冬 木 5      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
絵地図には載らぬ川辺の冬木の芽 風間史子 201607
冬木の芽生存率てふ数字ふと 栗原公子 銀の笛 201612
冬木立ここに模型屋あつた筈 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
冬木立雨の予報に従へり 稲畑汀子 ホトトギス 201612
杖持ちて巡る庭あり冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201612
園といふ全体を見て冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201612
これよりをしかと踏み出す冬木の芽 コ田千鶴子 馬醉木 201701
紀尾井坂に残る藩の名冬木立 大島寛治 雨月 201702
ことごとく天を向きをり冬木の芽 亀卦川菊枝 末黒野 201702
一本の何処まで続く冬木道 犬塚李里子 201702
こぼれては戻る冬木の雀かな 高橋あさの 201702
欅大冬木となりて天地占む 手島伸子 雨月 201702
ふるさとは城より明けて冬木立 山本喜朗 雨月 201702
魁となる適塾や冬木の芽 前田美恵子 201703
飾るもの無きすがしさの冬木の枝 岩井京子 201703
一本の冬木を父と思ひけり 広渡敬雄 201703
多摩川の流れゆるやか冬木の芽 山本久枝 やぶれ傘 201703
日曜の日暮れの街の冬木道 渡邊孝彦 やぶれ傘 201703
晩鐘の余韻嫋々冬木立 石塚勝典 雨月 201703
夕富士を隠し切れざる冬木立 占部美弥子 末黒野 201703
冬木立駅からどつと人の波 久貝芳次 末黒野 201703
何もかもさらしてしまひ冬木立 黒滝志麻子 末黒野 201703
冬木越し沼一枚の蒼さかな 成田美代 201703
道問うて道づれとなる冬木の芽 平野みち代 201703
光年を星は眠らず冬木の芽 矢崎すみ子 201703
ゆりの木の何か失ひ冬木となる 服部早苗 201703
繪の中を出てゆく道に冬木影 佐藤喜孝 あを 201703
風のほか誰にも逢はず冬木立 熊岡俊子 雨月 201704
冬木の芽静かな闘志もらひうく 松本胡桃 風土 201704
天つ日に秘むる力や冬木の芽 大川暉美 末黒野 201704
日溜りの橋のたもとや冬木の芽 加藤静江 末黒野 201704
冬木の芽こぞりて隠岐の空の下 森清堯 末黒野 201704
冬木の桜通奏低音よく響き 溝呂木信子 201704
天辺を鳥にわたしてゐる冬木 金山雅江 春燈 201704
鐘楼のまはりに挙り冬木の芽 黒滝志麻子 末黒野 201704
何本も手を持つ仏冬木立 七種年男 201704
大本山影も正しき冬木立 松本三千夫 末黒野 201704
冬木立振れて大空遠ざかる 藤田美耶子 201704
冬木立飛び交ふ鳥のけたたまし 五十嵐富士子 末黒野 201704
死に神の近寄れぬなり冬木の芽 近藤喜子 201704
言ひたげな目の別れゆく冬木立 金子正道 京鹿子 201704
爪先のやうに天指す冬木の芽 石田きよし 201704
冬木の芽ささやき交すかに光る 下田村園子 201704
冬木立つところ日差を受くところ 和田華凛 ホトトギス 201704
朝日さすや涵養林の冬木の芽 岡田史女 末黒野 201705
一瞥に大きく朴の冬木の芽 足立典子 雨月 201705
身に添はぬ世辞とも赤き冬木の芽 中川句寿夫 ここのもん 201705
袈裟斬りに比良の風来る冬木の芽 山口順子 馬醉木 201705
掌の中に声の出さうな冬木の芽 高山誓英 万象 201705
大冬木風の遊び場なくなりし 水田むつみ ホトトギス 201705
一木の冬木に向かひ祈りける 橋本順子 201705
雪国の菩薩となりぬ冬木立 平野多聞 201705
冬木の芽ペン胼胝といふ力瘤 田岡千章 201706
遅れずにバス来てとまる冬木立 根橋宏次 やぶれ傘 201711
命秘め冬木は風を奏でをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
冬木見る昨日誕生日の君よ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
梢の先空に戻して冬木かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
冬木立より又一人又一人 稲畑汀子 ホトトギス 201712
快晴の届かぬ辺り冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201712
冬木立ひそめし音に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201712
待つといふ悦びもあり冬木の芽 栗原公子 201801
混沌の現世にひよいと冬木の芽 吉田順子 201802
残月の余光ほのかに冬木立 白井友梨 馬醉木 201802
雲多き櫻桃子忌や冬木の芽 石橋邦子 春燈 201802
神山の幣さらさらと冬木立つ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201802
冬木の芽特別史跡黙解かむ 清水佑実子 201802
冬木立抜け豁然と紺の海 佐久間由子 201802
あつさりと逝かれて吹かる大冬木 柴崎英子 201802
くれなゐは明日を期す色冬木の芽 林昭太郎 201802
体育はいつも見学冬木の芽 有松洋子 201802
冬木の芽われに成すことまだ多く 大畑善昭 201802
雲切れて一話完結冬木の芽 鈴木みのり 201803
冬木立見上げて急ぐ出動日 山浦紀子 春燈 201803
冬木立見上げて急ぐ出勤日 山浦紀子 春燈 201803
冬木道どちらともなく手をつなぐ 稗田寿明 201803
命あまさず生きよと波郷冬木佇つ 栗坪和子 201803
竹ばうき置きある社務所冬木立 仲山秋岳 万象 201803
冬木立掃きたる空の青さかな 笹村政子 六花 201803
昃ればもとの暗さに冬木立 藤岡紫水 京鹿子 201803
存分に影を広げて大冬木 岡田正義 雨月 201803
産声は男の子と思ひ冬木に日 大畑善昭 201803
時計台見ゆる学舎の冬木道 多方清子 雨月 201803
まさをなる空に冬木の深呼吸 大内マキ子 万象 201803
図書館の窓嵌め殺し冬木の芽 小林のり人 春燈 201803
寝坊助の商都大阪冬木立 たかはしすなお 201803
つなぎくる小さき手ふくふく冬木の芽 山田くみこ 201803
ホテルオークラ待ち合わすだけ冬木立 笹村恵美子 201803
冬木立見上げる空に雲の無く 岡田香緒里 やぶれ傘 201804
冬木の芽ゆるやかに時充電す 卜部黎子 春燈 201804
ぬげるもの脱ぎし身軽さ冬木の芽 望月晴美 201804
冬木の影にわが影重ね孤独なる 松本三千夫 末黒野 201804
たしかなる信や夕日の冬木の芽 小野恵美子 馬醉木 201804
約束のさくらさくらへ冬木の芽 井上菜摘子 京鹿子 201804
醸すとは紅うつすらと冬木の芽 広渡敬雄 201804
冬木の芽まだまだ君は伸び盛り 藤井啓子 ホトトギス 201804
立ち位置は自づから成る冬木立 久保夢女 201804
磨り減りし船頭の座や冬木の芽 河原敬子 201804
冬木の芽次つぎ挑む登り棒 森なほ子 あを 201804
風の香に支度出来たと冬木の芽 杉原ツタ子 201805
ひと日毎いのち犇めく冬木の芽 寺田すず江 201805
冬木→6

 

2020年12月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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