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雨すでに過ぎたる雷さわやかに   中村汀女   汀女句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雷光に浮び出でたる遭難碑 森脇貞子 雨月 200910
人縫うて雷除守求めたる 木下もと子 200910
迅雷や総立ちになる木々の枝 原田達夫 200910
東山そして北山雷渡 る荒木甫 200910
遠雷の音より高く鳥の声 筒井八重子 六花 200910
雷の音に怯ゆる初曾孫 藏本博美 ぐろっけ 200910
鳴れば降る雷道の谷戸十戸 守屋井蛙 酸漿 200910
目も口も開けてください日雷 石川清子 炎環 200910
雷激し電波時計の皆揃ふ 酒井湧甫 200910
宝剣岳に神の鉄打つ日雷 水谷洋子 十進法 200911
バスを待つ街のにほひよ日雷 柴太香子 炎環 200911
蝶の句を添へし弔電遠き雷 壬生きりん 炎環 200911
大雷鳴詩情育ちてゐる時に 泉田秋硯 200911
遠雷に轣轆ゆるむ渡御の地車 田中芳夫 200911
俄雨落雷突風要注意 橘正義 春燈 200911
雷神をのせ黒雲の早きかな 東郷すみ江 万象 200911
梅雨明けの雷や安土へ飛ぶ一矢 松下信子 万象 200911
雷が好きで夫に恐れらる 久染康子 200911
雷鳴や禊のやうに湯をかぶる 森さち子 200911
澄む水のいかづち神へ来て昏し 山本耀子 火星 200911
苦瓜の雄花ばかりや日雷 大山文子 火星 200911
遠雷や征きしままなる声かとも 岩本セツ女 ろんど 200911
遠雷や窓打ち初めし雨の粒 加藤慶治 200911
灘へ打つ権現太鼓雷火呼ぶ 五領田幸子 馬醉木 200912
雷火落つ直線高速路の行手 泉田秋硯 200912
壊してはまた建つビルや日雷 矢口笑子 春燈 200912
絵扇の風雷神より小さき風 涌羅由美 ホトトギス 201001
雷雨過ぎ端まだけぶる大伽藍 狭川青史 馬醉木 201001
出戻りの雷公遊ぶ鴟尾の天 狭川青史 馬醉木 201001
雷神をはじき返してウルル神 靜寿美子 ぐろっけ 201003
落雷を近くに犬の落ちつかず 岡佳代子 201007
よべ雷雨清めし龍野祝ぎ心 稲畑汀子 ホトトギス 201007
雷雲を抜ける大揺れ着陸す 稲畑汀子 ホトトギス 201007
遠雷や気づけばいつも前のめり 徳田千鶴子 馬醉木 201007
夜の雷蕾の多きフリージア 金澤明子 火星 201007
雷の屋根を破らんばかりなる 滝沢伊代次 万象 201007
特攻の寮を劈く遣らずの雷 品川鈴子 ぐろっけ 201007
靴箆を取るや雷鳴だしぬけに 松本三千夫 末黒野 201008
日雷小さなぼやき二つ三つ 池田崇 201008
遠雷のまま遠のきし鴉の子 笠置早苗 火星 201008
納骨の若きに名残日雷 中原吟子 雨月 201008
遠雷やエンジン快調畑の中 荻龍雲 201009
誤植より放つ朱線や日雷 千田敬 201009
あの雲の答は一つ豪雷す 丸山佳子 京鹿子 201009
梅雨の雷突堤を噛む濤しぶき 小川玉泉 末黒野 201009
激雷や「剃刀日記」開くまま 神蔵器 風土 201009
大仏の堂内に聴く梅雨の雷 中村洋子 風土 201009
落雷に動ぜず乳房含ませり 苑実耶 201009
サッカーボール砂場に止まる日雷 きくちきみえ やぶれ傘 201009
雷退ける証赤岳妖と現れ 浅井青二 雨月 201009
スーパーにとぢこめられし梅雨の雷 大野ツネ子 酸奬 201009
雷雨過ぎたる木天蓼の葉群らかな 定梶じょう あを 201009
遠雷に向うて走る湖西線 三川美代子 201010
