ゐのしし 2      100句

炭竈に手負の猪の倒れけり   凡兆   猿蓑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ゐのししのうしろは淋し十二月 木村茂登子 あを 200802
村人の捨てし田猪のねまり跡 吉田俊子 万象 200803
山の芋掘るや猪来ぬうちに 内海良太 万象 200803
由々しきは猪に自然薯盗まれし 佐藤山人 200803
猪撃ちの一列となり杣の道 廣畑忠明 火星 200803
猪のぬた場うつすら凍つる朝 伊藤いな栄 酸漿 200803
猪追ひし昂り夜も消えぬ犬 木村享史 ホトトギス 200804
山中の奥に追はるる手負猪 下平しづ子 雨月 200804
猪のここに幸あり喰みしあと 丸山佳子 京鹿子 200806
猪の山仏頭なども飛んで来よ 伊藤白潮 200811
大猪の温かさかな兜太の掌 田村葉 炎環 200812
猪來し痕円墳多き谷の口 松崎鉄之介 200812
堂裏に猪出るといふ南禅寺 熊岡俊子 雨月 200901
白猪の神棲む山のぬた場かな 中田禎子 白猪 200901
伊吹嶺の笠雲佛ふ白猪よ 延広禎一 200902
白猪の聲して神居古潭かな 雨村敏子 200902
白猪や深空明るき神の山 竹中一花 200902
野猪の親子飛び出すゴルフ場 佐藤健伍 200902
疣猪の眷族よぎる車停め 品川鈴子 龍宮の客 200904
一撃に猪を屠りし宴なり 泉田秋硯 200905
竹槍で仕留めたといふ猪の肉 小林玲子 ぐろっけ 200905
猪の皮晒す小流泡立てる 小林玲子 ぐろっけ 200905
火を囲み猪の肉売る峠口 小林玲子 ぐろっけ 200905
猪来しを語りつつ干す唐辛子 上原重一 200911
天高し猪と共存部落なり 酒本八重 200912
障子干しある猪の山の裾 山尾玉藻 火星 200912
大方は猪に掘られし芋を掘る 伊藤克子 酸漿 200912
猪と目を合さぬやうにしてをりぬ 山田六甲 六花 200912
前略十年猪の皮干す宇治田原 丸山佳子 京鹿子 201001
呼吸合はせ相棒どうし猪担ぐ 佐藤山人 201001
吊るされし猪の毛並のおそろしき 太田實 ぐろっけ 201001
分銅の台秤あり猪一頭 塩路隆子 201002
猪追ひの警笛夜の小海線 渡辺輝子 201002
摩耶山のバス停脇に猪ぬた場 塩出眞一 ぐろっけ 201002
猪滑り下りたる跡のしるき崖 柴田良二 雨月 201003
知事認可証貼り大猪檻どかと 柴田良二 雨月 201003
畝合ひに猪の親子の足の跡 川口崇子 万象 201006
猪に掘り返されし雄岳道 福田雅子 万象 201010
ぬばたまの夜跋扈する千の猪 福田雅子 万象 201010
昼も夜も花火を鳴らし猪を追ふ 城戸愛子 酸漿 201010
猪の稲に喰ひつく山の国 滝沢伊代次 万象 201011
猪の短き脚の縛らるる 柴田佐知子 201011
括らるる猪に夕日のいつまでも 浜口高子 火星 201012
猪も鹿も出没せしと坊が妻 山本漾子 雨月 201012
猪鹿の足跡のこる畑起す 川端郷思 雨月 201012
僧の持つ灯火頼りに猪の道 角谷美恵子 ぐろっけ 201101
荒けなき猪の跡あり離宮道 手島靖一 馬醉木 201102
猪の小屋の前より登山道 須賀敏子 あを 201102
山芋を猪食い荒す夜な夜なに 沖則文 ぐろっけ 201102
害獣になされ彷徨ふ母子猪 山口博通 ぐろっけ 201103
小猿背に駈ける猪奥丹波 塩路五郎 201104
猪は濫に全き魂抜かれ 矢野百合子 201104
起ち上がる猪また倒る仕掛罠 長節子 201104
したたかに猪のあばれし仕掛罠 長節子 201104
折れし足肉を突き出る罠の猪 長節子 201104
どうにでもせよと倒れしままの猪 長節子 201104
碑に触れゆく猪の肌ざはり 鴨下昭 201202
山下る猪の親子の美食ぐせ 古林田鶴子 ぐろっけ 201202
主の言ふ猟期は猪の動かざる 坂根宏子 201203
蛇綱村猪を見張りの小屋設け 大竹淑子 風土 201206
軒先に猪吊る山家夕日さす 福島せいぎ 万象 201206
草動くより猪の突進す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
猪に里の空気の引き締まる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
猪を飼ふ婆として恐れられ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
猪鍋を食うて五十路の思案かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
猪鍋や神戸は猪を友として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
猪罠はいつも空つぽ秋茄子 宮井知英 201212
猪よりも大きな犬や冬に入る 高倉恵美子 201212
猪鍋を頬張る夕餉祖谷泊 本靖子 201301
海岸にまで猪の出しといふ 島谷征良 風土 201301
山荘の庭にも猪のぬた場跡 宮原悦子 雨月 201301
猪撃の帽子に小さき羽根飾り 加藤みき 201302
猪除けの髷低く吊り隠れ里 原友子 201302
足跡に月明溜まる猪のぬた 米澤光子 火星 201303
機関銃担ひし肩に猪舁ぐ 佐藤山人 201304
罠の真ん前猪の荒らしたる ふけとしこ 船団 201304
猪鍋や誘ひ断る術のなく 高木典子 雨月 201305
仕留めたる数を自負せる猪鍋屋 高木典子 雨月 201305
猪の皮をやるぞと言はれても 柴田佐知子 201311
性格は温厚にして猪を撃つ 菅谷たけし 201312
猪が人の数越え島しづか 栗原京予 201402
里山や斜面に見ゆる猪の径 青木由芙 末黒野 201402
足焙り射止めそこねし猪のこと 山田美恵子 火星 201403
攻めるより媚びる目付きの罠の猪 原友子 201404
猪猟や火をいつせいに踏みしだき 南うみを 風土 201404
猪剥ぎし手を日溜りに嗅いでをり 南うみを 風土 201404
猪担ぎくる耳当の五六人 南うみを 風土 201404
猪臭し猪曳ずりし雪もまた 南うみを 風土 201404
猪撃ちの髭の氷つてをりにけり 南うみを 風土 201404
猪罠を仕掛けに車出発す 大崎紀夫 やぶれ傘 201411
猪罠に風の棲みつく峡の村 川村清子 馬醉木 201412
猪避けの石垣高し陶師の居 塩路隆子 201501
吊るされて猪大空を凝視せり 原友子 201501
猪狩りのもどりて来たるにほひかな 大崎紀夫 やぶれ傘 201501
衝立のくれなゐ褪する猪の宿 山尾玉藻 火星 201502
猪出づる警報流し消防車 小川玉泉 末黒野 201502
猪→ 33      

2021年10月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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