陽 炎 4       210句

陽炎や名もしらぬ虫の白き飛ぶ   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
陽炎や雲平筆の朱色恋ひ 小澤菜美 201005 滋賀県無形文化財
肉じやがにフォーク陽炎ゆれてをり 大山里 201005  
高杯か高足売か花陽炎 小澤克己 遠嶺 201005 「高杯」
陽炎が炎えをり学校帰りの野 柳生千枝子 火星 201005  
陽炎のダムの故里弁財天 大島翠木 201006  
帆船の位置それぞれに陽炎へり 須山登 201006  
陽炎の中より現れて修道女 中村洋子 風土 201006  
陽炎を抜けて明日を見に行かむ 須藤美智子 風土 201006  
塔へ磴仰ぎ見るのみ陽炎へり 水野節子 雨月 201006  
陽炎のまん中にゐて眼鏡拭く 柳生千枝子 火星 201006  
陽炎や紺絣入る輪違屋 村上留美子 火星 201006  
陽炎ひて耳成山の匂ひかな 小形さとる 201007  
手で紡ぐ絹糸の艶陽炎えり 鈴木てるみ ぐろっけ 201007  
陽炎ふやいにしえ顔の列の影 服部郁史 京鹿子 201008  
陽炎の浜に流木曳きし跡 伊藤美音子 万象 201008  
陽炎にバス一台の呑み込まる 田尻勝子 六花 201008  
此れやこの乙女の裸像陽炎ひて 有賀昌子 やぶれ傘 201008  
陽炎へる畦の空き缶小さく蹴る 有賀昌子 やぶれ傘 201010  
陽炎や掴めば消える追へばまた 犬丸勝子 201010  
陽炎に掛替への無き人消ゆる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103  
棘ふくむ言葉を吐かれ陽炎へる 布川直幸 201103  
ギアチェンジして陽炎を追ひ越しぬ 花田心作 201104  
陽炎やじつと反芻白うさぎ 塩路五郎 201105  
陽炎のはたと止まりし震度六 上谷昌憲 201105  
地震激し子の住む街の陽炎へる 辻直美 201105  
陽炎へる野に母子の像ムーア作 佐々木群 201105  
陽炎の果ては常世の国ならむ 近藤喜子 201106  
文明と自然の力陽炎へる 中野京子 201106  
陽炎にいざなはれ師の旧居跡 千田敬 201106  
稲荷社の神狐のあたり陽炎へる 奈辺慶子 雨月 201106  
荷駄軽き驢馬の大耳陽炎へる 藤田かもめ ぐろっけ 201106  
陽炎のしばしたゆたふ石舞台 田伏博子 ろんど 201106  
前を行く陽炎ふ背に追ひつけず 福永尚子 ろんど 201106  
上り下る路面電車や陽炎へる 根岸善行 風土 201106  
陽炎や自動販売機の卵 吉田希望 201107  
陽炎に躓く齢思ふべし 穐好樹菟男 馬醉木 201107  
震災の陽炎跨ぐものばかり 工藤節朗 201107  
陽炎や登四郎旧居この辺り 吉田政江 201107  
陽炎や子を肩車細々と 東野鈴子 雨月 201107  
鉄塔は青き軟体陽炎へる 海老根武夫 201108  
振り返るとき陽炎の無縁坂 コ田千鶴子 花の翼 201111  
方舟の今どのあたレ陽炎へり 鷹崎由未子 花野 201112  
陽炎の中メス持つ手伸びてくる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202  
陽炎に溶けゆく君の悌よ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202  
陽炎の中ランナーの浮かび来る 樺澤やすの 末黒野合同句集 201203  
陽炎ひて単線電車歪み来る 竹村清繁 末黒野合同句集 201203  
陽炎に杖をとられし行方かな 神蔵器 風土 201204  
陽炎やヘボン旧居のつるべ井戸 村上倫子 201204  
陽炎や傾ぎ倒れぬ道標 高橋泰子 201204  
