南 瓜 2  〈唐茄子・ぼうぶら・南京)    85句

指差されかぼちゃ長持ち不二長持ち    三橋敏雄   しだらでん

作品
作者
掲載誌
掲載年月
敷藁をとび出して花南瓜かな 大崎紀夫 虻の昼 201510
砂丘よりすこしきて花南瓜かな 大崎紀夫 虻の昼 201510
過疎の村這ひ出してゐる大南瓜 植田桂子 馬醉木 201510
南瓜の寝息の聞こゆ真昼どき 森口千代子 京鹿子 201510
子房つけ南瓜の花の倒れをり 太田チヱ子 末黒野 201510
初味見の素麺南瓜今朝の秋 和田政子 201510
茄子南瓜里のみやげはみな元気 池田光子 201510
七十年南瓜嫌ひとなりしかな 福島せいぎ 万象 201511
友遺すおもちや南瓜の花満開 榎美幸 万象 201511
包丁のにつちもさつちも栗南瓜 菊池洋子 やぶれ傘 201512
両腕に全身全霊南瓜切る 大木清美子 201512
テレビにはない音量で南瓜切る 林田麻裕 201512
南瓜煮る妻の味よし拠り所 伊吹之博 京鹿子 201603
夕暮の色に煮上りたる南瓜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
ぼうぶらをぶらぶら提げて母帰宅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
発掘の作業小屋の辺南瓜蒔く 栗原京子 201608
物置に這ひ上りたる花南瓜 白石正躬 やぶれ傘 201609
男手を借りて南瓜を真っ二つ 大石よし子 雨月 201611
休耕田南瓜ごろごろ不貞寝して 太田悦子 京鹿子 201611
郵便のバイクが南瓜畑来る 藤井美晴 やぶれ傘 201611
箸進むやはり道産栗南瓜 飯田久美子 末黒野 201612
厚切りに天麩羅蕎麦の茄子南瓜 田中藤穂 あを 201612
ペポ南瓜程無く馬車に変はる頃 山口ひろよ 201701
踏んばつて巨大南瓜を抱きにけり 亀田やす子 万象 201701
猪垣の中に猪垣花南瓜 山本則男 201709
丹田をぐいと落として南瓜割る 南うみを 風土 201711
南瓜煮て南瓜を描いて白樺派 竪山道助 風土 201711
品評会子がよぢ登る大南瓜 上村葉子 風土 201711
富士山の水足し南瓜スープかな 中嶋陽子 風土 201711
切り分けてレンジに回る栗南瓜 中嶋陽子 風土 201711
まだ熱き南瓜天ぷらサクと噛む 石井秀一 風土 201711
店棚の百の面相ペポ南瓜 下山田美江 風土 201711
江差より届く南瓜や大も小も 黒澤佳子 あを 201711
南瓜には水玉私にはほくろ つじあきこ 201712
ハマるとキケン草間彌生の大南瓜 火箱ひろ 201712
みんな繋がつてるのねほくつと南瓜 辻水音 201712
南瓜煮るおかっぱ頭のおばあさん 波戸辺のばら 201712
治験薬なき妻南瓜煮てゐたり 田中臥石 末黒野 201712
病むひとに本と南瓜の四半分 松林依子 201712
南瓜炊く使ひ古しの落し蓋 石塚清文 やぶれ傘 201710
丹田に力を入れて南瓜切る 横田敬子 201804
庖丁の抜き差しならぬ大南瓜 石川賢吾 201811
刃を入れし南瓜に熱き腸のあり 原友子 201811
鹿ヶ谷南瓜座禅をしてゐたる 稗田寿明 201811
大輪の南瓜の花や器の忌 岩木茂 風土 201811
ハロウィンや花舗の南瓜と目の合うて 石黒興平 末黒野 201902
うら成りの南瓜はふる畑焚火 南うみを 風土 201903
而して南瓜半分買ふ漢 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
よき風に萎れてをりぬ花南瓜 住田千代子 六花 201909
迷ひ道南瓜の花に向き合へる 久保夢女 201909
この南瓜馬車にかはるを待つ少女 コ田千鶴子 馬醉木 201910
採られざる南瓜てらてらしてゐたる 大崎紀夫 やぶれ傘 201911
自然生え地を這ひ木の上南瓜花 今井充子 201911
友よりの南瓜重たくても軽い つじあきこ 201912
叩く手に音を違へる大南瓜 升田ヤス子 六花 201912
丹田を一気に落とし南瓜切る 南うみを 風土 201912
南瓜切るこれが最後と力入れ 平井改子 風土 202002
掬ひ上げ鯰を扱く南瓜の葉 岸洋子 202002
チーム「パプリカ」大南瓜コンテスト 波戸辺のばら 船団 202003
荒れ果てし畑にころがる南瓜かな 吉田悦子 202006
物置の屋根に南瓜の花が見え 白石正躬 やぶれ傘 202010
煮南瓜の全き角を魂棚へ 南うみを 風土 202011
手の傷の癒えて南瓜を切つてみる 谷田明日香 風土 202011
箱入りの南瓜十キロ玄関に 須賀敏子 あを 202011
山積みの目鼻まだ無き大南瓜 森なほ子 あを 202012
南瓜ランタン三角の眼は何笑ふ 森なほ子 あを 202012
喧騒の南京街の紅葉かな 田口りさ 六花 202101
南瓜畑雄花ばかりが咲きさかる 黒澤次郎 やぶれ傘 202101
原子野に匍匐してゐる南瓜かな 松尾龍之介 202102
茅葺きの本堂背ナに南京梅 三好康子 風土 202105
ぼうぶらの日を弾きたる昼下り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
くるくると坊ちゃん南瓜もてあそぶ 須賀敏子 あを 202111
ほこほこと煮あがる南瓜ざらめの香 門間としゑ 末黒野 202112
へうたん南瓜小店の棚に溢れをり 津野桂子 末黒野 202112
家系図につながってゐる南瓜蔓 山中志津子 京鹿子 202112
唐茄子に朴訥といふ重さあり 金光浩彰 202112
小包のおほかた占める南瓜かな 山田佳乃 ホトトギス 202201
包丁を捉へ離さぬ南瓜かな 杉山善信 末黒野 202201
満身の力をこめて南瓜切る 蘭さと子 202201
農小屋の屋根這ひ登り南瓜咲く 廣瀬雅男 やぶれ傘 202209
南瓜煮て美味しと思う敗戦日 都築繁子 あを 202210
ハロウィンしか想ひ浮かばぬ南瓜かな 谷口一献 六花 202210
南京の面に喜怒哀楽の穴 赤座典子 あを 202211
南瓜だけ残りぬ無人販売所 中村世都 202211
両断や二人がかりの栗南瓜 大庭美智代 末黒野 202212
南瓜 →1      

 

2023年9月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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