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作品
作者
掲載誌
掲載年月
シェアハウスの戸の黴臭し軋みけり 篠田純子 あを 201806
ぬぐはれて黴より出でし四神の竜 藤田美耶子 201808
黴拭ふ志学の一書捨て難く 佐藤保子 馬醉木 201808
木の歯車空しく黴て水車朽ち 田中たつを 雨月 201809
かくれんばうの黴臭きおとうとよ 辻水音 201809
黴も蚊も勢ひ鈍る四十度 七郎衛門吉保 あを 201809
旧紙幣出でたる黴の皮財布 笹倉さえみ 雨月 201810
黴の世の腹式呼吸せよといふ 山田健太 風土 201811
文豪の書の眠りをり黴の宿 森岡正作 201907
黴きざす書棚の奥の入門書 田所節子 201907
本堂は留守なり黴と香匂ひ 山田六甲 六花 201908
磨かねば言葉も靴も黴びるもの 佐津のぼる 六花 201908
百年の時空を越えて麹黴 沼田桂子 春燈 201909
アルバムに青春の日や黴払ふ 陳妹蓉 春燈 201909
産土に一徹の黴ありにけり 山田健太 風土 201909
黴の香に棚へそろりと戻す図書 谷口一献 六花 201909
大辞典買うてそのまま黴の宿 永田万年青 六花 201909
黴にほふ小暗き堂守伐折羅像 丸尾和子 雨月 201909
仁王像足下に潜む黴の冷え 田丸千種 ホトトギス 201910
黴の書の中の言葉は黴びてゐず 湖東紀子 ホトトギス 201911
黴の香の中に眠れる遺稿かな 湖東紀子 ホトトギス 201911
書架高く置く虚子の書は黴びさせず 木村享史 ホトトギス 201912
黴の香を許さず吊れる虚子の軸 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
清潔を旨とし黴は寄せつけず 稲畑汀子 ホトトギス 202006
旅宿の黴寄せつけぬ配慮あり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
することはして来し筈の黴匂ふ 稲畑汀子 ホトトギス 202006
ワイン乾杯どこかに黴の育ちをり 森岡正作 202009
青春の思ひ出褪せず黴の世に 森清信子 末黒野 202009
坊主バーの虚無僧体験黴にほふ 篠田純子 あを 202009
桂郎や黴の座布団うら返し 南うみを 風土 202010
黴育つ四百年の隅櫓 橋添やよひ 風土 202010
黴払やはり贋作かも知れぬ 能村研三 202010
黴の香のはふつと母のお針箱 辻水音 202011
水虫と別れて久し靴に黴 浜小長谷紘 末黒野 202011
友情といふ黴びさせてならぬもの 木村享史 ホトトギス 202012
少年の日よりの俳書黴びさせず 木村享史 ホトトギス 202012
寝返りのたびに枕の黴にほふ 井上和子 202105
北窓開け黴の匂ひを放ちけり 安齋正蔵 やぶれ傘 202105
歴史的名盤黴を拭ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
突然の笑ひの渦や黴の宿 林紀夫 春燈 202108
黴匂ふ記憶の襞にある湿り 森村江風 202109
拭ひても漂ふ昭和本の黴 小林清彦 末黒野 202109
遺されし美術年鑑黴匂ふ 笹村政子 六花 202110
ガラガラのシャッター街や黴の色 丹羽武正 京鹿子 202111
青春の黴の一書をまた書架に 今橋眞理子 ホトトギス 202112
何一つ妻の遺品は黴びさせず 木村享史 ホトトギス 202201
黴の香もまたなつかしき峰の寺 安原葉 ホトトギス 202201
きつぱりと心の黴を払ひけり 岩岡中正 ホトトギス 202201
拭ひても漂ふ昭和本の黴 小林清彦 末黒野 202204
黴生えてゐし定年の鞄かな 甘田正翠 薫風 202205
黴の香に事務の手暫し置きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
そこひ癒え風呂場の黴のくつきりと 酒井湧水 ホトトギス 202211
黴げむり古書金言をたくはへて 田丸千種 ホトトギス 202211
黴の香や倉庫のごとき荒物屋 森田明成 202302
住む人の絶え黴の香を纏ふ家 稲畑廣太郎 ホトトギス 202306
黴 →1

 

2023年6月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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