十三夜 6     160句

島と島つなぐ太網十三夜   松崎豊

作品
作者
掲載誌
掲載年月
十三夜なんぞと夫の外にゐさう 山尾玉藻 火星 201211
呼び合うて老いのふたりの十三夜 酒井秀郎 返り花 201211
けふ蒔きし畝に影添ひ十三夜 定梶じょう あを 201211
十三夜ひとりほほばる塩むすび 吉弘恭子 あを 201211
十三夜今宵の宿は富士を背に 水原春郎 馬醉木 201212
東海道焼津「やきつぺ」十三夜 神蔵器 風土 201212
江戸川にうねりとがりや十三夜 能村研三 201212
薄雲の混沌とあり十三夜 山田六甲 六花 201212
故郷はひとつにあらず十三夜 川村清子 馬醉木 201301
まつしろな嘘を患者に十三夜 杉山哲也 馬醉木 201301
小豆煮るとろ火とろとろ十三夜 齊藤いさを 馬醉木 201301
十三夜仏足石の吐息かな 妹尾貞雪 春燈 201301
ヂヂヂヂと老ゆるネオンの十三夜 大島翠木 201301
十三夜シュールレアリズムとは具象 松本周二 かさね 201301
文箱の漆の匂ふ十三夜 宮川みね子 風土 201301
工房の薄き座布団十三夜 柿沼盟子 風土 201301
津軽じよんがら胸にたためり十三夜 藤原照子 201301
息入れし銀の折鶴十三夜 東良子 201301
対岸の灯も鮮やかな十三夜 佐野ときは 201301
校正に倦みて屈伸十三夜 福島せいぎ 万象 201301
無住寺に灯のともりたり十三夜 飛高隆夫 万象 201301
船笛の居留地にゐて十三夜 永田圭子 ろんど 201301
おびんづる頭撫できて十三夜 村田岳洋 ろんど 201301
鹿の糞まろぶ石段十三夜 城孝子 火星 201301
子にゆづる念珠拭へり十三夜 坂口夫佐子 火星 201301
凭れ合ふ草花を活け十三夜 井上淳子 火星 201301
十三夜紙に文鎮滑らする 西村節子 火星 201301
杖を止めしばらく見入る十三夜 小川玉泉 末黒野 201301
煌々と船泊つ港都十三夜 碇天牛 雨月 201301
金賞のワインを酌みぬ十三夜 野畑さゆり 201301
十三夜路地に残れる旧字体 菊川俊朗 201302
十三夜八十八の誕生日 大坪景章 万象 201302
機関車の蒸気止みけり十三夜 松山直美 火星 201302
波音にははのこゑ聴く十三夜 松本三千夫 末黒野 201302
蔵町の大屋根続く十三夜 黒滝志麻子 末黒野 201302
今一度仰ぎて寝ねむ十三夜 城戸緑 末黒野 201302
十三夜己がこころのありどころ 犬塚芳子 201302
若者の小声に過ぐる十三夜 坂場章子 201302
丸窓の点りそめたる十三夜 谷村祐治 雨月 201302
十三夜深山は黒き影しるく 溝内健乃 雨月 201302
リゾートホテルに易者の居りて十三夜 溝内健乃 雨月 201302
胸に棲む夫と語らふ十三夜 横山昭子 雨月 201302
十三夜猫がねずみを持て余す 亀田やす子 ははのこゑ 201306
涙目をあやふく支ふ十三夜 竹貫示虹 京鹿子 201310
余生なほ捨てぬ夢あり十三夜 大橋伊佐子 末黒野 201312
磨るほどに墨の清みゆく十三夜 兼久ちわき 馬醉木 201312
野良猫が部屋のぞきをり十三夜 田中藤穂 あを 201312
約束を少し遅らせ十三夜 笹井康夫 201312
十三夜木枯は膝はげまして 佐藤喜孝 あを 201312
水の研ぐ石もまろやか十三夜 藤岡紫水 京鹿子 201312
京菓子の苞の紐解く十三夜 加瀬伸子 末黒野 201312
見上ぐるも雲の厚くて十三夜 塩千恵子 201312
鉄橋を渡る特急十三夜 坂根宏子 201312
藍甕に藍ふつふつと十三夜 佐久間由子 201401
母にまだ確かな歩巾十三夜 井尻妙子 京鹿子 201401
ぼんやりと空地ひろがる十三夜 大崎紀夫 やぶれ傘 201401
引き出しに見知らぬ鍵や十三夜 藤田素子 火星 201401
