冬 木 3      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
六甲の端山昏めて冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
これ以上風の彫れざる冬木かな 塙告冬 ホトトギス 200812
冬木立全てを見せて揺ぎなし 小林朱夏 200901
生り年にあらで早くも冬木の柿 瀧春一 深林 200901
植木職人冬木ぴしぴし剪りとばす 瀧春一 深林 200901
瘤に葉をおきて冬木となりにけり 大坪景章 万象 200901
明日より冬木とならむ翌檜 小林輝子 風土 200901
冬木立茜に染まる富士のあり 加藤すま子 酸漿 200901
冬木まで冬木の影を踏みゆけり 丹羽啓子 馬醉木 200901
映像のFINの字幕冬木道 吉川隆 春燈 200902
声出せば星が応ふる冬木立 大西洵子 遠嶺 200902
その中に黄蘖一本冬木立 金田美恵子 ぐろっけ 200902
落暉追ふ冬木の影の足速し 永峰久比古 馬醉木 200902
捨つるもの捨てて無口の冬木かな 西本輝子 雨月 200902
迫真の説法像や冬木立 岩井泉樹 春燈 200902
冬木立全てを見せて揺ぎなし 小林朱夏 200902
冬木立こころ寂しうなりにけり 河村紀美子 春燈 200902
ゴシックの一塔として冬木立つ 内藤静 風土 200902
この里の歴史問はばや大冬木 森脇貞子 雨月 200903
土器はみな無銘冬木に雨の降る 田中藤穂 あを 200903
曲物のごとき光沢もて冬木かな 竹内弘子 あを 200903
きらきらと鳥の声過ぐ冬木立 浜口高子 火星 200903
隆々の瘤をもり上げ冬木かな 塩路五郎 200903
家塾より見据ゑし未来冬木立 神山志堂 春燈 200903
師情とは父情に等し大冬木 井原美鳥 200903
武蔵野の冬木父性の匂ひあり 辻美奈子 200903
削げるもの削ぎ落す粋冬木立 柿本麗子 200903
冬木立石垣高き女帝陵 河崎國代 春燈 200903
冬木立空の青さを突き通す 疋田雪子 炎環 200903
銃眼に冬木の影の動きけり 豊谷青峰 春燈 200903
肩書きをはづし冬木の中通り 谷村鯛夢 炎環 200904
冬木道仔犬尿をためらはず 谷村鯛夢 炎環 200904
晴天やプールに映る冬木の枝 大坪景章 火星 200904
風の漕ぐ葉音の乾き冬木道 西村摩耶子 京鹿子 200904
さしかはす枝こまごまと冬木かな 東芳子 酸漿 200904
東京と武蔵の境冬木立つ 谷村鯛夢 炎環 200904
冬木立大きな空となりにけり 嶋田一歩 ホトトギス 200904
一冬木より配線を回収す 服部早苗 200904
春日部のプラットホームその冬木 イザベル真央 炎環 200905
病室が今の住所よ冬木立 嶋田一歩 ホトトギス 200905
冬木立湖が見え来て枯木立 嶋田一歩 ホトトギス 200905
冬木立ぼつりぼつりと人通る 嶋田一歩 ホトトギス 200905
一本の黙然と立つ大冬木 萩原すみ 春燈 200905
抱かるる思ひに抱く大冬木 平居澪子 六花 200905
根元まで日のさしわたる冬木立 田中喜久子 酸漿 200906
冬木立休め気を付けはい解散 火箱游歩 船団 200906
心にも筋目の欲しき冬木立 木村公子 花貝母 200911
打てば響く蛇笏は冬木のやうな人 小俣剛哉 雨月 201001
街角のうしろで消える遠冬木 吉岡知香 京鹿子 201001
雨風に虐げられて大冬木 大橋敦子 雨月 201001
この冬木幾年見ゆる余生かな 四條進 201002
求め来し思ひはならず冬木山 四條進 201002
かしわ手のよく徹りけり冬木立 橋本順子 201002
冬木立菊坂コロッケ昔の味 田中藤穂 あを柳 201002
みすずかる信濃の句碑や冬木影 八木実 201002
シューベル卜の曲の流るる冬木立 川原典子 酸漿 201002
わが凭れる一冬木より野の展け 松本三千夫 末黒野 201002
相合はぬ日は黙しをり冬木立 伊東和子 201003
修道士冬木のごとく世を隔つ 水野恒彦 201003
凛と張る空一枚や冬木立 林いづみ 風土 201003
冬木立眼乾いてゐたりけり 水野あき子 遠嶺 201003
冬木立われも背筋を正しけり 村田さだ子 酸漿 201003
冬木影沓脱ぎ石の上にかな 藤井美晴 やぶれ傘 201003
一切の蟠りなき冬木かな 冨松寛子 201003
大風にただ吹かれをり冬木立 高田令子 201004
世の中へ目を剥く仁王冬木立 斉藤雅子 末黒野 201004
秒読みの冬木の灯入れ市長待つ 鈴木浩子 ぐろっけ 201004
冬木立ふきわかれゆく風の音 菊谷潔 六花 201004
冬木の根ジュラ紀の層に届くらむ 櫨木優子 201004