大雷雨一気に鬱を拭ひ去る 藤見佳楠子 201010
雷雨去るやいなや濁流岨削る 木下ふみ子 馬醉木 201010
雷雲に海峡潮を迅めをり 小野喬樹 馬醉木 201010
草木打つ雷雨の禊享けにけり 佐藤いね子 馬醉木 201010
老漁夫に気骨なほあり梅雨の雷 葺石鈴代 馬醉木 201010
迅雷の奔放ゆるし寝落ちけり 泉田秋硯 201010
午後五時のコンテナ埠頭雷遠し 清海信子 末黒野 201010
近づいてまた遠ざかる日雷 竹内悦子 201010
入道雲筋書きありて雷鳴す 久津見風牛 201010
遠雷や稚魚もかぐろき影を持ち 奥井あき 201010
雷近し旧街道の杉並木 藤井美晴 やぶれ傘 201010
遠雷や土蔵の屋根の鬼瓦 久世孝雄 やぶれ傘 201010
遠雷の遠雷のまま果てにけり 村上勝正 春燈 201010
バー街のねずみの骸日雷 大湾宗弘 万象 201010
馳け抜けし雷雨のあとの玉雫 山田をがたま 京鹿子 201010
雷鳴の洋上に顔洗ひをり 浜口高子 火星 201010
雷鳴の決意促す矢つぎばや 小瀧洋子 ろんど 201010
遠雷や処処に悪さをせぬ様に 吉田克美 ろんど 201010
迅雷や抱きてなほ泣く預り子 鎌田篤 雨月 201010
遠雷や燭あたふたと通ひ禰宜 鎌田篤 雨月 201010
山門の見えゐて雷雨俄なり 金森教子 雨月 201010
梅雨明の雷雨と豪雨地震までも 井田実代子 雨月 201010
雷雨浴び山門の軒借り申す 藤田誉子 雨月 201010
奥丹後の雷光雷雨に身を竦め 藤田誉子 雨月 201010
中性化すすむ人の世日雷 能村研三 201010
迅雷の跡形もなし蝉時雨 菊地惠子 酸奬 201010
漢方の彫看板や雷ひかる 鎌倉喜久恵 あを 201010
雷光ののち雑談となりにけり 吉田希望 201011
闇重き信濃の雷は地底より 長山あや ホトトギス 201011
雷鳴の過ぐるを待ちて門火焚く 中村洋子 風土 201011
雷走る広目天の胸の罅 雨宮桂子 風土 201011
雷鳴の降るほどでなし茄子に水 菊谷潔 六花 201011
降りしきる槐の花や遠き雷 上原光代 酸奬 201011
真新しき漆の創や日雷 田中貞雄 ろんど 201011
雷神の怒髪のすぢ目外厠 竹内弘子 あを 201011
雷鳴が怠け脳味噌一撃す 宮川秀穂 201012
梅雨の雷オルセー展の上走る 有賀昌子 やぶれ傘 201012
山畑にかみなり雲の風きたる 渡部光徳 やぶれ傘 201012
ご遷化に慟哭雷雨激しかり 宮原悦子 雨月 201012
客去りて独りの夜の雷雨かな 家塚洋子 酸奬 201012
十字架も棺も同じ木日雷 荒井千佐代 201101
梅雨の雷転がし海のありにけり 山田六甲 六花 201106
雷の予報に向かふ離陸かな 稲畑汀子 ホトトギス 201107
雷過ぐる瞬時長しと短しと 稲畑汀子 ホトトギス 201107
雷雨去りけろりと朝の来し山湖 稲畑汀子 ホトトギス 201107
市ゆくや雷除けを髪に挿し 水原秋櫻子 馬醉木 201107
モニターに躍る心臓梅雨の雷 笠井清佑 201108
真夜中に遠雷の過ぐ夜汽車めく 赤座典子 あを 201108
追伸のやうに雷こぼれおつ 佐藤喜孝 あを 201108
貫禄の種牛立てり日雷 中村風信子 馬醉木 201109
通り抜け無用の路地や雷走る 矢口笑子 春燈 201109
髪染めて華やぐ街を梅雨の雷 宮崎紗伎 春燈 201109
失言の咎許されず梅雨の雷 大文字孝一 春燈 201109
遠雷や記憶に母の座り胼胝 平野みち代 201109
遠雷や常に遅延のバスを待つ 嵐弥生 末黒野 201109
聖書閉づ雷雨激しき夜をひとり 和沢有理子 風土 201109
