司 やぶれ傘 202112
鳴きだしてよりの静けさ鉦叩 今橋眞理子 ホトトギス 202201
決心とは迫らるるもの鉦叩 川高郷之助 202201
払暁の生絹めく雲鉦叩 岡野塁子 末黒野 202201
鉦叩ときどき動く猫の耳 今村千年 末黒野 202201
不自由のリモート授業鉦叩 渡辺富士子 末黒野 202201
鉦叩音色違へて昼を鳴く 今橋眞理子 ホトトギス 202202
かむなびの山路翏々鉦叩 田中春江 末黒野 202204
酒うまきうちは死なじよ鉦叩 皆川白陀 薫風 202205
夜の闇染めて都心の鉦叩 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
鉦叩都心に闇を引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
鉦叩都心の夜に楽流れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
満月の夜を鳴きとほす鉦叩 谷口摩耶 202210
一通の友の葉書や鉦叩 佐藤まさ子 春燈 202212
鉦叩変奏曲は苦手らし 川高郷之助 202211
眠らねば今日のをはらず鉦叩 栗原公子 202212
鉦叩こむら返りになすがまま 細川洋子 202212
眠られぬ闇を刻みぬ鉦叩 岡野里子 末黒野 202212
断捨離の進まぬ夫や鉦叩 池乗恵美子 末黒野 202212
逝きし子のメトロノームや鉦叩 笹村政子 六花 202212
鉦叩 →1

 

2023年9月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。