冬 菜 1    223句

しみじみと日のあたりをり冬菜畠    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山に雲かかりしままや冬菜畑
内藤八重
俳句通信
199904
こつこつと月光そぞく冬菜畑
加藤あけみ
円虹
200002
間引きしをすこし積みたる冬菜畠
唐木和世
200002
冬菜畑ごしに道問ふ奥嵯峨野
阿波谷和子
俳句通信
200002
丹精の見えて親しき冬菜畑
小田道知
円虹
200003
山鳩の声の近しや冬菜畑
渡部千代子
春耕
200003
冬菜畑農夫どの灯に戻るのか
細川知子
ぐろっけ
200003
干物に冬菜の風の至りけり
小山森生
200004
冬菜茹で胡麻をたつぷり和えにけり
金子八重子
酸漿
200004
日の満ちて冬菜の育つ峡の畑
川上美穂子
酸漿
200006
冬菜畑寸土より杉山となる
桑田青虎
ホトトギス
200007
倖せがありそうで冬菜掘ってみる
斎藤白砂
海程
200009
一握の冬菜一椀満たしけり
稲畑汀子
ホトトギス
200012
虫喰の冬菜茹でれば同じこと
稲畑汀子
ホトトギス
200012
磯山に笹山がくれ冬菜摘む
阿部ひろし
酸漿
200101
城跡に青々展け冬菜畑
浅野恵美子
酸漿
200101
山腹に貼り付く家と冬菜畑
杢子安子
200102
走書つけて置かるる冬菜かな
笠原フミ
酸漿
200102
富士半ば雲にかくるる冬菜畑
山本潤子
いろり
200102
黒土をかつぎ冬菜の芽生えけり
丸田安子
酸漿
200103
冬菜畑葉の広がりて日を追ひぬ
林田加杜子
いろり
200104
冬菜摘む耳元に来る虫のあり
伊藤公子
酸漿
200104
尼寺跡や冬菜畑もかくありしか
村松紅花
ホトトギス
200105
耕して六畳ほどの冬菜畑
代田青鳥
風土
200202
冬菜畑より妙案を持ち帰る
松本恭昂
火星
200202
冬菜畑象さんの唄遠ざかる
武井清子
銀化
200202
夫の背に付かず離れず冬菜摘む
松本きみ枝
遠嶺
200202
朝の日へ這ひつくばつて冬菜摘
小島みつ代
200202
それぞれの風のかたちの冬菜引く
城孝子
火星
200203
運ばるる肩の振分け冬菜籠
山本耀子
火星
200203
赤岳の遠くに晴れて冬菜畑
遠藤和彦
遠嶺
200203
日を溜めて山ふところや冬菜畑
伊藤セキ
酸漿
200203
ちちははの面影残る冬菜畑
宿山初枝
遠嶺
200204
冬菜洗ふ血色のよき爪をして
関章子
百鳥
200204
京も果て冬菜の畝の青々と
指尾直子
雨月
200205
裾野村雲低くして冬菜蒔く
桑原弘二
200212
冬菜蒔きをへれば厚き雲動く
桑原弘二
200212
随筆や冬菜を雲のやうに煮て
彌榮浩樹
銀化
200301
跼むことけふもしてをり冬菜畑
加古みちよ
冬菜畑
200301
冬菜など無人販売長屋門
左官治郎
200302
町中の贄一坪の冬菜畑
平野照子
築港
200302
そこだけが冬菜色濃き飛鳥径
森脇恵香
雲の峰
200302
風のぼるなぞへに御師の冬菜畑
永田二三子
酸漿
200302
叡山の裾わに見えて冬菜畑
小石秀子
酸漿
200302
日のさせる冬菜畑をまのあたり
東芳子
酸漿
200302
猪垣に守られてをり冬菜畑
青木政江
酸漿
200302
浅間山呆と日のある冬菜かな
岩上とし子
200303
跪きたきふるさとの冬菜畑
村越化石
200303
七人の遺産相続冬菜畑
江成幸子
帆船
200303
土曜日のまづは朝日の冬菜畑
高尾豊子
火星
200303
母なくて冬菜漬けこむ頃の風
加藤君子
火星
200303
垣根なく藁屋につづく冬菜畑
池円倶子
雨月
200304
冬菜畑電車のながく止まりをり
影山わこ
百鳥
200304
老残に似たり二月の冬菜畠
藤井昌治
200304
其中庵裏のひと畝冬菜青
仙石君子
雨月
200305
ピアノ弾き終へし指先冬菜洗ふ
浦川聡子
水の宅急便
200305
