冬の蝶 3   122句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬蝶に一念あるも愛は哀 鈴鹿仁 京鹿子 201604
冬蝶の草に魂沈めゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
冬蝶の高さに日矢の及ばざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
冬蝶の縺れて過去を引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
咲き乱る花園を冬蝶の夢 近藤喜子 201702
六階のわが窓のぞく冬の蝶 大坪景章 万象 201702
二つ三つ蝶縺れ飛ぶ冬花野 山本無蓋 201702
冬の蝶陽が恋しくて陽溜りへ 大内幸子 六花 201702
今日からは冬蝶となる白さかな 中村洋子 風土 201702
楡櫟付箋のやうに冬の蝶 能勢俊子 馬醉木 201702
冬の蝶静かに時を刻みをり 永峰久比古 馬醉木 201702
日の当たる草へ集まり冬の蝶 松本三千夫 末黒野 201703
冬の蝶です磔はごめんです 箕輪カオル 201703
冬の蝶みの虫句碑に翅たたむ 宮崎高根 201703
発つ刹那葉を撓らせて冬の蝶 山口ひろよ 201704
蝶蜂をまとはず清し冬牡丹 飛高隆夫 万象 201704
冬蝶の地震の石にもすがりゐる 岩岡中正 ホトトギス 201705
冬蝶を呼ばむあまたの花植ゑて 中里よし子 春燈 201801
つまづけば引き返すのみ冬の蝶 小山田子鬼 201801
次の世を見てをりぬ冬蝶の夢 近藤喜子 201802
閉ぢし翅重なりあはず冬の蝶 南うみを 風土 201802
冬の蝶波郷の墓へ吹かれきし 山田春生 万象 201802
吹かれては地に傾ぎ飛ぶ冬の蝶 蒲田豊彦 雨月 201802
築山の青き名石冬の蝶 橋場美篤 末黒野 201802
冬蝶の上る百八段の磴 岩木茂 風土 201802
畦道の草に沈みぬ冬の蝶 大川暉美 末黒野 201803
冬蝶の去りてしめやか檀那寺 黒滝志麻子 末黒野 201803
冬蝶は丸太朽ちたるそのあたり 大島英昭 やぶれ傘 201803
冬の蝶英字新聞目で追って たかはしすなお 201803
冬の蝶翅の重さを耐へてをり 大西乃子 201804
日溜へ翳立てなほす冬の蝶 村田あを衣 京鹿子 201804
地に触るるばかりに飛べる冬の蝶 五島富佐子 雨月 201806
大司教よりの献花や冬蝶も 荒井千佐代 201806
冬蝶の風に逆らふ事もなく 大日向幸江 あを 201812
今日は今日の力尽して冬の蝶 望月晴美 201901
冬蝶の翅の白さを諾へり 松本三千夫 末黒野 201902
冬の蝶きれいに生きてきれいな死 三木亨 201902
色々とあり冬蝶となりしまで 近藤喜子 201902
冬蝶の振り向きならぬ風の沙汰 村田あを衣 京鹿子 201902
草原の陽は宝もの冬の蝶 鈴鹿仁 京鹿子 201902
きのふけふ冬蝶の影定まりぬ 村田あを衣 京鹿子 201902
ようこそと百味供養会冬の蝶 庄司久美子 201902
極楽橋渡る冬の蝶々と 火箱ひろ 201903
大仏のみ手に休めり冬の蝶 黒滝志麻子 末黒野 201903
薄ら陽へ託す命や冬の蝶 安田優歌 京鹿子 201903
冬の蝶紙の音して星へ発つ 安田優歌 京鹿子 201903
冬の蝶見つけてもらふための笛 井上菜摘子 京鹿子 201903
結ぼるる神籤より立つ冬の蝶 藤原若菜 春燈 201903
能楽堂冬蝶終を舞ひたるや 岡野里子 末黒野 201903
束の間の日差しにとべり冬の蝶 中島和子 やぶれ傘 201904
草叢がいのちの砦冬の蝶 渡邉清央 春燈 201904
冬蝶の光をこぼし影こぼし 水野恒彦 201904
越冬のしじみ蝶いつさいをたたみ 井上菜摘子 京鹿子 201904
黄は影も軽しと捨つる冬の蝶 湯川雅 ホトトギス 201904
奥の院遥拝冬の蝶も来て 若泉真樹 201905
アンダンテアダージョラルゴ冬の蝶 香川昭子 船団 201906
君の影踏んでる踏んでる冬の蝶 香川昭子 船団 201906
冬の蝶武士の化身の如く去る 稲畑汀子 ホトトギス 201911
ながらへてもろもろの思慕冬の蝶 北川孝子 京鹿子 202001
川底にゆれる夕陽や冬の蝶 北川孝子 京鹿子 202001
冬蝶の背負ふ御霊や西教寺 鈴鹿呂仁 京鹿子 202001
冬蝶の日を零したる別れ際 鈴鹿呂仁 京鹿子 202001
