凍滝・冬の滝 3     100句

冬瀧のきけば相つぐこだまかな   飯田蛇笏   心象

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬瀧の身を貫いて無心なり 小澤克己 遠嶺 201003
凍滝や人は神へと祀られし あさなが捷 201003
冬滝や巡る三十六童子 阿部悦子 酸漿 201003
しろがねの身を捩ぢらせて滝凍る 阪本哲弘 201004
全長を神に捧げて瀧凍る 柴田佐知子 201004
凍瀧に祝詞の声の上りゆく 柴田佐知子 201004
凍滝に収まりきれずしぶきけり 久染康子 201004
凍滝のかすかに楽のありにけり 河野美奇 ホトトギス 201005
凍つる滝岩に貼りつき造形花 桂敦子 201005
凍瀧の心音を聴く真澄空 川口襄 遠嶺 201005
裾まはり凍れる滝を仰ぎけり 永田二三子 酸漿 201005
凍滝のなき水音を聴いてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201006
凍滝に群青の空あるばかり 久保東海司 201006
凍滝の一枚岩や神宿る 佐久間由子 201010
舞ひ上るしぶき頰打つ冬の滝 阿部文子 酸奬 201101
冬滝のあるてふ方へ径変ふる 小林正史 201102
滝こだま響きて古刹冬に入る 岡淑子 雨月 201102
冬滝の鼓の音をうしなへる 杉浦典子 火星 201102
子や孫と連立ちて来し冬の滝 阿部文子 酸漿 201102
一瞬に落葉吸込む冬の滝 阿部文子 酸漿 201102
塩原の少し寂しげ冬の滝 須賀敏子 あを 201102
しなやかに冬日束ねて那智の滝 泉一九 やぶれ傘 201102
滝凍つるも水の流れを記憶せる 塩路五郎 201103
双峰の鎹として滝凍つる 久染康子 201103
凍滝のうちに秘めたる青の季 千田敬 201103
凍滝を見上げてゐたる喉仏 栗栖恵通子 201103
滝凍てて奥社に捧ぐ幣となり 松岡和子 201104
凍滝や流れねば時うしなひぬ 近藤喜子 201104
夫婦滝ひとつに凍てて光りをる 久保東海司 201104
滝凍てて天上天下押黙る 泉田秋硯 201104
大滝は羽摶くさまに凍てにけり 安達実生子 201104
断崖の凍滝海にとどかざる 玉田瑞穂 万象 201104
幽谷の幣の新し冬の滝 伊藤平八 末黒野 201104
凍瀧やこの凍てきれぬ声しぼり 千田敬 201104
凍滝や内に蒼き炎抱きしまま 七田文子 201104
凍滝へ一番前へ出て仰ぐ 山田暢子 風土 201105
凍滝のゆるみて岩に沿ひにけり 高倉和子 201105
凍滝に難所いとはず会ひに行く 大地真理 201105
凍滝の一本盛り上がるところ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
散骨や身を切るやうな冬の滝 山田六甲 六花 201201
冬の滝痛き音なりひびくなり 篠田純子 あを 201112
冬の滝わが生涯に淀みなき 碇天牛 雨月 201202
湧水の音にかぶさる冬の滝 川上久美 ろんど 201202
木の間より見る凍滝の一本気 久染康子 201203
冬瀧に身を浄めたる荒法師 安藤虎酔 かさね 201203
凍滝のすべてを護り磨崖仏 高瀬博子 六花 201203
万万の水凍滝となりにけり 岩下芳子 201204
凍滝や老には老の血の流れ 中島芳郎 201204
凍滝に佇ち胸襟を正しけり 河口仁志 201204
凍滝の凍てぬ飛沫の当身受く 田中貞雄 ろんど 201204
凍滝を背に足ぶみのアナウンサー 古井公代 ぐろっけ 201204
凍瀧は天空ささへゐて寡黙 伊藤希眸 京鹿子 201205
白き羽得て凍滝の解けにけり 山口ひろよ 201205
凍滝の裏ころころと水の音 大場ましら 201205
青年に自愛うながす冬の瀧 川端俊雄 火星 201205
庭そぞろ行けば水音冬の滝 稲畑汀子 ホトトギス 201212
凍滝とならずひたすら風に耐へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
龍神となりつつ瀧の凍りけり 柴田佐知子 201207
蝋涙や途方に暮るる凍る瀧 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
凍滝の割れて落ちくる目の当たり 山田六甲 六花 201302
太陽のうろこほろほろ冬の滝 甲州千草 201302
豊饒の匂ひありけり冬の滝 松木ひろ ろんど 201302
冬ざるる駒止の滝あらはなり 須賀敏子 あを 201302
巡礼のごとしや人ら冬滝へ 大橋晄 雨月 201302
大滝の冬も水勢衰へず 西村しげ子 雨月 201303
凍滝や光ひとすじあびて立つ 長久保郁子 かさね 201303
凍滝の中の吹雪いてゐたりけり 広渡敬雄 201303
凍滝の中途半端な止まりやう 五十嵐章子 201303
凍てつつもなほ力ある滝の音 成田美代 201303
滝凍ててまはりの岩の潤はず 山田六甲 六花 201303
今だけを考へ滝の凍ててゆく 関根揺華 201305
凍て滝を拝みて凍てし水を飲む 三浦澄江 ぐろっけ 201305
山の鳴くかに凍滝のゆるびゐる 竹田ひろ子 ろんど 201305
凍瀧にやうやう鼓の連打かな 延広禎一 201305
音を秘め「流星」「銀河」の滝凍つる 森田節子 風土 201306
凍滝の左に写るものは何 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
凍滝に君との過去を閉ぢ込めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
凍滝の音なき音を聴きゐたり 佐久間由子 201401
吊橋に透くる滝音すでに冬 甲州千草 201401
吹割りの滝見に下りる冬紅葉 中江月鈴子 201401
凍瀧とならむとしつつ音のして 水野恒彦 201402
密やかに奏づる冬の琵琶の滝 仙頭宗峰 万象 201403
単調な音こそ力冬の滝 宮平静子 雨月 201403
冬滝の人の情を寄せつけず 竹内慶子 春燈 201403
凍て滝や人は孤独を道づれに 後藤マツエ 201403
凍滝と決めて遠目を凝らしをり 山田六甲 六花 201403
凍滝の一つの覚悟見て取れり 川南隆 ろんど 201403
男滝かな力を入れしままに凍て 七田文子 201403
耀いてゐる凍滝の力瘤 田所節子 201404
淋しさにのけぞることも冬の滝 福永尚子 末黒野 201404
細瀧のひとすぢ冬を貫けり 石川個子 馬醉木 201405
水といふ畏ろしきもの冬の滝 江島照美 201405
動画いま静止画となり凍つる滝 庵原敏典 末黒野 201405
凍て滝のもの音失せし襞光る 鴨下昭 201406
かたくなな冬滝父と思ひけり 堀内一郎 堀内一郎集 201412
凍てまへの滝のためらひ流れかな 秋葉雅治 201501
凍を待つ瀧直線を保ちけり 久染康子 201501
音といふ音を束ねて滝凍てる 小野 寿子 201501
夜は竊に瀧は月下に凍てにけり 井上石動 あを 201501
凍滝 →4      

 

2021年2月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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