流木を曳き陽炎の丈伸ばす 中田みなみ 201205  
陽炎や電話が街を歩きをり 鴨下昭 201205  
陽炎にゆるく包まれ杖の人 岡野ひろ子 201205  
陽炎にふと過ぎりたる君の影 岡野ひろ子 201205  
陽炎や客満載の渡し船 高橋泰子 201205  
陽炎の中へ亡母の去りゆけり 吉野夢宙 201205  
記紀の地に父の分霊陽炎へり 能村研三 201205  
陽炎やむかしは十里歩きたり 大畑善昭 201205  
陽炎やきのふもけふも糸電話 西村純太 201206  
天地のあはひに魂の陽炎へる 岩月優美子 201206  
尼寺の真白き築地陽炎へり 久染康子 201206 明日香
陽炎のやうに諭してくれし人 酒本八重 201206  
陽炎は念力に似て仁王門 七種年男 201206  
陽炎や人消してゆく坂の上 代田青鳥 風土 201206  
振り向かぬ別れもありぬ陽炎へる 直井たつろ 風土 201206  
あらくさは風のすみかや陽炎へり 河合とき 末黒野 201206  
太陽の塔まで遠し陽炎へる 常田創 201207  
象の鼻ゆるりと伸びて陽炎へり 中村風信子 馬醉木 201207  
目鼻なき羅漢の顔や陽炎へる 辻芳子 馬醉木 201207  
人陽炎へり土に生き土に老い 古賀しぐれ ホトトギス 201207  
陽炎に遠巻かれつつぶらぶらり 宮崎きみ枝 201207  
陽炎の遊戯三昧となりにけり 岩下芳子 201207  
シーサ吼ゆ背より陽炎もえたゝせ 高橋照葉 ぐろっけ 201207  
陽炎に覚め陽炎に溶けてゐる 高野春子 京鹿子 201207  
陽炎を踏みて男女のかげろへり 清海信子 末黒野 201207  
気仙沼の巨船無惨や陽炎ひて 山咲和雄 末黒野 201207  
陽炎や父の写真は笑顔のみ 亀井紀子 201208  
陽炎へ消えさうな子を追ひかける 田丸千種 ホトトギス 201208  
手さぐりで 学ぶこの道陽炎る 今村征一 ホトトギス 201208  
陽炎に溶けるわたくし瓦猿 伊藤希眸 京鹿子 201208  
陽炎や沖縄の塩舌にのせ 平田恵美子 ぐろっけ 201208  
陽炎の坂を双子の乳母車 師岡洋子 ぐろっけ 201208  
陽炎の中より出でし測量士 前田恵美子 青鷹 201210  
白壁に水陽炎や秋澄めり 藤井君江 馬醉木 201212  
陽炎や五体投地といふ祷り 天野みゆき 風土 201301  
三輪車もう陽炎に融けてゐる 安田優歌 京鹿子 201301  
快速船陽炎を抜け音太き 熊丸淑子 馬醉木 201305  
陽炎のかなたを信じとけゆけり 豊田都峰 京鹿子 201305  
陽炎のむしろむかうを信じる日 豊田都峰 京鹿子 201305  
果樹園に人の声する陽炎へり 宮川みね子 風土 201305  
陽炎や即身仏となりにける 中田禎子 201305  
陽炎にとり囲まれし物忘れ 北川英子 201305  
武蔵野の古地図に鷹場陽炎へり 杉本光祥 201305  
灯台の飛び立ちさうに陽炎へる 齊藤實 201305  
ひろげたる鴉の片羽陽炎へる 山田美恵子 火星 201305  
陽炎に釣糸たらす五六人 上原重一 201305  
人気無き住宅通り陽炎へる 赤座典子 あを 201305  
陽炎や中宮寺より野に出でて 丑久保勲 やぶれ傘 201305  
吉野ヶ里古代遺跡の陽炎へる 山口キミコ 201306  
陽炎やゆつくり戻る巡視船 窪田粧子 馬醉木 201306  
陽炎を追へば花屋に吸ひ込まる 千田百里 201306  
陽炎の伸びちぢみする牛の尻 本間羊山 風土 201306  
身をつつむ陽炎とただいま交信中 黒澤登美枝 201306  
陽炎の向かう陽炎基地の跡 村上倫子 201306  
祈りなり陽炎のたつ古墳石 田中貞雄 ろんど 201306  
陽炎はだまりこくりて笑ひをり 瀧春一 花石榴 201312  
