沈 丁 4     89句

沈丁や気おくれしつつ案内乞ふ   星野立子

沈丁  丁字 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
境内の沈丁真白のみの市 原田しずえ 万象 201606
沈丁の星ちりばめし夜の毎ふ 高橋ひろ 万象 201606
沈丁の白は緑といふ閑か 田中道江 万象 201606
沈丁の香の馥郁と父祖の墓所 岡淑子 雨月 201606
沈丁の白きかをりに佇めり 槐島修 万象 201607
沈丁花日の暮れてより香のつよし 太田チヱ子 末黒野 201607
母の眼のふところ深き沈丁花 元橋孝之 京鹿子 201607
救急車止りし家の沈丁花 白水良子 201607
息子とは親子の関係沈丁花 あざみ 船団 201702
沈丁の蕾不足のない暮し 伊藤希眸 京鹿子 201704
他人の垣覗く沈丁花はまだか 山田六甲 六花 201704
千手観音沈丁の香に在します 今井妙子 雨月 201705
ドア押して暗きの中よ沈丁花 井上石動 あを 201704
吸ふ息のふかく沈丁の香の深く 服部早苗 201705
風暮れて香り移れり沈丁花 今井弘雄 春燈 201705
沈丁の呟くやうにふふみそむ 府川昭子 春燈 201705
坂の街に半世紀住み沈丁花 大橋晄 雨月 201706
沈丁のはちきれさうな蕾かな 山田夏子 雨月 201706
沈丁花の香り漂ひ大灯籠 塩見治郎 雨月 201706
沈丁の蕾不足のない暮し 伊藤希眸 京鹿子 201706
玄関の灯をつけて出る沈丁花 高野春子 京鹿子 201706
沈丁花蕾なれども香りたち 吉田きみえ 末黒野 201706
沈丁の香にのぼりゆく離宮道 笹村政子 六花 201706
沈丁花襲脱ぎつつ匂ひけり 住田千代子 六花 201706
沈丁や窓打つ雨の横なぐり 吉田きみえ 末黒野 201708
いかがはしきは罰せず闇の沈丁花 山田六甲 六花 201804
夕刊や沈丁の香の深まりて 森一枝 末黒野 201804
沈丁の花の所在は問はずとも 稲畑汀子 ホトトギス 201804
沈丁花莟いっぱい日曜日 秋川泉 あを 201804
沈丁のにほへる先に阿弥陀堂 秋山信行 やぶれ傘 201805
沈丁の鞠花はじき地震去りぬ 伊藤希眸 京鹿子 201806
沈丁の庭先猫が猫を追ふ 佐津のぼる 六花 201806
沈丁のほぐれ五感の鋭くなりぬ 柿沼盟子 風土 201806
沈丁花昨日を白紙にしてしまふ 山中志津子 京鹿子 201808
沈丁花いつも苦手なかくれんぼ 杉井真由美 京鹿子 201808
距離感の詰め方惑ふ沈丁花 杉井真由美 京鹿子 201808
沈丁花の香りほのかやわが書斎 渡辺節子 201902
歩を伸ばす沈丁の香にいざなはれ 福永みち子 馬醉木 201905
踏切の音を遠くに沈丁花 中澤弘 春燈 201905
沈丁の花芽は確かと稿いまだ 伊藤希眸 京鹿子 201905
夜更けには雨となりさう沈丁花 森川淑子 201905
沈丁の花を挟んで立話 河合公八郎 201905
沈丁の花のうら側色異に 佐藤喜孝 あを 201905
沈丁の香り漂ふ墓の道 長崎桂子 あを 201905
沈丁の香に影伸ばす夕散歩 松本鷹根 京鹿子 201906
遺影にもある日月や沈丁花 片山煕子 京鹿子 201906
沈丁やもひとつ裏の径をゆき 柿沼盟子 風土 201906
タクシーのようにふわりと沈丁花 林田麻裕 201906
裏路地も通り名ありて沈丁花 安食哲朗 201910
沈丁が咲きさうヘリが低く飛ぶ 安藤久英子 やぶれ傘 202005
沈丁のつぼみ零れる草のうへ 松村光典 やぶれ傘 202005
沈丁花ちひさき庭に香を満たし 松村光典 やぶれ傘 202005
沈丁の香りの中でバスを待つ 柳田秀子 202005
沈丁の香り濡れゐる夜の帳 齊藤いさを 馬醉木 202005
木戸押して沈丁の香に包まれぬ コ田千鶴子 馬醉木 202005
沈丁の香の中にゐて木を知らず 矢野美沙子 202006
沈丁や基地に北門東門 小田嶋野笛 末黒野 202006
沈丁の匂ひに深く息を吸ふ 濱野新 やぶれ傘 202006
沈丁の匂ひそめしは今朝のこと 今井千鶴子 ホトトギス 202007
横浜へ外出自粛や沈丁花 田中臥石 末黒野 202007
朝風に沈丁の香を拾ひけり 吉田順子 202007
恋にはあらぬ胸の痛みや沈丁花 東木洋子 春燈 202007
沈丁花蕾をひとつひらきけり 松村光典 やぶれ傘 202007
ぬばたまの夜道に薫る沈丁花 広瀬済 やぶれ傘 202007
葉にこもる沈丁の香や小糠雨 池乗恵美子 末黒野 202008
沈丁の誘ひにのつてしまひけり 大西乃子 202010
夜目白き沈丁の香に包まるる 松村光典 やぶれ傘 202105
沈丁や仏の父母と香を交はす 府川昭子 春燈 202105
見当たらずとも沈丁に紛れ無し 和田絢子 春燈 202105
沈丁の香に立ち止まり回想す 松本鷹根 京鹿子 202105
医院まで道のり近し沈丁花 田中藤穂 あを 202105
沈丁花徐々に深みの香が満ちて 中川のぼる 202105
かはたれ星早出に匂ふ沈丁花 武田未有 202105
只中にゐて沈丁を誰も言はず 森岡正作 202106
沈丁花香にもこだはる事ありて 森一枝 末黒野 202107
沈丁花香りのしるき露地の暮 太田チヱ子 末黒野 202107
逢魔が時沈丁の香のいや増しぬ 塙誠一郎 202107
夫にメモ夫よりのメモ沈丁花 三井所美智子 202108
沈丁の香りや服に持ち帰り 津野桂子 末黒野 202108
雨に香を薄めて路地の沈丁花 岡美智子 末黒野 202204
沈丁は肉屋のにほひ過ぎてすぐ 大崎紀夫 やぶれ傘 202205
歯医者より出れば沈丁かをりゐて 丑久保勲 やぶれ傘 202205
奉仕てふ人ら集ひぬ沈丁花 岡田史女 末黒野 202205
沈丁花開く朝の晴れわたり 柿沼盟子 風土 202205
沈丁の匂ふ夜陰の小糠雨 原口久恵 春燈 202206
草庵の蔀の木目沈丁花 岡野里子 やぶれ傘 202207
一木のされど沈丁夜を統ぶ 頓所友枝 202207
沈丁の香コスモマスクを物とせず 伊藤芙沙江 202209
沈丁花もう会ふことはなけれども 仲里奈央 202211
沈丁→ 1

 

2023年3月25日 作成

 

2023年3月25日 作成

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