凍滝・冬の滝 2     100句

ねむれねば頭中に数ふ冬の滝    赤尾兜子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
音畳み水を畳んで冬の滝 塩川雄三 築港 200502
限りなく水を集めて冬の滝 塩川滋也 築港 200502
溢れ出て一挙に落つる冬の滝 塩川滋也 築港 200502
凍瀧に一山の黙もらひけり 岩上とし子 200503
大日や凍滝の梯ありにける 栗栖恵通子 200503
冬の瀧尾を曳いて水落ちにけり 平野貴 対岸 200503
北面の岩肌奔る冬の瀧 山田富朗 遠嶺 200503
冬瀧に心癒しぬ大杉山 稲辺美津 遠嶺 200503
頂は星を映して瀧凍る 今瀬剛一 対岸 200503
息吸うて大きく吐いて瀧凍る 今瀬剛一 対岸 200503
凍滝の水櫛の巌きらめけり 鈴木伸一 200504
凍滝を見し残心の濃むらさき 西川織子 馬醉木 200504
水動きはじめ凍滝音たつる 指尾直子 雨月 200505
冬滝の微塵となりて落ちにけり 坊城俊樹 ホトトギス 200505
冬滝の真正面なる僧ひとり 坊城俊樹 ホトトギス 200505
ひとところ湯気立ちのぼる冬の瀧 伊藤以玖子 対岸 200505
冬滝の水音乾いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
凍滝の春への助走ふた三筋 楠原幹子 200601
燦々の冬日に凍る滝の前 阿部ひろし 酸漿 200601
落ちつぎつ広がり継ぎつ凍る滝 阿部ひろし 酸漿 200601
身ぶるひのだうにもやまず冬の滝 長崎桂子 あを 200602
山頂に遭難の像瀧氷る 大西八洲雄 万象 200602
凍瀧となりて裾まで汚れなし 柴田佐知子 200603
考へてゐる凍滝となる途中 藤井みち子 200603
天心へ凍滝の凍まつしぐら 坂ようこ 200603
凍滝の前に己も無言なり 池部久子 酸漿 200603
凍滝の息吹のごとき音かすか 飯田角子 酸漿 200603
凍滝の中に眠れる鋭気かな 高橋将夫 200603
ひと筋の垂水となりぬ冬の滝 足利徹 ぐろっけ 200603
冬滝の響きにしばし佇めり 梅田秀子 酸漿 200603
天よりの布さながらに滝凍る 飯田角子 酸漿 200603
借受人の白き標識瀧氷る 松崎鉄之介 200603
小生瀬こなませの涙の音の瀧氷る 松崎鉄之介 200603
湯の町の凍瀧厚み増す夜かな 小橋末吉 対岸 200604
凍滝と廃銀山と向かひ立つ 館容子 200604
凍滝や群青の空あるばかり 久保東海司 200604
凍滝や異界の透けて見えてをり 近藤喜子 200604
凍滝に神気漂ふ光あり 岩月優美子 200604
凍滝やわが骨密度どのくらゐ 服部早苗 200604
真つすぐな怒りのままに滝凍る あさなが捷 200604
凍滝の音封じたる白さかな 入野田千寿子 200605
凍滝の天辺朝日弾きをり 瀬崎憲子 百鳥 200605
勢ひのまま凍滝となつてをり 坂本緑 200611
冬滝の細りて勁し薄月夜 根岸善雄 馬醉木 200702
水晶になるまで吹かれ冬の滝 甲州千草 200702
風垣の破れに冬の滝谺 浜口高子 火星 200702
なにもかもきつぱり瀧の凍りけり 小澤克己 遠嶺 200702
一切を省く勢ひや冬の滝 加瀬美代子 200702
分校の唱歌きこえて冬の滝 三宅句生 馬醉木 200703
凍滝や沈思黙考解かざりし 割田容子 春燈 200703
がうがうと凍つる間のなき直下滝 北川英子 200703
