受 験 1       228句(含他季語)

首出して湯の真中に受験生    長谷川双魚

大試験    落第

作品
作者
掲載誌
掲載年月
受験子にひと日遅らす松納め
村井久美子
199903
受験子の身を乗せてつく撞木かな
朝長美智子
199903
受験子の眼鏡に空の高くあれ
佐竹美保子
円虹
199904
しばらくは受験の声に水温む
桑垣信子
いろり
199906
一応は受験生ですゲーム好き
鴛尾敏子
京鹿子
199907
乗り合せ受験子らしき眼の寒さ
能村登四郎
芒種
199911
娘は手術長男受験準備かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200003
俺の子と言はれ東大受験かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200003
受験子の進まぬ食に深入らず
山本潤子
いろり
200004
受験子を見送る母や綱渡舟
和田和子
馬醉木
200005
受験子の明るき声を迎へけり
武政礼子
雨月
200005
熱き茶の置かれて受験前夜なり
中上樹実雄
200006
受験期や進路妨害する牝馬
折原あきの
船団
200006
好物も寡黙に食みて受驗の子
小阪喜美子
遠嶺
200006
天離るとは空遠く受験生
児玉硝子
ヒッポ千番地
200007
受験子のはや地吹雪に吸はれゆく
和田和子
馬醉木
200105
受験子の等身大の緊張感
小澤克己
遠嶺
200105
受験終へダルマ片目で笑ひをり
保坂加津夫
いろり
200106
受験終え多感なる孫深眠り
熊谷みどり
いろり
200106
受験先切羽つまりて変りたる
田中武彦
六花
200112
受験子よ机に余る背を曲げて
田中武彦
六花
200112
受験子に見送られつつ去ぬ燕
塩谷はつ枝
馬醉木
200202
受験期や団欒の椅子ひとつ空き
小田司
馬醉木
200204
日の当るところ混みあふ受験絵馬
柴田久子
風土
200205
受験子の大漁旗に触れゆけり
英龍子
百鳥
200206
名前まづ書けよと受験の子を送る
清水公治
200206
餅花を吊し受験の子が二人
野々村紫
百鳥
200301
黄身嫌ふ子よ夢大き受験子よ
岡田万壽美
雲の峰
200303
学問の神に重ねる受験絵馬
森脇恵香
雲の峰
200304
大股の受験子に母小走れり
酒井ひろ子
200305
受験子を点となるまで見送れり
坂本たま子
200305
受験子の眉美しく描きゐたり
立脇操
雲の峰
200305
受験子に札を戴き初神楽
落合由季女
雨月
200305
受験子の癖の爪噛み思考せり
高橋峰村
200306
受験子の母は決意の百度石
大井貞一
京鹿子
200306
受験合格淡々と告げ寝入りたる
岡淑子
雨月
200306
石蕗匂ふ社に古ぶ受験絵馬
有島扇水
河鹿
200402
受験子にお百度参り毛糸編む
寺門武明
あを
200403
妹に兄が買ひたる受験絵馬
河村靖子
築港
200403
神鈴を受験子力強く振る
梶島邦子
築港
200404
受験子と話すに言葉えらびをり
岡本眸
200404
受験子の眼にまなこもて答ふ
丸山敏幸
200404
匂ふまで鉛筆削り受験の子
平野静
京鹿子
200405
受験でもない子へ案内やたら来る
橋本梢明
200405
受験子へ火柱上ぐる中華鍋
酒井多加子
雲の峰
200405
もう少し元気良く書け受験絵馬
山中宏子
200405
受験子の背にさまざまな音のあり
小山百合子
遠嶺
200405
受験子の親には見せぬ強さあり
三好智子
200405
受験子に気を揉む親とその親と
岡村容子
築港
200405
受験子は休み返上塾へ走せ
北川光子
ぐろっけ
200405
悪筆も誤字もひたむき受験絵馬
角田沙羅
200406
受験子に駅一つづつ近づきぬ
大森サカエ
帆船
200406
受験子を預かつてゐる握り飯
高田令子
200406
受験終ヘショパンの小犬弾みけり
小松崎緑
対岸
200406
受験子と春待つ思ひ一にして
堀田こう
雨月
200504
受験子にそつとお守り握らせて
千田久美子
築港
200504
天満宮受験子の親行列し
武本節子
築港
200504
受験生昇殿祈願親子して
上石哲男
築港
200504
身の程を知らず受験子出願す
三橋早苗
ぐろっけ
200504
受験子の下宿に大き破魔矢かな
金子知代
万象
200505
受験終へ深海魚なるごと眠る
岸直人
築港
200505
受験子の下車せる上総一の宮
青山丈
200505
受験子や今年こそはと倒立す
松岡三夫
200506
バスに積みたる受験子の人いきれ
三橋早苗
ぐろっけ
200506
