悴 む 3     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母上は悴める手で子をつかむ 山田六甲 六花 201202
悴みつつ連れ行きし犬命尽き 大橋晄 雨月 201202
悴みて月蝕たのし土曜日で 千田百里 201202
悴める指持て骨を埋めにけり 山田六甲 六花 201202
合掌を解けば即ち悴めり 辻美奈子 201203
悴みて口をもてゆくコップ酒 藤生不二男 六花 201203
悴みて忘れぬ飢ゑと兵ごつこ 品川鈴子 ぐろっけ 201203
両の手の未来も過去も悴めり 掛井広通 201204
みちのくへ文悴みてかじかみて 樺山翠 雨月 201204
悴みし手を握りあふ敵味方 水野範子 ぐろっけ 201204
悴みて大阪駅に迷ひけり 樺山翠 雨月 201204
張込みを天職として悴めり 野口喜久子 ぐろっけ 201204
かじかみし子等と手繋ぐ右手左手 橋本くに彦 ホトトギス 201205
奮い立つ鉄鎖の響き悴む手 多田英治 万象選集 201205
風下に悴みし顔振り返る 橋本くに彦 ホトトギス 201205
俳諧に悴むといふこと知らず 岩岡中正 ホトトギス 201205
悴める手に雪掻きの重きかな 大久保弘子 雨月 201205
朝日射す巌の足の悴める 藤井久仁子 ぐろっけ 201205
悴んでそこで折れるな爪楊枝 中原幸子 船団 201206
悴みてただ言葉なく抱き合ひ 河野美奇 ホトトギス 201206
悴みて釣銭数ふ曳売女 吉田きみえ 末黒野 201206
悴むや橋渡る間のひとり言 鳳蛮華 201206
悴みし姿勢の語る目差も 安原葉 ホトトギス 201207
悴んでゐても誘はれ出てゆく子 安原葉 ホトトギス 201207
悴みてゐてもこころに諷詠詩 木村享史 ホトトギス 201208
向日葵のまあ高々と憔悴す 上谷昌憲 201210
ロボットの足は棒立ち悴みて 品川鈴子 ぐろっけ 201211
悴めるその一言が君らしく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
さつきまで悴みゐしが饒舌に 稲畑汀子 ホトトギス 201301
悴かみてその後のこと今のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201301
悴みて言葉の不備となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201301
悴んでをりし言葉を呑み込みぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201301
悴みて取り落とす陶好きな順 品川鈴子 ぐろっけ 201302
猿山にもいぢめられつ子悴みて 吉田和子 ぐろっけ 201303
悴みて木椅子にこつと尾骶骨 米澤光子 火星 201303
撫牛を撫でて悴む手の和む 大橋晄 雨月 201304
裏山の薪割る音の悴める 杉浦典子 火星 201304
悴む手握れば握り返さるる 田岡千章 201305
命日を暦に記し悴かめり 新倉ゆき江 末黒野 201305
悴みて旗もたらりとバスガイド 橋本くに彦 ホトトギス 201306
老人は悴む象は足を踏む 坪内稔典 船団 201306
悴むやホームの端の喫煙所 松川悠乃 ろんど 201306
悴け猫二羽の烏に突つかかる 吉田和子 ぐろっけ 201307
悴みてゐてもほぐれてゆく心 稲畑汀子 ホトトギス 201401
悴みてをるや寡黙の人なるや 稲畑汀子 ホトトギス 201401
悴めばもつれもかなし糸の綾 藤岡紫水 京鹿子 201401
悴んで戦いて助手席に居り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
悴みて両掌に重き聖書かな 池内結 ろんど 201402
駅伝の悴む手から襷受け 山本喜朗 雨月 201403
悴む手今朝の鍵穴逃げ回る 西村将昭 201403
悴む手父の忌修しゐたりけり 中島陽華 201403
悴むや男子死ぬまで母を恋ひ 山本喜朗 雨月 201403
耳朶の悴むひと日那須颪 仁平則子 201404
目の笑まひ悴む心和みけり 江木紀子 雨月 201404
悴みてやさしき人を遠くせり 押田裕見子 201404
悴みて飛び出す言葉うらはらに 鈴木セツ 201404
雪国の疎開悴みゐし記憶 大橋晄 雨月 201404
電飾の華やぐ夜景悴めり 加藤八重子 末黒野 201404
悴みて棘ある言葉こぼしけり 塩千恵子 201404
悴みて玉の如くに湯呑もつ 中杉隆世 ホトトギス 201406
悴んで髪の先まで尖りけり 山田佳乃 ホトトギス 201406
志あれば八十路を悴まず 木村享史 ホトトギス 201407
悴むや実朝の歌碑遠過ぎる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
身のどこも悴みきつて登校児 布川直幸 201502
悴める両手に享けて小豆粥 浅田光代 風土 201504
心まで悴み仰ぐ大椹 小林輝子 風土 201504
悴める指ほぐしけり始発駅 伊東和子 201504
悴みて聴く波の音風の声 西村博子 馬醉木 201504
悴める児の手を我のポケットに 大橋晄 雨月 201504
悴みし心を解くカロルかな 涌羅由美 ホトトギス 201505
悴める手を差し出せる和解かな 平居澪子 六花 201505
悴みてめくる頁にある異国 山田佳乃 ホトトギス 201506
折り紙の蝶折る指の悴みて 植木やす子 201508
悴んで庭より逃れ来し仲間 稲畑汀子 ホトトギス 201512
ハンバーグ店悴んで来し遅さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
三井寺の鐘悴んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
理髪店一歩出るより悴める 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
目の前の甘きを欲す悴んで 窪田佳津子 雨月 201602
悴めり指先重いと思ふほど 飯田ひでを 201604
特派員スポットに立ち悴みぬ 田中佐知子 風土 201604
朝刊を町り込むのみに悴める 大橋晄 雨月 201604
悴みし耳に貼りつくレクイエム 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
追悼の音の悴む四重奏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
悴んで次の一言待つてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
悴む手超絶技巧弾いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
皆バスに悴む笑顔乗り込みし 稲畑汀子 ホトトギス 201701
悴かみて往きつもどりつする話 森川絢子 京鹿子 201701
悴みて拝する巴塚小さし 外山妙子 雨月 201702
指よりもまぶた悴みゐたりけり 山田六甲 六花 201702
悴みし両手サラダの出来上がる 安藤久美子 やぶれ傘 201702
悴みし掌に詩を握りしめてゐる 有松洋子 201703
悴む手で筮竹を摩る占ひ師 有賀昌子 やぶれ傘 201703
たはやすく受けてしまへり悴めり 数長藤代 201703
悴めば父の大きな手が包む 苑実耶 201704
悴むや言葉通りに受けとめて 太田佳代子 春燈 201704
人だけが悴んでゐる夜明けかな 湖東紀子 ホトトギス 201706
悴んで青き文字書くボールペン 山田暢子 風土 201802
悴む手にペンの馴染まず一人の夜 松本三千夫 末黒野 201803
悴める手をもて反古を束ねたる 下平しづ子 雨月 201803
触るる手に悴む心震へをり 江島照美 201804
悴む →4

 

2021年1月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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