冬菜種分け合ふ路地の端なりし
高倉恵美子
200312
染野の野や刈田あやなす冬菜畑
大畠政子
雨月
200401
広沢の池にこぼれ日冬菜畑
北吉裕子
雲の峰
200401
箕に残る父祖の屋号や冬菜摘む
木浅川正
雲の峰
200401
雨の降りつづき冬菜の青き列
恒川絢子
対岸
200402
男体山の真下目にしむ冬菜畑
中島正夫
対岸
200402
冬菜採る根よりも重き土付けて
石平周蛙
対岸
200402
足跡の大きく深く冬菜蒔く
諸橋廣子
対岸
200402
紙干すとみどり濃くなる冬菜畑
岩木茂
風土
200402
人逝きて変らぬたつき冬菜畑
前迫寛子
河鹿
200403
冬菜干す暮し林の奥にあり
大串章
百鳥
200403
冬菜畑子鹿と見つめ合ひしかな
沖増修治
百鳥
200403
牛飼の庭つやつやと冬菜畑
及川茂登子
対岸
200403
日の統ぶる縦横の列冬菜畑
藤井圀彦
200404
つぎはぎの漁網の覆ふ冬菜畑
梅村よし子
200404
冬菜畑一畝は花咲いてをり
杉浦典子
火星
200404
猪垣をまはして青き冬菜かな
東芳子
酸漿
200404
冬菜畑参道に人溢れをり
中島瑞枝
百鳥
200404
丈低き冬菜囲ひて奥秩父
加瀬美代子
200404
やつちや場のちぎれ冬菜の掃かれをり
上田久美子
百鳥
200404
門に来しわが待ち人よ冬菜売り
二瓶洋子
六花
200405
虫喰ひの冬菜一畝母の畑
松尾芳子
万象
200502
紀の国の葉生えゆたかに冬菜畑
谷野由紀子
雲の峰
200502
冬菜畑褒めつつ二番札所寺
中川晴美
雲の峰
200502
とむらひの矢印をゆく冬菜畑
吉田島江
火星
200502
ガレージに冬菜並べて商へり
武田眞砂
百鳥
200502
冬菜籠通る奈良井の杉並木
辻恵美子
栴檀
200502
あをあをと門の内なる冬菜畑
佐々木よし子
200503
石仏の道に吊り売る冬菜かな
川野喜代子
雲の峰
200503
ひとりとて老とて主婦ぞ冬菜の値
岡本眸
200503
どの土も乾きて白き冬菜畠
藤井昌治
200503
冬菜採る農婦の姿絵画めく
早崎泰江
あを
200503
そこだけはいつも明るき冬菜畑
村田菊子
遠嶺
200503
釈然とせぬまま冬菜洗ひをり
村田菊子
遠嶺
200503
冬菜畑小枝括りて囲みをり
大山妙子
酸漿
200504
検問の影の届きし冬菜畑
小林成子
火星
200504
中ほどの膨らんでをり冬菜畑
吉田明子
200504
配達の荷台カタカタ冬菜畑
高尾豊子
火星
200505
やまみづの痕に冬菜を萌えしむる
瀧春一
菜園
200509
海鳴りの日向に冬菜育ちをり
瀬戸悠
風土
200511
冬菜畑あをあを心立て直す
藤井寿江子
馬醉木
200601
ことはりの手紙も添へて冬菜かな
松本蓉子
六花
200601
百六年生きたる伯母の冬菜畑
藤本鷹山
百鳥
200602
冬菜煮る朝と夜との狭間には
瀬下るか
200602
猪の糞あたらしき冬菜畑
赤松郁代
万象
200602
吾が畑の冬菜ほどよく育ちけり
村山春子
200602
遠山に夕日残れり冬菜畑
山村修
酸漿
200602
茹であげし冬菜日向の匂ひせり
新井佐知子
遠嶺
200503
冬菜売夕映すでに空にのみ
岡本眸
200503
マッサージ師冬菜畑を来しと言ふ
山尾玉藻
火星
200603
炒りたての胡麻の香りの冬菜なり
木野本加寿江
火星
200603
こんこんと水涌く村の冬菜畑
伊藤和枝
百鳥
200603
生き生きて冬菜の虫をつまみ上ぐ
中野京子
200603
冬菜漬指が知つてる塩加減
北川キヨ子
200604
予後の人冬菜の緑よろこべり
河野尚子
栴檀
200604
湖のほとりに育つ冬菜かな
井上幸子
酸漿
200701
冬菜煮て空気のやうに老夫婦
梅村すみを
200702
はんざきの水を流るる冬菜屑
浜口高子
火星
200702
冬菜畑つづきの湖にいでにけり
石脇みはる
200702
山積みの間尺に合はぬ冬菜の値
