冬木立 2         139句

かささぎの巣は晴れがまし冬木立  麦林

作品
作者
掲載誌
掲載年月
泣くものに鳥や赤子や冬木立 冨田正吉 200403
サーカスのロバつながれて冬木立 ホボーム希子 200404
走り根の城壁掴む冬木立 山元海郎 河鹿 200404
波音の連れ立ちてくる冬木立 蓮尾あきら 風土 200404
冬木立すでに暮れゐし五ヶ所富士 小山香月 酸漿 200404
送らるる子のふり向かず冬木立 藤井智恵子 百鳥 200404
冬木立白雲とらへ浮かびをり 大森玲子 築港 200404
冬木立ささやき声す無言館 福田かよ子 ぐろっけ 200404
一瞬の貨車繋ぐ音冬木立 大上武 百鳥 200404
冬木立あはひに碧き迎賓館 稲谷妙子 遠嶺 200405
僧院を包みこみたる冬木立 辻兎夢 200407
昼は昼夜は夜の影冬木立 内藤ゑつ ゑつ 200411
消息を伝へ来し風冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 200412
小岩井の乾坤寂と冬木立 水原春郎 馬醉木 200501
冬木立遅るるもまた孤りなる 豊田都峰 京鹿子 200501
父らしくなるための日日冬木立 沼田巴字 京鹿子 200501
佇めばわれも一樹よ冬木立 佐野芳子 築港 200502
折込みの日々厚くなり冬木立 土肥屯蕪里 雲の峰 200502
冬木立犬の足音尖りくる 藤井智恵子 百鳥 200502
たよられて蔓絡ませり冬木立 橋本之宏 風土 200502
冬木立垂直に櫂干されける 矢崎昌 200502
冬木立モデルチェンジの乳母車 吉田明子 200502
金星の最大離角冬木立 鈴木勢津子 200503
そこへゆく道のありけり冬木立 木下野生 200503
源流に岩ごつごつと冬木立 小野寺靖 百鳥 200503
冬木立山家育ちの子等素直 山本かずみ 百鳥 200503
後から口笛聞こゆ冬木立 中條睦子 栴檀 200503
みな鳥になりたき日和冬木立 小澤克己 遠嶺 200503
放課後のフルート響く冬木立 いしだゆか 遠嶺 200503
宿り木に緑を任せ冬木立 有島扇水 河鹿 200503
山鳩の声ぼうぼうと冬木立 中元英雄 河鹿 200503
音のない工業団地冬木立 瀬下るか 200503
冬木立空は橋迄透けてをり 小國佐世子 遠嶺 200503
奥宮の神燈洩るる冬木立 加藤和子 六花 200504
父のごと声かけてくる冬木立 神蔵器 風土 200504
点点と星を灯せる冬木立 宮崎正 ホトトギス 200504
なほ奥に聖泉のある冬木立 荒井千佐代 200504
熊野路や湯けむりごしの冬木立 根本随縁 200504
冬木立誰かが死後の噂する 長田等 200505
悟りたるゆとりにも似て冬木立 片山茂子 遠嶺 200506
ひと抱えほどの落日冬木立 堀川喜代子 200506
三階の窓額縁に冬木立つ 伊藤浩子 200507
己が影小さくなりし冬木立 数藤弥太郎 200507
岳麓の富士を隠さぬ冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 200512
公園の馬車軽やかに冬木立 佐久間はるみ 200602
冬木立祈りの姿なりしかな 高橋将夫 200602
獣らの飛ぶごと過ぎし冬木立 柴田佐知子 200602
冬木立入日とことん影伸ばす 東亜未 あを 200602
凛とせり北アルプスや冬木立 伊藤稔代 200603
冬木立きりきりと空ひきしまり 新井泰子 馬醉木 200603
ポケットに残る半券冬木立 篠藤千佳子 200603
飢ゑて鳴く鳥もあるべし冬木立 太田土男 百鳥 200603
酒蔵はサロンとなりて冬木立 斉藤阿津子 百鳥 200603
こがひなこととなりまして冬木立つ 中島陽華 200603
閉園にこぼるる灯あり冬木立 肥沼初江 四葩 200603
学校は坂のてつぺん冬木立 松谷知子 対岸 200603
冬木立しじま深めし明烏 宮崎正 ホトトギス 200604
かたくなな影となりたる冬木立 岡部名保子 馬醉木 200604
浮島の入口なりし冬木立 安岡房子 200604
冬木立夜空は雲を置きにけり 服部早苗 200605
冬木立火星を載せてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200612
電飾にがんじがらめの冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 200612
冬木立森は力を抜いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200612
冬木立つ吾水の性透きゆくと 伊丹さち子 馬醉木 200702
胸に水何故に溜るか冬木立 澤田緑生 馬醉木 200702
倚りかかりたきときもあり冬木立 小林奈穂 200703
残照をふふみてをりし冬木立 高田令子 200703
冬木立梢を揺らし鳥翔てり 齋部千里 ぐろっけ 200703
冬木立静かにありし五輪塔 渡辺暁 酸漿 200703
また空を眺めてをりぬ冬木立 早崎泰江 あを 200703
鳥声のダムに影する冬木立 廣畑忠明 火星 200704
冬木立最終列車の灯が走る 大泉美千代 雨月 200705
人もまた無口がよけれ冬木立 岩岡中正 ホトトギス 200706
野づかさのあらはになりぬ冬木立 瀧春一 200706
日おもての素顔親しき冬木立 渡邊千枝子 馬醉木 200802
冬木立抜けて遅れを取り戻す 高橋将夫 200802
問禅のかまへは雨後の冬木立 豊田都峰 京鹿子 200802
冬木立祈祷太鼓の良く響く 谷合青洋 酸漿 200802
冬木立残る葉一つ風にゆれ 渡辺暁 酸漿 200802
枝先を空に刺したる冬木立 渡辺暁 酸漿 200802
鴉にも夫婦あるらし冬木立 藤井彰二 馬醉木 200803
ぎしぎしと胎内の鳴る冬木立 中村洋子 風土 200803
精霊の確かに宿る冬木立 津田礼乃 遠嶺 200803
かむさびし鹿島の宮の冬木立 大西裕 酸漿 200803
馬の目の聖者に似たる冬木立 櫨木優子 200804
冬木立石塀まろき人造り 杉本薬王子 風土 200804
父の忌をうかと過ごせり冬木立 勝見玲子 200804
蛇の目との距離ちぢまらず冬木立 梶浦玲良子 六花 200804
?が?を呼ぶ冬木立 坪内稔典 稔典句集 200804
冬木立馬車ゆつくりとゆつくりと 津田礼乃 遠嶺 200806
隣国や地雷の眠る冬木立 陽山道子 船団 200806
城址来て吾も一本の冬木立 邑橋節夫 菊揃へ 200806
六甲の端山昏めて冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
人間の浅知恵纏ひ冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
冬木立全てを見せて揺ぎなし 小林朱夏 200901
冬木立茜に染まる富士のあり 加藤すま子 酸漿 200901
声出せば星が応ふる冬木立 大西洵子 遠嶺 200902
ゴシックの一塔として冬木立つ 内藤静 風土 200902
迫真の説法像や冬木立 岩井泉樹 春燈 200902
冬木立こころ寂しうなりにけり 河村紀美子 春燈 200902
その中に黄蘖一本冬木立 金田美恵子 ぐろっけ 200902
冬木立空の青さを突き通す 疋田雪子 炎環 200903

