165句

猪の寝に行く方や明けの月     去来

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
会ひし猪と一瞬角力の仕切りめく 磯崎兼久
199811
 
会ひし猪転がるごとく逃げゆけり 磯崎兼久
199811
 
青空へ大きな猪を吊りにけり 大島雄作
199901
 
ジャックナイフ突きつけ猪走つてくる 奥田筆子 京鹿子
199901
 
暁闇を猪(しし)やおおかみが通る 金子兜太 海程
199902
 
ひそと百戸猪棲む山を背戸に負ひ 松村紅花 ホトトギス
199904
 
昔信長命猪猿を恐れ住む 松村紅花 ホトトギス
199904
 
寒くて醒めて猪の足音覚えている 金子兜太 海程
199910
 
猪出でし畑のほとりに嫁菜咲く 阿部ひろし 酸漿
199911
 
芋の露はや猪いでし畑と言ふ 阿部ひろし 酸漿
199911
 
山毛欅の幹からだ擦りて猪は親子 森下草城子 海程
199911
 
百キロの猪を仕留むに怪我人出る 渡辺美知子
199911
 
猪の返り血あびて父戻る 渡辺美知子
199911
 
猪罠を掛ける許可持つ父八十路 渡辺美知子
199911
 
裏山に猪飼ふ坊の太柱 波多洋子 銀化
200001
 
猪肉の牡丹をくづすためらひに 大橋敦子 雨月
200002
 
今朝も猪来しとぬた場の土あたらし 松崎鉄之介
200002
 
解禁日医院休診猪狩りに 永野秀峰 ぐろっけ
200002
 
猪撃の銃身みがく影大き 山本雅子 馬醉木
200004
 
剥製の猪ゐる宿の雪しぐれ 大橋敦子 雨月
200004
 
猪武者を悼みその夜の薬喰 菅谷弘子 雨月
200004
 
車停め猪の親子をやりすごす 岡田万壽美 俳句通信
200004
 
夜の山猪の真上の崖氷柱 金子兜太 海程
200005
 
猪に遠く火を焚く村の衆 金子兜太 海程
200005
 
牙長き猪の頭や狩の宿 吉村玲子 円虹
200006
 
街中が洋燈の森猪も来る 前川弘明 海程
200006
 
天の瑠璃ふかく猪割かれをり 阿部寒林
200010
 
猪出づる噂瑞穂の神郡 岩崎きゑ子 馬醉木
200011
 
猪の棲む山わが町の一部分 稲畑汀子 ホトトギス
200011
 
猪の注意山路となるところ 稲畑汀子 ホトトギス
200011
 
猪撃の耳を大きく老いゐたり 山尾玉藻 火星
200011
 
猪罠の鉄柵の銹なまぐさし 大橋敦子 雨月
200011
 
千枚田猪除けの網一箇所に 久保田由布 ぐろっけ
200011
 
老農の猪の足跡を指し嘆ず 内山芳子 雨月
200012
 
このごろの上座馴れせし猪の鍋 山尾玉藻 火星
200101
 
菜よ芋よ一畑ごとの猪がこひ 阿部ひろし 酸漿
200102
 
猪の皮裏返したる主かな 伊藤多恵子 火星
200102
 
農の血の目覚むる思ひ猪食うて 金森教子 雨月
200102
 
猪撃ちの土間に百貫竿秤 森脇恵香 俳句通信
200102
 
猪食うて温泉に四肢のばす思ひきり 竹内喜代子 雨月
200103
 
木綿四手や子連れ猪ねまりをる 延広禎一
200103
 
猪喰ひし息吐いてゐるまくれなゐ 深澤鱶 火星
200103
 
猪が寺頒の藪に出没す 永野秀峰 ぐろっけ
200103
 
猪肉の咲く大皿や余呉の宿 永井丈夫
200104
 
猪喰つて荒星に吐く息太し 宮川杵名男 春耕
200104
 
料理法指示して猪肉贈らるる 永野秀峰 ぐろっけ
200104
 
猪撃の脱ぎ捨てられし雨合羽 平田安生 風土
200105
 
猪の眼を青と思いし深眠り 金子兜太 海程
200105
 
大猪の耳を祀りて老猟夫 武政礼子 雨月
200106
 
猪食うて丑三つどきの灯を余す 村田冨美子 京鹿子
200107
 
猪食うて闇いづかたもおろかかな 岡井省二
200108
 
猪穴の一夜に増えし油照 長田秋男 酸漿
200109
 
瓜坊殖えて猪害灘神戸 浮田胤子 ぐろっけ
200110
 
猪の出没に馴れ芦屋川 稲畑汀子 ホトトギス
200111
 
芦屋にも猪下りて来る山路あり 稲畑汀子 ホトトギス
200111
 
猪の荒し畑秋耕の手間はぶく 山口秀子 酸漿
200111
 
雨後の人参畑に猪の道 高尾豊子 火星
