いかなご    116句

いかなご  小女子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
いかなごの釘煮の匂う橋ほとり 久次米平 ひまわり 199806
いかなごを炊くに蘊蓄ありにけり 山田弘子 円虹 199906
いかなごが解禁となる鍋洗ふ 志水芳秀 俳句通信 199906
鮊のくぎ煮食しをる無月かな 竹内悦子 199912
郵便箱より鮊子のくぎ煮かな 山尾玉藻 火星 200005
噴く泡は煮るいかなごの涙めく 山本恵美 ぐろっけ 200006
鮊子を消息とする友のあり 黒川南無観 ホトトギス 200007
鮊子や一人の暮しとは見えず 稲畑汀子 ホトトギス 200103
鮊の釘煮の鍋を買ひ足して 山田六甲 六花 200204
鮊の釘煮あしたもあさつても 山田六甲 六花 200204
いかなごの釘煮の腕を問はれけり 山田弘子 円虹 200205
いかなごの釘煮の曲がり剛情な 森田博 200205
鮊子に大楽庵の日和かな 雨村敏子 200206
いかなごの踊る姿に煮上りぬ 松本恵子 六花 200206
鮊子の水のごとくに網揚げる 戸栗末廣 火星 200207
いかなごの釘煮と書かれ春のバス 大東由美子 火星 200207
いかなごの弔ひ喪主はいかなごか 蔵本博美 ぐろっけ 200209
鮊子を白いどぜうと云わはつて 黒田咲子 200305
豊漁の鮊子岸ですぐ糶られ 坂口三保子 ぐろっけ 200305
糶られたる鮊子運ぶ滴るを 坂口三保子 ぐろっけ 200305
鮊子を炊く匂ひよけ露地まがる 田中敏文 ぐろっけ 200305
おほらかに鮊子を煮る真昼かな 植木戴子 200306
鮊子のくぎ煮の頃ぞあな可しこ 雨村敏子 200306
鮊子を煮上げし妻の顔よかり 廣井良介 円虹 200306
鮊子の不漁の糶のすぐ果つる 鎌田篤 雨月 200306
鮊子の大鍋揺するいかり肩 角谷美恵子 ぐろっけ 200307
いかなごの目のぎつしりと売られけり 閑田梅月 馬醉木 200307
鮊子の照りのよろしさ海明り 佐藤紘子 200312
鮊子売る囃子詞の句会まで 田中みのる 火星 200406
行き摩りの僧が鮊子買ひにけり 田中みのる 火星 200406
水揚げの鮊子すでにくの字なる 西村しげ子 雨月 200406
鮊子を送り神戸に住みつきぬ 藤森万里子 百鳥 200406
鮊子の不漁を託ち昼の酒 中山勢都子 200407
鮊子を炊き上京の荷の中に 稲畑汀子 ホトトギス 200503
鮊子に添へし便りの二た三言 稲畑汀子 ホトトギス 200503
いかなごを買ふ列にゐてさびしかり 戸栗末廣 火星 200505
鮊子を求む列より手を振らる 村上留美子 火星 200506
鮊子の釘煮娘の手づくりで 若江千萱 雨月 200506
玉筋魚や縞のパンツを干してある 竹内悦子 200506
鮊子の海盛り上がる潮の色 新井泰子 馬醉木 200508
鮊子の脂のりきらざる余寒 溝内健乃 雨月 200605
釜揚げの鮊子台車で運ばるる 大塚美孝 200606
鮊子の萬の目とあう昼厨 角谷美恵子 ぐろっけ 200606
鮊子をメモの通りに釘煮にす 谷村幸子 200606
漁十日鮊子網を淡く干す 角直指 京鹿子 200607
島塞ぎ干す鮊子の解禁日 浅井青二 雨月 200607
鮒佐いかなご煮列としもなき列に 鈴木榮子 春燈 200607
鮊子の旬の一品加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200703
いかなごの漁りの網をこぼれけり 石脇みはる 200705
ひる網のいかなごに人溢れけり 池崎るり子 六花 200706
鮊子に恙なしとの追而書 安永圭子 風土 200707
いかなごの千の尾頭ほがひ酒 池田かよ ぐろっけ 200707
鮊子を詠まねば市長賞逸す 土屋利之 ぐろっけ 200806
雲の端のほぐれ鮊子船戻る 浜口高子 火星 200806
かがよへる鮊子船のあたりかな 戸栗末廣 火星 200806
いかなごの釘煮土産や灘日和 小林成子 200906
いかなごの旬の近づく鍋洗ふ 三村純也 ホトトギス 200906
鮊子を炊くや粗目をこぼしつつ KOKIA 六花 200907
鮊子一万いとし恐ろし二万の目 滝沢幸助 春燈 201006
いかなごが噛めて万歳生き返る 泉田秋硯 201006
いかなご買ふ列うごめくも明石かな 和田一 雨月 201006
鮊子を煮る昼の灯を点しけり 山尾玉藻 火星 201104
鮊子や嘗て自立の四畳半 田岡千章 201105