美しき数式つらね受験生
遠藤とも子
ぐろっけ
200506
受験子の顔安らかな朝寝なり
小林幸子
酸漿
200506
受験子の願ふ姿を見守りて
下越逸子
200506
日の当たる前列に置く受験絵馬
吉田かずや
春燈
200512
言葉みじかく受験子を発たせけり
楠原幹子
白卓布
200602
祈願文横書き太く受験の子
橋本昭子
四葩
200603
風に鳴り十重二十重なす受験絵馬
水原春郎
馬醉木
200604
その中に誤字を見つけし受験絵馬
窪田粧子
馬醉木
200604
鈴生りの受験子の絵馬風に鳴る
三戸千佐子
200604
看護志望とや達筆の受験絵馬
伊藤白潮
200604
受験生一番星にこゑをかけ
岩田都女
風土
200605
思案して時計台見る受験生
秋田直己
ぐろっけ
200605
受験子を励ます背ナをどんと押す
久保晴子
雨月
200605
受験絵馬人の往き来に落ちにけり
久松久子
百鳥
200605
受験子に試練のやうな空模様
今橋眞理子
ホトトギス
200606
鞘堂に鎧重ねの受験絵馬
天野みゆき
風土
200606
先見えぬ受験晩学柿若葉
岡久枝
酸漿
200607
下町は都立受験や卒業す
鈴木榮子
春燈
200702
受験子の人よせつけぬ背中かな
市川玲子
春燈
200704
風騒とや受験最中の文京区
北川英子
200704
受験子や鉄腕アトムの発車ベル
服部早苗
200704
受験子の机に向かふ根気あり
君塚敦二
春燈
200705
神鈴の緒を大振りに受験生
乗光雅子
雨月
200705
受験子の第一声を待ちにけり
丸山敏幸
200706
水仙花受験の子等の長き列
山荘慶子
あを
200802
受験了ふ孫の志織に春灯
神蔵器
風土
200804
受験子の気迫の一打除夜の鐘
鎌須賀礼子
万象
200804
日は暮れて一人で帰る受験生
西本春水
あを
200804
受験子へ程よき濃さの緑茶かな
紀川和子
200805
受験子といふ腫物に触れにけり
倉科紫光
馬醉木
200805
義賊とて受験子集む墓前かな
久本久美子
春燈
200805
受験子を送るに説けり平常心
宮川典夫
200805
初受験時差指おりて娘を思ふ
伊吹之博
京鹿子
200805
受験子らひやかしながら絵馬を書く
大井邦子
ぐろっけ
200805
「必勝」と大書受験の日が迫り
辰巳比呂史
200806
受験子と列車同席黙の旅
北尾章郎
200806
恋絵馬の裏に隠れて受験絵馬
岡田すま子
200806
枕辺にギターを寝かせ受験生
下山和美
200806
受験子の鏡に顔を戻したる
久津見風牛
200806
中学校灯点し受験期真最中
北畠明子
ぐろっけ
200806
新しき消しゴムばかり受験生
浅田光喜
絵巻物
200806
要領の悪くて明日は受験の日
常田創
200903
海鳴りの燈台岬受験生
藤野寿子
あを
200904
受験子を見守るのみに応援す
長谷川幸恵
酸漿
200904
いち枚のハングル文字や受験絵馬
河前隆三
馬酔木
200905
受験の子異国の地より力水
伊吹之博
春燈
200905
早々と浪人と決め受験の子
長谷川史郊
馬酔木
200905
息継ぎの出来ぬ夢見し受験の子
近藤倫子
ぐろっけ
200905
浪人に春愁もなき受験の子
長谷川史郊
馬酔木
200905
子も孫もここにて祈願受験絵馬
辰巳比呂史
200906
遠会釈受験結果はまだ聞かず
小嶋洋子
泡の音色
200912
ずり落ちし書より出でたる受験票
山田六甲
六花
201003
受験子のひろげし脚につまづきぬ
竹内弘子
あを
201003
黙々と雑煮餅喰む受験の子
早崎泰江
あを
201003
遠き日や小函の底に受験票
酒本八重
201004
受験子のうんうんとのみ声太し
荒木甫
201005
母方の遺伝は眼受験の子
布川孝予
京鹿子
201005
ドリンクをかたへに四月の受験生
塩田博久
風土
201006
受験子のてのひら熱く戻りけり
柴田久子
風土
201006
ペン先を見つめ緊張解く受験
涌羅由美
ホトトギス
201008
冬の夜のひと間を灯し受験の子
宮崎左智子
201102
生涯を決める大事や受験前
紀川和子
201102
受験生には付かず離れず夜の静寂
紀川和子
201102
受験子に追込みかかる塾通い 蓮尾みどり ぐろっけ 201102
受験子の真夜の嗽を聞きゐたり 山尾玉藻 火星 201103
茶を断ちて受験子の母祈りをり 伊藤一枝 酸漿 201103
中吉の神籤結びて受験の子 金森信子 雨月 201104
受験子を預る老の七曜よ 金森信子 雨月 201104
受験子にこの青空の深すぎる 森岡正作 201104
受験へと胸に鉢巻熱気満つ 高谷栄一 201105
