悴 む 2     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
関八州の悴かむ風の朝かな 村本真由美 遠嶺 200503
鳥の名を聞きしが忘れ悴めり 吉村一郎 百鳥 200503
悴みて記帳の文字の乱れけり 泰江安仁 百鳥 200505
金縷梅の悴みやうも城址なれ 辰巳あした 雨月 200505
悴める手にあたたかや御香水 横井博行 万象 200510
悴みて図画工作の時間待つ 田中春生 200512
火夫たりし佛へ合はすかじかむ掌 伊藤白潮 200601
水嵩に川悴んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
悴みて古墳の南京錠を解く 小林朱夏 200602
悴みて湯となるまでの水流す 辻直美 200603
別れては祈るかたちに悴みぬ 八木柊一郎 ぐろっけ 200604
雲厚くして海よりも悴めり 伊藤早苗 200604
笙を吹く僧の指先悴める 榎美幸 万象 200604
悴みし十指に十指重ねけり 久本久美子 春燈 200604
悴む手握り心の通ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
爪の色まで悴んでをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
悴みて受けし訃報のあまたたび 稲畑汀子 ホトトギス 200701

 悼大津立子様

悴みて御恩返しの出来ぬまま

稲畑汀子 ホトトギス 200701
悴みて聞き逃したることのあり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
枯蟷螂さまで憔悴してをらず 伊藤白潮 200701
妹の訃に震へ悴み眉描けず 品川鈴子 ぐろっけ 200702
悴みて挟み難きは喉仏 品川鈴子 ぐろっけ 200702
悴みて一灯くらき駐在所 長屋璃子 火星 200703
悴みて馬蹄の跡を辿りけり 吉田明子 200703
悴みて相続放棄の印鑑押す 小池八重子 200704
雲疾し句帳繰る手の悴めり 星井千恵子 遠嶺 200705
悴みて又の余震に怯えをり 安原葉 ホトトギス 200705
悴みてゐても楽しむ舟路あり 稲畑汀子 ホトトギス 200711
犬走り人悴んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
現役や悴みし掌をポケットに 堀内一郎 あを 200802
悴みし手をなだめつつ野菜採る 仁平則子 200802

 田邉朔郎様

悴むにあらず合掌解けずして

品川鈴子 ぐろっけ 200803
観音の爪先を撫づ悴みつ 山崎靖子 200803
佳きことの続きてをりて悴める 横田初美 春燈 200803
一句詠みては悴める手を仕舞ひ 大島英昭 やぶれ傘 200804
日溜りの碑やしたたかに悴めり 神原徳茂 遠嶺 200804
悴みて大きな声に子を叱る 江木紀子 雨月 200804
悴みし手もて鳴き龍起しけり 松本正生 やぶれ傘 200804
悴みて別れの言葉とはならず 小俣紀子 ホトトギス 200804
悴みて指切りの手の幼ナかな 服部珠子 雨月 200804
悴める手に数珠かけて経を読む 國保八江 やぶれ傘 200805
葉を茹でし湯は金盥悴む手 森理和 あを 200901
悴みてをれぬ予定に従ひて 稲畑汀子 ホトトギス 200901
城門の夜の白壁悴めり 篠田純子 あを 200901
その仔細聞けば聞くほど悴める 稲畑汀子 ホトトギス 200901
吊橋に腰悴んでゐるあなた 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
悴みて草城句碑に佇めり 中上馥子 春燈 200902
悴みし指揉み閑吟集写す 山本無蓋 200902
悴みし手のゆるむまで話しけり 安藤久美子 やぶれ傘 200903
長老といはるゝ席に悴める 竹下陶子 ホトトギス 200903
遅れ来て悴かむ手より献花せし 近藤倫子 ぐろっけ 200904
悴む手解ける気配粥の碗 改正節夫 ぐろっけ 200904
悴みし手に穴釣りの当たり来る 小阪律子 ぐろっけ 200904
碑に誤字の悴む廃寺かな 竪山道助 風土 200904
悴みて外出一歩の踏み出せず 仙石君子 雨月 200904
悴みて木魚を叩く衆にをり 長谷英夫 馬醉木 200904
悴む手握手癒してくれにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
先走る数値目標悴める 能村研三 201002
手話の子の悴む素手を読み合へる 城台洋子 馬醉木 201003
悴みて音揺れてをり鼓笛隊 近藤倫子 ぐろっけ 201003
悴みの残る小指をさすりをり 鬼頭佳子 201003
天の邪鬼踏まれ続けて悴めり 長谷川史郊 馬醉木 201003
悴めばかへつて前へ進む足 立村霜衣 ホトトギス 201004
悴みて指一本のピアノかな 柿沼盟子 風土 201004
悴みて一歩の足が踏み出せぬ 本田保 春燈 201004
悴みて無調法の咎悪びれず 呉文宗 春燈 201004
瑞鳥の飛翔を待ちて悴めり 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201004
悴みし唇は誦経をもてほぐす 安武晨子 201005
悴みて思ふにまかせぬこと多し 瀬ロゆみ子 ぐろっけ 201005
かじかめる心をつつむ言葉かな 今橋眞理子 ホトトギス 201005
急ぎたき歩に乗り乍ら悴める 湯川雅 ホトトギス 201005
竹秋のこの地しかじか野風呂くる 鈴鹿仁 京鹿子 201005
悴める手で振る七味唐辛子 白石正躬 やぶれ傘 201006
悴むも踏ん張る心ありにけり 河野美奇 ホトトギス 201006
看取り果つ悴み共の帰路となる 辻口八重子 ホトトギス 201007
悴(かじ)けずに天城太鼓の身は撓う 品川鈴子 ぐろっけ 201011
悴める手でつかみたる鉋屑 山田六甲 六花 201012
喪主となり位牌持つ手の悴めり 中島節子 ぐろっけ 201101
いとけなき齢の訃報悴めり 鈴木セツ 201102
悴みて浮世の小言聞きてをり 八田マサ子 馬醉木 201102
悴める指にそむけり釦穴 岡田和子 馬醉木 201102
悴む手もて愛犬を労りぬ 大橋晄 雨月 201104
手を落つる幸もあるべし悴めば 宮野照子 馬醉木 201104
印結ぶ仏の指も悴みぬ 高橋将夫 201104
みほとけの前の正座や悴みて 池田加寿子 201104
悴みて大僧正の書を見上ぐ 青山正生 201104
雄鶏の短く鳴いて悴めり 小林朱夏 201104
悴みて言ふべきことを忘れけり 上原恒子 雨月 201104
悴む手握り合ふのも愛である 高橋将夫 201104
悴める変体仮名の運びかな 笹村政子 六花 201104
悴みてわが句おほかた旅に得し 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
悴みて竹にすがれりはじき猿 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
悴める手に絶筆を受け取りぬ 井上浩一郎 ホトトギス 201106
潮地蔵ごつごつ撫でて悴めり 品川鈴子 ぐろっけ 201111
悴みて言葉とならぬ朝まだき 大橋敦子 雨月 201112
失せものは鍵と告げられ悴みぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201201
悴みて切符の在処確かむる 稲畑汀子 ホトトギス 201201
悴んでをられぬ旅でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201201
匂ひまで悴みにけり薔薇の園 坂上香菜 201202
悴むや窟にひそむ怨の闇 石田康明 春燈 201202
悴む→ 3      

 

2021年1月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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