冬の薔薇 2    100句

思はずもヒヨコ生れぬ冬薔薇   碧梧桐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
煙草もみ消し事きめぬ冬薔薇 鶴目鯛遊 六花 200303
冬の薔薇昼の光の中に咲く 大塚洋子 酸漿 200303
したたかにこの世を生きて冬薔薇 栢森定男 あを 200303
冬薔薇一輪シェフに選ばれし 泉田秋硯 鳥への進化 200303
大粒のピエロの涙冬薔薇 田中倫代 ぐろっけ 200303
冬薔薇バロック絵画のマリア像 赤羽正行 遠嶺 200304
色濃ゆくひらかぬまゝに冬薔薇 山荘慶子 あを 200304
冬薔薇にはにかむ色もありにけり 菊地一枝 200304
冬薔薇真っ赤よナースステーション 千坂美津恵 200305
隠し事ひとつふたつや冬薔薇 慈幸杉雨 200305
冬薔薇に時の流れの止まりけり 今橋眞理子 ホトトギス 200305
冬薔薇の数多の蕾抱きながら 今橋眞理子 ホトトギス 200305
思ひ出の誘ふ悲しみ冬薔薇 今橋眞理子 ホトトギス 200305
冬薔薇若き遺影は微笑めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
沈黙を金と言わんや冬薔薇 物江晴子 八千草 200305
冬薔薇のフェンス明るき墓所の道 芦川まり 八千草 200306
冬薔薇白は紛れず争はず 水野恒彦 200312
コンビナートの炎を対岸に冬薔薇 藤原照子 200401
薔薇好きの人でありけり冬薔薇 井之口貢久 対岸 200401
冬薔薇の色極まれば紅茶欲し 青砥真貴子 200401
花嫁の投げそこねたる冬の薔薇 河崎尚子 火星 200402
徐々に世の変はる兆しや冬薔薇 高村洋子 遠嶺 200402
冬薔薇に「いちばん星」といふ名札 中尾杏子 200402
冬薔薇散るを忘れて咲き続く 川口弘子 築港 200402
冬薔薇と日時計午の影を持つ 宮津昭彦 200402
洋館は左右対称冬薔薇 曷川克 遠嶺 200403
要塞の岬にほつと冬薔薇 酒井多加子 雲の峰 200403
冬薔薇にこもれば我も薔薇の息 中尾杏子 200403
絶唱のプリマが眩し冬薔薇 金山藤之助 200404
精一杯生きて八十路や冬の薔薇 筏愛子 200404
思ふこと半ばにとどむ冬薔薇 神蔵器 風土 200404
冬薔薇の棘やはらかし抜けざりし 内藤静 風土 200404
北窓に影絵となりぬ冬薔薇 木村幸子 帆船 200404
冬薔薇に並べて俳句カレンダー 片野光子 ぐろっけ 200404
蓄への彩使ひきり冬薔薇 橘沙希 「月の雫」 200404
冬薔薇や懸念ただちに確信へ 田村園子 200405
冬薔薇子を胸に抱く摩耶夫人 中川美代子 ぐろっけ 200405
通夜の灯のゆれやまざりし冬薔薇 浜崎勇 河鹿 200406
大瓶の水めざめけり冬薔薇 内藤ゑつ ゑつ 200411
冬の薔薇ケーキのごとく卓に置く 遠野萌 200501
冬薔薇や山腹に照る白きビル 岩波ふみ子 雲の峰 200501
冬薔薇のなほ色褪せぬ五十本 稲畑汀子 ホトトギス 200501
冬薔薇活けて華やぐクリニツク 蔵澄茂 築港 200501
帰郷終へ戻りし部屋に冬のバラ 斉藤裕子 あを 200502
一輪の冬薔薇に稿また継げり 中山純子 万象 200502
空白を埋めて真つ赤な冬の薔薇 東福寺碧水 万象 200502
午後からは翳る公園冬の薔薇 前田雅章 雲の峰 200502
波音を遠くに冬の薔薇香る 前田雅章 雲の峰 200502
冬薔薇咲きて佳き日の始まりぬ 鈴木美江 雲の峰 200502
