十三夜 3     124句

死ぬ蝶は波にとまりぬ十三夜    永田耕衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
板塀にある潜戸や十三夜
徳丸峻二
風土
200401
十三夜京の七口昏れ残る
中村洋子
風土
200401
光悦と花押のありて十三夜
中村洋子
風土
200401
工房の柿渋匂ふ十三夜
近藤きくえ
200401
子狸の島には島の十三夜
新田巣鳩
馬醉木
200401
あした履くための靴買ふ十三夜
折橋綾子
200401
越路より戻る東京十三夜
北村香朗
京鹿子
200401
首伸べて亀は亀づれ十三夜
藤岡紫水
京鹿子
200401
わだかまり抱へて帰る十三夜
石川英利
百鳥
200401
十三夜ジャズを聴きつつ帰りけり
沖増修治
百鳥
200401
慰霊碑に十三夜月こよなくて
堀田清江
雨月
200401
婚近き人弾くソナタ十三夜
平野千恵子
雨月
200401
利尻山くろぐろ聳え十三夜
安達加寿子
200401
二月堂三月堂も十三夜
高野良
帆船
200401
海触の洞に墓あり十三夜
安西静
帆船
200401
十三夜無沙汰を詫びるふみを書く
松下幸恵
六花
200401
ぶらさがるだけの半鐘十三夜
長志げを
遠嶺
200401
牛小屋の敷き藁高し十三夜
西畑敦子
火星
200401
掌に掬ふいさごのひかり十三夜
武田芳絵
草の花
200401
十三夜母と棲む世を隔つとも
林三栄
草の花
200401
芝居果つ森は千代田の十三夜
松本扇々子
草の花
200401
十三夜薩摩琵琶なむ聞え来る
井ノ部ひふみ
草の花
200401
西陣の路地に機音十三夜
安達風越
雨月
200402
己が影いとしと思ふ十三夜
二瓶洋子
六花
200402
利き酒やビルの狭間の十三夜
松本文一郎
六花
200402
何もかも透明な日よ十三夜
佐原正子
六花
200402
上棟の酒酌み交す十三夜
清水かつ
酸漿
200402
肩書を忘れ呑む酒十三夜
秋田直己
ぐろっけ
200402
家舟にみな渡せる歩板(あゆみ)十三夜
冨田みのる
200403
快晴のぬくもり街に十三夜
藤浦昭代
ホトトギス
200404
十三夜ふたりごころのひとりの歩
山元志津香
八千草
200404
腕組みて亡友と見上げし十三夜
針谷律子
八千草
200404
閻王の彫りの翳りや十三夜
橘沙希
月の雫
200404
十三夜踏絵のような会話して
若泉真樹
瑠璃
200407
十三夜ならで墨田の蜆殻
八田木枯
夜さり
200409
十三夜火星の名残伴ひて
稲畑汀子
ホトトギス
200410
みちのくの旅の近づく十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200410
みちのくの旅へ満ちゆく十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200410
哲学の道も疎水も十三夜
高野良
帆船
200411
十三夜指鉄砲でおのれ撃て
山田六甲
六花
200411
手習ひのウクレレを抱く十三夜
山田六甲
六花
200411
踏む草のすでに香のなき十三夜
岡本眸
200411
鶏飯の小さな釜に十三夜
松波幹治
万象
200412
十三夜母逝きし年子は重ね
佐藤よしい
風土
200412
柳茶屋の茶粥恋ほしも十三夜
大橋敦子
雨月
200412
十三夜奥に声かけ湯をもらふ
梅村達子
帆船
200412
十三夜咳ばらひして父のゐる
山尾玉藻
火星
200412
十三夜ゆくらかに押す車椅子
渡辺周子
春耕
200412
三ノ輪橋くぐり千住の十三夜
小柴健一
春耕
200412
大地震の憂ひ続きぬ十三夜
森山のりこ
あを
200412
十三夜ピエロの涙三角に
森山のりこ
あを
200412
夫の眠り待ちてペン採る十三夜
相沢有理子
風土
200501
手探りに捜す鍵穴十三夜
新井佐知子
遠嶺
200501
濡れ縁に迎へ花して十三夜
浜田はるみ
遠嶺
200501
自転車をもたせかけたる十三夜
黒田咲子
200501
みな寝しあと寝そびれて十三夜
吉原一暁
200501
ソナチネの仕上がり近き十三夜
近藤倫子
ぐろっけ
200501
裏窓を閉め忘れたる十三夜
吉澤恵美子
春燈
200501
肩越しに酌受け取りぬ十三夜
飯塚ゑ子
火星
200501
鴨居から母の物指十三夜
菅原光恵
百鳥
200501
先急ぐことのみあふれ十三夜
松田有伽
河鹿
200502
魚籠のぞく仔狸追へり十三夜
新田巣鳩
馬醉木
200502
一盞の待たるゝ句座の十三夜
桑田青虎
ホトトギス
200502
タンカーを沖に浮べて十三夜
秋田谷明美
帆船
200502
天上のどこかが昏く十三夜
粟津松彩子
ホトトギス
200503
石筍の地底を出でて十三夜
相川秀子
帆船
200504
屏風絵の京の舞妓や十三夜
渡辺淳子
