神 楽 2 (里神楽)   199句

足踏みの雲にのったる神楽かな   織部仁喜   俳句研究年鑑

作品
作者
掲載誌
掲載年月

 生駒神杜火焚祭

新酒樽積まるる宮に神楽笛

中川晴美 春耕 200412
毬栗の少年の舞ふ里神楽 萩原みどり 雲の峰 200501
里神楽饌供を撒きて果てにけり 萩原みどり 雲の峰 200501
栗色の髮に冠神楽巫女 三浦如水 ぐろっけ 200502
老の膝やはし酔余の里神楽 鈴掛穂 200502
それらしき湯気神楽あげ粥柱 鷹羽狩行 200502
山国のにごりなき闇神楽笛 櫨木優子 200502
夜神楽にうつし世の憂さ忘じけり 渕脇登女 200503
刃加持受けたる朝の神楽獅子 中島陽華 200504
ここにまた天の岩戸の里神楽 後藤比奈夫 ホトトギス 200504
里神楽大蛇主役とにもあらず 後藤比奈夫 ホトトギス 200504
里神楽石見の国も神の国 後藤比奈夫 ホトトギス 200504
神の手は武骨に在す里神楽 高橋烝 200505
篝火の爆ぜて急なる神楽笛 松原ふみ子 200505
夜神楽の篝火映ゆる袖捌き 松原ふみ子 200505
神楽鈴うち鳴らしては星増やし 松原ふみ子 200505
宵宮の神楽真つ赤な男面 岡崎桂子 対岸 200511
杉の間に夜店の灯り神楽舞 岡崎桂子 対岸 200511
はじまりに闇のありけり神楽笛 中村房枝 六花 200601
産土の磴を跳ねくる神楽笛 小石珠子 春潮 200602
夜神楽や星座は銀の大網目 伊藤冬留 200602
地震のあと神楽笛よりよき音出づ 定梶じょう あを 200602
夜神楽や鬼面の若き喉仏 尾堂Y 河鹿 200604
あかつきの何の木の香か太神楽 中島陽華 200604
大形につかみかかりし里神楽 あさなが捷 200604
廃校に神楽稽古の熱気かな 酒井忠正 百鳥 200604
面つけてはや神の所作里神楽 池田好 200605
風匂ふ名越神楽の暮れにけり 近藤きくえ 200610
夜神楽の鬼のかひなに嬰眠る 近藤敏子 200611
かみおろし闇に吸はるる神楽笛 井口ふみ緒 風土 200612
里神楽くらがり酒を賜れり 能村研三 200702
客席へ神楽の大蛇飛び込めり 深見眞弓 200702
熊も猪も神楽太鼓を聴いてゐる 泉田秋硯 200703
杉闇の濃くて黒仁田神楽かな 能村研三 200703
夜通しの神楽さなかの村訪ね 能村研三 200703
切り絵御幣真闇に映えて神楽舞ふ 能村研三 200703
過客にもむすびふるまふ夜の神楽 能村研三 200703
神楽中入り竹さかづきのカッポ酒 能村研三 200703
降臨の美少年舞ふ夜の神楽 能村研三 200703
神楽の順来ておもてさま賜はれり 能村研三 200703
里人と同心の縁神楽宿 能村研三 200703
切溜にむすびが並ぶ神楽宿 能村研三 200703
里神楽三宝に米奉る 鎌倉喜久恵 あを 200703
福神楽にて酩酊の木偶えびす 馬越幸子 ぐろっけ 200703
一管の笛に始まる里神楽 中村悦子 200703
里神楽頭上の闇を滅多斬り 山下佳子 200704
腕白も弱虫も老い神楽舞ふ 薮脇晴美 馬醉木 200704
夜神楽へ星のつぶてを浴びながら 千田百里 200704
夜神楽を抱き千年杉の闇 千田百里 200704
除夜の音に神楽囃子も聞えけり 坂本知子 酸漿 200704
神楽殿の瓦欠けあり雀の子 山本耀子 火星 200705
清明や伊勢太神楽磯伝ひ 安住敦 春燈 200709
大揚羽舞へり御嶽の神楽殿 関まさを 酸漿 200711
大樹より風の起こりし里神楽 柴田佐知子 200712
夜神楽の鬼が山裾踏み鳴らす 柴田佐知子 200712
夜神楽の火の粉客までふりかかる 小林朱夏 200801
里神楽去年の鬼が姫となり 小林朱夏 200801
神楽舞ふ巫女振る鈴の音清し 中村悦子 200802
面とれば鬼も馴染や里神楽 中嶋昌子 春燈 200802
権禰宜が社の由来里神楽 佐々木新 春燈 200803
夜神楽や客席へ神舞降りる 山下良江 万象 200804
神楽笛裏手の闇におさらひす 山下良江 万象 200804
里神楽太古の闇となつてをり 今橋眞理子 ホトトギス 200805
かがみこむ神楽の黒子忙しき 秋千晴 200805
振り向きし漢神楽面の神なり 河井富美子 ぐろっけ 200805
神楽獅子に頭咬まれて一の午 佐藤静子 やぶれ傘 200806
里神楽大蛇はプラモデル屋さん 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
