樹氷(霧の花)     98句

鈴を振る音してくづる日の樹氷    笠井操

樹氷(霧の花)  霧氷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏み入りて白の魔術の樹氷林 嶋田摩耶子 ホトトギス 199808

  樹氷 二十周年を祝して

鈴鳴らしあふ星空と樹氷林

鷹羽狩行 199809
樹氷咲き舌にまろばすブランデー 川井政子 風土 199901
さみしくて咲きことごとく樹氷林 大橋敦子 雨月 199901
こまやかに咲きことごとく樹氷林 大橋敦子 雨月 199902
樹氷林おほぞら蒼を尽しけり 若山千恵子 馬醉木 199904
白檜曾の樹氷をなせり夜霧の灯 阿部ひろし 酸漿 199910
春を待ちきれず樹氷を咲かす木よ 村越化石 200003
翼持つ樹氷の森の人に会ふ 能勢京子 船団 200008
樹氷林深く来て畏怖深かりき 和田崎増美 雨月 200101
樹氷林人を疎みて曝さるる 宇都宮滴水 京鹿子 200102
啄木に三行の詩樹氷咲く 川井政子 風土 200103
茂吉碑の月影更くる樹氷原 五十嵐春男 馬醉木 200104
葛城山の神の造形樹氷林 山口清子 200105
極寒やスノーモンスターという樹氷あり 鈴木ひさし 船団 200105
樹氷林ここはこの世の神の国 長谷川登美 ぐろっけ 200105
言葉なく吾も樹氷か空見上ぐ 長谷川登美 ぐろっけ 200105
樹氷林吾とり囲み音もなし 長谷川登美 ぐろっけ 200105
声出さねば吾も氷るよ樹氷林 長谷川登美 ぐろっけ 200105
樹氷林吾が名呼ばれてよみがえる 長谷川登美 ぐろっけ 200105
十人で囲むとむらい霧の花 阿木よう子 海程 200110
さらさらと月下樹氷のかけら降る 密門令子 雨月 200201
梳る髪の火照りや樹氷林 平田紀美子 風土 200201
樹氷林囲みて湖神まだ覚めず 豊田都峰 京鹿子 200202
樹氷林鳥光輪を曳きて翔つ 室伏みどり 雨月 200204
分水嶺樹氷の華も裏表 田中嘉代子 ぐろっけ 200204
わが靴の下に過ぎ行く樹氷林 田中武彦 六花 200205
樹氷林抜け来て熱き湯に浴す 下平しづ子 雨月 200205
樹氷見に行かうと思ふ山の色 黒川悦子 円虹 200304
樹氷像にて囲まるる誓子句碑 伊藤政子 築港 200304
樹氷照り青みて誰も彼も遠し 佐々木幸 200305
死地に赴くごと身構ふや樹氷林 堀田清江 雨月 200306
樹氷林に身をひそめ息ころしゐる 堀田清江 雨月 200306
軋み合ふ樹氷林身の毛立つかな 堀田清江 雨月 200306
凍刻々なすすべあらぬ樹氷林 堀田清江 雨月 200306
喜寿われや樏付けて樹氷祭 岸のふ 馬醉木 200404
しがみつく樹氷日が削ぎ風が削ぎ 吉武千束 200404
山風の荒びて樹氷鳴らしけり 指尾直子 雨月 200503
風立ちて光彩散らす樹氷かな 田村時与 200504
もののふの想ひの集ふ樹氷林 横松しげる 遠嶺 200505
樹氷林のかこむ湖燦爛たり 滝村みさ子 200505
樹氷晴吐く息の影あきらかに 三関浩舟 栴檀 200506
かたくなな樹氷に壊る陽のかけら 宇都宮滴水 京鹿子 200603
ゴンドラの行くに樹氷に声をあぐ 密門令子 雨月 200605
猫の爪きぞは樹氷の梢なりし 瀧春一 常念 200606
ゴンドラの影の伸縮樹氷林 寒河江桑弓 200606
日輪の光弾けて樹氷林 佐藤哲 万象 200703
樹氷みな蔵王の神の逆睫毛 泉田秋硯 200704