バーコードの長き影踏み冬木立 豊谷青峰 春燈 201004
カリヨンの響きかろやか冬木立 吉野さと 酸漿 201004
八分の六ほどの幸冬木立 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
冬木より冬木へ移る日向かな 稲畑汀子 ホトトギス 201012
大銀杏あらはに生きる冬木の根 米山喜久子 201101
天を突く冬木の列の湖畔かな 米山喜久子 201101
彼の冬木世紀末には方舟か 荒井千佐代 201101
電飾に個性奪はる冬木立 田所節子 201102
吹く風に音のきはまる冬木立 菊谷潔 六花 201102
神の庭冬木となりて大銀杏 米山喜久子 201102
凛として表参道冬木かな 米山喜久子 201102
日没や何処へも行けぬ冬木立 丸井巴水 京鹿子 201102
ユトリロの歩み来し道冬木立 岩月優美子 201102
さるをがせ冬木の橅の枝つなぐ 大坪景章 万象 201103
盆栽の冬木の見する風雅かな 西村しげ子 雨月 201103
来し方や捨てるものなき冬木立 小島芦男 ろんど 201103
余生てふあそびのありて冬木の実 平子公一 馬醉木 201103
思ひ出を散らしつくせり夜の冬木 丸井巴水 京鹿子 201103
冬木立幼子歩む影長し 谷村幸子 201103
冬木立天を支へて揺るぎなし 倉内和子 末黒野 201103
電飾の冬木に掛けて落し物 園多佳女 雨月 201103
一つ葉も無くて冬木の仁王立ち 江澤弘子 201103
一と葉をも留めぬ冬木潔し 堀田こう 雨月 201103
一本の冬木の音を聞きにゆく 本多俊子 201103
宿木が存在示す冬木立 難波篤直 201104
落暉背に千手観音めく冬木 松岡和子 201104
参道を飾る欅の冬木立 橋本之宏 風土 201104
影絵めく冬木の上に鎌の月 三川美代子 201104
古札焼く煙からまる冬木立 橋本美代 やぶれ傘 201105
ビユッフエの絵さながら冬木道をゆく 平居澪子 六花 201105
黙りの耳目の聡し冬木立 田中貞雄 ろんど 201105
武蔵野の空の揺れをり冬木立 河野美奇 ホトトギス 201105
さびしさが無口となる日々冬木影 服部郁史 京鹿子 201105
己が色すでにふふみて冬木立 矢野百合子 201106
えんぶりや銀杏神樹のまだ冬木 野沢しの武 風土 201108
かの冬木世紀末には方舟か 荒井千佐代 祝婚歌 201110
太陽を大地に招く冬木かな 稲畑汀子 ホトトギス 201112
彩りを地に移したる冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201112
散るものを散らし孤高となる冬木 稲畑汀子 ホトトギス 201112
彩りを大地に移し冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201112
庭といふ居間のつづきの冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201112
森を拓きし冬木だになき開拓地 池田光子 201201
幼な子のやうに迷子や冬木立 上原重一 201201
冬木道こころ晴れ晴れとほりけり 沼田桂子 春燈 201201
ひたぶるに襷つなぐや冬木立 コ田千鶴子 馬醉木 201202
脱ぎ捨てて一切放下の冬木立 池内結 ろんど 201202
鳴く鳥のゐてはなやげる冬木立 佐津のぼる 六花 201202
副作用も快癒への道冬木萌ゆ 田所節子 201202
冬木中我も考へる人たらむ 木村風師 馬醉木 201202
冬木立縫ひゆく二列の園児かな 小島昭夫 春燈 201202
冬木道果てて峙つ工学部 能村研三 201202
降る星を散りばめてをり冬木立 瀬戸峰子 春燈 201202
段々と孤高むき出す冬木立 黒澤登美枝 201202
御仏の肌は冬木のさるすべり 高橋将夫 201203
路地地蔵守りて冬木の大公孫樹 大西八洲雄 万象 201203
かち烏鳴いて冬木の御成道 柴田志津子 201203
落日に冬木くろぐろ威を見たり 藤井久仁子 ぐろっけ 201203
来し方や冬木に倚りて風を聴く 塩田博久 風土 201203
子供等の画く地上絵冬木立 井口ふみ緒 風土 201203
飛行船通り過ぎるよ冬木立 相良牧人 201203
冬木立凛と木霊の住むところ 熊切修 末黒野 201203
冬木立白くつきりとカフェテラス 三輪慶子 ぐろっけ 201203
冬木立人あかあかと帰りけり 川崎かずえ ろんど 201203
叩きみてこの木は舟となる冬木 大畑善昭 201204
白壁に冬木の影の薄きかな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201204
天に枝自在に伸ばす大冬木 宮原悦子 雨月 201204