冬蝶の色うすれゆく雨の中 安立公彦 春燈 202001
南面の庭に来りし冬の蝶 大橋晄 雨月 202002
山並みの尖つてきたり冬の蝶 小島良子 202002
冬の蝶皇帝ダリアに身を寄せて 吉清和代 202002
鮮やかな黄色冬蝶良き小振り 卯木堯子 京鹿子 202002
日だまりの少女は冬-の蝶となる 高橋将夫 202002
冬の蝶草の丈ほど低くとぶ 島田万紀子 馬醉木 202002
冬蝶の翅の覚ゆる夢ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202002
祖国へと執着の旅冬の蝶 鈴鹿呂仁 京鹿子 202002
日を返す海峡は見ず冬の蝶 鈴鹿呂仁 京鹿子 202002
母の翳探してをりぬ冬の蝶 西村白杼 京鹿子 202003
天命の野にかくれなき冬の蝶 鷺山珀眉 京鹿子 202003
元素のようにかがやくものは冬の蝶 木村和也 船団 202003
冬蝶の薄日に羽を鎮めけり 本間せつ子 末黒野 202003
日溜りの冬蝶の黄の淡きかな 加藤静江 末黒野 202003
西行の松のねぢれを冬の蝶 黒滝志麻子 末黒野 202003
おほらかな師碑にまみえむ冬の蝶 塩貝朱千 京鹿子 202003
日溜りの石に翅置き冬の蝶 森清信子 末黒野 202004
こめかみに青筋見ゆる冬の蝶 佐藤恭子 あを 202004
不確かな影に追はるる冬の蝶 笹村政子 六花 202004
離愁かな視野よりこぼる冬の蝶 村田あを衣 京鹿子 202005
夢あらば翔てよ冬蝶日溜りへ 村田あを衣 京鹿子 202005
風に夢託し葉裏の冬の蝶 村田あを衣 京鹿子 202005
冬蝶の渡る思案の夢の橋 村田あを衣 京鹿子 202005
冬蝶の翳をたしかむ身のあり処 村田あを衣 京鹿子 202005
秋蝶や冬は越せぬか出羽の関 延川五十昭 六花 202012
読切り小説冬の蝶おきざりに 井上菜摘子 京鹿子 202101
石仏の影につまづく冬の蝶 石原孝人 京鹿子 202101
冬の蝶己が影さへ伴へず 福森順子 京鹿子 202101
ジェット機の音くる冬の蜆蝶 大島英昭 やぶれ傘 202101
冬の蝶眠りをるかに翅をとじ 谷田貝順子 202102
冬蝶やあしたの雲へゆるゆると 臼居澄子 末黒野 202102
冬の蝶ふところ開き待ちしもの 柴田靖子 202102
冬蝶のふつとよぎりぬ水明り 黒滝志麻子 末黒野 202103
石に影落として消えぬ冬の蝶 森清信子 末黒野 202103
冬蝶の溶け入る様や草の上 加藤静江 末黒野 202103
日当りの木の頂や冬の蝶 大坂正 末黒野 202103
十字路の右から冬の紋黄蝶 藤井美晴 やぶれ傘 202103
菜園に陽だまり生るる冬の蝶 秋山信行 やぶれ傘 202103
冬の蝶メタセコイヤの下を抜け 山本久枝 やぶれ傘 202103
日向へと塀越えて出る冬の蝶 亀岡睦子 やぶれ傘 202103
冬の蝶草の高さを越さぬなり 林いづみ 風土 202104
ビル風を寄辺としたる冬の蝶 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
冬蝶の咲くごとく翅かがやかす 辻美奈子 202201
冬蝶の終の影おく尼寺門 鈴鹿呂仁 京鹿子 202201
冬蝶のかそけき風に迷ひをり 石原孝人 京鹿子 202201
葉蘭叢に安堵のやうす冬の蝶 中貞子 202202
冬蝶の影ぎくしやくと日を渡る 浅田光代 風土 202202
冬蝶にぶつきらぼうの風ばかり 海輪久子 ホトトギス 202203
逃げやすき日を冬蝶のためにこそ 海輪久子 ホトトギス 202203
冬蝶や終章の地を這ふやうに 布施由岐子 末黒野 202203
冬蝶に空降りて来る午後三時 頓所友一枝 202204
冬の蝶安房の大地に身を委ね 頓所友一枝 202204
心にも無いことを言ふ冬の蝶 高橋将夫 202204
冬蝶の頭からほろほろ風になる 直江裕子 京鹿子 202204
甌穴をまたぐ石橋冬の蝶 坂口学 202208
冬蝶の午後の日差を使ひ切り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
薄情かとふりむけば発つ冬の蝶 井上菜摘子 京鹿子 202211
一策は無策に勝てず冬の蝶 鈴鹿呂仁 京鹿子 202212
泣きぐせのまま冬蝶の細き翳 鈴鹿呂仁 京鹿子 202212
冬の蝶 →1

 

2023年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。