さんらんと曉の樹氷やスキー行 瀧春一 200706
オンバサラ虚空蔵菩薩樹氷林 小澤克己 遠嶺 200802
樹氷林朝湖を後背に 豊田都峰 京鹿子 200803
石鎚の樹氷いかにと誕生日 品川鈴子 ぐろっけ 200803
人去れば囁く如し樹氷群 高野美子 200804
樹氷どれも忍の一字を抱く如し 高野美子 200804
モンスターと呼ばるる樹氷静かに立つ 高野美子 200804
うさぎ座の片耳探す霧の花 常盤優 炎環 200902
大吹雪やみて黙せる樹氷林 新関一杜 京鹿子 200902
大小の樹氷の針が天を刺す 新関一杜 京鹿子 200903
樹氷帯行くや車窓に目を押しつけ 橘正義 春燈 200905
樹氷林蔵王に遊ぶモンスター 川合八重子 酸漿 200905
キラキラと樹氷で成長モンスター 高野綸 201003
一瞬に髪の白さや樹氷林 藤原照子 201004
椴松を守るとも襲ふとも樹氷 藤原照子 201004
佇めば月下樹氷となる恐れ 藤原照子 201004
指先の触れし脆さよ樹氷の尾 藤原照子 201004
樹氷林月上ぐ喜寿の夢かとも 藤原照子 201004
シュプールのしるき交線樹氷林 秋葉雅治 201004
満開の樹氷一望目が眩む 植田雅代 ぐろっけ 201006
金泉の足湯しながら樹氷みる 植田雅代 ぐろっけ 201006
純粋と謂ふは痛かり樹氷林 水野恒彦 201104
立ち上る北斗七星樹氷林 藤原照子 201203
谷かけて樹氷咲きつぐ無音界 村上絢子 馬醉木 201204
一晩の樹氷の神秘息を呑む 東秋茄子 京鹿子 201205
山上や一枝もれなく樹氷咲き 高木典子 雨月 201305
ひざ丈の靴埋もれぬ樹氷林 有賀鈴乃 末黒野 201306
樹氷越え小芥子を削る音の里 津田富司 201404
樹氷林人の想ひは列なせり 鈴木初音 201404
モンスター眷族集ふ樹氷林 鈴木撫足 春燈 201404
青空をどんと据ゑたる樹氷林 江澤弘子 201404
日の射して樹氷花びら散る如く 吉田久子 万象 201405
樹氷林人間小さくなりにけり 宮内とし子 201503
樹氷林 八寒 はちかん 地獄かもしれぬ 高橋将夫 201504
樹氷林木霊閉じ込められてをり 高橋将夫 201504
がうがうと樹氷の育つ夜の風 山口ひろよ 201505
蝦夷松の樹氷を散らす風の音 榎美幸 万象 201605
樹氷林夜明けの天を支へをり 密門令子 雨月 201605
白き白きムンクの叫び樹氷林 内山花葉 201702
森吉山ゴジラの如き樹氷林 小松敏郎 万象 201704
朝日子や蔵王樹氷のモンスター 沼澤石次 馬醉木 201704
空は青止む間の樹氷のトンネル 長崎桂子 あを 201704
幽くも金銀の散る樹氷林 松原智津子 万象 201705
金剛山の樹氷煌く紺の空 蒲田豊彦 雨月 201803
樹氷見し夢の世界にさ迷へる 志方章子 六花 201803
物言はぬ兵士のごとく樹氷林 藤田美耶子 201805
樹氷縫ふシュプール光る起伏かな 江草礼 春燈 201805
樹氷林すれちがいざま故人なる 宮嵜亀 船団 201809
晴天を占むる蔵王の樹氷かな 及川照子 末黒野 202005
月といふ指揮者を待てる樹氷林 平居澪子 六花 202104

 

2022年1月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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