200201
 
手負猪ダムに転がり落ちにけり 高見岳子 雨月
200201
 
猪罠のしつらへありし落葉嵩 鈴鹿野風呂 京鹿子
200202
 
猪の肉噛みしみじみと猟夫の忌 渡邊牢晴 雨月
200202
 
包み紙荒く猪肉届きけり 唐沢静男 春耕
200202
 
猪狩の時だけ会へる女かな 堀義志郎 火星
200203
 
腹巻に母の戒名猪を追ふ 服部菰舟 雨月
200203
 
猪撃ちの妻と謗られ頬被 服部菰舟 雨月
200203
 
猪の血の残りし雪を埋めけり 石鍋みさ代 春耕
200203
 
猪除は我が髪の毛や芋畑 長田秋男 酸漿
200204
 
勢子衆の猪臭くなり戻りくる 下平しづ子 雨月
200206
 
猪食うて鏡の向きを変へにけり 嵯峨根鈴子 火星
200207
 
園の猪雲の流れに山を恋ひ 鈴鹿仁 京鹿子
200211
 
罠の猪暴れワイヤーぶち切れり 渡辺美知子
200212
 
猪撃たる里山の風遠鳴りす 豊田都峰 京鹿子
200212
 
まだ息のある如猪の吊られゐる 堀一郎 雲の峰
200212
 
猪罠も庖瘡神も野に荒びぬ 山田弘子 円虹
200301
東吉野
臀より猪塩出づる天鈿女かな 栗栖恵通子
200301
 
猪の荒せる後の芋を掘る 河野友子 六花
200301
 
手負猪ゐる山中を怖れゆく 下平しづ子 雨月
200302
 
猪の畑を荒せり神の留守 井出やすはる 酸漿
200302
 
剥製の猪を拝んで鍋の席 安藤誠子 築港
200303
 
修羅の目となりて猪撃つ構へ 森脇恵香 雲の峰
200303
 
猪食うてビルマ戦線語る友 駒井でる太
200304
 
猛進の猪のごと地吹雪す 八條凛子 銀化
200304
 
猪を追ふ勢子の一人に加りぬ 須佐薫子 帆船
200310
 
猪現るとぶつきらぼうに言うて過ぐ 戸栗末廣 火星
200312
 
堂々と猪が横切る遊歩道 中谷喜美子 六花
200312
 
猪歳の女に与ふ猪の肉 苑実耶
200312
 
猪除けの煙の中に遍路みち 青山悠
200312
 
猪食うて雪がふりこむ紙屋川 岡井省二 岡井省二全句集
200312
 
回れ右猪の意地芸一度のみ 禰寝瓶史 京鹿子
200401
 
猪出でて白紙のままの農日記 三間菜々絵 遠嶺
200402
 
猪狩を駆除と言ひたる島ぐもり 戸田和子
200402
 
猪狩のひとりが里に戻りゆく 戸田和子
200402
 
子連れ猪古刹の径を下りて来る 河本勇 築港
200402
 
邸坂猪うろたへるクラクション 品川鈴子 ぐろっけ
200402
 
猪の蹄のこして罠ぬける 河本勇 築港
200404
 
鉢合せして驚かぬ子連猪 長田秋男 酸漿
200411
 
猿猪に次ぎて熊出で冬に入る 長田秋男 酸漿
200411
 
猪かがり焚く遠巻きに猪ゐるか 今瀬剛一 対岸
200411
 
猪食ひし後の他言の許されず 伊藤白潮
200411
 
罠の猪大地揺さぶる断末魔 大木茂 万象
200412
 
磴粗し猪出るといふ天神社 辻井桂子 春耕
200412
 
猪罠のさう遠くない日向かな 山尾玉藻 火星
200501
 
撃ちし猪池に沈めて冷しあり 赤松丹山 雨月
200501
 
「猪注意」の看板大学構内に 村井久美子
200502
 
猪罠やまつすぐ走る山の水 戸栗末廣 火星
200502
 
猪の肝食べ沢鳴りを近くする 江崎成則 六花
200504
 
山賊鍋熊に猪山鳥も 高村俊子 万象
200505
 
手負ひ猪恐ろし岩を登りつめ 長村雄作 栴檀
200505
 
犬が守る戸板に張らる猪の皮 宮原利代 ぐろっけ
200505
 
望の夜に猪二十まり捕へしと 大坪景章 万象
200212
 
猪道に猪罠のあるこの世かな 高橋将夫
200510
 
猪寝かせありたる地に雪降り来 山尾玉藻 火星
200601
 
猪の鼻向けて聞く秋の風 三関浩舟 栴檀
200601
 
猪罠に残る片脚乾びけり 大木茂 万象
200601
 
有線の喊声猪を追ひ詰むる 阪本哲弘
200602
 
猪の糞あたらしき冬菜畑 赤松郁代 万象
200602
 
吊したる猪のふぐりのたくましき 赤松郁代 万象
200602
 
奥熊野戸袋に貼る猪の皮 赤松郁代 万象
200602
 
