十三夜 5     132句

薬臭のひとすれちがふ十三夜   高田きみえ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
橋上のひと切絵めく十三夜 鷹羽狩行 200911
この店のこの席が好き十三夜 松本圭司 200911
鬱金の影オクラの影の十三夜 山尾玉藻 火星 200911
黒眼がちなりし飼犬十三夜 竹内弘子 あを 200911
一駅を歩いて帰る十三夜 徳田千鶴子 馬醉木 200912
0番線の肯き列車よ十三夜 近恵 炎環 200912
安治川のトンネルを出て十三夜 岩下芳子 200912
一本の松風高き十三夜 木村傘休 春燈 200912
十三夜男もすなる首飾 今井弘雄 春燈 200912
鐘楼の軒の深さや十三夜 石原光徳 酸漿 200912
誘ふには人の老いたり十三夜 田中藤穂 あを 200912
板塀を猫の擦りゆく十三夜 竹内弘子 あを 200912
老犬の寝息確かむ十三夜 矢野みはる 201001
センチメンタルそして論客十三夜 大島翠木 201001
いつまでも捨てられぬ文十三夜 寺村年明 春燈 201001
堂島に残る米蔵十三夜 臼杵游児 春燈 201001
切絵めく京の街並十三夜 片山博介 春燈 201001
生箕舟機嫌の揺れや十三夜 和田照海 京鹿子 201001
寝る人を踏まずまたがず十三夜 松田都青 京鹿子 201001
義大夫の一ふし長し十三夜 沼田巴字 京鹿子 201001
十三夜もう使はない櫛ひとつ 直江裕子 京鹿子 201001
虚子館に潮の香とどく十三夜 杉浦典子 火星 201001
色鯉の水押してくる十三夜 深澤鱶 火星 201001
月球儀十指に余る十三夜 竪山道助 風土 201001
句に遺る先師の温み十三夜 久保田雪枝 雨月 201001
笛の音となる鹿声や十三夜 長田秋男 酸漿 201001
三川の音なく流れ十三夜 伊藤文郎 201001
手探りのスイッチに触れ十三夜 安藤久美子 やぶれ傘 201001
ハイウエイを離れては即く十三夜 小川玉泉 末黒野 201002
隣人も窓開けてをり十三夜 小野口正江 末黒野 201002
夫に買ふ駿河の酒や十三夜 岡田史女 末黒野 201002
飽くる事なく生きて居り十三夜 木下和代 末黒野 201002
みづいろの傘細巻きに十三夜 風間史子 201002
十三夜銀座のシェフのフランス語 吉沢秀ひろ ろんど 201002
誰か吹く口笛澄めり十三夜 野中啓子 201002
総身に潮の香りを十三夜 橋本良子 遠嶺 201002
眠る子の胸に絵本や十三夜 三羽永治 遠嶺 201002
十三夜揺り椅子少し揺らしては 大島翠木 201002
産聲の海を越えきし十三夜 冨松寛子 201002
雁擬きほたほたに炊く十三夜 村戸弥牛 万象 201002
一葉に逢いそうな径十三夜 北村香朗 京鹿子 201002
話の穂はつい代名詞十三夜 北村香朗 京鹿子 201002
句友より赤福届く十三夜 北村香朗 京鹿子 201002
ぐい呑は九谷がよしと十三夜 北村香朗 京鹿子 201002
十三夜亡き夫の影探しけり 中緒和子 酸奬 201002
波の秀の螺鈿散らしに十三夜 薮脇晴美 馬醉木 201003
引越しを気遣ふ老母十三夜 鈴木浩子 ぐろっけ 201003
稜線を丸く仕上げて十三夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
昼渡りゐし月やがて十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201010
お逢ひせしばかり悲しき十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201010
湯の中の白き手足や十三夜 高橋泰子 201010
相聞歌袖の中まで十三夜 服部郁史 京鹿子 201010
窯番の子犬が鳴いて十三夜 佐久間由子 201010
藪を出ることなき葉ずれ十三夜 鷹羽狩行 201011
空見よと友のメールや十三夜 松嶋一洋 201011
メールには友の声あり十三夜 松嶋一洋 201011
椿象が畳をあるく十三夜 山尾玉藻 火星 201011
篠山の栗豆とどく十三夜 阿部ひろし 酸漿 201011
庭に得し通草一つや十三夜 阿部ひろし 酸漿 201011
届きたる石榴加はる十三夜 阿部ひろし 酸漿 201011
供華供物雨にそろひし十三夜 阿部ひろし 酸漿 201011
淋しいと子には云はない十三夜 杉本綾 201012
十三夜老にほど良き湯の加減 水原春郎 馬醉木 201012
沖の瀬に潮高鳴れり十三夜 石本秋翠 馬醉木 201012
自画像の眼居怖き十三夜 佐藤弘香 ろんど 201012
我が庭に生りし通草よ十三夜 阿部文子 酸漿 201012
愛蔵の胡弓のしらべ十三夜 濱田カノエ 酸漿 201012
亡き人の長き髪梳く十三夜 宮田香 201101
