犬ふぐり 2   167句

馬とびの馬のつぶれて犬ふぐり   小沢昭一

作品
作者
掲載誌
掲載年月
橋と呼ぶ飛び石まろし犬ふぐり 谷野由紀子 雲の峰 200405
子等跳んで渡れる川や犬ふぐり 保田英太郎 風土 200405
犬ふぐりおよそ似合はぬ名をもらひ 楠木君子 築港 200405
日溜まりに瑠璃を散らして犬ふぐり 加藤弘一 築港 200405
犬ふぐり野の宝石よふまずゆく 加納花子 築港 200405
歩に合はす軽きハミング犬ふぐり 宮脇ちづる 200406
群れ咲くも一花も愛し犬ふぐり 西村しげ子 雨月 200406
犬ふぐり腰おろす辺の左右にかな 小山尚子 雨月 200406
畑隅に錆びしポンプ井犬ふぐり 大野公子 栴檀 200406
おほかたは雨滴に籠る犬ふぐり 柴田佐知子 200406
母校への近道閉ざさる犬ふぐり 内山芳子 ぐろっけ 200406
抜きんでることは好まず犬ふぐり 舩越美喜 京鹿子 200407
犬ふぐり汚れそな名も知らぬ瑠璃 山元志津香 八千草 200408
花立ての水を放りし犬ふぐり 堀義志郎 火星 200408
いち面の犬ふぐりにて悲しめり 高橋芳子 火星 200408
犬ふぐり咲くを疑ふ冬至前 橋本梢明 200503
首すじに風のまつはる犬ふぐり 伊藤白潮 200503
犬ふぐり親しみやすくして踏まず 塩川雄三 築港 200504
さりげなく風を逃がして犬ふぐり 里見輝子 築港 200504
ほつほつと犬ふぐり咲く翁道 和泉喜代子 雲の峰 200504
一粒の雨にうなづく犬ふぐり 遠野萌 200504
犬ふぐり起伏大きく屋敷跡 今瀬剛一 対岸 200505
野の涯か野のはじまりか犬ふぐり 岩上とし子 200505
犬ふぐりと差し出しくれしほと落ちし 大橋敦子 雨月 200505
故郷の畦の綺羅星犬ふぐり 関まさを 酸漿 200505
色溜めて朝日を待てる犬ふぐり 河野政恵 酸漿 200505
犬ふぐり城址といふは石ばかり 清原彰子 河鹿 200506
犬ふぐり地下水脈に韻きあり 浜田はるみ 遠嶺 200506
南中や日へ伸びたがる犬ふぐり 五十嵐暢子 対岸 200506
身の丈の荷を運ぶ蟻犬ふぐり 中島瑶子 対岸 200506
気を付けて見れば路傍に犬ふぐり 徳村二郎 築港 200506
法王の歩みし跡に犬ふぐり 徳村二郎 築港 200506
犬ふぐり更地のままの一等地 関口みよ子 帆船 200506
犬ふぐり踏まじと佇つは人を待つ 柏木去孔 200506
野風呂先生お好きな犬ふぐりが一面に 丹生をだまき 京鹿子 200507
犬ふぐり咲き広がりし畦の道 兼子栄子 酸漿 200507
峡谷の深空に澄みて犬ふぐり 長沼三津夫 200507
犬ふぐりうつむく人の目に優し 福山至遊 200508
スニーカー踏むをためらふ犬ふぐり 森山のりこ あを 200604
蒼穹の雫こぼれて犬ふぐり 半谷弘子 遠嶺 200605
この犬と逢瀬の小径犬ふぐり 北川孝子 京鹿子 200605
犬ふぐりこの青空は余呉のもの 高橋照葉 ぐろっけ 200605
犬ふぐり川の名変る県境 大西八洲雄 万象 200605
青天の瑠璃彈けたる犬ふぐり 辻恵美子 栴檀 200605
幼子が先に見付けし犬ふぐり 田中喜久子 酸漿 200605
休耕の田毎に咲けり犬ふぐり 青木陽子 酸漿 200605
上向いてみな笑ひをり犬ふぐり 斉藤裕子 あを 200605
喧嘩してやたらまぶしき犬ふぐり 吉田叔子 対岸 200605
犬ふぐり踏む大型のスニーカー 塩路隆子 200607
一帯は激震の跡犬ふぐり 安原葉 ホトトギス 200607
とどく日に風のささやく犬ふぐり 安原葉 ホトトギス 200607
指させば指にかくれて犬ふぐり 高橋千枝 200607
犬ふぐり地球のあくび聞いてをり 堀本祐子 遠嶺 200607
さきがけて大地のたより犬ふぐり 松村多美 四葩 200607
いぢらしと思ふも愛や犬ふぐり 嶋田摩耶子 ホトトギス 200609
あつまりて勁くなりたき犬ふぐり 竹内弘子 あを 200609