前掛に鮊子つけて解禁日 高木篤子 ぐろっけ 201106
いかなごの釘煮届けり三・一一 西村敏子 201106
兄嫁の短き文といかなごと 松岡水学 ぐろっけ 201106
鮊子の旨しことさら汚染など 小澤菜美 201107
いかなごの心根見ゆるくぎ煮かな 神田小夜子 ろんど 201107
いかなごや明石といふはきらきらす 有本惠美子 ろんど 201107
いかなごの舟放たれて先競ふ 仲田眞輔 ぐろっけ 201108
鮊子の大漁らしき吃水線 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
鮊子の鮮度に糶のはげしかり 久永つう 瀬戸の海 201203
いかなごのくぎ煮てふその釘曲り 桂樟蹊子 201203
いかなごのしなをつくりて零れけり 志方章子 蟋蟀 201203
鮊子の網繕ふも忙しけり 江見巌 六花 201205
鮊子船きらを飛ばして戻りきし 蘭定かず子 火星 201207
点火前いかなご達のつぶらな眼 村田とくみ ぐろっけ 201207
鮊子を食ぶや父母疾になし 田岡千章 201208
文いつも詫ぶ筆不精いかなご煮 村田とくみ ぐろっけ 201208
いかなごの初引きの垂水かな 田尻勝子 六花 201212
鮊子の解禁日なり淡路島 山口キミコ 201305
反転す鴎に鮊子船の着く 高松由利子 火星 201306
鮊子のトロ箱走り人走り 池田喜代持 六花 201306
「元気かね」と添ふる一筆いかなご煮 吉田宏之 201306
いかなごのどの眼も澄んでゐたりけり 涼野海音 火星 201306
鮊子の海に淡路の横たはる 三村純也 ホトトギス 201307
留守電にしてとりかかるいかなご煮 古井公代 ぐろっけ 201307
鮊子の釘煮衝動買ひの嵩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
ご自慢のレシピの肴いかなご煮 佐用圭子 201406
いかなご漁けふ解禁の海の色 戸栗末廣 201505
いかなごや釘に錆ある道具箱 竹内悦子 201506
鮊を炊くだけの鍋出しにけり- 秋田典子 六花 201506
いかなごのくぎ煮上手の友も亡し 岩本紀子 201506
鮊子の豊漁と聞くばかりかな 稲畑汀子 ホトトギス 201603
いかなごの釜上げ祖父の遠忌かな 成宮紀代子 201605
鮊子に酌む酒「一人娘」かな 橘正義 春燈 201606
いかなごの釘煮のにほひせしとのみ 山田六甲 六花 201704
いかなごの釘煮と届く灘の酒 小川玉泉 末黒野 201705
いかなごのプランクトンの赤く透け 田尻勝子 六花 201806
路地香るいかなご釘煮あふれをり 溝渕弘志 六花 201806
娘が炊きし玉筋魚届く夕の卓 土江比露 春燈 201807
弱さとは強さ鮊子煮る嫁御 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
鮊子を煮れば磯の香醤油の香 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
鮊子に吃水深く入港す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
鮊子の釘煮振る舞ふ佳人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
六甲を指呼に鮊子煮る生活 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
子午線の街鮊子に膨らめり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
いかなごの光る糶場の流し水 升田ヤス子 六花 201906
朝取りの鮊子煮るや大わらは 友田悠子 末黒野 201906
鮊子を一口と言ひ病床に 千原叡子 ホトトギス 201908
いかなごの釘煮届いて故郷明石 江口九星 201909
いかなごのもう出てゐしと迂闊なり 山田六甲 六花 202103
いかなごの釘煮和歌山から届く 吉田幸恵 やぶれ傘 202108
いかなごのくぎ煮の匂ひ消えし町 永田万年青 六花 202207
いかなご煮る首に一筋光るもの 谷口一献 六花 202207
潮風にまじり鮊子炊くにほひ えとう樹里空 202211

 

2023年3月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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