冬 桜 6      107句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏みしむる仁王の足や冬桜 飛高隆夫 万象 201704
冬桜妻への借りは棒引きに 中川句寿夫 ここのもん 201705
桜木の瘤の小枝に冬芽かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201705
置いて来し恋の一片冬桜 吉田悦子 201706
御巣鷹の山を近くに冬桜 廣瀬雅男 やぶれ傘 201711
昼過ぎの日はやはらかく冬桜 藤井美晴 やぶれ傘 201711
骨揚げてより冬桜咲く庭に 藤井美晴 やぶれ傘 201711
点と咲き線と散りゆく冬桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
あしらひの桜におよぶ冬紅葉 山田六甲 六花 201712
冬桜散りて筏とならぬ嵩 有松洋子 201802
見頃とてなきかに咲きて冬桜 宮内とし子 201802
露座佛の影の触れゐる冬ざくら 斉木永久 馬醉木 201802
残り世はけぶりゆくがに冬桜 白井友梨 馬醉木 201802
きらきらと雨粒とどめ冬桜 上岡佳子 万象 201802
雲多き櫻桃子忌や冬木の芽 石橋邦子 春燈 201802
寺の裏山へ続きぬ冬桜 岡田史女 末黒野 201802
目じるしとなる冬桜里の道 堺昌子 末黒野 201802
力抜くことも身に添ひ冬ざくら 佐久間由子 201802
幼馴染の家閉ざされて冬桜 壺井久子 馬醉木 201803
三門の空の淡さや冬桜 加藤静江 末黒野 201803
透く空へ紅ほんのりと冬桜 堺昌子 末黒野 201803
冬桜群馬の里を賑はして 東秋茄子 京鹿子 201803
冬桜ともるや深き海の紺 石本百合子 馬醉木 201803
西行の入寂の地の冬ざくら 蒲田豊彦 雨月 201803
冬ざくら白湯にとけ出す砂糖菓子 有賀昌子 やぶれ傘 201803
京都御所に咲きゐて気品冬桜 城戸ひろみ 雨月 201804
白壁の長屋門映ゆ冬桜 長田厚子 末黒野 201804
晩学の急がぬ道や冬桜 外山生子 末黒野 201804
約束のさくらさくらへ冬木の芽 井上菜摘子 京鹿子 201804
けなげにも冬の桜の咲き満てる 住田千代子 六花 201804
かりそめの薄日をまとふ冬桜 山田正子 201804
あはあはとうすき影おき冬桜 石黒興平 末黒野 201805
決意とはなべてひそやか冬桜 片山煕子 京鹿子 201805
菩提寺や三分咲きなる冬桜 吉田きみえ 末黒野 201805
塔の朱のすつかり失せし冬桜 吉田葎 201806
杣山の雫のやうな冬桜 小原芙美子 風土 201811
冬桜猟場に残る覗き口 楠本和弘 201811
冬桜仄かに点る蔵の窓 上野紫泉 京鹿子 201901
放心に似て散りゐたり冬桜 西村梛子 馬醉木 201901
寺社巡りの終に出会ひぬ冬桜 五十嵐貴子 末黒野 201902
奥宮へ参道嶮し冬桜 川村欽子 雨月 201902
冬ざくら空の碧さと競ひをり 寺田すず江 201902
大切に日を溜めてゐる冬桜 片山煕子 京鹿子 201902
母在す離れに日差し冬ざくら 堤京子 馬醉木 201902
琴弾山に琴の音を待つ冬ざくら 塩貝朱千 京鹿子 201902
喪のこころ脱がずしばらく冬ざくら 南うみを 風土 201902
二天門今日満開の冬桜 田中藤穂 あを 201903
元気ですあなたの植えた冬桜 波戸辺のばら 201903
伐り口の湿りを残し冬櫻 加藤静江 末黒野 201903
人の世の音遠ざけて冬桜 森脇貞子 雨月 201903
冬桜宵深むほど華やぎぬ 岡本尚子 風土 201903
冬桜いのちの先のゆきどころ 樺山翠 雨月 201903
苔のむす桜の冬芽希望の芽 清水美子 春燈 201903
冬桜白洲正子のかくれ里 中田禎子 201903
夜叉神は扉を閉ざし冬桜 辻水音 201904
