ゐのしし 3      84句

炭竈に手負の猪の倒れけり   凡兆   猿蓑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
猪の掘りたる土のやはらかし 永尾春己 201502
梁太き窯場に猪を喰ひにけり 山田六甲 六花 201503
猪の住みつく山を相続す 田代貞枝 201503
目印の猪吊る山の定食屋 福島せいぎ 万象 201503
鉄鍋の煙もろとも猪食らふ 山下ひろみ 201504
猪の住みつく山を相続す 田代貞枝 201504
野猪親子水音ざぶざぶ空へぬけ 北上政枝 201505
血に染みて突貫つづく罠の猪 佐藤山人 201505
撃たれたるところに血糊猪にほふ 大崎紀夫 やぶれ傘 201511
猪の檻より放つ大音声 亀井紀子 201512
荒されて子猪と見ゆる足跡も 武政礼子 雨月 201512
大揺れの車や猪の荒らす道 栗原京子 201602
硝子戸のすつかり曇る猪料理 吉田葎 201603
猪出でし場所教へ合ふ散歩かな 栗原京子 201603
場所変ふる猪の箱罠トラックに 松山暁子 201604
遠く聞く猪罠の戸の落つる音 深川淑枝 201604
陵の背山は猪の無礼講 熊川暁子 201605
野猪と人距離の縮まる港町 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
猪に里山遠くなりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
血を噴いて罠突き捲くる猪の鼻 佐藤山人 201611
鋤きたるごと猪の荒らせし芝生かな 増田幸子 万象 201701
猪鍋や二人奉行の睨み合ひ 菊川俊朗 201702
猪噴きし穴に紅葉の吹き溜まる 南うみを 風土 201702
荒らされし話飛交ふ猪の村 佐藤山人 201702
順々に括られてゆく猪の足 亀井紀子 201702
猪罠を掛けて麓の鎮もれる 田中とし江 201703
猪鍋を食うて神楽の蛇となる 山本則男 201704
勢子の声縮まる猪の包囲網 苑実耶 201704
猪追ひの走る無線器わし掴み 岸洋子 201704
霜柱猪のぬたばの深閑と 佐藤和子 万象 201704
猪鍋や主のこぼす高齢化 甕秀麿 201705
火の匂ひせり猪撃ちの入りし山 深川淑枝 201706
青空の返す谺や猪撃たる 深川淑枝 201706
あぢさゐに猪噴きし泥うちかかり 南うみを 風土 201709
満月へぬた場の猪の泥しぶき 南うみを 風土 201712
猪鍋や山里夜を深うする 竹中一花 201801
猪に領地奪はる人間界 時澤藍 201801
猪殖えて殺生話神の島 和田昭海 京鹿子 201801
秩父夜祭猪肉さげて友来たる 山田春生 万象 201803
狩られたる猪の首へと電気鋸 秋千晴 201803
猟期果つ猪の頭骨壁に掛け 秋千晴 201803
猪の戸を打つ朝や天上寺 延川五十昭 六花 201805
猪食ふやキュッと鳴りたる腹の虫 竹内悦子 201903
猪肉を捌く大鉈研いでをり 高倉和子 201904
猪撃ちのポケット多き胴衣かな 坂口晴子 201904
軒下の檻に猪飼ふ峠茶屋 上野進 春燈 201904
猪鍋や真つ赤な炭の運ばるる 岸洋子 201907
山崩すほどに暴るる檻の猪 柴田佐知子 201912
猪罠をかけたる山の押し黙る 柴田佐知子 201912
猪狩か銃声響き犬の声 四方由紀子 風土 202002
猪が走るよ平和な村のど真ん中 千田百里 202002
猪撃つてきたる男のにほひゐる 大崎紀夫 やぶれ傘 202002
猪喰ひに来たと一升壜下げて 坂下成紘 202003
猪鍋や手斧削りの床柱 大沢美智子 202003
神鏡のうしろの山を猪荒らす 柴田佐知子 202003
猪肉をどすんと置いて帰りけり 広渡敬雄 202005
猪狩にはや犬吠える吉野道 沼田巴字 京鹿子 202010
隠国の神の意ならむ荒ぶ猪 沼田巴字 京鹿子 202010
野猪いのししや冊を繕ふ老夫婦 前田美恵子 202011
括られて猪の怒りの収まらず 柴田佐知子 202101
猪罠を積んだ軽トラ着きにけり 天野美登里 やぶれ傘 202101
宗長の山水凸凹猪の跡 間島あきら 風土 202102
正気かと思ふ声あげ猪走る 秋津令 202102
弱気の虫ヒョイとつまんで猪の鍋 久保夢女 202103
猪鍋に文豪談義里の宿 和田華凛 ホトトギス 202104
猪鍋や酒は小鼓丹波住み 和田華凛 ホトトギス 202104
猪の対処法載せ回覧板 あさなが捷 202104
針のごとき猪の毛残るぬた場かな 深川淑枝 202105
猪捌きし牛刀川に沈めけり 深川淑枝 202105
なにもかも突破して猪納屋荒らす 石橋幾代 202105
振舞ひの猪汁と酒なほ辞さず 小倉征子 202105
猪狩や瀬音に混じる銃の音 横田敬子 202107
しうしうと霧巻く猪の割き場かな 井原美鳥 202111
猪鍋に山風尖り来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
猪鍋や虚子の名付けし酒を先づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
収穫の寸前の田を猪荒らす 苑実耶 202112
猪鍋の味噌に隠れし具沢山 山崎貴子 ホトトギス 202204
山里に猪鍋の湯気囲みけり 山崎貴子 ホトトギス 202204
猪鍋屋硝子の曇る古時計 藤井啓子 ホトトギス 202204
猪の直進山を脅しけり 高倉和子 202206
猪鍋や修験なごりの柚子胡椒 角野良生 202208
猪鍋や西京味噌を要とす 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
俎板の長さ一尺猪捌く 坂口学 202212
駆け出せばいよいよ締まる猪の罠 吉田葎 202302
猪括る猪より荒き息を吐き 吉田葎 202302
猪の括られてなほ山を掻く 吉田葎 202302
竹林や猪の抉りし土匂ふ 奥田筆子 京鹿子 202306
磔像の裏に猪罠雨しとど 新井千佐代 202307
天寿まで生きよと山へ猪放つ 苑実耶 202308
猪→ 1

2023年10月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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