ブレーキの音こだまして冬木立 蟻蜂 六花 201204
ぐーに勝つぱーの勢ひ冬木立 町山公孝 201205
銀杏冬木箒持ちたる巫女の立つ 土井三乙 風土 201205
冬木立追いかけるもの見失う 桑名さつき ろんど 201205
冬木立夕日に影を正しゐる 秋山信行 やぶれ傘 201206
電飾を纏ひ眠れぬ大冬木 涌羅由美 ホトトギス 201206
大冬木御苑の静寂深めたる 宮崎正 ホトトギス 201207
喧騒の都会に残る冬木立 田島昭久 かさね 201207
黯々と星無き夜の冬木立 宮田香 故郷 201207
冬木立使ひ切つたるLED 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
晩年の日ざし満ちたる冬木立 竹貫示虹 京鹿子 201212
冬木立明るき光まとひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201212
冬木立未だ色付いてゐる天与 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
犬も猫も人ものびのび冬木立 赤座典子 あを 201301
山城の物見の跡や冬木立 細野恵久 ぐろっけ 201301
原書読む居間の窓より冬木立 長島清山 かさね 201302
大学へ道真つすぐや冬木立 根岸善行 風土 201302
冬木立白き遠嶺幽かなり 長島清山 かさね 201302
蒼空を区々にくぎりて冬木立 丸山酔宵子 かさね 201302
ふくよかな石仏囲む冬木立 松木情川 ぐろっけ 201302
わが町の芯に寺苑の大冬木 柴田志津子 201302
生命のスタッカートや冬木立 常田創 201303
須磨寺や修羅のこゑ聞く冬木立 山本麓潮 万象 201303
その欅こそ父なるぞ冬木なり 酒本八重 201303
枝先に気息のこもり冬木立 岩上行雄 末黒野 201303
真つ直ぐな道まつ直ぐに冬木立 高橋将夫 201303
曇犬の幹更に濃し冬木立 安田一郎 京鹿子 201303
さくさくと冬木の根元の霜柱 森岡陽子 かさね 201303
冬木立筧の音の芯太し 古井公代 ぐろっけ 201303
冬木立梢それぞれに星を吊り 藤岡紫水 京鹿子 201303
冬木立小鳥集ひて憩ふかな 吉田博行 かさね 201303
冬木立わが学舎の赤い屋根 安田一郎 京鹿子 201303
冬木立おさなご歩む影長し 谷村幸子 201303
もろもろを捨てて冬木の喉仏 岩下芳子 201303
元禄の世を知る庵の大冬木 尾崎みつ子 雨月 201304
待つといふ忍の一念冬木の牙 河口仁志 201304
うたかたの吾れを見下す冬木立 松本恒子 ぐろっけ 201304
哀しみのからりと暮るる冬木立 高野春子 京鹿子 201304
磴ゆくや冬木をうつる栗鼠のかげ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201304
国境に地雷の眠る冬木立 陽山道子 おーい雲 201304
冬木立余白に消ゆる靴の音 片山煕子 京鹿子 201304
冬木立モスクの青きドームかな 森田節子 風土 201304
冬木瓜の蕾ほぐれぬ二三輪 前川美智子 末黒野 201304
密やかに英気養ふ冬木立 平井紀夫 201305
燕来るここは深川冬木町 木村ふく 馬醉木 201307
飾りなき言葉のやうに一冬木 布川直幸 201311
案外に冬木となりし明るさよ 稲畑汀子 ホトトギス 201312
夏の物整理終らず冬木立 早崎泰江 あを 201401
冬木立鞄に深く電話鳴り 生田恵美子 風土 201401
朝もやを脱ぎて境の冬木立 豊田都峰 京鹿子 201402
大冬木人ごゑ幹に沁み入りて 水野恒彦 201402
蒼天に冬木の桜静かなり 水原春郎 馬醉木 201402
冬木立なべて斜光の京の街 桐島加代子 ろんど 201402
夕もやを脱ぎそむ冬木奥ともし 豊田都峰 京鹿子 201402
明るさに散るものもなき冬木立 碇天牛 雨月 201402
指笛のひとひびきあり冬木立 前田忍 火星 201402
残り時間少なしと知る冬木道 塙誠一郎 201402
半身に月はりつけて冬木立 豊田都峰 京鹿子 201402
日の影の多角形なる冬木の枝 鈴木良戈 201402
冬木立日差し寄り添ふやうに来る 辻美奈子 201402
冬木立月の丘へとかげきざむ 豊田都峰 京鹿子 201402
こまごまとさ枝の線画冬木立 秋友昌子 雨月 201403
男の影冬木の影と重なりぬ はしもと風里 201403
ひそかなる言問ひ胸に冬木立 北川孝子 京鹿子 201403
冬木立歩きて次の冬木立 松田泰子 末黒野 201403
冬木→4    

 

2021年12月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。