牡 蠣 4     46句

あたらしき声出すための酢牡蠣かな    能村登四郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
生牡蠣やのどに残れる三杯酢 鈴木小弥太 末黒野 201903
牡蠣剥くや切なさのどへ流し込む 片山煕子 京鹿子 201903
ぶつけ合ふ男言葉や牡蠣割女 斉藤マキ子 末黒野 201905
牡蠣がゆめあなたを咬みたくて牡蠣は 亀山朧 船団 201906
生牡蠣にどこか禁忌の味かたち 角野良生 201907
牡蠣啜り疾うのむかしの艶話 田岡千章 201907
岩塊のやうな岩牡蠣海女荷揚げ 宮原悦子 雨月 201910
牡蠣食うて厚岸の旅締め括る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
牡蠣啜る口紅の濃き佳人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
桂郎の余生をもらふ牡蠣雑炊 神蔵器 風土 201912
生牡蠣を啜る心得口にあり 能村研三 202001
手捌きの息つく間なく牡蠣割女 水田壽子 雨月 202002
牡蠣殻の山を左右に島の昼 水田壽子 雨月 202002
牡蠣とワインのあとのデザートそれはもう 丑久保勲 やぶれ傘 202002
縮むだけ縮んでしまふ鍋の牡蠣 きくちきみえ やぶれ傘 202002
捌きつつ食む生牡蠣の旨さかな 山本茂子 末黒野 202003
蒸し牡蠣に翅のやうなる紺の襞 田所節子 202004
島裏の牡蠣打小屋も輪飾りす 谷陽右 馬醉木 202004
静かなる熟成の時牡蠣筏 江島照美 202004
牡蠣船に人影灯しをりにけり 和田華凛 ホトトギス 202004
牡蠣鍋や岬に張り出す低気圧 佐久間由子 202005
岩牡蠣は海女神の舌絡みくる 山田六甲 六花 202010
牡蠣鍋や潮騒夜を深くせり 小坂尚子 202101
採れたての牡蠣買ふ網の潮雫 田中臥石 末黒野 202102
牡蠣焼きてをり一献を妻とかな 田中臥石 末黒野 202102
牡蠣食べてをり外房の簾越し 田中臥石 末黒野 202102
動きさうな牡蠣にライムを絞りきる 塚原紀代子 風土 202102
広島の訛を添へて牡蠣とどく 菅野日出子 末黒野 202103
アヒージョに牡蠣を五六個冬の月 後藤久美子 202103
牡蠣鍋の牡蠣を数へて入れてをり 小池一司 やぶれ傘 202103
牡蠣飯の湯気も馳走の宿場茶屋 浜福惠 風土 202104
唇を奪ふがごとく牡蠣すする 高橋将夫 202104
岩牡蠣の太さ底潮の速さ言ふ 角野良生 202105
牡蠣啜る勇躍したる喉仏 田岡千章 202107
動きさうな牡蠣にライムを絞りきる 塚原紀代子 風土 202201
酢牡蠣吸ふしばし頭のからつぽに 三好康子 風土 202201
牡蠣小屋や牡蠣打つ音を積み重ね 橋添やよひ 風土 202202
牡蠣割の音して曇る小屋の窓 岩木茂 風土 202203
牡蠣剥きの三手もて済む手練かな 板谷俊武 末黒野 202203
まつさらな沖あり牡蠣を啜るとき 山崎正子 202204
牡蠣の冷胃にしみわたる親不孝 高木晶子 京鹿子 202205
鉢植ゑに牡蠣殻並べ滋養とす 村田敦子 末黒野 202205
手の平をはみだす牡蠣を洗ひけり 住田千代子 六花 202205
潮の香の大きく爆ぜて牡蠣を焼く 住田千代子 六花 202205
手の傷に薬塗りこむ牡蠣の夜 住田千代子 六花 202205
象潟の夏の岩牡蠣大振りぞ 宮澤靖子 末黒野 202211
牡蠣→1

 

2022年11月17日 作成

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