凍滝の大岩棚を孕みをり 久染康子 200703
滝といふ急ぐ容の凍てゐたる 林昭太郎 200703
冬滝の底ひに力抜きにけり 高橋澄子 200703
凍滝に神慮の日矢のとどまれり 水井千鶴子 風土 200704
凍て初むる瀧は祈りの形して 高畑信子 遠嶺 200704
凍滝の念ひ秘めたる鋼色 佐々木新 春燈 200704
凍滝を水の眠りと思ひけり 向山雅子 200705
水音の響いてゐたる冬の滝 矢崎暉文 酸漿 200712
音たてて白糸つなぐ冬の滝 矢崎暉文 酸漿 200712
冬瀧の茶店に並べ川の海苔 椿和枝 200802
冬七瀧足元ばかり見て終る 椿和枝 200802
白糸の滝の冬訪ふ人等かな 松尾緑富 ホトトギス 200803
冬の滝カメラに納め長居せず 松尾緑富 ホトトギス 200803
登り来し冬の滝茶屋閉ざされて 松尾緑富 ホトトギス 200803
冬の滝こころの中に水流る 工藤はるみ 風土 200803
冬瀧の心地よき音の宿りかな 小澤克己 遠嶺 200803
仰ぐとは偲ぶことなり冬の瀧 林友次郎 遠嶺 200803
ゆるやかに落つる滝あり冬日和 大内恵 酸漿 200803
空あまり青くて滝の凍てられず 内山花葉 200803
冬滝の一途といふはいさぎよく 内山花葉 200803
凍滝の襞奥透きて時が透く 宮島宏子 200803
凍滝の無音界には長居せず 泉田秋硯 200804
滝凍ててせつぱつまりし空のいろ 高橋邦夫 風土 200804
月光を深々と入れ滝凍る 水野恒彦 200804
凍滝の中にうごめく音あらむ 竹下昌子 200804
水音を閉ぢ込めてをり冬の滝 渡辺玄子 酸漿 200804
凍滝の森の匂ひの奥にあり 中根美保 風土 200805
恋塚のほとりの冬の小瀧かな 小山徳夫 遠嶺 200805
純白の乱反射滝凍つるかな 密門令子 雨月 200805
滝凍つに有無の言へざる渓の冱て 密門令子 雨月 200805
黙秘せる大凍滝に怖ぢ気づく 泉田秋硯 二重唱 200806
祈りつつ羽黒山はぐろの塔や冬の瀧 林友次郎 天帝 200806
冬滝に行き止まりたる修験道 阿久津勝利 万象 200808
凍てにけり神に在します滝にして 村上悦子 雨月 200901
冬滝の音なく崖になじみをり 堤京子 馬醉木 200902
冬の滝人に離れて見てをりぬ 西村操 雨月 200902
鳩一羽冬の小滝に遊びをり 田野倉和世 酸漿 200902
冬帽を脱ぎ大滝に身を正す 岡淑子 雨月 200903
神技と思ふ凍滝時止まる 新実貞子 200904
凍瀧の不動明王に燭ふやす 山岸治子 馬醉木 200904
凍滝の異様に言葉忘じけり 泉田秋硯 200904
人の名を思ひ出ださず滝凍る 小林和子 風土 200904
凍ててより滝の本懐ありにけり 山高真木子 炎環 200904
凍滝の日やおろおろと山の音 梶浦玲良子 六花 200904
凍滝の内に絶えざる音蔵す 森可穂 200905
宣誓をせよと凍瀧迫りくる 小山徳夫 遠嶺 200905
風音に紛れ不動の冬の滝 竹内久子 春燈 200905
凍滝を片手拝みに杣いそぐ 山岸治子 馬醉木 201002
冬の滝絶ゆることなく渦生まる 石脇みはる 201002
冬滝に一筋の芯ありにけり 冨松寛子 201003
凍滝→ 3      

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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