冬の空 3  〈冬空〉    82句

ベル押せば冬空に足音おこり    波多野爽波

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬天へ笙の先立つ婚の列 秋山ユキ子 201701
芭蕉、虚子、省二、連綿と冬天に 水野恒彦 201702
冬空に大桟橋の横たはり 井口ふみ緒 風土 201702
冬空の夕焼かなし琥珀為す 物江康平 春燈 201702
立冬の空透く玻璃戸雲走る 田中臥石 末黒野 201702
冬天に千木金色の社かな 宮本俊子 雨月 201703
飛行機雲ひと刷け長く冬の空 山本久枝 やぶれ傘 201703
冬空に黒き歯を剥く杉襖 松尾龍之介 201703
夢を追ひ冬天高く賢者逝く 丹羽武正 京鹿子 201704
冬空を映して深き湖の藍 加藤静江 末黒野 201704
冬天のあやふきほどの蒼さかな 正谷民夫 末黒野 201705
快晴といふほかは無き冬の空 稲畑汀子 ホトトギス 201712
冬の空山の稜線浮き立たせ 稲畑汀子 ホトトギス 201712
冬天を掻き百幹の竹間引く 森岡正作 201801
冬天の深きを青とこそ言はむ 湯橋喜美 201802
冬空に鐘一打して磴下る 手島伸子 雨月 201802
冬空へ声のひしめくフラミンゴ 佐藤保子 馬醉木 201802
遠富士や大観覧車冬空に 犬嶋テル子 春燈 201802
冬天を燃ゆる太陽登りゆく 山口地翠 春燈 201802
谺して叫んでみたし冬の空 今井充子 201802
冬空にふれあう鳥と大杉と 火箱ひろ 201803
冬空や捨てた鳩笛なつかしむ はしもと風里 201803
こけたって痛くないもん冬の空 林田麻裕 201803
冬天へ大槌小槌の間合ひかな 大森尚子 風土 201803
冬空を支ふ巨幹の山武杉 田中臥石 末黒野 201803
冬の空楷書のごとくゆるみなし 有松洋子 201804
金鈴子名残の鈴を冬空に 竹内喜代子 雨月 201804
冬天のあやふきほどの蒼さかな 正谷民夫 末黒野 201804
冬天へ人汲み上ぐる観覧車 芝田幸恵 末黒野 201804
冬空や魚影の消えし海の底 篠原敬信 六花 201805
冬天や彼の世に近く鳶飛べる 志方章子 六花 201805
アメリカの冬の天気や雪もやう 水谷直子 京鹿子 201806
冬空の落ちくるジェットコースター えとう樹里 201806
いつとなく梨の畑も冬の空 望月晴美 201901
百合の樹のその上にある冬の空 青谷小枝 やぶれ傘 201901
冬空へ缶蹴つてひたすら走る 今井肖子 ホトトギス 201901
鳶の笛ひゆると冬天曳きにけり 小林陽子 201903
冬空や旧家守る柿樹齢百 松本三千夫 末黒野 201903
冬天と川光り合ひ鷺の舞 飛田典子 末黒野 201903
大欅伐られし後の冬の空 丑久保勲 やぶれ傘 201903
紙飛行機消える冬空のブルー つじあきこ 201903
冬空に第九の調べ届きしか 山岸明子 201903
冬空の晴れつづきをり去年今年 宮川みね子 風土 201904
大木の瘤は大きく冬の空 本郷美代子 やぶれ傘 201904
箱を出で連凧高く冬空へ たかはしすなお 201904
呼べど呼べど冬空は玉鋼かな 亀井福恵 京鹿子 201905
冬天に光をこぼすアリッサム 伊藤昌枝 201905
冬天を断ち切る飛行機雲二條 杉崎妙子 201905
天空の城冬空を攻め落とす 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
瑕瑾なき冬空飛機を吸ひ上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
冬空の深さに溺れたき一日 コ田千鶴子 馬醉木 202001
石垣の胸突く反りや冬の空 柿沼盟子 風土 202002
冬空が畝作るたび圧してくる 南うみを 風土 202002
泣き噦る野球少年冬の空 ふなかわのりひと 202002
冬空を風呂より仰ぐ日和かな 出牛進 202002
冬空の父の深さに溺れけり コ田千鶴子 馬醉木 202002
街なかに「ひめゆり」の文字那覇冬天 森なほ子 あを 202003
胎内にいた日冬の空しんしん つじあきこ 202003
敬命先生の笑顔はつきり冬の空 堺昌子 末黒野 202003
冬天や夕日とどまる松の枝 本間せつ子 末黒野 202003
冬天の花道を逝く恩師かな 及川照子 末黒野 202003
見上げれば冬空傾ぐかに東塔 青谷小枝 やぶれ傘 202003
手を挙げて冬空をうつくしくする 木村和也 船団 202006
冬空へ紙風船の火影かな 石井美智子 風土 202011
冬の空羊の一団粛々と 赤座典子 あを 202101
冬空に飛行機の飛ぶそれは紙 松本峰春 春燈 202103
冬空ヘメタセコイアは枝ひろぐ 遠藤泉 202103
冬空へごみ処理場の煙立つ 村田武 やぶれ傘 202103
初冬の空と海との境かな 戸栗末廣 202104
冬空に真一文字の飛行機雲 松村光典 やぶれ傘 202105
川下る緩き艪拍子冬の空 鈴木崇 202110
星のこと二た言三こと冬の空 稲畑汀子 ホトトギス 202111
冬空やスカイツリーがつきぬけて 秋川泉 あを 202201
冬空や乞食行の僧独り 中川のぼる 202202
冬空はビルで細切れ中央区 高畑太朗 202202
冬空のこころ淋しきまで青し 田中臥石 末黒野 202203
冬空や闇を切り裂く打球音 嘉味田朝 末黒野 202203
冬の空犬の咥ふるフリスビー 上月智子 末黒野 202203
冬空や両手広げて掴む青 北城美佐 202204
無機質な鉄塔冬の空生かす 中西厚子 202205
不自由が自由となって冬の空 吉宇田麻衣 202206
脱稿の冬空抜くる鳥の群れ 栗原京子 202206
冬の空→1

 

2022年12月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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