一穢無き明るき空や冬桜 石黒興平 末黒野 201904
冬桜門外不出浜納豆 貫井照子 やぶれ傘 201904
冬桜滅びし者の祀らるる 市村明代 馬醉木 201904
甕棺の胴ふつくらと冬桜 深川淑枝 201906
冬ざくら閉校の碑の新しき 森田明成 201906
佳き人に会ひし佳き日の冬桜 小笠原妙子 201907
失せ物の出ずと御神籤冬桜 大山夏子 201907
母に買ふ新しき靴冬桜 天谷翔子 201907
思ひ出すためにとひらく冬ざくら 山田暢子 風土 202001
境内にもう誰も来ず冬桜 大嶋洋子 春燈 202001
子の腕にすがりて仰ぐ冬桜 大嶋洋子 春燈 202001
冬桜林道登る子につきて 大嶋洋子 春燈 202001
冬桜仰ぐひとなく咲きゐたり 安立公彦 春燈 202001
昨日より朝は色ふえ冬桜 城戸ひろみ 雨月 202002
なか空にひとひら舞ひぬ冬桜 鈴木愛子 202002
木曽川のひかり遥かに冬桜 半谷洋子 202002
冬桜見に行く話遠くなり 加藤良子 京鹿子 202002
冬立つ日桜もみぢの入り日かな 菊谷潔 六花 202002
冬桜見てきて熱い茶をすする 藤井美晴 やぶれ傘 202002
膝を抱く黒き裸婦像冬桜 下田奉枝 雨月 202003
伐採さるる桜や冬芽あまたつけ 辻由紀 雨月 202003
大嘗宮参観経路冬桜 岡田史女 末黒野 202003
日にとけて月に浮かびぬ冬桜 平松うさぎ 202003
さかりとも咲き始めとも冬桜 黒滝志麻子 末黒野 202003
空蒼く桜冬芽の濠をゆく 熊岡俊子 雨月 202003
晴れきつて枝垂れ桜の冬木の芽 渡邉孝彦 やぶれ傘 202003
沼めぐる休み所の冬桜 白石正躬 やぶれ傘 202003
冬ざくら坂の日向はぬかるんで 大崎紀夫 やぶれ傘 202003
仰ぐほど色のうするる冬ざくら 緑川啓子 馬醉木 202003
冬桜一花一花にひそむ寂 長尾タイ 末黒野 202004
いのちとはかくもしづかや冬ざくら 梅村すみを 202004
忌日また増えし故郷や冬桜 高倉和子 202005
冬桜仮の世に生き手記綴る 山中志津子 京鹿子 202005
水音をたどる足音冬桜 いき三椚淳 202006
冬桜花の向こうに昼の月 廣瀬雅男 やぶれ傘 202101
戦国の城の盛衰冬桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
冬桜阿修羅の声を聞きたくて 中村洋子 風土 202102
三門の空の淡さや冬桜 加藤静江 末黒野 202103
せせらぎに沿ひ白々と冬桜 堺昌子 末黒野 202103
ひつそりと煩雑よそに冬桜 小林清彦 末黒野 202103
うすうすと里曲の日差し冬桜 堺昌子 末黒野 202104
川沿ひの淡き日透かし冬桜 杉山弥生 末黒野 202104
蒼天に溶け込むばかり冬桜 石黒興平 末黒野 202105
冬桜恋はかつ消えかつ結び 中川のぼる 202105
冬桜日差を恋うてゐる高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
楚々といふ満開ありて冬桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
生活音満ちたこの部屋冬桜 大日向幸江 あを 202201
冬桜富士炭展望の美術館 門伝史会 風土 202202
目を細め見上ぐる空や冬桜 菅野日出子 末黒野 202203
人居らぬ墓への道や冬桜 佐々木澄子 末黒野 202203
忌を修し雨となりたる冬桜 諸岡孝子 春燈 202204
冬桜彼の世の花と思ひけり 今井康子 202205
冬桜→ 1

 

2023年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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