冬木立 3         100句

組かけし塔むつかしや冬木立    白雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
幼な子のやうに迷子や冬木立 上原重一 201201
ひたぶるに襷つなぐや冬木立 コ田千鶴子 馬醉木 201202
段々と孤高むき出す冬木立 黒澤登美枝 201202
降る星を散りばめてをり冬木立 瀬戸峰子 春燈 201202
冬木立縫ひゆく二列の園児かな 小島昭夫 春燈 201202
脱ぎ捨てて一切放下の冬木立 池内結 ろんど 201202
鳴く鳥のゐてはなやげる冬木立 佐津のぼる 六花 201202
飛行船通り過ぎるよ冬木立 相良牧人 201203
冬木立人あかあかと帰りけり 川崎かずえ ろんど 201203
子供等の画く地上絵冬木立 井口ふみ緒 風土 201203
冬木立凛と木霊の住むところ 熊切修 末黒野 201203
冬木立白くつきりとカフェテラス 三輪慶子 ぐろっけ 201203
ブレーキの音こだまして冬木立 蟻蜂 六花 201204
冬木立追いかけるもの見失う 桑名さつき ろんど 201205
ぐーに勝つぱーの勢ひ冬木立 町山公孝 201205
冬木立夕日に影を正しゐる 秋山信行 やぶれ傘 201206
黯々と星無き夜の冬木立 宮田香 故郷 201207
冬木立使ひ切つたるLED 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
冬木立未だ色付いてゐる天与 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
冬木立明るき光まとひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201212
晩年の日ざし満ちたる冬木立 竹貫示虹 京鹿子 201212
山城の物見の跡や冬木立 細野恵久 ぐろっけ 201301
犬も猫も人ものびのび冬木立 赤座典子 あを 201301
大学へ道真つすぐや冬木立 根岸善行 風土 201302
ふくよかな石仏囲む冬木立 松木情川 ぐろっけ 201302
蒼空を区々にくぎりて冬木立 丸山酔宵子 かさね 201302
冬木立白き遠嶺幽かなり 長島清山 かさね 201302
原書読む居間の窓より冬木立 長島清山 かさね 201302
生命のスタッカートや冬木立 常田創 201303
須磨寺や修羅のこゑ聞く冬木立 山本麓潮 万象 201303
冬木立小鳥集ひて憩ふかな 吉田博行 かさね 201303
冬木立梢それぞれに星を吊り 藤岡紫水 京鹿子 201303
曇犬の幹更に濃し冬木立 安田一郎 京鹿子 201303
冬木立わが学舎の赤い屋根 安田一郎 京鹿子 201303
枝先に気息のこもり冬木立 岩上行雄 末黒野 201303
真つ直ぐな道まつ直ぐに冬木立 高橋将夫 201303
冬木立おさなご歩む影長し 谷村幸子 201303
冬木立筧の音の芯太し 古井公代 ぐろっけ 201303
国境に地雷の眠る冬木立 陽山道子 おーい雲 201304
冬木立モスクの青きドームかな 森田節子 風土 201304
うたかたの吾れを見下す冬木立 松本恒子 ぐろっけ 201304
冬木立余白に消ゆる靴の音 片山煕子 京鹿子 201304
哀しみのからりと暮るる冬木立 高野春子 京鹿子 201304
密やかに英気養ふ冬木立 平井紀夫 201305
冬木立鞄に深く電話鳴り 生田恵美子 風土 201401
夏の物整理終らず冬木立 早崎泰江 あを 201401
冬木立なべて斜光の京の街 桐島加代子 ろんど 201402
冬木立日差し寄り添ふやうに来る 辻美奈子 201402
指笛のひとひびきあり冬木立 前田忍 火星 201402
明るさに散るものもなき冬木立 碇天牛 雨月 201402
朝もやを脱ぎて境の冬木立 豊田都峰 京鹿子 201402
半身に月はりつけて冬木立 豊田都峰 京鹿子 201402
冬木立月の丘へとかげきざむ 豊田都峰 京鹿子 201402
ひそかなる言問ひ胸に冬木立 北川孝子 京鹿子 201403
一片の樹皮持ち歩く冬木立 元橋孝之 京鹿子 201403
冬木立影も四角に横綱碑 柴田久子 風土 201403
冬木立二本は父のむかしより 井上信子 201403
冬木立明るくなりし母の部屋 渡辺若菜 春燈 201403
覆へるものすべてを晒し冬木立 佐藤喜仙 かさね 201403
羊らのをぢさん声よ冬木立 おーたえつこ 201403
葉を落とし仁王立ちせる冬木立 桂敦子 201403
鴉来て影絵のやうな冬木立 和田郁子 201403
飾り気の一点もなし冬木立 松崎雨休 風土 201403
こまごまとさ枝の線画冬木立 秋友昌子 雨月 201403
冬木立歩きて次の冬木立 松田泰子 末黒野 201403
縦列の僧過り行く冬木立 藤沢秀永 201404
かにかくに被爆の園の冬木立 水田壽子 雨月 201404
潔さ勝るものなし冬木立 大橋晄 雨月 201404
天空に骨身をさらす冬木立 田中淺子 201404
黒々とけらの穴ある冬木立 金田けいし ろんど 201406
一本の古木要に冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
み吉野の桜眠るや冬木立 山口キミコ 201502
戻るには遠き道のり冬木立 太田佳代子 春燈 201502
帰途の坂夕日まばゆき冬木立 坂本依誌子 春燈 201502