伊藤白潮
200703
皓々と壁なす富士や冬菜畑
手島靖一
馬醉木
200704
湧水に洗ふ冬菜の青さかな
石原光徳
酸漿
200704
老が声を上げて鳩追ふ冬菜畑
松元末則
酸漿
200704
猪穴を埋むに冬菜入れにけり
高倉恵美子
200704
日矢立ちてまた鮮らけき冬菜畑
山村修
酸漿
200705
北陸の車窓を満す冬菜畑
浅野恵美子
酸漿
200705
冬菜売る婆のほまちか紐財布
森一枝
八千草
200708
磯山の笹原がくれ冬菜摘む
阿部ひろし
二の杉
200710
そだちよき冬菜を庭に山家かな
松元末則
酸漿
200801
門川に冬菜を洗ふ老女かな
赤松丹山
雨月
200803
一畝の貸農園に冬菜引く
廣瀬義一
雨月
200803
かばかりの冬菜に日射かぎりなし
君島栄子
酸漿
200803
波除をとりでに過疎の冬菜畑
長沼三津夫
200803
おしやれより今は冬菜を育て棲む
嶋田摩耶子
ホトトギス
200804
甲斐空に雲一つなし冬菜畑
川島澄子
酸漿
200805
人寄れば膝組み直す冬菜売
永田二三子
酸漿
200806
冬菜畑足ふんばりし測量器
府川房江
母の空
200808
山の日を切に頒ちて冬菜畑
岡本眸
200812
湖と空ひといろに冬菜畑
浅田光代
風土
200902
冬菜畑あつけらかんとブルが消す
禰寝瓶史
京鹿子
200902
冬菜畑ぬけて一茶の墓参り
斉藤道正
遠嶺
200903
日だまりに自転車倒し冬菜畑
戸栗末廣
火星
200903
冬菜積み陵ふたつ通りけり
南恵子
万象
200903
無人機へ硬貨おとして冬菜買ふ
池部久子
酸漿
200903
端正に近江の蟹の冬菜畑
塩路隆子
200904
満月の光浴びたる冬菜かな
岡田弘子
遠嶺
200904
冬菜提げもんぺの女磴くだる
藤沢秀永
200904
地べたへ根打ちて冬菜の泥落とす
坂場章子
200904
里川を雲と流るる冬菜屑
木内美保子
六花
200904
きしきしと冬菜を洗ひ了りけり
柳生千枝子
火星
200904
今年まで今年までとて冬菜蒔く
高倉恵美子
200905
茫々と戻らぬ時間冬菜切る
長谷川智弥子
炎環
200906
船の波ひかり冬菜の玉締まる
五領田幸子
馬醉木
200912
昼の月賄ひ分の冬菜摘む
田中貞雄
ろんど
200912
冬菜畑弔辞の声のとほりけり
山尾玉藻
火星
200912
鳥影のつぶてのごとき冬菜畑
山尾玉藻
火星
200912
冬菜みな寡黙巻雲とどこほり
木船史舟
201001
冬菜畑曲がりの多き川沿ひに
吉沢陽子
201001
丘あれば古墳や冬菜畑をゆく
竹内喜代子
雨月
200804
杉山のてつぺんに日や冬菜畑
山本耀子
火星
201001
鎌倉の地産地消の冬菜買ふ
大西よしき
ろんど
201002
夜の雨の上がり静かな冬菜畑
穴澤光江
遠嶺
201002
ジャズの町ゆふべ冬菜の茄でかげん
松原仲子
201002
焼酎の甕を土留に冬菜畑
内海良太
万象
201002
愛しめばかくも応へて冬菜畑
川村欽子
雨月
201002
日ざし受け青さ極むる冬菜畑
水谷靖
雨月
201002
ふるさとや冬菜に塩をふる音も
柴田志津子
201002
冬菜畠手入れせし夜の指熱し
長芳子
201002
明日香路は日ざしやはらに冬菜畑
三嶋隆英
馬醉木
201003
野兎の糞をちこちに冬菜畑
谷村祐治
雨月
201003
染寺へ昔のままの冬菜道
磯野しをり
雨月
201003
渓流の音のはぐくむ冬菜畑
花島陽子
遠嶺
201003
きらきらと峡ぼこり降る冬菜畑
山尾玉藻
火星
201003
冬菜畑工夫こらせし鳥おどし
早崎泰江
あを
201003
嫂のひとり暮しの冬菜畑
荒木稔
ぐろっけ
201004
遮るものなき海風の冬菜畑
上田明子
雨月
201005
裾野より展け近江の冬菜畑
鈴木圭子
201005
久々に小綬鶏近し冬菜畑
阿部文子
酸奬
201012
金剛山のふもとに育つ冬菜畑
井口淳子
201102
一と塩が決める逸品冬菜漬