犬ふぐり湖の視界は空になる 松本鷹根 京鹿子 200701
この道は必ず通る犬ふぐり 稲畑汀子 ホトトギス 200702
畦あれば道を通らず犬ふぐり 鷹羽狩行 200703
犬ふぐりちりばめ産土の団地 品川鈴子 ぐろっけ 200703
窯場町道の辺飾る犬ふぐり 松崎鉄之介 200704
傍に猫も来てをり犬ふぐり 大塚民枝 酸漿 200704
耕人の声の明るし犬ふぐり 吉野さと 酸漿 200704
立止るあたり一面犬ふぐり 山本康郎 酸漿 200704
犬ふぐり寺に維新の弾丸の痕 藤井昌治 200704
犬ふぐり空その色に揺れやまず 犬塚芳子 200705
遊ぶ子の日に日に増えて犬ふぐり 田中春生 200705
園児らの小栗鼠の動き犬ふぐり 根岸美智子 200705
ひつそりと生きて悠悠犬ふぐり 北川孝子 京鹿子 200705
星からのメールのやうに犬ふぐり 橋本良子 遠嶺 200705
犬ふぐり地球の青を貰ひけり 隅田恵子 雨月 200706
足元にまつはり咲きて犬ふぐり 隅田恵子 雨月 200706
犬ふぐり踏みて茂陵へ駆け上る 松崎鉄之介 200707
こめかみがそろそろ犬のふぐりかな 小形さとる 200708
黒潮の耀りはるかに犬ふぐり 大泉伸 遠嶺 200708
いつせいに風にふるへぬ犬ふぐり 島谷征良 風土 200803
青空のしづくと思ふ犬ふぐり 布川直幸 200804
散歩道変へて目に入る犬ふぐり 仁平則子 200804
新築の立札のあり犬ふぐり 仁平則子 200804
大工踏み水道屋踏み犬ふぐり 仁平則子 200804
小屋を出る牛の百態犬ふぐり 仁平則子 200804
温泉の街の湯気に目覚めし犬ふぐり 仁平則子 200804
犬ふぐり水音を分け古戦場 米山喜久子 200804
犬ふぐり太き柱の長屋門 米山喜久子 200804
犬ふぐり幼の言葉またふえて 和田政子 200804
坂道に遅れひとりの犬ふぐり 鈴木セツ 200804
犬ふぐり日だまり荒すもぐら塚 中田たかし 酸漿 200804
畦の肩くづれてゐたる犬ふぐり 根橋宏次 やぶれ傘 200804
散らばって宇宙のひかり犬ふぐり 坪内稔典 稔典句集U 200804
マンションは曾て雲雀野犬ふぐり 北尾章郎 200805
土嚢より零れし土に犬ふぐり 代田青鳥 風土 200805
待ちあぐむ一茶のみちくさ犬ふぐり 高嶋文清 春燈 200805
荒れ果てし土管置場や犬ふぐり 木内美保子 六花 200805
満天の星思ひをり犬ふぐり 長澤健子 酸漿 200805
昨日とは逆を歩いて犬ふぐり 青山丈 200805
遠近の目の運動や犬ふぐり 笠井敦子 200806
見過ごされ踏まれいとしや犬ふぐり 大橋晄 雨月 200806
駅家址は犬ふぐりともりゐる畑 豊田都峰 京鹿子 200806
群がりて日を仰ぎをり犬ふぐり 荻原麗子 酸漿 200806
廃校の石垣高き犬ふぐり 小平恒子 酸漿 200806
犬ふぐり影を彩る駅家うまやあと 荻野千枝 京鹿子 200807
犬ふぐりかたまり咲ける径が好き 浅井青陽子 ホトトギス 200808
休み田の畦も休めり犬ふぐり 鷹羽狩行 200903
花のなき庭のここらや犬ふぐり 阿部ひろし 酸漿 200903
犬ふぐり思はぬ方へ嬰の歩み 小澤菜美 200904
茅葺の里の水つつ犬ふぐり 伊藤憲子 200905
海原の色をちりばめ犬ふぐり 吉沢陽子 200905
夫まさばまさばと踏みぬ犬ふぐり 木村ふく 馬酔木 200905
犬ふぐりもぐらの土をかぶりたる 大坪景章 万象 200905
犬ふぐりキラキラ咲いて山の墓 芝宮須磨子 あを 200905
さびしさの集って犬ふぐりかな 定梶じょう あを 200905
かたむける道祖神支へ犬ふぐり 吉村さよ子 春燈 200905
犬ふぐり色なき庭とおもひしに 高木千鶴子 酸漿 200905
横付けに舟の着きくる犬ふぐり 根橋宏次 やぶれ傘 200905
犬ふぐり脇往還の無縁塚 鈴木鳳来 春燈 200905
町角に庚申の塚犬ふぐり 大西八洲雄 万象 200906
