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山畑にもの思はゞや蕪引   松芳

作品
作者
掲載誌
掲載年月
絵手紙にまあるい味と大蕪
佐久間はるみ
200605
雛の膳平家伝ふる蕪蒸し 安達実生子 200606
味無きをよしといふなり蕪蒸 宮津昭彦 200701
はらからの集ひや止めの蕪鮓 水原春郎 馬醉木 200702
赤蕪を漬けるに焼岳の火山弾 荒川文雄 200702
山積みの聖護院蕪菁石垣めく 中西久美子 200702
蕪漬ける由緒正しき石を置き 定梶じょう あを 200702
蕪蒸予後の喉のすなほなる 山本耀子 火星 200703
長湯して湯の花の香や蕪汁 稲葉ちよこ 風土 200703
幼子のお尻のやうに大蕪 わかやぎすずめ 六甲 200703
緋蕪を提げて梅町あたりかな 竹内悦子 200704
切つても切つても鬆のある赫蕪 天野きく江 200704
大蕪菁下げ退院を告げに来し 物江康平 春燈 200704
蕪蒸少し遅めの昼御膳 村上留美子 火星 200704
蕪蒸義母百歳の誕生日 河本利一 200705
蕪提げ馬の調教見てをりぬ 百瀬七生子 海光 200705
聖護院蕪をふたつ風邪見舞 百瀬七生子 海光 200705
湯割りせし洋酒の酔や蕪鮓 福盛悦子 雨月 200705
蕪蒸しほどよく透けり夫とゐて 中野京子 翁草 200710
蕪風にときどきしなふ雁の棹 土井田晩聖 万事 200711
みづうみのあはきひかりの蕪引く 浅田光代 風土 200711
味まろき母直伝の蕪蒸し 中村悦子 200802
蕪蒸し上に山葵を青々盛る 幡谷哲子 200802
鶏鳴のときたまありぬ蕪襖 飯塚ゑ子 火星 200802
軒ごとに吊す赤蕪余呉の里 杉本綾 200803
魂あらばこそ赤蕪も青痣も 小形さとる 200803
しみじみ食ぶ妻の好みし蕪鮨 大橋晄 雨月 200803
美味なるを信じて蕪漬けにけり 加地芳女 雨月 200803
七日ながめて聖護院大蕪 井上信子 200803
亡き父ヘバースデーケーキと蕪蒸 岡野峯代 ぐろっけ 200803
京舞に酔うて箸置く蕪蒸し 田島勝彦 遠嶺 200804
ていねいに食ぶる母をり蕪汁 森佳子 遠嶺 200804
朝市の赤蕪漬に雪の舞ふ 早崎泰江 あを 200804
料亭の舞妓の酌や蕪蒸 小林成子 200805
まだ煙る焼畑に蕪蒔きにけり 阿部月山子 万象 200811
大蕪を買ふてふ妻や旅の空 太田實 ぐろっけ 200812
聖護院蕪の生をかじりけり 石脇みはる 200901
七階の暮しにも慣れ蕪汁 久米憲子 春燈 200902
道の駅積み上げて売る蕪の嵩 豊谷青峰 春燈 200902
蕪洗ふ明日はいつも新しく 田中藤穂 あを 200902
深吉野の葛わづかとく蕪蒸し 永田二三子 酸漿 200902
蕪貰ふ地続きにある畑育ち 布川直幸 200903
葱蕪大根揃ひ去年今年 石脇みはる 200903
納骨の京より戻り蕪蒸 水谷芳子 雨月 200903
田煙の真つ直ぐに立つ蕪汁 重見久子 火星 200903
八十路余の齢に慣れつ蕪鮓 本城布沙女 雨月 200904
土出でて蕪のかくも真白なる 大泉美千代 雨月 200904
嫁に謝し娘に謝すくらし蕪汁 園多佳女 雨月 200904
掌に享けてスライス蕪漬 山下青坡 200905
吊されし湖族の軒の赤蕪 河村泰子 ぐろっけ 200905
大きな蕪引きし劇みて浅き春 谷村幸子 200906
「ハイジ」てふレストランにて蕪スープ 前川ユキ子 201002
加賀ことばのすすめ上手や蕪鮓 藤見佳楠子 201002
紅志野のぬくもりほのと蕪蒸 高瀬史 馬醉木 201002
蕪蒸しシェフと目の合ふ一人席 中下澄江 201002
立冬や洗ひ終へたる蕪の山 石脇みはる 201002
みづうみに渚ありけり緋蕪干す 杉浦典子 火星 201002
濡縁に蕪菜届く一葉忌 川合八重子 酸漿 201002
今頃は赤蕪うまし近江の国 早崎泰江 あを 201002
自己流に赤蕪刻み箸休め 西垣順子 201003
比叡に灯雪より白き蕪蒸 コ田千鶴子 馬醉木 201003
手計りといふ器用さの蕪売 城台洋子 馬醉木 201003
赤蕪を洗ふ湧き水ぬくきかな 高橋将夫 201003
さ緑の葉の香り立つ蕪汁 上月智子 末黒野 201003
手土産に都民の森の蕪を買ふ 細島孝子 末黒野 201003
蕪畑の中とほりきし地獄絵図 山尾玉藻 火星 201003
抜きたての蕪の酢のもの熱下る 小松美保子 ぐろっけ 201003
野菜市魅せられて買ふ蕪の赤 平田恵美子 ぐろっけ 201003
酒好きを招きたる宴蕪鮓 竹内悦子 201004
白味噌と煮干の匂ふ蕪汁 笠井清佑 201102