さへづりの記憶を枝々に冬木立 千田敬 201502
横穴古墳大き口開け冬木立 石垣幸子 雨月 201502
冬木立軽くなりたる余生かな 笹村政子 六花 201503
風の出て囁くごとし冬木立 武生喜玖乃 雨月 201503
色褪せて寂寞となる冬木立 武生喜玖乃 雨月 201503
青空とただただ樺の冬木立 神田美千留 京鹿子 201503
天涯に星の私語あり冬木立 久保東海司 201503
冬木立マシュマロくらいの嘘ひとつ 田邉好美 201503
ペダル踏む青空広く冬木立 高井れい子 京鹿子 201503
雲水の声明ひぴき冬木立 森一枝 末黒野 201503
とどまれば吾も一木冬木立 阪上多恵子 雨月 201503
冬木立また来年に賭けるかな 唐澤春城 ホトトギス 201504
冬木立地球のでこぼこぼこ歩く 陽山道子 船団 201505
青空に心吸はるる冬木立 河野美奇 ホトトギス 201505
オリオンの離れ初めたり冬木立 河野美奇 ホトトギス 201505
鵲の巣を見つけたり冬木立 福島せいぎ 万象 201505
冬木立縫つて少年かけ降りぬ 田伏博子 ろんど 201505
ひそやかにはぐくむものあり冬木立 中西明子 京鹿子 201505
冬木立ち向うに二階家が並び 大崎紀夫 虻の昼 201510
天涯に星の私語あり冬木立 久保東海司 風鈴 201512
見透せることなつかしき冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201512
わが影の消えて生れて冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201512
静かなる手話の賑はひ冬木立 川崎真樹子 春燈 201602
冬木立鳥の声のみとび交ひて 加藤季代 万象 201602
冬木立ビニール傘の雨の音 青谷小枝 やぶれ傘 201602
山からの風が来て哭く冬木立 藤岡紫水 京鹿子 201603
鵯の絶叫にあふ冬木立 箕輪カオル 201603
冬木立群青色に囲まるる 辻響子 201603
冬木立抜けて左岸の弁財天 萩原渓人 やぶれ傘 201604
冬木立見事片付け仕舞ひけり 藤波松山 京鹿子 201604
モスクワの灯り近づく冬木立 田中佐知子 風土 201604
夕星をあげ依代の冬木立 亀井福恵 京鹿子 201605
冬木立園の五色の遊具透く 森清堯 末黒野 201605
冬木立ここに模型屋あつた筈 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
冬木立雨の予報に従へり 稲畑汀子 ホトトギス 201612
杖持ちて巡る庭あり冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201612
園といふ全体を見て冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201612
紀尾井坂に残る藩の名冬木立 大島寛治 雨月 201702
ふるさとは城より明けて冬木立 山本喜朗 雨月 201702
晩鐘の余韻嫋々冬木立 石塚勝典 雨月 201703
夕富士を隠し切れざる冬木立 占部美弥子 末黒野 201703
冬木立駅からどつと人の波 久貝芳次 末黒野 201703
何もかもさらしてしまひ冬木立 黒滝志麻子 末黒野 201703
風のほか誰にも逢はず冬木立 熊岡俊子 雨月 201704
何本も手を持つ仏冬木立 七種年男 201704
大本山影も正しき冬木立 松本三千夫 末黒野 201704
冬木立振れて大空遠ざかる 藤田美耶子 201704
冬木立飛び交ふ鳥のけたたまし 五十嵐富士子 末黒野 201704
言ひたげな目の別れゆく冬木立 金子正道 京鹿子 201704
冬木立つところ日差を受くところ 和田華凛 ホトトギス 201704
雪国の菩薩となりぬ冬木立 平野多聞 201705
遅れずにバス来てとまる冬木立 根橋宏次 やぶれ傘 201711
冬木立より又一人又一人 稲畑汀子 ホトトギス 201712
快晴の届かぬ辺り冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201712
冬木立ひそめし音に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201712
残月の余光ほのかに冬木立 白井友梨 馬醉木 201802
神山の幣さらさらと冬木立つ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201802
冬木立抜け豁然と紺の海 佐久間由子 201802
冬木立見上げて急ぐ出動日 山浦紀子 春燈 201803
冬木立見上げて急ぐ出勤日 山浦紀子 春燈 201803
竹ばうき置きある社務所冬木立 仲山秋岳 万象 201803
冬木立掃きたる空の青さかな 笹村政子 六花 201803
昃ればもとの暗さに冬木立 藤岡紫水 京鹿子 201803
寝坊助の商都大阪冬木立 たかはしすなお 201803
ホテルオークラ待ち合わすだけ冬木立 笹村恵美子 201803
冬木立→4

 

2021年1月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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