たかんなを古道に散らし猪食めり 小林洋子 万象
200603
 
猪宿の玻璃に口紅引きにけり 松井倫子 火星
200603
 
猪の膠の如き血糊なる 森田博
200603
 
野遊びの猪の足跡そこここに 渡辺清子
200605
 
冷酒や猪の時分にまた来いよ 梅本豹太
200608
 
曼珠沙華撒きちらしある猪の里 山尾玉藻 火星
200611
 
山の湯に猪の親子の来るといふ 藤井佐和子
200612
 
鬼の山猪出没の札を立て 永井雪狼
200701
大江山
面食といはれてをりぬ猪の前 折橋綾子
200701
 
六甲の猪すれ違ふ宮参り 唐鎌光太郎 ぐろっけ
200701
 
猪肉といひて闇汁すすめらる 水谷ひさ江 六花
200701
 
猪が夜毎耕す捨畑 長田秋男 酸漿
200701
 
猪を撃ち猪にいのちをとられしと 服部早苗
200701
 
猪撃ちて四脚吊りの天秤棒 広瀬千鶴 万象
200702
 
猪狩の大和のふうを好みたる 瀬川公馨
200702
 
見晴かす猪の掘りたる穴の数 城戸愛子 酸漿
200702
 
熊も猪も神楽太鼓を聴いてゐる 泉田秋硯
200703
 
休田の死角に猪のぬた場かな 黒田咲子
200703
 
尾を立てて川渡る猪に初日射す 中山フジ江
200703
 
猪穴を埋むに冬菜入れにけり 高倉恵美子
200704
 
涸れ川を伝ひて来たり猪親子 大橋雅子 万象
200705
 
猪吊す在原に業平の墓 岩木茂 風土
200705
 
一夜にて猪の餌となる甘藷畑 関戸国子 酸漿
200705
 
月に影連ね猪狩発ちゆけり 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
手負ひ猪遁れ去りたる修験道 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
子連れ猪やりすごしたる老猟夫 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
猪撃ちし無線の声の裏返る 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
鬨を上ぐ大猪の脚しかと結ひ 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
猪舁きて残照の岨下りゆく 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
吊る猪の眥月に濡れゐたり 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
猪捌く月射す土間に影を曳き 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
炭に似て笊に乾びし猪の肝 薮脇晴美 馬醉木
200706
 
猪追ふといふ柴犬も日向ぼこ 瀧春一
200706
 
後苑の猪の荒れやう見たくなし 浅井青陽子 ホトトギス
200707
 
猪のわるさをかやうしかじかと 佐藤山人
200711
 
村捨つる猪に泣かされきたる日々 柴田良二 雨月
200801
 
トンネル抜け猪の皮干す詠みづらし 丸山佳子 京鹿子
200802
 
村人の捨てし田猪のねまり跡 吉田俊子 万象
200803
 
山の芋掘るや猪来ぬうちに 内海良太 万象
200803
 
由々しきは猪に自然薯盗まれし 佐藤山人
200803
 
猪撃ちの一列となり杣の造 廣畑忠明 火星
200803
 
朝月夜猪罠の錆落す 吉村摂護
200803
 
猪のぬた場うつすら凍つる朝 伊藤いな栄 酸漿
200803
 
猪追ひし昂り夜も消えぬ犬 木村享史 ホトトギス
200804
 
四季吊られ猪は冬毛の温きかな 鈴木榮子 春燈
200804
 
山中の奥に追はるる手負猪 下平しづ子 雨月
200804
 
猪食べに男らが行くハイウエー 坪内稔典 坪内稔典句集U
200804
 
猪のここに幸あり喰みしあと 丸山佳子 京鹿子
200806
 
猪垣の外に人住み猪も棲み 村松紅花 ホトトギス
200808
 

 

08/10/04 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。