藤岡紫水
京鹿子
201102
尼寺や八瀬大原の冬菜畑
永田圭子
ろんど
201102
広畝に日のあふれゐる冬菜畑
水谷靖
雨月
201102
静けさに見下す峡の冬菜畑
井上幸子
酸漿
201102
計算の苦手な暮し冬菜煮る
長崎桂子
あを
201102
裏庭を冬菜畑に漁師町
根橋宏次
やぶれ傘
201102
畝ややにはみ出す冬菜畑かな
安斎久英
末黒野
201103
満月と夕日照り合ふ冬菜畑
山田春牛
万象
201103
冬菜干す湾へ空母の来たりけり
海老根武夫
201103
朝露の光を放つ冬菜畑
内田和子
酸漿
201103
無農薬の証しの穴や冬菜売
北尾章郎
201104
母卒寿庭の冬菜を間引きをり
森清堯
末黒野
201104
神主の住まひの庭の冬菜畑
國保八江
やぶれ傘
201106
さはさはと潮の差し来る冬菜畑
岩木茂
風土
201201
引売りの荷にあをあをと冬菜かな 佐津のぼる 六花 201201
冬菜畑趣向凝らせし鳥威 早崎泰江 あを 201201
湯の町の川で洗ひし冬菜かな 豊谷青峰 春燈 201202
冬菜畑山も民話もなき故郷 菅谷たけし 201203
冬菜採る手の固まつてきたりけり 高倉恵美子 201203
庫裡裏に箱庭ほどの冬菜畑 中島霞 ぐろっけ 201203
日溜りの冬菜畑守り御廟守り 山田佳乃 ホトトギス 201204
日のぱつとさして朝の冬菜畑 谷村幸子 201204
忘我とは日のありあまる冬菜畑 熊川暁子 201204
浦町の路地また路地の冬菜畑 安武晨子 201204
山寺の庭の向うの冬菜畑 國保八江 やぶれ傘 201204
匂ひ立つ土の香りの冬菜掘る 金子つとむ 万華鏡 201206
紙漉の一戸一戸に冬菜畑 大西八洲雄 万象 201301
青々と旨さ増し来る冬菜かな 鈴木セツ 201301
放たれて冬菜の立てり桶の水 堀田順子 馬醉木 201302
畦に沿ひ急ぐ近道冬菜畑 藤岡紫水 京鹿子 201302
文法を妻に問はるる冬菜畑 生田作 風土 201303
落日の照らすかぎりの冬菜畑 宇都宮敦子 201303
訪ひて冬菜ゆたけき昼餉賜ぶ 溝内健乃 雨月 201303
茹であげし冬菜の緑夕餉とす 足利ロ子 ぐろっけ 201303
一時間一本一輌冬菜畑 森理和 あを 201303
雑兵のごとく冬菜のさんざめく 水野嘉子 201304
測量の靴踏み入るや冬菜畑 鈴木庸子 風土 201304
疾走の鼬隠れし冬菜畑 藤生不二男 六花 201304
すぐに日の翳る畑や冬菜屑 久世孝雄 やぶれ傘 201304
医科大学ふちどる冬菜畑かな 上山永晃 鶴翼 201305
釣宿のひそと冬菜を萌えしむる 瀧春一 花石榴 201312
冬菜畑夜来て遊ぶ鳥けもの 宮井知英 201402
まだ土の匂ふ冬菜をもらひけり 松田泰子 末黒野 201403
山雲の流れてゆきし冬菜畑 福本郁子 火星 201403
気がかりは冬菜の畝の曲りぐせ 片山煕子 京鹿子 201403
山里や日の柔らかき冬菜畑 鍋島武彦 末黒野 201403
そばにゐる人を大事に冬菜畑 有松洋子 緑光 201411
車座の芯煮立てをり冬菜鍋 藤岡紫水 京鹿子 201502
冬菜畑舟屋母屋が風除けに 岩木茂 風土 201502
自転車をしばらく寝かせ冬菜畑 戸栗末廣 201503
冬菜洗ふタタタタタタの三連符 庄司久美子 201503
あをあをと土黒々と冬菜畑 雨村敏子 201503
白き蝶二つしきりに冬菜畑 上原重一 201601
乳酸醗酵冬菜の浄土かな 柳川晋 201603
冬菜畑みづみづしさを失はず 田中春江 末黒野 201603
冬菜干す軒下へ日の射しこんで 野口朝世 やぶれ傘 201604
社家町の小路静もり冬菜畑 水田壽子 雨月 201604
雲割れてぱつと明るき冬菜畑 大川暉美 末黒野 201605
冬菜 →2      

 

2021年1月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。