里神楽大倉流の音色かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
降りだすも樹下に猛りの里神楽 吉田カイ 万象 200901
里神楽イザナミイザナギ愛もつれ 藤野寿子 あを 200901
底冷えを神楽日和と井川人 曽根満 万象 200902
神楽笛夜も鋭き嶺並ぶ 柴田佐知子 200902
宿下駄の音つつしみて夜神楽へ 青山悠 200902
面つければ忽ち神に里神楽 柴田良二 雨月 200902
記紀の世は闇深からむ除夜神楽 益本三知子 馬醉木 200903
おほらかなエロチシズムや里神楽 松岡和子 200904
北開き笙献奏の神楽殿 能村研三 200905
照らされていよよ荒ぶる里神楽 あさなが捷 200905
猩々袴うち振る巫女の神楽鈴 飯塚スエ子 ろんど 200907
ひょっとこの腕たくましや里神楽 木村茂登子 あを 200907
神楽殿緑雨に桧の香拡ごれる 鈴木圭子 200910
手焙りに笙あたためて宮神楽 水谷洋子 十進法 200911
里神楽女神に太き喉仏 三浦如水 はらから 200911
半ばより神も乱れて里神楽 柴田佐知子 201001
古き名の村なくなりぬ里神楽 武田美雪 六花 201001
親は酔ひ子は飽きてをり里神楽 小林朱夏 201002
里神楽迎へて送りふるさとや 武田巨子 春燈 201002
破魔矢受け神楽とどろく戦神 田下宮子 201003
舌舐めて面を冠れば神楽舞 泉田秋硯 201003
白足袋のすぐに汚れし里神楽 中条さゆり 201003
摺り足で神現はるる里神楽 廣瀬雅男 やぶれ傘 201003
ひよつとこのふはと跳ねたる里神楽 廣瀬雅男 やぶれ傘 201003
父に手をとられし記憶里神楽 石原光徳 酸漿 201003
山河へと染みわたりゆく神楽笛 曷川克 遠嶺 201004
夜神楽の一夜氏子となつてをり 佐田昭子 ぐろっけ 201004
七五三(しめ)引けば高天原に神楽面 佐田昭子 ぐろっけ 201004
吉兆の繭玉揺れる神楽殿 坂口三保子 ぐろっけ 201005
散る花の飛天となりて神楽殿 近藤きくえ 201006
尉の眼を抜ける風あり里神楽 坂本哲弘 山ざくら 201009
磴の上に神楽殿あり大旱 丸山照子 火星 201009
刃こぼれの剣かざしぬ里神楽 南うみを 風土 201101
火男のふどしのゆるむ里神楽 和田照海 京鹿子 201101
下駄履いて高千穂にをり夜の神楽 森聖子 201102
舞ふほどに神に近づく里神楽 小林和子 風土 201103
手鏡に面を写して里神楽 伊藤紫水 風土 201103
風花の舞の清らや神楽殿 高谷栄一 201104
夜神楽のまぐはひ空の白みくる 大西八洲雄 万象 201110
雨音と神楽の音や神在祭 加納淳子 六花 201112
古稀の友月見舞台で神楽舞ふ 後藤克彦 かさね 201201
刈田道伊勢の神楽の二人連れ 大山文子 火星 201201
神還り社家に伝はる隠岐神楽 田下宮子 201202
里神楽賓銭箱に凭れ見る 小林朱夏 201202
遠神楽刈田の煙にとぎれつつ 浜口高子 火星 201202
神楽果て人々神に見送らる 寺岡ひろし 雨月 201203
夜神楽といひ高千穂の明けるまで 後藤立夫 ホトトギス 201204
里神楽大蛇を討ちて果てにけ 松田明子 201204
大柄の姫の手をとり里神楽 松田明子 201204
神楽果て火照る大蛇を畳みけり 松田明子 201204
就職は念願の巫女神楽笛 水野範子 ぐろっけ 201205
藤田大五郎張り夜神楽の笛 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
お神楽の笛も太鼓も日焼して 大坪景章 万象 201211
神々はざんばら髪や里神楽 栗原京子 201212
熱病のやうな足取り里神楽 栗原京子 201212
切株に腰掛けて見る里神楽 小林朱夏 201212
舞ふはみな村の男ぞ夜の神楽 あさなが捷 201212
舞ひ終へて月に冷めゆく神楽獅子 南うみを 風土 201303
総代は小道具係里神楽 南うみを 風土 201303
火の匂ひ土の匂ひの里神楽 山田暢子 風土 201303
春を呼ぶ郷土芸能里神楽 山口キミコ 201305
山坂に御師の子つどふ里神楽 木下ふみ子 馬醉木 201305
畏みの神楽の小太刀光りけり 岩木茂 風土 201311
だぶたぶのズボンのあの子神楽舞ふ だいじみどり 201311
