河 鹿 1    100句

河鹿なき交す銀河の一支流 高島茂 鯨座


作品
作者
掲載誌
掲載年月
瀬音とは別の角度より河鹿 保坂加津夫 自在抄 199600
河鹿聞くための休憩とはなりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199805
よべ河鹿聞きしと朝の卓弾む 稲畑汀子 ホトトギス 199805
河鹿鳴く静かに静かに妻癒えゆく 金子兜太 海程 199808
夕河鹿能面すこし口を開け 阪上多恵子 雨月 199901
河鹿鳴き人に緋色の髀肉あり 岡井省二 199906
生けるなり澄めるなりこの河鹿笛 林翔 199907
沢音の身に添ふ暮し河鹿笛 島田尚子 馬醉木 199907
夕河鹿渓流に浮く渡り石 足立登美子 春耕 199907
河鹿鳴く足裏にあつき神の巌 粕谷容子 春耕 199908
蛍飛ぶまでは河鹿を聞かしむる 蔦三郎 円虹 199908
打留の秩父札所や夕河鹿 堀井より子 春耕 199908
河鹿聞く誰も静かな目をもちて 勝田公子 199908
河鹿鳴く車渡れぬ橋ひとつ 山口たけし 俳句通信 199908
夕河鹿聴きつつ溪の深くなる 小澤克己 遠嶺 199908
せせらぎに声すみとほる朝河鹿 神宮寺泰吉 酸漿 199908
ダムの面にかがよふ没り日河鹿鳴く 北吉裕子 俳句通信 199908
多摩川の流豊かに鳴く河鹿 大塚洋子 酸漿 199909
湯浴みする耳にさはやか河鹿笛 高木伸宜 船団 199909
河鹿啼くこなたは胡坐かいてゐる 市場基巳 199909
キリストは日本の河鹿啼かせたり 市場基巳 199909
河鹿笛山の端に星ひかり出す 村田近子 遠嶺 199909
河鹿鳴くランプを下げし露天風呂 北吉裕子 俳句通信 199909
河鹿聴くしばし河原の石となり 伊東みのり 遠嶺 199910
河鹿岩水位の跡の夕しらむ 丸山冬鳳 京鹿子 199911
河鹿鳴く銀の手提げをいくつ縫いし 平井久美子 海程 200002
灯して墨打つてゐる遠河鹿 白鳥武子 酸漿 200005
河鹿鴫く宿の戸締りなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200006
峡宿の静寂は深し河鹿鳴く 稲畑汀子 ホトトギス 200006
聞きとめし河鹿のこゑぞ聞きひたる 阿部ひろし 酸漿 200007
聞きなれてくれば確かに河鹿笛 棚山波朗 春耕 200007
旅の夜の瀬音に覚めて河鹿聞く 久保晴子 雨月 200008
声帯を取りに戻りし夕河鹿 宇都宮滴水 京鹿子 200009
川の面に透明な空河鹿笛 池野美枝子 遠嶺 200009
河鹿鳴く田植ゑ果てゆくさざ波に 門屋大樹 春耕 200009
古都の燈のまたゝき見ゆる初河鹿 伊東みのり 遠嶺 200009
夕河鹿いつもと同じ旅鞄 村田近子 遠嶺 200009
大内氏終焉の地や河鹿笛 末益冬青 俳句通信 200009
河鹿鳴きガンダーラ仏美男なり 杉浦典子 火星 200009
奥深き森のどこかで河鹿鳴く 長谷川登美 ぐろっけ 200010
河鹿鳴く末梢神経うすみどり 清水伶 海程 200010
雨脚のゆるみてゐたる初河鹿 鳴海清美 六花 200010
河鹿笛水の匂ひの旅寝かな 石田邦子 遠嶺 200010
河鹿鳴く本堂はいま無の時間 松本五軒町 遠嶺 200011
山寺に向ふ川筋鳴く河鹿 大塚洋子 酸漿 200101
磐石と決めて河鹿の石ひとつ 北村きぬよ 京鹿子 200103
笛吹のそのまた支流河鹿鳴く 守屋井蛙 酸漿 200105
とくとくと落ちくる水や河鹿笛 深川知子 春耕 200107
宿下駄の鼻緒なじまぬ夕河鹿 磯野貞子 春耕 200107
河鹿宿歌仙ここより恋に入る 柳未央 いろり 200107
