冬 木 4      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
真昼間の冬木電飾つけられて 岡本敬子 万象 201403
飾り気の一点もなし冬木立 松崎雨休 風土 201403
鴉来て影絵のやうな冬木立 和田郁子 201403
学童や秀をくれなゐに大冬木 甲州千草 201403
葉を落とし仁王立ちせる冬木立 桂敦子 201403
羊らのをぢさん声よ冬木立 おーたえつこ 201403
覆へるものすべてを晒し冬木立 佐藤喜仙 かさね 201403
冬木立明るくなりし母の部屋 渡辺若菜 春燈 201403
冬木立二本は父のむかしより 井上信子 201403
冬木立影も四角に横綱碑 柴田久子 風土 201403
冬木道水かげろふの流れかな 北川孝子 京鹿子 201403
冬木影象の背中に濃くありぬ 佐藤喜孝 あを 201403
はらからのごと枝差し交はす冬木かな 植村一雄 201403
一木の冬木が好きでそこに立つ 浜崎素粒子 ホトトギス 201403
一片の樹皮持ち歩く冬木立 元橋孝之 京鹿子 201403
わが夜汽車一再ならず冬木過ぐ 定梶じょう あを 201403
バスが人捨てて行きたり冬木道 甕秀麿 201403
潔さ勝るものなし冬木立 大橋晄 雨月 201404
かにかくに被爆の園の冬木立 水田壽子 雨月 201404
縦列の僧過り行く冬木立 藤沢秀永 201404
天空に骨身をさらす冬木立 田中浅子 201404
ちび猫の降りて来られぬ冬木か 河野美奇 ホトトギス 201405
解体の邸冬木の残されし 河野美奇 ホトトギス 201405
高嶺颪透ける冬木のバーコード 伊藤紀子 ろんど 201405
青空も夜空も流れ行く冬木 湖東紀子 ホトトギス 201405
黒々とけらの穴ある冬木立 金田けいし ろんど 201406
潔さ勝るものなし冬木立 大橋晄 ホトトギス 201407
着飾れる為に冬木となりゆける 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
一本の古木要に冬木立 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
葉を脱ぎてすつくと冬木なりしかと 稲畑汀子 ホトトギス 201412
縁側に冬木の影の伸び来る 廣瀬雅男 やぶれ傘 201501
み吉野の桜眠るや冬木立 山口キミコ 201502
戻るには遠き道のり冬木立 太田佳代子 春燈 201502
帰途の坂夕日まばゆき冬木立 坂本依誌子 春燈 201502
ひと夜さに冬木となりぬ憂国忌 能勢俊子 馬醉木 201502
さへづりの記憶を枝々に冬木立 千田敬 201502
棒立ちにして不敵なる冬木かな 望月晴美 201502
出不精や冬木に小鳥の乱舞せり 和田政子 201502
男ぶりよかり冬木の大銀杏 上辻蒼人 風土 201502
いたはりや冬木に日射しやはらかく 有松洋子 201502
横穴古墳大き口開け冬木立 石垣幸子 雨月 201502
煌々と冬木の間の男子寮 竹内弘子 あを 201502
冬木立軽くなりたる余生かな 笹村政子 六花 201503
風の出て囁くごとし冬木立 武生喜玖乃 雨月 201503
色褪せて寂寞となる冬木立 武生喜玖乃 雨月 201503
電飾を纏ひて惑ふ冬木かな 矢野百合子 201503
青空とただただ樺の冬木立 神田美千留 京鹿子 201503
商ひの日々重ね来し冬木道 萩庭一幹 馬醉木 201503
天涯に星の私語あり冬木立 久保東海司 201503
とつとつと冬木の槙の語りをり 本多俊子 201503
冬木立マシュマロくらいの嘘ひとつ 田邉好美 201503
貝塚を守る冬木の真紅の実 大坪景章 万象 201503
ペダル踏む青空広く冬木立 高井れい子 京鹿子 201503
雲水の声明ひぴき冬木立 森一枝 末黒野 201503
とどまれば吾も一木冬木立 阪上多恵子 雨月 201503
久女忌の何も言はざる一冬木 千田百里 201504
冬木立また来年に賭けるかな 唐澤春城 ホトトギス 201504
崖線(はけ)あれば水湧きいづる冬木道 内藤静 風土 201504
根を深く張りし冬木の肌の艶 高橋将夫 201504
冬木立地球のでこぼこぼこ歩く 陽山道子 船団 201505
青空に心吸はるる冬木立 河野美奇 ホトトギス 201505
オリオンの離れ初めたり冬木立 河野美奇 ホトトギス 201505
冬木の傷撫でて己れを律しけり 樋口英子 201505
鵲の巣を見つけたり冬木立 福島せいぎ 万象 201505
冬木立縫つて少年かけ降りぬ 田伏博子 ろんど 201505
蒼穹や冬木を包む白生成り 吉田克美 ろんど 201505
ひそやかにはぐくむものあり冬木立 中西明子 京鹿子 201505
冬木立ち向うに二階家が並び 大崎紀夫 虻の昼 201510
天涯に星の私語あり冬木立 久保東海司 風鈴 201512
見透せることなつかしき冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201512
快晴を冬木が語りをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201512
わが影の消えて生れて冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201512
人賞めて償とする冬木山 鈴鹿仁 京鹿子 201512
静かなる手話の賑はひ冬木立 川崎真樹子 春燈 201602
ゆふそらに冬木の鳴咽ありにけり ほんだゆき 馬醉木 201602
石仏を冬木に凭せありにけり 中根美保 風土 201602
大冬木端くれの身に己が影 鈴鹿呂仁 京鹿子 201602
人にありて冬木には無き殺気かな 高橋将夫 201602
冬木立鳥の声のみとび交ひて 加藤季代 万象 201602
冬木立ビニール傘の雨の音 青谷小枝 やぶれ傘 201602
姿良き冬木や前向きに生きむ 齋藤厚子 201602
然々の樹齢を伝ふ大冬木 佐藤淑子 雨月 201602
大冬木触るれば命ひびきけり 清水節子 馬醉木 201603
離れても寄りても孤高冬木かな 島田尚子 馬醉木 201603
風音の風の重さの大冬木 岡淑子 雨月 201603
山からの風が来て哭く冬木立 藤岡紫水 京鹿子 201603
鵯の絶叫にあふ冬木立 箕輪カオル 201603
省略か凝縮か野の一冬木 土井三乙 風土 201603
遠く冬木電話の声に覚えあり 土井三乙 風土 201603
冬木立群青色に囲まるる 辻響子 201603
一本の冬木あの日のように抱く 武智由紀子 201603
もう未来しかなきものが冬木なる 後藤立夫 ホトトギス 201604
冬木立抜けて左岸の弁財天 萩原渓人 やぶれ傘 201604
ふくふくと冬木の奥に佛の眼 菊池和子 京鹿子 201604
冬木立見事片付け仕舞ひけり 藤波松山 京鹿子 201604
モスクワの灯り近づく冬木立 田中佐知子 風土 201604
夢殿や冬木の桜立ちしまま 雨宮桂子 風土 201604
格式を尊ぶ宮の大冬木 西村しげ子 雨月 201604
空は朱に冬木の影を曝しだし 原田達夫 201604
夕星をあげ依代の冬木立 亀井福恵 京鹿子 201605
冬木→ 5      

 

2020年12月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。