ひそかなる計そだてをり十三夜 高橋道子 201401
ひたひたと猫のすぎゆく十三夜 きくちきみえ やぶれ傘 201401
父逝きて四十二年十三夜 大橋晄 雨月 201401
手すさびの盃はいびつや十三夜 阪本哲弘 201401
明日へ捲く目覚時計十三夜 中村恭子 201401
門葉の思ひ多かり十三夜 片岡良子 雨月 201401
幼子のつかまり歩く十三夜 甕秀麿 201401
小夜更けて雲の添ひ来る十三夜 中野久雄 末黒野 201401
ラーメンの出前まだ来ぬ十三夜 山崎青史 ろんど 201401
赤子抱き門に出てをり十三夜 瀬戸悠 風土 201401
喪のあけぬ庭を仄かに十三夜 松村晋 ぐろっけ 201401
足るを知る傷もつ男の十三夜 鴨下昭 201401
月餅の重さたのしむ十三夜 丸井巴水 京鹿子 201401
肩細く夫の写経や十三夜 升田ヤス子 六花 201401
宅配を小声に受くる十三夜 坂場章子 201401
現世(うつしよ)に知人減りゆく十三夜 松本恒子 ぐろっけ 201401
長湯して夫に呼ばるる十三夜 木下慈子 馬醉木 201401
硬山は町になじみぬ十三夜 吉田葎 201401
般若湯なるぞと言ひて十三夜 甕秀麿 201402
嵐去りうねる波の上十三夜 溝内健乃 雨月 201402
十三夜外す真珠のイヤリング 岩崎可代子 ぐろっけ 201402
照らさるる雲も生きもの十三夜 工藤ミネ子 風土 201402
ただ夫と見てゐるのみや十三夜 太田チエ子 末黒野 201402
ぶながやの影跳ぶ株(くひぜ)十三夜 當間シズ 万象 201402
十三夜フォロロマーノの黙深し 岩村惠子 ホトトギス 201403
十三夜術後の身内透きとほり 宮井知英 201404
父の忌の海穏やかに十三夜 大久保白村 ホトトギス 201407
風音の絶えることなし十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201410
東京に集ふはらから十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201410
計画のなかりし今宵十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201410
今日も又暮れし家路に十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201410
仰ぎたしこの峰寺の十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201410
亡き人へ銚釐傾け十三夜 竹貫示虹 京鹿子 201410
生きてゆく故の傷あり十三夜 吉武千束 太古のこゑ 201411
ひと刷毛の雲の薄絹十三夜 布川直幸 201411
吊革にかすかな温み十三夜 涼野海音 火星 201411
十三夜かつらをとこも水となり 鈴鹿仁 京鹿子 201411
祀ること無き虚しさの十三夜 宮崎左智子 201412
舟小屋に舟のをさまる十三夜 橋本榮治 馬醉木 201412
脱稿のペン擱く二十三夜かな 松本三千夫 末黒野 201412
鳥籠の止まり木はずす十三夜 たかはしすなお 201412
突堤に触れてつめたき十三夜 涼野海音 火星 201412
うっかりと透けるばあさま十三夜 火箱ひろ 201412
点滴とメールの知性十三夜 鴨下昭 201412
筆で書く見舞ひの手紙十三夜 塩千恵子 201412
青墨の香の匂ひ立つ十三夜 塩千恵子 201412
旅終へて二十三夜の家居かな 水田むつみ ホトトギス 201501
小流れも音を奏でて十三夜 馬屋原純子 馬醉木 201501
積まれゐる檜の香り十三夜 山本無蓋 201501
魚の棲む微かな気配十三夜 和田紀夫 201501