畏みの神楽の小太刀光りけり 岩木茂 風土 201311
里神楽すったたたーんと見得切れり 篠田純子 あを 201311
少年の浄めの舞も里神楽 だいじみどり 201311
うろこ雲けふは閉ざせる神楽殿 篠田純子 あを 201312
指先に神を降ろしぬ夜の神楽 あさなが捷 201401
手力男少しつまずく里神楽 津野洋子 京鹿子 201403
いのち張る金眼神楽の息出づる 西村梛子 馬醉木 201403
神楽笛大蛇の首は宙を舐め 平松うさぎ 201403
神鏡に供物を献じ神楽舞ふ 秋友昌子 雨月 201403
里神楽翁かろがろ米担ぎ 河野亘子 馬醉木 201404
杉の間の日差しひとすぢ初神楽 小林成子 火星 201404
熱病のやうな足どり里神楽 栗原京子 201405
夜神楽や金泥の星紺紙の天 鳥居美智子 ろんど 201405
天からのつぶやきなるか里神楽 村田岳洋 ろんど 201405
毛脛見え鈿女狂へり里神楽 三村純也 ホトトギス 201406
里神楽横恋慕とは神代より 三村純也 ホトトギス 201406
里神楽鬼のひそめる太柱 柴田志津子 201408
鯛釣りて恵比須よろめく里神楽 柴田志津子 201408
湧水の絶えざる音の神楽殿 浜口高子 火星 201409
灰神楽立たせ夕立の駈け抜くる 原友子 201412
ねらひうち逸れて大受け里神楽 来海雅子 201412
軒吊りの枯れたる黍や神楽宿 坂上香菜 201501
歓迎のまづは熱燗神楽 坂上香菜 201501
大いなる秋日の中の伊勢神楽 半田稜 ろんど 201501
夜神楽の 天宇受売命の喉仏 内海良太 万象 201502
里神楽かんらかんらと刀自笑ふ 相沢有理子 風土 201502
飲むほどに足音強く里神楽 栗原京子 201503
人麻呂のながき歌かな初神楽 内海良太 万象 201503
夜神楽のしぐさ妖しき女面 藤原照子 201503
田の神の面はまつ黒里神楽 菅谷たけし 201503
夜神楽は石見の文化うま酒も 竹下陶子 ホトトギス 201504
里神楽舞台の白狐跳びにけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201504
マスクして神楽太鼓を打ちゐたり 山下良江 万象 201504
弾初の洩るる小路や神楽坂 原和三 末黒野 201505
里神楽終り大蛇の空気抜く 内海良太 万象 201505
夜神楽の岩戸あつさりはづれけり 吉田葎 201506
題変りまた似たやうな里神楽 田丸千種 ホトトギス 201507
花の風抜くる横丁神楽坂 谷貝美世 末黒野 201507
神楽殿に古き雛置く緋毛氈 時田義勝 やぶれ傘 201508
月山の夜雲乱るる神楽笛 ほんだゆき 馬醉木 201510
いざなぎの鼻が真赤や里神楽 内藤静 風土 201512
神楽舞ふ巫女や真面目な幼顔 大口堂遊 春燈 201601
鬼の髪乱れて美しき神楽かな 栗原京子 201601
若冲の雄鶏の鳴く神楽かな 荒井慈 春燈 201602
里神楽余韻をのこし暮れにけり 沼田桂子 春燈 201602
里神楽英語教師の古バイク 土屋光男 春燈 201602
ねらひうち逸れて大受け里神楽 来海雅子 201602
裏庭に犬おとなしき夜の神楽 森真二 201602
千年の杉の闇ある神楽かな 宮井知英 201602
扇にて招く獅子舞里神楽 室伏みどり 雨月 201603
巫の神楽をさらふ息白し 谷村祐治 雨月 201603
神々の恋あからさま里神楽 伊藤通明 201603
焼酎二本夜神楽の初穂料 田代民子 201603
夜神楽を待つ間の膝の冷えて来し 田代民子 201603
神楽宿神の淫らは許しおく 田代民子 201603
灰神楽たてて終りぬ落葉焚 佐津のぼる 六花 201603
刀剣を高く掲げて初神楽 市村明代 馬醉木 201604
恋猫の宙に路ある神楽坂 上谷昌憲 201604
闇踏んで人集ひ来る里神楽 正谷民夫 末黒野 201604
初神楽身丈に余まる鈴の紐 熊川暁子 201604
朝まだき葱束降す神楽坂 古川夏子 201604
畳まれし大蛇息づく里神楽 松田明子 201606
おひねりは稽古の褒美里神楽 石黒興平 末黒野 201606
篝火や笛の音の澄む春神楽 鈴木漱玉 馬醉木 201606
灰神楽たちて野焼の矛納め 藤代康明 201607
かがり火に顔立ち上がる神楽かな あさなが捷 201611
神楽→ 3      

 

2021年12月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。