残されしひとひらに耐へ冬の薔薇 浅田浦蛙 対岸 200502
冬薔薇の息づき深し束ね挿す 岡本眸 200502
青空を飛機の一点冬の薔薇 前田永子 200502
子の文に癒やされし夜の冬薔薇 相沢有理子 風土 200502
冬薔薇のくれなゐの棘白き棘 辻恵美子 栴檀 200502
冬の薔薇さだかならねど恋ならむ 成瀬櫻桃子 春燈 200502
ささやかに祝の夕餉冬薔薇 竹内美登里 雲の峰 200503
冬薔薇のこぼれはじめの真くれなゐ 松原ふみ子 200503
冬薔薇のひとひらこぼれ土緩む 藤井智恵子 百鳥 200503
食み出でし箱の帽子や冬薔薇 大村真佐子 遠嶺 200503
優しさに心ひらかむ冬薔薇 稲辺美津 遠嶺 200503
冬薔薇僧と向きあふ主賓席 吉野のぶ子 遠嶺 200503
冬薔薇弱き心に凛々と 橘高絹子 200503
冬薔薇の束ごと腕あづけけり 吉田明子 200503
冬薔薇窓に少女のシルエット 新井佐知子 遠嶺 200503
冬の薔薇の紅百本を誕生日 藤田千代江 200504
控へ目の才智きらりと冬薔薇 池田倶子 雨月 200504
待つ人の足音遅し冬薔薇 鈴木あき子 築港 200504
傷つかぬふりをしてをり冬薔薇 近藤紀子 200504
冬薔薇後姿にある意固地 木内美保子 六花 200504
冬薔薇渡す最後のメッセージ 瀬下るか 200504
今生の闇しんしんと冬薔薇 尾堂Y 河鹿 200504
冬薔薇の朝な朝なのいのちかな 田代ヨシ 河鹿 200504
交番に括られて咲く冬の薔薇 白神知恵子 春燈 200505
語られぬ記憶のありて冬薔薇 村田菊子 遠嶺 200505
世紀末ウィーンのかたち冬薔薇 石川英利 百鳥 200505
頑なに黄の冬薔薇を選びけり 泉田秋硯 黄色い風 200505
碑を詠みし声に振り向く冬薔薇 貝田遊山 200505
冬の薔薇ねじれし気持もて余す あさなが捷 200505
冬薔薇笛吹きケトル鳴ってをり 外山令子 200506
冬薔薇の表面張力という青空 森須蘭 200508
冬薔薇のための温度を保つ部屋 稲畑汀子 ホトトギス 200512
冬の薔薇あふれし部屋にある名残 稲畑汀子 ホトトギス 200601
噴水の高きをめぐり冬薔薇 水原春郎 馬醉木 200601
波郷忌や冬薔薇園のまん中に 神蔵器 風土 200601
失ひし乳房の忌なり冬薔薇 濱崎悪美子 河鹿 200602
有為の身は風にまかせむ冬薔薇 朝霧はるか 春潮 200602
有り丈の馳走ありたけの冬薔薇 吉田明子 200602
頬杖を突ける天使と冬の薔薇 宮津昭彦 200602
冬薔薇切るには惜しき気品あり 中里カヨ 酸漿 200602
冬薔薇の小さく咲きて空深し 長澤健子 酸漿 200602
売られゆく我が家の庭に冬の薔薇 津田霧笛 ぐろっけ 200602
くろがねの一花の高し冬薔薇 神蔵器 風土 200602
万感のバージンロード冬薔薇 佐久間はるみ 200603
わがために生くる残生冬薔薇 安田とし子 ぐろっけ 200603
唯一つ宝石色の冬薔薇 籾山和子 酸漿 200603
剥き出しの神経なぞる冬薔薇 直江裕子 京鹿子 200603
冬薔薇広間は誰もゐなくなり 大山里 200603
泣きごとを言はぬつもりの冬薔薇 遠山佳子 四葩 200603
モーツアルトの真白き一花冬薔薇 神蔵器 風土 200603
ちちとははの愛は労り冬薔薇 安永圭子 風土 200603
冬薔薇→ 3      

 

2021年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。