安曇野の尾根うっすらと十三夜 増田一代 201501
酢にころす背の青き魚十三夜 野上杳 201501
樟大樹影際やかな十三夜 近藤鉦子 201501
ひんがしの片雲解けぬ十三夜 加P伸子 末黒野 201501
楽土には友人多し十三夜 立野千鶴子 末黒野 201501
訪ひ呉れしはらからとあり十三夜 片山喜久子 雨月 201501
十三夜道場の床鳴りどほし 山田美恵子 火星 201501
草ぐさにまぎるる紅や十三夜 松山直美 火星 201501
仏まで群鹿あるく十三夜 山田美恵子 火星 201501
歩を合はすことが返事よ十三夜 熊川暁子 201501
大しやもじ担いでゐたり十三夜 中島陽華 201501
十三夜二階に人を招きをり 竹内悦子 201501
暮れ方の畦の匂ひや十三夜 近藤紀子 201501
十三夜投網のような夜半の雲 木村稔 ろんど 201501
ドアより閉まる音発つ十三夜 古川忠利 ろんど 201501
軋みなく閂鎖す十三夜 小山和男 京鹿子 201501
むらさきの雲に入りけり十三夜 神戸京子 ろんど 201501
十三夜こゑをかけあふ窓辺かな 佐藤凉宇子 ろんど 201501
ばばさまの昔かたりべ十三夜 永岡享子 京鹿子 201501
十三夜川の水嵩増えしまま 齋藤朋子 やぶれ傘 201502
遠く来て二十三夜の影法師 山田佳乃 ホトトギス 201502
舟灯川面ににじむ十三夜 古川夏子 201502
烏帽子岩居住ひ正す十三夜 仙頭宗峰 万象 201502
明らけし銅いろの十三夜 瀬川公馨 201502
霜月の十三夜月澄みわたり 錫木妙子 馬醉木 201502
三の糸凛と響けり十三夜 岡淑子 雨月 201502
松籟の古戦場あと十三夜 森礼子 雨月 201502
葬りのすみし放心十三夜 木村享史 ホトトギス 201504
丹波より荷の届きたる十三夜 土谷倫 船団 201505
草川に亀が首出す十三夜 鈴木鳳来 故山 201505
ビルの窓二十三夜に濡れてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
月細し二十三夜と諾へば 稲畑汀子 ホトトギス 201509
旅のこと二十三夜は家居して 稲畑汀子 ホトトギス 201509
鎮魂の色を極めて十三夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
印南の寝顔なりけり十三夜 山田六甲 六花 201511
折鶴の紙の千枚十三夜 荒井千佐代 201511
指で切る封書一通十三夜 能村研三 201511
やがて来る別れ誰にも十三夜 白井友梨 馬醉木 201512
大江戸線から首出したる十三夜 佐藤喜孝 あを 201512
十三夜横紋筋はそつとそつと 佐藤恭子 あを 201512
高階の上に寂しき十三夜 宮崎靖夫 201512
稿の端へ仄と月射す十三夜 田中臥石 末黒野 201512
蹴轆轤のにぶくひびけり十三夜 浅田光代 風土 201512
ベランダに月影著き十三夜 柿沼盟子 風土 201512
ずつしりと重きタルトや十三夜 奥田茶々 風土 201512
光みな海にとけゆく十三夜 武田巨子 春燈 201601
郵貯株その値の決まる十三夜 高野昌代 201602
明治座を出れば浜町十三夜 山本無蓋 201602
山なみの浮かびあがりし十三夜 村上典子 201602
欄干の影くつきりと十三夜 小川玉泉 末黒野 201602
肩細く夫の写経や十三夜 升田ヤス子 玫瑰 201604
十三夜忌日奏でる序曲かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
十三夜仰ぎ忌日の心とす 稲畑汀子 ホトトギス 201610

十三夜→ 1

     

 

2021年10月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。