冬めく 2     86句

口に袖あてゝゆく人冬めける    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬めきて山河へ緋いろ探しゆく 鈴鹿仁 京鹿子 201512
冬めきて猫の利き手はしのび足 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
昃れば草吹く風も冬めける 藤岡紫水 京鹿子 201601
冬めくや予防注射の針光る 生方義紹 春燈 201602
冬めきて稜線青く重ね合ひ 北川孝子 京鹿子 201602
冬めくや露はに在しぬ野の仏 滝澤圭子 雨月 201602
飾り窓に雪舞ふ街の冬めけり 滝澤圭子 雨月 201602
冬めくや古きコートは友のごと 水谷直子 京鹿子 201603
滞在の長し冬めく朝となる 稲畑汀子 ホトトギス 201611
冬めくも小町ばなしに華が咲き 鈴鹿仁 京鹿子 201701
船軋しむ音ひとつづつ冬めける 奥田茶々 風土 201702
別れゆく一人一人の冬めきて 今橋眞理子 ホトトギス 201704
冬めくや街の灯りの濃くなりて 今橋眞理子 ホトトギス 201704
冬めきし証夜空の美しく 山田閏子 ホトトギス 201704
億却になることばかり冬めきて 山田閏子 ホトトギス 201704
冬めけることにも老の覚束な 木村享史 ホトトギス 201705
冬めくや浪花の街の人混に 稲畑汀子 ホトトギス 201711
雨も又冬めく一日いざなへる 稲畑汀子 ホトトギス 201711
吹き荒るることも冬めく夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201711
晴れてゆく早さ冬めく早さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201711
冬めくといふこと忘れゆく家居 稲畑汀子 ホトトギス 201711
冬めくや遊び心のなしとせず 稲畑汀子 ホトトギス 201711
甘く見てならぬ冬めく日なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201711
皆集ふ冬めく一と日いとはずに 稲畑汀子 ホトトギス 201711
東京の長き渋滞冬めく日 稲畑汀子 ホトトギス 201711
冬めく日一寸先は闇といふ 稲畑汀子 ホトトギス 201711
冬めくや鞄の中でパン曲がる 小山陽子 やぶれ傘 201711
冬めくや庭師のもつこ新しく 黒澤次郎 やぶれ傘 201712
冬めくや曇りガラスとなる車窓 辻由紀 雨月 201802
馬場大門欅並木や冬めけり 門伝史会 風土 201802
登校子呼気見せ合ふも冬めける 下田奉枝 雨月 201803
又明日は日帰りの旅冬めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201811
みそなはせ給へ仲間の冬めく訃 稲畑汀子 ホトトギス 201811
冬めくと思ひたるより旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 201811
これよりの冬めく旅を心して 稲畑汀子 ホトトギス 201811
これよりは冬めく雨と心して 稲畑汀子 ホトトギス 201811
冬めくも元素記号は消え残る 赤石忍 船団 201812
街路樹の枝払はれて冬めける 加藤北天 雨月 201901
冬めきて漢方薬店妖しめり 谷口一献 六花 201902
日は雲にすなはち埠頭冬めける 浅井青二 雨月 201902
鋭き鎌ヶ岳を空に冬めく伊勢路かな 浅井青二 雨月 201902
岡崎の冬めく庭に象の声 荻布貢 201902
対岸の十字架光り冬めける 大橋晄 雨月 201903
冬めくや八軒家浜船着き場 大橋晄 雨月 201903
冬めいて庭の果実は鳥のもの 山田佳乃 ホトトギス 201904
冬めいて何もしないをする日なり 釆野久美子 201904
切れかけの蛍光灯や冬めきぬ 仲里奈央 201905
母さんの声の冬めく筑前煮 火箱ひろ 船団 201906
消息を聞きて冬めく心かな 稲畑汀子 ホトトギス 201911
入院と聞きぬ冬めく消息も 稲畑汀子 ホトトギス 201911
旅多きことに冬めく思ひあり 稲畑汀子 ホトトギス 201911
冬めくと気づきし朝の内のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201911
冬めきて天気これより下り坂 稲畑汀子 ホトトギス 201911
冬めきて告げる大事のありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
冬めきて思はぬ大事ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
冬めくや時の流れといふ不思議 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
冬めくや嘘を言はねばならぬ時 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
日光の勢ひもなく冬めける 大橋晄 雨月 202001
春夏秋冬早々と冬めける 大橋晄 雨月 202001
廃校のグラウンド茫々冬めける 溝内健乃 雨月 202002
杖引きて屈むわが影冬めける 片山喜久子 雨月 202002
冬めくと日毎に深む信貴山の翳 密門令子 雨月 202002
ふところの冬めく兆し流離なる 安田優歌 京鹿子 202002
冬めくや反り橋池に影正し 岡野里子 末黒野 202003
旅の荷の重し冬めく日となりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202011
東京の雨の滞在冬めける 稲畑汀子 ホトトギス 202011
雨降れば雨に処す旅冬めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202011
はやばやと冬めく旅の装ひに 稲畑汀子 ホトトギス 202011
冬めく日微かな不安映画観る 須賀敏子 あを 202101
川をゆく細き流れの冬めきて 石原健二 やぶれ傘 202101
冬めくや少し痩せたる妻の肩 浜崎素粒子 ホトトギス 202104
冬めくと大事なきかと娘のメール 木村享史 ホトトギス 202106
冬めくと思ひしことも忘れゐし 稲畑汀子 ホトトギス 202111
心して冬めく外出なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202111
世の中に従ふ外出冬めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202111
世の中の気になることも冬めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202111
松の幹冬めく角度ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
雑踏の息とあしおと冬めけり 篠田大佳 あを 202201
冬めける犬は日向の匂ひして 秋山信行 やぶれ傘 202201
峰寺やはやも冬めく風の音 安原葉 ホトトギス 202202
冬めいて電光見紛う街模様 吉宇田麻衣 202202
冬めいて母の眠りは浅くなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
冬めいて街騒の透き通りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
冬めきて半音上る鳥語かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
名園の松の走り根冬めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
一つ松冬めく高さありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
冬めく→1

 

2023年11月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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