初河鹿岩がこれ程匂ふとは 丸山佳子 京鹿子 200107
瀬の青き塔のへつりや河鹿笛 古川さかえ 酸漿 200108
河鹿聞く女人高野の行者径 中田征二 ぐろっけ 200108
河鹿鳴く寂けさ鳴かぬ静けさよ 下村志津子 銀化 200108
河鹿鳴く河鹿の水に歩みよる 雨村敏子 200109
打たせ湯の樋高だかと河鹿宿 富岡伸子 春耕 200109
諦めてをりし河鹿の声を聞く 永田あき 酸漿 200109
肩先の河鹿聴いてる露天の湯 田中矢水 遠嶺 200109
河鹿鳴く闇の川原を澄明に 早崎泰江 あを 200109
夕河鹿祖母を迎へに子を遣りぬ 小田玲子 百鳥 200109
河鹿の音風に乗りくる大曲り 阿部ひろし 酸漿 200109
河鹿鳴く明かり一つの行者宿 夏秋明子 火星 200109
河鹿鳴く同じところを通りけり 雨村敏子 200109
渓音を宥め一夜の河鹿笛 大嶋四郎 200109
夕河鹿峠に立てば我が家見ゆ 嶋木勝次郎 遠嶺 200110
目交ひに河鹿鳴きしを見て飽きず 寺田善樹 風土 200110
風澄むや瀬音にまじる河鹿笛 橋添やよひ 風土 200111
水上に貴船明神河鹿川 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
初河鹿たしかめてまた歩き出す 中里信司 酸漿 200206
河鹿鳴く草の匂ひの暗闇に 皆川美恵子 春耕 200206
来て見れば更に遠くに初河鹿 中里信司 酸漿 200206
湯の宿や瀬音まじりに初河鹿 中川悦子 酸漿 200207
河鹿聴く反橋半ば動かざる 小林美恵子 築港 200207
巾着田来てふりかへる河鹿笛 小松鈴子 酸漿 200207
いままではひとごとの古希河鹿鳴く 土肥屯蕪里 雲の峯 200207
四月はやはからずも聞く河鹿かな 小石秀子 酸漿 200207
闇に聴く瀬音しづめて河鹿笛 小林美恵子 築港 200207
鳥羽僧正の筆にもれたる河鹿鳴く 神蔵器 風土 200208
遠河鹿仏母の寺の磴上る 金田美恵子 ぐろっけ 200208
河鹿鳴き止みし流れに手を浸す 丸川越司 円虹 200208
暮れなづむ河鹿しぐれに身を置けば 河中透水 雨月 200208
湿原の花の陰より河鹿鳴く 小滝奈津江 酸漿 200208
「月待ちの湯」に立寄りぬ河鹿笛 林裕子 風土 200208
瀬の石のいろに生れて河鹿嶋く 田辺耕作 200208
船頭の耳澄ませよと遠河鹿 岸はじめ ぐろっけ 200208
突然に河鹿鳴きたる五十鈴川 若本彰子 酸漿 200209
廃鉱へ河鹿鳴く渓さかのぼる 堂野前崇 築港 200209
切れ間なき水音を切りて初河鹿 下村志津子 銀化 200209
河鹿鳴く胸奥に水ひろがりぬ 関洋子 200209
河鹿鳴く方へかたむく屋形船 清水明子 遠嶺 200209
病みし後の旅は短かし河鹿笛 河口仁志 200209
四阿の柱に罅や河鹿笛 浜口高子 火星 200209
沢音と二部合唱の河鹿笛 木内美保子 六花 200210
窓開けて河鹿の声のとどく宿 西田円史 円虹 200210
川瀬まで十歩を忍び夕河鹿 志鳥宏遠 ホトトギス 200211
相共に河鹿を聞きし遊子の忌 今井千鶴子 ホトトギス 200211
河鹿鳴くことのみ待つを楽しめり 志鳥宏遠 ホトトギス 200211
温泉の宿や河鹿の黙のつづきをる 出原博明 円虹 200212
露天風呂湯のたゆたひに河鹿聴く 出原博明 円虹 200212
部屋で聞き露天湯で聞く河鹿かな 大久保白村 ホトトギス 200212
河鹿 →2      

 

2021年5月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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