受験子の眉つり上げて絵馬納む 八田マサ子 馬醉木 201105
受験子の砂浜に書く希望の希 岡本ヨシエ 末黒野 201105
受験子の筆入れミニのズック形 竹下昭子 ぐろっけ 201105
黒々と門に入りゆく受験生 高倉和子 201105
受験子の小さくなる背を見送れり 大塚民枝 酸漿 201105
受験期や絵馬鈴生の不動堂 小松渓水 酸漿 201105
受験子の童顔に悔残るかに 大橋晄 雨月 201105
吉報を待つ受験生落ちつかず 田村幸子 201106
受験子の合否や教師門に立ち 齋藤朋子 やぶれ傘 201106
受験終ヘテニス練習球光る 坊野貴代美 ぐろっけ 201106
合格の受験子仏壇燈しけり 鈴木石花 風土 201106
受験終へ常の空気を取り戻す 紀川和子 うらら 201202
古机理系に変はる受験生 園田惠子 末黒野句集 201203
受験子の砂浜に書く希望の希 岡本ヨシエ 末黒野 201204
柏手のひと際高し受験の子 布川孝子 京鹿子 201205
受験子の絵馬押し込めり溢る中 村上禮三 201205
大受験電波時計の狂ひなき 松本恒子 ぐろっけ 201205
梅が香を深く吸ひ込み受験生 紅谷芙美江 万象選集 201205
大の字に寝し合格の受験子 松本恒子 ぐろっけ 201206
夕食は塾で辮当受験生 山口庸子 ぐろっけ 201206
受験子の美しかりし喉仏 坂口夫佐子 火星 201206
赤門に別れを告げる受験生 佐々木薫 かさね 201208
受験子を黎明の駅に送りやる 頓所友枝 冬の金魚 201209
春よ来い胸より取り出す受験票 大日向幸江 あを 201303
地下鉄の隣席受験生なるや 横山さくら 春燈 201304
おみくじをそつと気にする受験生 東秋茄子 京鹿子 201304
風花や受験生の背に舞ひまはる 東秋茄子 京鹿子 201304
受験子の笑顔のメール今届き 西垣順子 201305
校塔の高さを仰ぎ受験の子 不破幸夫 馬醉木 201305
受験生預かりし間の灯かな 鈴木庸子 風土 201305
受験子の靴ひも結ふを見てゐたる 伊藤憲子 201306
お守りは砂袋らし受験の子 佐用圭子 201306
丹の橋を渡り受験の男子かな 谷岡尚美 201306
受験子で真昼の電車活気づき 吉田光子 ぐろっけ 201307
和机の受験勉強白障子 市橋香 ぐろっけ 201402
真剣におみくじ見入る受験の子 早崎泰江 あを 201403
乗りてくる黙の塊受験生 内山花葉 201404
受験期や天満宮へ人の列 石垣幸子 雨月 201404
うらおもて受験の絵馬のきゆうくつな 井上淳子 火星 201405
受験絵馬掛けて強気をとり戻す 塩路遼(中三) 201503
受験子の時間揺らして陽炎へり 中島玉五郎 201504
受験子の吃りぐせある不安かな 中島玉五郎 201504
受験生屈託無げにさざめきて 赤座典子 あを 201504
受験子の合格告げてついと去る 今野明子 末黒野 201505
秋めくや受験期の娘の束ね髪 布川孝子 京鹿子 201601
寒月や電子メールの受験票 中嶋陽子 風土 201603
受験生開門待つ間の足踏み 七郎衛門吉保 あを 201604
受験子のおのれに怒る声に泣く 升田ヤス子 玫瑰 201604
受験子の朝を素直な返事かな 升田ヤス子 玫瑰 201604
受験子の余震に願書抱きしむる 升田ヤス子 玫瑰 201604
受験子へ長き言葉を控へをり 田原陽子 201604
白梅の宮の明るき受験絵馬 牧はるか 末黒野 201605
朝まだきバス待つ親子受験の日 長島博司 末黒野 201605
受験子のひとりや天を仰ぎゐて 西川保子 春燈 201605
受験生よろづの神を提げて 山口弘子 201606
転ぶなと受験期の夫送り出す 田部井幸枝 201606
受験子は速達を待ち爆睡す 萩原久代 やぶれ傘 201606
受験子のつぶやきは皆英単語 中野匡子 ホトトギス 201607
神鈴を強く振りたる受験の子 増田みな子 やぶれ傘 201608
亀甲のブツクカバーを受験の子 柳橋繁子 201704
受験期の山を越えたる日の緩み 吉田政江 201704
お守りに難関突破受験生 門伝史会 風土 201704
喫茶店空気引締む受験生 伊吹之博 京鹿子 201705
受験子の産土神を撫でてゆく 大日向幸江 あを 201703
受験生赤いズックで駆け上がる 江島照美 201705
満員の車内の殺気受験生 江島照美 201705
一塊を吐き出す受験日の電車 兼久ちわき 馬醉木 201705
受験 →2      

 

22/02/09 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。