慶感義塾発祥の地

家塾より見据ゑし未来冬木立

神山志堂 春燈 200903
冬木立石垣高き女帝陵 河崎國代 春燈 200903
きらきらと鳥の声過ぐ冬木立 浜口高子 火星 200903
削げるもの削ぎ落す粋冬木立 柿本麗子 200903
冬木立大きな空となりにけり 嶋田一歩 ホトトギス 200904
東京と武蔵の境冬木立つ 谷村鯛夢 炎環 200904
冬木立湖が見え来て枯木立 嶋田一歩 ホトトギス 200905
病室が今の住所よ冬木立 嶋田一歩 ホトトギス 200905
冬木立ぼつりぼつりと人通る 嶋田一歩 ホトトギス 200905
冬木立休め気を付けはい解散 火箱游歩 船団 200906
根元まで日のさしわたる冬木立 田中喜久子 酸漿 200906
かしわ手のよく徹りけり冬木立 橋本順子 201002
シューベル卜の曲の流るる冬木立 川原典子 酸奬 201002
冬木立菊坂コロッケ昔の味 田中藤穂 あを 201002
相合はぬ日は黙しをり冬木立 伊東和子 201003
冬木立眼乾いてゐたりけり 水野あき子 遠嶺 201003
凛と張る空一枚や冬木立 林いづみ 風土 201003
冬木立われも背筋を正しけり 村田さだ子 酸漿 201003
大風にただ吹かれをり冬木立 高田令子 201004
バーコードの長き影踏み冬木立 豊谷青峰 春燈 201004
世の中へ目を剥く仁王冬木立 斉藤雅子 末黒野 201004
冬木立ふきわかれゆく風の音 菊谷潔 六花 201004
カリヨンの響きかろやか冬木立 吉野さと 酸漿 201004
八分の六ほどの幸冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
ユトリロの歩み来し道冬木立 岩月優美子 201102
電飾に個性奪はる冬木立 田所節子 201102
日没や何処へも行けぬ冬木立 丸井巴水 京鹿子 201102
吹く風に音のきはまる冬木立 菊谷潔 六花 201102
冬木立天を支へて揺るぎなし 倉内和子 末黒野 201103
冬木立幼子歩む影長し 谷村幸子 201103
来し方や捨てるものなき冬木立 小島芦男 ろんど 201103
宿木が存在示す冬木立 難波篤直 201104
参道を飾る欅の冬木立 橋本之宏 風土 201104
武蔵野の空の揺れをり冬木立 河野美奇 ホトトギス 201105
黙りの耳目の聡し冬木立 田中貞雄 ろんど 201105
古札焼く煙からまる冬木立 橋本美代 やぶれ傘 201105
己が色すでにふふみて冬木立 矢野百合子 201106
彩りを地に移したる冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201112
彩りを大地に移し冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201112
庭といふ居間のつづきの冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201112
冬木立→ 3      

 

2021年11月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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