月よりの使者来る気配十三夜 清水美子 春燈 201101
十三夜待つ人の居る家路かな 清水美子 春燈 201101
懐旧に更けて月なき十三夜 村上光子 馬醉木 201101
由良の門や波の穂白き十三夜 山本康夫 201101
親離れされて子離れ十三夜 白髭美佐子 201101
十三夜葉書に文字を重いほど 数長藤代 201101
藁塚に日のぬくもりや十三夜 小川玉泉 末黒野 201101
筆とれば文字の片寄る十三夜 山本浪子 風土 201101
突堤に黝き波寄す十三夜 森屋慶基 風土 201101
男山にしりへのありし十三夜 深澤鱶 火星 201101
歩いても歩いても砂十三夜 篠藤千佳子 201101
水桶に皿のやすらふ十三夜 林昭太郎 201101
湖に浮く光の画素も十三夜 大沼遊魚 201101
すぐ乾く自髪が少し十三夜 高倉恵美子 201101
空つぽのバナナの箱が十三夜 佐藤喜孝 あを 201101
池の辺の雨となりけり十三夜 藤井美晴 やぶれ傘 201101
繋船のきしみ哭くなり十三夜 長谷川史郊 馬醉木 201102
明日は発つ聖都ケルンの十三夜 辰巳比呂史 201102
晩酌に日柄もよしと十三夜 北村香朗 京鹿子 201102
水口へ朴の落葉す十三夜 丸山照子 火星 201102
ミシン目の少し乱れて十三夜 鈴木浩子 ぐろっけ 201102
曾祖母の鉄漿思ひ出す十三夜 谷泰子 ぐろっけ 201102
浅草へ掛かる橋かな十三夜 小林幹彦 201105
十三夜真暗がりなる冷泉家 立石萠木 雨月 201107
芒穂を解きぬ今宵は十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201110
十三夜うすうす所在ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201110
子に甘え親に甘えて十三夜 コ田千鶴子 花の翼 201111
いしぶみの声なき声や十三夜 石橋公代 春燈 201111
十三夜うさぎが餅を搗いてをり 山崎里美 201112
湯上りに匂ふ黄楊櫛十三夜 茂木なつ 春燈 201112
組紐の糸の絹鳴り十三夜 宮井知英 201112
町割に似たる水路や十三夜 野中亮介 馬醉木 201112
縫物を生業として十三夜 野中亮介 馬醉木 201112
看板は簷の木札よ十三夜 野中亮介 馬醉木 201112
石蹴りの一人遊びや十三夜 高橋泰子 201112
いま汲みし水に塵うく十三夜 山尾玉藻 火星 201112
畢竟は父の跡追ひ十三夜 大橋晄 雨月 201112
歌舞伎座の櫓今なし十三夜 千手和子 馬醉木 201201
香箱の手元狂うて十三夜 中島陽華 201201
十三夜くろぐろうかぶ浮御堂 谷岡尚美 201201
健診の円く納まり十三夜 渡辺崖花 末黒野 201201
墨の香の筆遊ばせて十三夜 伊藤平八 末黒野 201201
詫びながら速達届く十三夜 松尾芳子 万象 201201
十三夜褒め合うてゐる茶席かな 宮田豊子 春燈 201201
満ち潮の水面しづもり十三夜 鳳蛮華 201201
奥の間に琴ねかせあり十三夜 田村すゝむ 風土 201201
地袋に仕舞ふ剣山十三夜 瀬戸悠 風土 201201
アイロン掛けの山を尻目に十三夜 松井洋子 ぐろっけ 201201
先住の遺徳偲びつ十三夜 本多正子 雨月 201201
裏の戸を確かめに出し十三夜 杉浦典子 火星 201201
十三夜蚕屋の障子の毛羽立つる 大山文子 火星 201201
見送りつつ次の約束十三夜 大川八重子 火星 201201
病床の窓開けてをり十三夜 湯本実 やぶれ傘 201201
明日会ふ指切りげんまん十三夜 三枝邦光 ぐろっけ 201202
つかの間の十三夜には合鍵を 上野紫泉 京鹿子 201202
十三夜天降言かや母の声 上野紫泉 京鹿子 201202
裏木戸の好きな少女や十三夜 山崎青史 ろんど 201202
関ヶ原の首実験場十三夜 北村淳子 ろんど 201202
月の名の変り変りて十三夜 副島いみ子 ホトトギス 201204
奥飛騨のランプの宿や十三夜 美田茂子 末黒野 201204
父在らば句の話せむ十三夜 須賀充子 パミール越え 201206
亡き人の長き髪梳く十三夜 宮田香 故郷 201207
十三夜近き温顔偲ぶのみ 稲畑汀子 ホトトギス 201210
訃報また偲ぶ今宵の十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201210
十三夜よりは名告らぬ月とこそ 稲畑汀子 ホトトギス 201210
十三夜→ 6      

 

2021年10月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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