八千草
200504
擂鉢の底は球場十三夜
高野良
帆船
200505
お誘ひは一と月先の十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200509
胡麻殻を風呂に焚きそへ十三夜
瀧春一
菜園
200509
忌心を抱きて雨の十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200510
十三夜雲の去来を楽しみて
稲畑汀子
ホトトギス
200510
あきらめし昨日は雨の十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200510
FAXの文字薄れゆく十三夜
大塚まや
京鹿子
200510
麻酔より醒め胸の平らな十三夜
諸戸せつ子
春燈
200511
十三夜ことば紡ぎて又ほぐす
宇都宮滴水
京鹿子
200511
布團から疊へ移る十三夜
佐藤喜孝
あを
200511
松の羽衣も舞ひ出よ十三夜
鷹羽狩行
200512
湖に羽音しづもり十三夜
北川英子
200512
遠畑に動く人影十三夜
谷榮子
雨月
200512
夢しづくてふ酒もちく十三夜
吉田康子
火星
200512
三条にみすや針売る十三夜
神蔵器
風土
200512
上ル下ル八百八寺十三夜
神蔵器
風土
200512
十三夜もらひ風呂とふありし頃
定梶じょう
あを
200512
雑踏の中のひとりや十三夜
熊崎昭子
200512
子狸の蹤きくる島の十三夜
新田巣鳩
馬醉木
200601
生き生きと山車のひき手や十三夜
内藤紀子
遠嶺
200601
仰ぐより側に置きたし十三夜
吉澤利治
遠嶺
200601
十三夜いくさ語らず逝きし人
泉田秋硯
200601
眼下には白銀の波十三夜
柴野静
200601
早駕籠の音の過ぎけり十三夜
杉浦典子
火星
200601
ふるさとの彼の山ほろび十三夜
白神知恵子
春燈
200601
朴葉盛馳走あれこれ十三夜
河合佳代子
栴檀
200601
肉親より思わぬ電話十三夜
中川美代子
ぐろっけ
200601
書き了へて読み返す文十三夜
伊藤早苗
200601
石鹸の握り安けき十三夜
左官治郎
200601
十三夜感謝しながら泣いてをり
戸田和子
200601
ご法話の余韻にひたる十三夜
西村しげ子
雨月
200601
娘を送り出て門とざす十三夜
細川コマヱ
雨月
200601
ひとり居の影と対話の十三夜
溝内健乃
雨月
200601
父在せばまづさし酌まむ十三夜
久保田雪枝
雨月
200601
ほろ酔へるむかしの名取十三夜
三由規童
雨月
200601
夭折の姉憶はるる十三夜
稲次登美子
雨月
200601
車より見をり異国の十三夜
中村輝子
酸漿
200601
熱きものあつく食むなり十三夜
中谷葉留
風土
200601
潮のロのかくも明るく十三夜
長沼三津夫
200601
雨音のオルゴールめく十三夜
木暮陶句郎
ホトトギス
200602
湯街の灯うるみて雨の十三夜
木暮陶句郎
ホトトギス
200602
棟上げの音しづもりし十三夜
的池遙
百鳥
200602
大智院の燭の更けたる十三夜
大橋淳一
雨月
200602
帆柱のぎつしり揃ふ十三夜
飯高あい
対岸
200602
十三夜くもるはずなく曇りけり
久保田万太郎
春燈
200603
古代米の餅をまるめる十三夜
中條今日子
万象
200603
十三夜参籠の名のしかじかと
本城布沙女
雨月
200603
比良山系かけての煙雨十三夜
本城布沙女
雨月
200603
みづうみに影を落として十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
十三夜近き横川の月いかに
稲畑汀子
ホトトギス
200610
み吉野のいづこに仰ぐ十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
雨に発つ旅路はいかに十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
駅の名の変りし都会十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
青空に雲は遊子や十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
音立てぬ一人の湯浴み十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
旅心全開にして十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
快晴の旅路今宵は十三夜
稲畑汀子
ホトトギス
200610
十三夜 4→      

 

2021年10月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。