犬ふぐり胸から先に歩く鳩 松下千恵子 春燈 200906
土手青むばかりに可憐犬ふぐり 駒井のぶ 200907
癒さるる大地のことば犬ふぐり 山田弘子 ホトトギス 200908
犬ふぐり日本列島目覚めゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
抜け駆けも落伍もなくて犬ふぐり 大石誠 200605
団子坂古りし石垣犬ふぐり 芝尚子 あを 201004
犬ふぐり目許やさしき石仏 加藤克 201005
太陽が好きではこべら犬ふぐり 柳生千枝子 火星 201005
たひらかに畦くづれゐる犬ふぐり 根橋宏次 やぶれ傘 201005
犬ふぐり歩き疲れてしまひけり 矢口笑子 春燈 201005
蒼天を恋しこひしと犬ふぐり 戸田澄子 末黒野 201005
踏まず越ゆ色サファイアの犬ふぐり 網野茂子 酸漿 201005
警察の敷地真っ新犬ふぐり 中川すみ子 璦医 201006
散りぢりに雀の発ちぬ犬ふぐり 小川玉泉 末黒野 201006
犬ふぐり海近く咲き海の色 清海信子 末黒野 201006
犬ふぐり星のごとくに庭うづめ 佐藤健伍 201006
犬ふぐりそのひとひらのうすきいろ 荒木甫 201006
犬ふぐり六千人の屍塚 大坪景章 万象 201006
畦道の親しくなりぬ犬ふぐり 内田郁代 万象 201006
犬ふぐり天使の梯子降りてくる 栗栖恵通子 201006
犬ふぐり空の色ある荒磯道 倭文ヒサ子 酸漿 201006
犬ふぐり蒼穹のいろ賜りぬ 古川忠利 ろんど 201006
小便無用の小さき鳥居犬ふぐり 北村香朗 京鹿子 201007
ごみ捨つるべからずここに犬ふぐり 大島英昭 やぶれ傘 201007
犬ふぐり古代のこだま蹠より 鈴木浩子 ぐろっけ 201007
山の抱く小さき日溜り犬ふぐり 間島あきら 風土 201011
悪筆を達筆とほめ犬ふぐり 布川直幸 201102
暮るるまで子ら遊ぶ声犬ふぐり 山本丈夫 201104
虚子の世の語部として犬ふぐり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
足もとに千の肩寄せ犬ふぐり 吉沢陽子 201104
犬ふぐりここにと見ればそちこちに 大橋晄 雨月 201104
独り居の庭の慰め犬ふぐり 杉本綾 201105
てのひらに拾ふ空色の犬ふぐり 荒木甫 201105
余震慣れせし犬ふぐり犇けり 上谷昌憲 201105
乾びたる土より淡き犬ふぐり 川越昭子 万象 201105
靴の紐結び直して犬ふぐり 久世孝雄 やぶれ傘 201106
道草はいつもの土手に犬ふぐり 松田明子 201106
うろうろと家族をさがす犬ふぐり 池田光子 201106
山裾に粗朶束ねあり犬ふぐり 吉村光子 万象 201106
枝道は畑の匂ひや犬ふぐり 倉橋千代子 末黒野 201106
かがまればまたたきかへす犬ふぐり 佐藤美紀 ろんど 201106
洗車了へ捨つる水あり犬ふぐり 田野倉和世 酸漿 201106
風にまだ重たさ残る犬ふぐり 根岸善行 風土 201106
水音は犬ふぐり咲くあたりより 織田高暢 201107
犬ふぐり巨人の靴に踏まれけり 福田志津 末黒野 201107
本流を外れし水音犬ふぐり 宮内とし子 201107
犬ふぐり細に流れの戻り来し 篠崎善久 やぶれ傘 201107
癌の疑ひ晴れて大犬ふぐりかな 柳澤宗正 万象 201108
空を飛びたいのは犬ふぐりの夢 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202
犬ふぐり人に好かれてゐたき色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202
日だまりに堕天のいろの犬ふぐり 竹貫示虹 京鹿子 201202
犬ふぐり →3      

2021年4月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。