陽炎にそそのかされしアスファルト 山口ひろよ 201402  
泥のまま這ひ出す亀の陽炎へり 原田しずえ 万象 201405  
母と子の影踏む遊び陽炎へり 藤野力 馬醉木 201405  
陽炎(かがろう)や前世は筆と占ひに 山田六甲 六花 201405  
陽炎うて水庭の吾紛れけり 小澤菜美 201405  
陽炎の向かう師の国父の国 関根揺華 201405  
陽炎の真ん中割つて来る銀輪 吉田政江 201405  
陽炎の溶かす女と男かな 川南隆 ろんど 201405  
陽炎へるバスは一日二往復 藤見佳楠子 201405  
陽炎を三本脚の犬が行く 藤田素子 火星 201405  
ピーナッツ噛み陽炎に入りゆけり 涼野海音 火星 201406  
遠ざかるバス陽炎へる故郷かな 田中たつを 雨月 201406  
指笛や駒呼ぶ牧の陽炎へる 高橋明 末黒野 201406  
陽炎の先に前方後円墳 和田紀夫 201406  
陽炎の中に降り立つ鳩の群れ 久世孝雄 やぶれ傘 201406  
陽炎や竹生島指す最終便 田中佐知子 風土 201406  
陽炎や煉瓦の疵にある明治 町山公孝 201406  
脳トレの親指小指陽炎へり 村上倫子 201406  
巨船危ふし陽炎の中へゆく 宮内とし子 201406  
足の先から陽炎となつてゆく 高橋将夫 201406  
ひとり身のうつし世なべて陽炎へり 望月晴美 201406  
山城址あたりもっとも陽炎へる 金森教子 雨月 201407  
七曲り巡礼道の陽炎へり 門伝史会 風土 201407  
福島はいま陽炎の揺れにあり 中村洋子 風土 201407  
我家まで磴三百五十陽炎立つ 鈴木石花 風土 201407  
陽炎にとりかこまれて佇めり 奥村直女 馬醉木 201407  
陽炎に足より夫の攫はるる 橋添やよひ 風土 201407  
陽炎に立ちゐることに気づかざる 志方章子 六花 201407  
陽炎やまぼろしのごと船のゆく 杉浦一子 万象 201407  
陽炎やリムジン型の霊柩車 松本文一郎 六花 201407  
陽炎や記憶の底に飛行音 三上程子 春燈 201407  
陽炎や水田を過る一輛車 斉木永久 馬醉木 201407  
陽炎を縫うて湾岸通路かな 三村純也 ホトトギス 201407  
水切りの石の彼方の陽炎える 金田けいし ろんど 201407  
モナリザの微笑みのごと陽炎へり 村田岳洋 ろんど 201407  
近道の陽炎壊しこはしゆく 柴田久子 風土 201407  
五體陽炎うて飛火野の真ん中 雨村敏子 201407  
陽炎や限界集落見えがくれ 上家弘子 ろんど 201408  
乙女像の体温青く陽炎へり 村田岳洋 ろんど 201408  
陽炎のかなたに揺るるフラミンゴ 塩路五郎 201504  
受験子の時間揺らして陽炎へり 中島玉五郎 201504
陽炎を来る剣道着の少女 田中貞雄 ろんど 201504 『辻子』
陽炎や仕来り違ふ向かう岸 能村研三 201505  
いのちいつまで陽炎に立ち止まる 中田みなみ 201505  
陽炎へる一枚岩の手水鉢 野上杳 201505  
陽炎うて異次元に入る跨線橋 高橋道子 201505  
色なくも色あるごとく陽炎へる 江島照美 201506  
馬駆けて陽炎を蹴る牧の昼 阪上多恵子 雨月 201506  
陽炎をぬけてプードル子の胸ヘ 塩見英子 雨月 201506  
高札址橋の袂に陽炎へり 松本鷹根 京鹿子 201506  
陽炎に迎へられたり芭蕉庵 名和政代 万象 201506  
陽炎の向かふにすでに集ひをり 風間史子 201506  
陽炎や身ぬちに紅き水流れ 齋藤厚子 201506  
曲がりゆく線路陽炎立たしむる 山内洋光 201506  
陽炎に丸く揺らめく太鼓橋 中村風信子 馬醉木 201506  