小銭ゆるり数へて老女蕪を売る 鈴木照子 201102
黒猫に撫でられてをり大蕪 吉田希望 201102
山積や大きさ揃ふ蕪の尻 五十嵐勉 201102
蕪少し漬け大世帯懐しむ 小澤菜美 201102
風募る宿坊の夜の蕪汁 コ田千鶴子 馬醉木 201102
バイオリズム低調蕪を薄味に 高田令子 201102
蕪市土の香残し終りけり 井口初江 酸漿 201102
白味噌をぽつたり掛けて蕪蒸し 清海信子 末黒野 201103
大日と岡井省二と蕪蒸 高橋将夫 201103
洗はれし蕪よ日野菜よ嵯峨野霽る 河崎尚子 火星 201103
帰るさは嵯峨野の蕪みな提ぐる 河崎尚子 火星 201103
ひとりには余る大蕪引っ提げて 井上あき子 ぐろっけ 201103
蕪はかぶ大根はだいこのこゑ聞こゆ 雨村敏子 201104
赤蕪の里の赤蕪買初に 水谷芳子 雨月 201104
南の人に呼ばるる緋蕪かな 瀬川公馨 201105
丈低き母超えられず蕪むし 荒川美邦 京鹿子 201105
湖の彼方は丹波蕪汁 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
百引く七引く七えーと蕪の水晶煮 田村みどり 京鹿子 201106
蒼天に赤の旋律蕪稲架 竹内悦子 ちちろ虫 201108
如何かと老尼をのぞく赤蕪 中田みなみ 201201
農家にはあらねど好きで蕪干す 十川たかし 201202
品漬の赤蕪の朱に手も染まる 田中きみ子 かさね 201202
生真面目の故にしくじる蕪汁 箕輪カオル 201203
緋の蕪抱へし時の匂ひかな 谷村幸子 201203
舌先に糀のとろけ蕪鮓 小川玉泉 末黒野 201203
足す塩の灯にきらめきぬ蕪汁 小川玉泉 末黒野 201203
含め煮のさみしくはなき小蕪にて 井上信子 201204
蕪蒸今も及ばぬ母の味 平野芳子 馬醉木 201204
赤蕪男の声を発しをり 川崎かずえ ろんど 201204
百歳に間のある父母や蕪蒸し 柴田佐知子 201205
まつたりと葛餡はらる蕪むし 近藤紀子 201206
泥付きの葱・蕪置ける舟屋口 山本耀子 火星 201302
不揃ひの蕪括られて道の駅 丸山酔宵子 かさね 201302
蕪汁酔ひたる朝の腹休め 菊地崇之 かさね 201302
花板の蘊蓄さても蕪蒸 延広禎一 201302
葉生き生きとして触れたき蕪丸み 長崎桂子 あを 201302
漁火の遠のいてゆく蕪蒸 浜口高子 火星 201303
父の字の漬物レシピ蕪洗ふ 藤原千代子 万象 201303
男手に茹でぬ緑の蕪の葉 小川玉泉 末黒野 201303
庭園を玻璃戸透かしに蕪蒸し 橋場美篶 末黒野 201303
夫一病二病にも克ち蕪汁 三木千代 201303
日照雨して河内に広き蕪畑 谷村幸子 201303
赤蕪うしろ姿の妻ににて 貝森光洋 六花 201303
蕪汁ひと混ぜしたる椀の中 きくちきみえ やぶれ傘 201303
行火抱き一店一味赤蕪売る 小林和子 風土 201304
湯ほてりに宿着ふくらむ蕪鮨 桂樟蹊子 201312
照り降りの忙しき嵯峨野蕪干す 間島あきら 風土 201401
三段に干され華やぐ赤蕪 小林久子 201402
浜に干す近江蕪の万の赤 中川すみ子 201402
蕪鮓わが家の味に馴じむころ 中山純子 万象 201402
無骨さをそのままにして蕪漬 鈴木阿久 201402
シャキとした葉をわし掴み蕪を抜く 石原健二 やぶれ傘 201402
欠けることなきかに二人蕪鮓 北川英子 201402
行基上人に篤き里人蕪干す 錫木妙子 馬醉木 201402
蕪汁伏線徐々に読めてくる 細川洋子 201402
浜に干す近江蕪の万の赤 中川すみ子 201402
歳ごとに旨み増すもの蕪汁 山根征子 201402
遠来の子の来る夜さの蕪蒸 塩見英子 雨月 201403
日溜りへ筵を移し干し蕪 上月智子 末黒野 201403
蕪洗ふ音の奥嵯峨日和かな 今澤淑子 火星 201403
さざ波の傍へに干すや赤蕪 竹中一花 201403
洗ひ上げし赤蕪の水暮のいろ 雨村敏子 201403
大ぶりの蕪称へつつ丹波越 今澤淑子 火星 201403
どの家も蕪の白きユトリロ展 松田都青 京鹿子 201403
半間の戸口や京の蕪蒸 古川夏子 201405
僧帽筋ゆるみてゐたり蕪汁 服部早苗 201405
緋蕪をどつさり抱へあふまどき 山尾玉藻 火星 201412
蕪 →3      

 

2021年1月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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