陽 炎 5       86句

陽炎や名もしらぬ虫の白き飛ぶ   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
陽炎に入りかげろふとなりにけり 高橋将夫 201805
殉死の碑堅田内湖に陽炎へり 松本鷹根 京鹿子 201805
川ひとつわたってもどる陽炎 津波古江津 船団 201805
陽炎を振り切るやうに離陸せり 川高郷之助 201805
陽炎を追うて行く先父母の墓 鈴木石花 風土 201805
陽炎へるなかに一筋荒川線 川田好子 風土 201806
旅立ちや陽炎分けて列車着く 高橋まき子 風土 201806
陽炎や夢も現も同じこと 高橋将夫 201807
陽炎や四つ葉を探す子供たち 井原美鳥 201807
疾走のポルシェ陽炎かき立てて 田丸千種 ホトトギス 201807
陽炎や明日のことは神まかせ 田代貞香 201808
水陽炎纏ふごとくに羅の衣 平松うさぎ 201809
花菜陽炎ふはり浮きくる一輪車 安田優歌 京鹿子 201901
ミシンかけ憂いは消えて陽炎えり 渡部恭子 201902
又一人逝く陽炎の彼方へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
陽炎に一両電車歪み着く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
陽炎や東京ドーム宙に浮く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
陽炎の向ふに旅路ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201903
陽炎へしかとわが足踏入れし 橘正義 春燈 201906
桟ばかり拭きてをんなは陽炎に 奥田筆子 京鹿子 201906
陽炎える遺構の奥へ女神エヴァタ 近藤綾 201906
陽炎に母の手はらひ駆けゆく子 永田万年青 六花 201906
陽炎に入りたる友を呼びにけり 永田万年青 六花 201906
陽炎の中より現れし漁網かな 赤松赤彦 六花 201906
陽炎や飯屋看板逆さなり 赤松赤彦 六花 201906
陽炎や猫の匂ひのする糶り場 延川五十昭 六花 201906
陽炎へる昭和名残の商店街 延川五十昭 六花 201906
陽炎へる競りのをはりし漁港かな 延川五十昭 六花 201906
鉋屑散らかる庭の陽炎へる 延川五十昭 六花 201906
托鉢に水陽炎の立ちにけり 延川笙子 六花 201906
陽炎のゆらぎに見とれ眠りけり 延川笙子 六花 201906
かげろふを纏ひて現れる列車かな 田尻勝子 六花 201906
句作まだととのはぬ日の陽炎ひぬ 黒滝志麻子 末黒野 201906
鳳凰三山パステル調に陽炎へり 門伝史会 風土 201907
陽炎や古墳の多き丘陵地 西村しげ子 雨月 201907
追へば逃げ陽炎はたと消え失せし 櫛橋直子 雨月 201907
日暮れ早や四捨五入して草かげろふ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
陽炎の中なら少女に戻れさう 直江裕子 京鹿子 201907
水かげろふゆらりゆらりと春の鴨 井上つぐみ 201908
陽炎や昔の約は有耶無耶に 武藤節子 やぶれ傘 201908
秋暑し水陽炎がすだじひに 瀬島洒望 やぶれ傘 201911
橋に佇つ秋の日傘に水かげろふ 高橋まき子 風土 201912
水かげろふゐつづけてをり春障子 小原芙美子 風土 202001
陽炎や地軸の少し歪みをり 岩永みはる 追伸 202003
春風の水陽炎や西の対 山田六甲 六花 202003
陽炎の中より嵐山電車来る 大谷昌子 馬醉木 202005
陽炎をそつと樒によもつひらさか 直江裕子 京鹿子 202006
筑波への道まつすぐに陽炎へる 小林和子 202006
陽炎を出て現身をとり戻す 関根揺華 202006
水郷に立つ陽炎の丈余かな 小倉征子 202006
陽炎の中を驢馬ひく母子連れ 奥田茶々 風土 202007
陽炎を乗せて跳ねゐる放牧馬 岡本尚子 風土 202007
陽炎をつき抜けてまた陽炎へる 小倉征子 202007
陽炎を立漕ぎの子ら突つ走る 栗原公子 202007
陽炎やギヤマン波動丘の上 出利葉孝 202007
おふおふと陽炎の立つ太宰の地 増成栗人 202007
陽炎へる米軍基地の滑走路 瀬島洒望 やぶれ傘 202007
石積んで「吾輩」の塚陽炎へる 内藤静 風土 202007
陽炎や音を目で追ふサーキット 田中玉泉 風土 202007
陽炎や誰も通らぬ日曜日 今井千鶴子 ホトトギス 202008
愛犬とボール陽炎より戻る 木暮陶句郎 ホトトギス 202008
掛けられて陽炎を曳く古代布 深川淑枝 202010
陽炎のつまづく議事堂前あたり 千田百里 202105
陽炎追ふ幸福駅の乗車券 内山花葉 202106
陽炎の中に置き去り福島忌 平松うさぎ 202106
不死鳥の翔び立ちし跡陽炎へり 澤田英紀 202106
補助輪のとれてどこまで陽炎へり 浅田光代 風土 202106
陽炎を出で蜿蜒と貨車の列 亀卦川菊枝 末黒野 202107
陽炎を反芻しつつ牛歩む 塙誠一郎 202107
陽炎や空気の皺に躓けり 出利葉孝 202108
陽炎や空気の皺に躓けり 出利葉孝 202108
陽炎の先の未来といふ虚ろ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203
陽炎に背奪はれゆくタワー 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203
陽炎に消えし水切り宗易忌 千田百里 202205
陽炎や花札のやうゴッホの庭 赤座典子 あを 202205
陽炎や旅立つまでの旅ごころ 鷹崎由未子 春燈 202206
陽炎は漂流船の欠けらかも 有賀昌子 やぶれ傘 202206
仏唇にくれなゐ仄と陽炎へる 安田優歌 京鹿子 202207
鑿ふるふ石工の背陽炎へり 岡野里子 末黒野 202208
野を分けて長き電車の陽炎へり 岡井マスミ 末黒野 202208
陽炎や少女攫つて行かれさう 直江裕子 京鹿子 202208
陽炎に躓ひてゐる天狗どち 安田優歌 京鹿子 202208
終生は旅なり身ぬち陽炎へる 安田優歌 京鹿子 202208
陽炎を見下している孔子像 大山夏子 202209
陽炎に溺るるごとく一輛車 角野良生 202302
仮囲ひ解けし駅裏陽炎へる 辻前冨美枝 202304
陽炎→ 1

 

2023年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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