陽炎や重心失せし豪華船 田所節子 201506  
抜きん出てのつぽのビルの陽炎へり 遠山のり子 201506  
遠州の配石の庭陽炎へり 萩庭一幹 馬醉木 201507  
陽炎の中へ鏑矢的を射る 雲所誠子 風土 201507  
珈琲の香や天井に水陽炎 今井春生 201508  
陽炎の彼方へ沈む一車両 宮澤靖子 末黒野 201508  
陽炎へる島ふところの赤鳥居 鎌田光恵 201508  
打ち返す一鍬づつの陽炎へり 下平しづ子 雨月 201508  
陽炎にショートバウンド投げてみる ねじめ正一 船団 201508  
百方に陽炎の罠古戦場 大政睦子 京鹿子 201601  
陽炎や切手不足で戻り来る 大山夏子 201602  
陽炎をまとひ撥ね橋上りけり 窪田粧子 馬醉木 201604  
海神の息おだやかに陽炎へり 近藤喜子 201606  
強がりの背なに憂ひの陽炎へり 岩月優美子 201606  
陽炎へ直進といふ選択肢 安居正浩 201606  
陽炎をやぶりてバスの来りけり 高橋道子 201606  
陽炎の中にかげみふ発破音 中江月鈴子 201606  
今更のやうに陽炎離れけり 中江月鈴子 201606  
陽炎追ふ所詮は何もありません 中江月鈴子 201606  
遮断機の上がりし先の陽炎区 佐藤山人 201606  
陽炎ひておのれ骨太とぞ思ふ 加藤東風 201606  
陽炎や半顔乾く野の佛 藤岡紫水 京鹿子 201606  
陽炎や止まりしバスのゆらめきぬ 森山暁湖 万象 201606  
面影の陽炎となり消えゆきぬ 佐藤淑子 雨月 201606  
陽炎へり日蓮植ゑし杉の瘤 原田しずえ 万象 201607 身延
陽炎の向かふも同じ時流れ 成田美代 201607  
陽炎の向かふも同じ時流れ 成田美代 201607  
浮見堂の軒をゆらせり水陽炎 奥田茶々 風土 201607  
陽性に舵をとるほど陽炎へる 元橋孝之 京鹿子 201607  
陽炎や前頭前葉鎮めをり 丹羽武正 京鹿子 201607  
陽炎や坂登りゆく子らの群れ 今井充子 201607  
通し矢のはるかな的も陽炎へる 岸洋子 201607  
陽炎は忘却の闇解きほぐす 竹村淳 201608  
陽炎や「我が世の春」の屋敷跡 杉本薬王子 風土 201611 土御門弟邸跡
蹲の水陽炎が底紅に 瀬島洒望 やぶれ傘 201611  
陽炎のぱつと咲いてはかぶさり来 鳥居真里子 船団 201612  
陽炎の入り口ペダル強く踏む 栗原公子 銀の笛 201612  
いのちいつまで陽炎に立ち止まる 中田みなみ 桜鯛 201701  
水陽炎遊ぶ庵の冬構へ 岡田桃子 201702  
ダンプ発つ陽炎を積み残しては 金子野生 京鹿子 201704  
マラソンの群陽炎を揺らし来る 山田天 雨月 201705  
陽炎の中の男と女かな 高橋将夫 201705  
陽炎に包まれビルの力抜く 田所節子 201706  
歳時記を重しと陽炎ささやけり 酒本八重 201706  
陽炎を袋小路に追ひつめる 熊川暁子 201706  
道問へば指差すかなた陽炎へり 渡辺輝子 201707  
陽炎へるもの銅の牛の鼻 内藤静 風土 201706  
陽炎をまだ抜けきらぬ走者かな 藤生不二男 六花 201707  
陽炎や竿に着せらる潜水具 鎌田光恵 201707  
狐雨野の陽炎を沈ませる 山田正子 201706  
陽炎や洗ひざらひといふ決意 服部早苗 201707  
敵前の陽炎踏みて戦ひし 竹下陶子 ホトトギス 201709  
ほつほつと陽炎ひ初めしわが齢 後藤比奈夫 ホトトギス 201711  
陽炎の入り口ペダル強く踏む 栗原公子 201801  
陽炎や小腰をかがめ母の過ぐ 磯貝尚孝 清閑 201804 陽炎 →5

 

2019年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。