遠雷や遊び疲れし児の熟睡 和沢有理子 風土 201109
遠雷や猫が片耳たててをり 瀬戸悠 風土 201109
カリヨン塔雷に音階欠けにけり 品川鈴子 ぐろっけ 201109
雷の西から北へ移りけり 白石正躬 やぶれ傘 201109
断捨離の胸へ一喝日雷 伊東和子 201110
一雷に夢の出口やとほき恋 小坂優美子 馬醉木 201110
大雷雨家族の揃ふ焼肉店 仁平則子 201110
黒焦げも見す落雷を受けたる木 大畑善昭 201110
遠雷の近づく気配歩を速む 永塚尚代 ぐろっけ 201110
病窓を激しき雷雨叩き去り 福田かよ子 ぐろっけ 201110
遠雷や君ありし日の酔芙蓉 小田明美 春燈 201110
遠雷や鳴子こけしが手足欲る 定梶じょう あを 201110
日雷石に戻りし道祖神 伊藤ふみ 馬醉木 201111
まだ遠き雷聞きとめぬ岩鏡 伊藤ふみ 馬醉木 201111
暦日の馳けてゆくなり日雷 齋藤晴夫 春燈 201111
雷鳴や木魚の布団新調す 中條今日子 万象 201111
いつせいに泣き喚くごと夜の雷 鴨下昭 201111
天上の夫の一喝日雷 野口喜久子 ぐろっけ 201111
落雷のひかりを浴びる雨宿り 丑久保勲 やぶれ傘 201111
難聴の雷雨を知らず深眠り 永塚尚代 ぐろっけ 201112
雷や眠るほかなき一人の夜 荻野加壽子 万象 201112
一本の静かな大樹日雷 火箱ひろ 船団 201201
雷や大黒柱なき暮し 見舘定子 京鹿子 201201
虫出しの雷とおもへぬ光かな 岡本ヨシエ 末黒野句集 201203
夜の雷交配あとの桃畑に 小林愛子 辻楽師 201206
竜巻の芯のうねりと迅雷と 能村研三 201206
龍鳴けば遠き雷鳴大徳寺 山崎里美 201207
雷の予報心の隅に置く 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雷怖れつつも機上の客となる 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雷の怖さを知つてゐるゴルフ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
木々裂けて雷神山といふ名持つ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雷雲の近づく方へ高速路 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雷にまさる眠気でありにけり 稻畑汀子 ホトトギス 201207
恐怖心なしとはいへぬ雷予報 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雷鳴の去りて雀の枝移り 米田文彦 かさね 201207
雷鳴の後の静寂坂の町 米田文彦 かさね 201207
掻き曇り雷鳴近き昼下がり 丸山酔宵子 かさね 201207
夜の雷一句得たしと縋る窓 和田政子 201207
落雷に天地さくれつ音ひかる 渡辺安酔 201207
落雷に五体がひるむ畑の中 渡辺安酔 201207
地謡の雷に乱るる牡丹忌 石田康明 春燈 201207
麻酔醒む城山よりの雷響動とよも 品川鈴子 ぐろっけ 201207
雷雨来て人忙しくビルに散る 向江醇子 ぐろっけ 201207
ざわめきて葛原呼応雷起る 吉田陽代 201207
暁の雷三社さまへの祝砲か 千田百里 201207
雷→ 9      

 

2021年7月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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